ここまで長文見てくださりありがとうございました。では本編どうぞ
〜とある海域〜
「今日もボーキサイトが大量ね♪」
「当然じゃない!こんな事も出来ないようじゃ一人前のレディになんかなれないんだから」
「ハラショー…」
「なのです!」
今日も第六駆逐艦隊は遠征に出かけている。
「提督にここら辺は渦潮が多いから気をつけろって言われたけど大したことなかったわね」
「そうだね、運が良かっただけかもしれないけど大きな渦潮は全然見なかった」
「雷の日頃の行いがいいせいよ♪」
「あ、暁だって立派なレディになるために日頃の行いはいいんだから!」
「私の方がいいに決まってるわ♪ね?電!……電?」
雷は後ろを振り返った。が、そこに電の姿は無かった。
ピピピピピピーーーーー
「あーうるせぇ…」
男はだるそうな手つきで目覚ましを止めた。そして、薄暗い部屋を見渡し頭を抑えた。
部屋には筋トレグッズが雑に配置され、格闘技のトロフィーが棚に飾ってある。机には家族写真が目立つ位置に置かれている。
「くっそ、頭いてぇ…、飲みすぎたわ…」
どうやら昨日の夜に大学の友人と酒を飲んでいたようだ。
「学校だりぃな…」
と言いつつ男は薄暗いまま部屋を出て歯磨きを済まし、部屋の電気を付けた。
その瞬間男の酔いは一気にさめた。理由は目の前に見知らぬ女の子がいたからだった。
「⁇……え?誰?」
男は夢かと思い頬をつねったがやっぱり夢ではない。
流石に困惑の色を隠せないでいた。
「お、落ち着け、状況をまず整理だ…、俺は昨日居酒屋で飲んで……(記憶が…ない…)、嘘だろ〜〜どうしてこうなった?酔いすぎて見知らぬうちに見知らぬ女の子をお持ち帰りしちゃった?だとしたら相当ヤバイやつじゃないですかー!」
などと独りで苦しみ悩んでいる。
「とにかく!様子を見よう」
男は女の子の顔を覗き込んだ。
(ヤバイ…可愛い…どうしよう…)
「て…い…と…く…」
(提督?夢かな?)
女の子の目がかすかに開いた。
「お!気がついt」
「⁉︎提督さん‼︎」
ゴツン!!!!
女の子は勢いよく起き上がり男と思いっきり頭と頭でぶつかった。
「ぐっ…ぃってぇ…」
「はうううう……」
両者共に涙目になりながら頭を抑えた。
しばらくして痛みが引いてきたので男が話しかけた。
「すまん!痛かっただろう、大丈夫か?」
「あ、はい、大丈夫なのです。」
「それは良かった。ところで…昨日はどうもすみませんでした!」
突然の土下座。男としては昨日知らない間にお持ち帰りをしたと思っているので当然の行動である。男は10秒くらいその姿勢を保った。しかし、女の子は思ってた反応と違う反応を示した。
「え?え?昨日なのですか?…あなたとは今日が初対面のはずなの…あ、あなたは誰なのです〜⁇」
女の子は急に思い出したかのように言い出した。
(誰ってそれはこっちのセリフなんですけどー‼︎)
男はそんな事を思った。いや、顔にはそんな感じが出てた。
「君は何者だい?」
一応聞いてみる。
「電なのですか?電は暁型四番艦 電なのです!…ってこっちの質問にも答えるのです〜」
「電って名前なのか、奇遇だな、俺も稲妻って名前だよ。」
「そうなのですか?」
「ああ、稲妻 光輝っていうんだ。よろしくな。」
「よっ、よろしくなのです!」
「ところで…」
ここで光輝が話を転換してきた。
「電は家はどこ?」
光輝からしてみれば電は見知らぬ女の子、速く家に送り届けて面倒事は終わらしたい、いや終わらさなければ捕まる可能性があると思ってるくらいだ。面倒事は嫌いである。
(幸いむこうも昨日の事は覚えてないらしいからな、適当に理由付けて返してあげないと)
「電なのですか?家というより住んでるところは鎮守府なので…ここはどこなのです⁉︎」
また思い出したように焦る電。
「どこって、俺の部屋だけど、東京の新宿だよ。」
「東京?新宿?えええ〜〜〜‼︎」
光輝にとっては予想外の反応であった。
(なんで焦ってるの…?)
