魔法世界の混沌   作:逸環

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課題に追われて、書く時間がなかなか取れない…。


命の紙片。

「まさか、この短時間でここまで来るとは…」

 

 

イマが驚いたように言うが、全力疾走すれば造作もないことだった。

 

 

「それじゃあ、いきます!」

 

 

できるだけ可愛く、外見に合わせた喋り方を心がける。

そうしないと、今後の営業にも関わってくるし。

 

 

「フンッ!!」

 

 

ボゴッ、と地面に足跡が強く残るほどの力で踏み込み、一気に駆ける。

それを見たイマは、

 

 

「『重力魔法』」

 

 

慌てる素振りすら見せず、冷静に俺の行く手を阻むために、複数の重力球で壁を作る。

だがその程度、

 

 

「無意味ですよ!『貼山靠』!」

 

 

移動速度そのままに肩から体当たりをし、重力球を無理やりぶち破ってイマの眼前に出る。

距離をゼロまでに詰め、掌をその腹に当てる。

 

 

「…?なんですか?それは。『発勁』にしても、おかしいですし」

 

 

ただ、腹に手を当てているだけ。

これだけでは何のダメージも与えられない。

ただ腹が温まるだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう。

ただ、それだけならば。

 

 

「阿呆め」

 

 

爪先、足首、膝、股関節、腰部、脊柱、肩、肘、手首。

その全てを完全駆動させ、ただ触れていただけの手に力を通す。

 

 

「『発勁』!!」

 

「ッ?!」

 

 

本来ならば、拳に体重を乗せるための動作。

それが今この時は掌という結合部を通ることで、人体の内部に直接力を届けることとなった。

 

 

パンッ!

 

 

という、何かが破裂したような音。

そしてこの手から伝わる感触が、胃を割ったことを伝えてきた。

 

 

「カハッ!」

 

 

ロリになったことで背の低くなった俺の頭上から、口から吐いた血を降らせるイマ。

その血を気にすることなく、腹に添えていた左手をはずして構える。

 

 

「『六大k「『重力魔法』!」ガァッ?!」

 

 

肘打ちをしにいこうと体重が移動しつつあるところに高重力を叩きつけられ、地面に突っ伏してしまう。

その隙に距離をとったイマが、一枚のカードを取り出す。

 

 

「マズッ!?」

 

「『来たれ』」

 

 

イマの口から紡がれた言葉に呼応し、カードが発光する。

そして現れた宙に浮く無数の本の群れ。

 

 

「…『イノチノシヘン(ハイ・ビュブロイ・ハイ・ビオグラフィカイ)』。それがこのアーティファクトの名前です」

 

 

知っている。

そして、これはマズイ。

なぜならこれは、

 

 

「その能力は、一冊ごとの『イノチノシヘン』に詩篇形式で記された人物の身体能力および、外見的特徴の再生。まあ、自分より優れた人の再生は、数分間しかできませんけども」

 

 

その能力上、俺を殺しきることも可能だ。

まあ、武道会でそれはないだろうが、負ける可能性は潰しておきたい。

 

ならばどうするか。

 

 

「栞を本に挟ませなければいいだけのこと!」

 

 

あれの効果発動には、本に栞を挟み、それを抜き取るという工程を経なくてはいけない。

だったら単純に、それをさせなければいいだけ。

 

ポケットに手を入れ、

 

 

「『抜拳術』!」

 

 

拳圧だけの遠当てを、奴の周囲の本に連続で叩き込む。

 

居合い拳と何が違うって?

腰を切って拳を加速させるか否か。

 

 

「クッ、このままでは不利ですね…」

 

「このまま倒されてもらえると、嬉しいです!」

 

「可愛い顔で言ってくれますね」

 

 

外面と腹ん中が大違い。

それが俺。

 

 

「しかし、実際こうして本が手に取れないとなると、恐ろしく不利ですね」

 

「だとしたら、頑張っているかいがあります」

 

 

まあ、俺も俺で慣れない抜拳術なんかしているせいで、ここを一歩も動けないわけだが。

 

 

「おっと、そういえば懐に一冊あったんでした」

 

「ちょっと待てやコラ」

 

 

そういって、(おもむろ)に懐から本を取り出すイマ。

しかも既に栞がはさんである。

いったい、何時の間にそんなところに隠していたんだ。

あれか。

召喚したときに、そこ()に出したということか。

 

そして、イマの手が栞を引き抜くと、その姿が浅黒い肌の、大柄な男のものになる。

俺の目の前に立つ、その男は、

 

 

「ああ?アルの野郎、こんな嬢ちゃんに苦戦してんのか?」

 

 

大戦の英雄、『ジャック・ラカン』。

 

 

 

 

 

 




~NGシーン~


俺の目の前に立つ、その男は、


「探したぜ…。吸血鬼…」


科学の域を超えた存在、『ジャック・ハンマー』。


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