「ち、鎮守府ってどこら辺にあるのかな?」
光輝はスマホで東京23区の地図を見せた。
「指差してくれないかな?」
「……」
「どうしたの?」
「な、なんなのですか?こ、この機械は?」
(嘘だろー‼︎いまどきの子がスマホを知らないだと?そんなことがあるのか⁉︎)
「これはスマホっていって、携帯の一種かな?」
「携帯?」
「そ、携帯電話」
「あ、電話なのですか!電が知ってるやつより随分小さいのです。」
「で、どこに住んでるんだい?」
光輝はスマホを手渡した。
「うーーーん……ここには無いのです…。」
「え?」
一瞬光輝は戸惑った。
(23区出身じゃない?)
「じゃあどこなのかな?」
電は少し辺りを見回し、日本地図を見つけたのでそこに駆け寄った。
「ここなのです!」
電が指差したところを見て光輝は驚愕した。
「長崎…県?」
「そうなのです!ここが電の住んでる場所なのです!」
電は得意げに言うが光輝にはにわかに信じ難い話だった。
「電ちゃんさぁ、生まれじゃなくて今住んでる場所だよ?」
「だからここなのです!電は佐世保鎮守府に住んでるのです。」
(もうわけがわからん…)
光輝はそう思ったが一応鎮守府というのを調べて見た。
「(ホントに長崎にあったよ…けど、)もう廃止になってるね。」
光輝はそう告げた。
「ええ⁇それはどういう意味なのですか⁇」
もちろん電は困惑する。
「どういう意味っていうかそのままの意味だよ、鎮守府っていうのは旧名で今はもうなくなってるらしいよ。まあ、戦争はこの時代もう無いから、当然かな」
「そ…そんなぁ……あ、暁ちゃん達はどうなったのです?」
「暁?電の友達かい?」
「電の仲間なのです!大切な仲間なのです!」
電は今までに無いくらい声を張り上げて言った。目が潤っていた。その様子に光輝はさすがにただ事ではないと感じた。しかし、どうすればいいか全くわからない。ここは東京、長崎まではかなりの距離がある。さらにはもう存在がなくなったところに行こうとしているのだ。ただの大学生の自分に何ができると考え込んでいた。
「暁ちゃん達を探さなきゃ…。」
電は涙を拭いて立ち上がった。
「電…」
「えっと、少しの間ありがとうなのです。電は暁ちゃん達を探してくるのです。」
「行き方は分かるのか?」
「大丈夫なのです、なんとかするのです!」
そういうと電は玄関から出て行った。
光輝は妙な罪悪感に襲われていた。時刻は8:00。あと30分で駅にあるバスに乗り込まなければ学校に遅刻である。
「めんどくさい事は嫌いだからな、これで良かったんだ。」
自分にそう言い聞かす。
それから家を出て、急いでバス停に向かった。向かうはずだった。
「はあ、なんで俺はこんなにお人好しなのか…」
光輝は駅を中心に電を探した。平日なのに人がたくさんいる。光輝はこの時初めて人混みを邪魔だと思った。
「くそっどこ行きやがった、まだ時間は経ってないからそう遠くへはいけないはずだがな…」
その時
「や、やめてくださいなのです!」
聞き覚えのある声が聞こえてきた。
(そこにいたか…)
光輝は電を見つけて安堵した。しかしその安堵はつかの間だった。電は不良に絡まれていたのだった。
「こんなところで一人で何してるのかな?」
「別にあなた達には関係ないのです!」
「まあ、そう言うなって、どうせ家出でもしたんだろ?だったら俺たちと遊ぼうぜ?」
「い、嫌なのです!電は急いでいるのです!」
「はいはい、じゃあ速く遊びましょーねー」
不良はそう言いながら嫌がる電に近づく。
(ったく…どんだけトラブルメーカーなんだよ…)
「おい、嫌がってんだろ、やめてやれよ。」
光輝は不良達に声をかける。
「ああ?誰だ?てめぇ!」
「い、稲妻さん!」
光輝は電に向かってこっちに来いよと言うように、首をクイッと振った。それを見た電は光輝のもとにダッシュした。
「何やってんだよ、長崎行きたいなら駅に向かえよ。」
「電は駅の場所が分からないのです〜(泣)」
「駅の場所を知らないのに出て行ったのか…。」
「なのです…。」
「おい、待てよ!なんで俺らはスルーなんだよ!」
忘れさられかけていた不良達のツッコミが入る。
「あー、すいません、これ、俺の連れなんで見逃してくれませんか?」
「見逃すわけがねーだろ!ふざけんな!お前も帰れると思うなよ?」
「うーん、まいったなぁ、学校に遅れちまうなぁ…」
「ははは!大丈夫だ、俺らがその分教育してやるよ!」
不良達が拳を作りながら迫ってくる。電は泣きそうになっている。
「ごめんなさいなのです稲妻さん…こんな事に巻き込んじゃって…」
「ホント、迷惑だよ…はぁ…。」
「あうぅぅ…」
「ま、大丈夫だ電、俺に任せとけ。」
「ほえ…?」
光輝は一歩前へ出て、不良達に向かって喋った。
「一つ忠告しとくぞー、怪我をしたくなければ俺らを見逃してくれ!」
「ふははは!俺らが怪我するってよ!こりゃ気をつけなければなぁ!」
思いがけない言葉に不良達は思わず笑ってしまった。
(見逃してくれそうには…ないか…。)
「電!ちょっと何処かに隠れてろ!危ないから。」
「‼︎は、はいなのです!」
電は光輝から数メートル離れたところの物陰に隠れた。たまにひょこっと様子を見に顔を出すからバレバレなわけだが…。
「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突然不良の1人が光輝に向かって襲いかかってきた。
しかし、光輝はそれを当然のようにかわすと逆に腕をとり肩を外した。
「ぐ、ぐああああぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」
悶え苦しむ不良。それを見ながら光輝は涼しげな顔でもう一度言った。
「怪我をしたくなければ見逃してくれないか?」
不良たちは不満気だが、しぶしぶ引き下がった。
不良達が完全に消えたのを確認すると光輝は電を呼んだ。
「おーい、大丈夫だったかー?」
「はいなのです、えっと、ありがとうございました…なのです。
「そっか、じゃあ準備するぞ」
光輝は歩き始めながら言った。
「え?」
「えって、そりゃお前を長崎まで送り届けないとな」
電は動揺しているようで、目を丸くしている。
「何をそんなに驚いてやがる、長崎まで付き合ってやるって言ってんだよ、それとも何か?俺じゃあ不満だとでも…」
「そ、そんなことないのです!ただ、いきなりだからその……な、なんで急になのです?」
「そーだなー…なんでなんだろうなー、見知らぬ子の面倒を見るなんて余計な仕事でしかないのになー」
「うぅ…(泣)」
「でも!」
光輝は電の方を振り返って言った。
「でも、なんかほっとけなかったんだよ」
「稲妻さん…」
「あ、でも今すぐにっていうのはちょっと無理なんだ、許してくれ、でもいつか必ず連れてってやるから」
「分かったのです、約束なのですよ!」
「ああ、約束な!」
電は目に涙を浮かべながら笑った。光輝も笑顔でまた歩き出した。
時刻は8:30。その日、光輝は初めて学校をサボッた。
第1話目どうでしたかね。書いてるうちになんか典型的な感じになってしまいました^^;今回は喧嘩のシーンがありましたが、基本はそんなシーンは作る気はないのでバトル系かよ、って思った人はそんなことありませんので、ご了承を。(ちょくちょく書くかもしれないが…)できれば光輝と電ちゃんの日常のやりとり中心で書いてくので。
あと、電ちゃんの「なのです」という語尾が不自然になるかもしれませんので、その場合は暖かく見守っていただけると幸いです。指摘してくれれば次回の参考にさせていただきたいと思っています。
最初なので長文ですが、ここまで見てくださりありがとうございました。