問題児たちと若き仙人が異世界から来るそうですよ?   作:ふわにゃん

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途中で一回投稿してしまいました。

読んでいた方がいらっしゃったら申し訳ありませんでした。


仙人と耳の長いウサギ

 

 

「あ…あり得ないのデス。まさか話を聞いてもらうのに小一時間もかかるとは…学級崩壊とはこのことを言うに違いないのデス」

 

「いいからさっさと始めろ」

 

黒ウサギは涙目で訴えるが十六夜が容赦無くズタボロにする。

黒ウサギは本気の涙を浮かべるが直ぐに気を撮り直して話し始める。

 

 

「ようこそ“箱庭の世界”へ! 我々は皆様にギフトを与えられた者だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼンさせていただこうかと召喚いたしました!」

 

「ギフトゲーム?」

 

「Yes!既にお気づきでしょうが皆さんは普通の人間ではありません。さまざまな修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵なのですよ。『ギフトゲーム』とはその恩恵を駆使して競い合う為のゲーム、この箱庭の世界は強大な力をもつギフト保持者がオモシロオカシク生活できる為に造られたステージなのでございますよ!」

 

「質問いいかしら?」

 

飛鳥が挙手して話し出す。

 

「はい、どうぞ」

 

「貴女の言う“我々”とは貴女を含めた誰かなの?」

 

「Yes!異世界から来たギフト保持者は箱庭に数多くある“コミュニティ”に属していただきます」

 

「嫌だね!」

 

「属していただきます!そして『ギフトゲーム』の勝者には主催者(ホスト)側の指定した商品をゲット出来ると言うシンプルな構造になっています」

 

「…主催者って何?」

 

耀がゆっくり手を挙げて話す。

 

「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試す為の試練と称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示する為の独自開催するグループもあります。前者の場合は自由参加が多いですが主催者が修羅神仏なだけあって凶悪かつ難解なゲームが多いですがその代わり見返りは大きいものです」

 

「そのギフトゲームと言うのはどうやったら始められるのだ?」

 

「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期日内に登録していただければ!商店街でも商店が小規模のゲームを開催しているのでよかったら参加してみてください」

 

黒ウサギの言葉に飛鳥が反応する。

 

「…つまりギフトゲームはこの世界の法そのものと捉えてもいいのかしら?」

 

「鋭いですね。しかしそれは八割正解二割間違いです。我々の世界でも強盗や窃盗は禁止ですし、金品による物々交換も存在します。ギフトを用いた犯罪などもってのほか! そんな不逞の輩は悉く処罰しますが、先ほどそちらの方がおっしゃった様に、ギフトゲームの本質は勝者が得をするもの! 例えば店頭に置かれている商品も、店側が提示したゲームをクリアすればただで入手することも可能だと言うことですね」

 

「なかなか野蛮ね」

 

「ごもっともしかし全て主催者の自己責任でゲームが開催されております。つまり奪われたくない腰抜けは始めからゲームに参加しなければいい話のです」

 

一通り説明し終わったと思ったのか黒ウサギは一枚の封書を取り出した。

 

「さて説明は以上ですが黒ウサギは皆様の質問に全て答える義務がございますが…後は取り敢えずコミュニティに戻ってからと言うことでよろしいですか?」

 

「待てよ。まだ俺の質問が残ってる」

 

「なんでしょうか?ギフトゲームのことで何かわからないことでも?」

 

「そんな事はどうでもいい。俺が聞きたいのは一つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界は…面白いか?」

 

他の三人も無言で返事を待つ。

 

彼らを呼んだ手紙にはこう書かれていた。

 

『家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて箱庭に来い』と。

それに見合うものがここにはあるのかと。黒ウサギは驚いたように目を開くがすぐに笑みを浮かべ、

 

「Yes!『ギフトゲーム』は人を超えたものたちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」

 

それを聞いて桃雲もニヤリと笑った。

 

(面白い………俗世を離れ、仙人となった私を楽しませてみよ。箱庭)

 

 

 

 

 

 

現在、四人は黒ウサギの案内のもと箱庭へと進んでいた。桃雲もそれに従いついていっていた。その肩を十六夜が叩く。

 

「何か用か?」

 

「ちょっくら世界の果てでも見にいこうかと思ってな。どうだ仙人様?」

 

「ふむ、世界の果てとはな………それは興味深い。私も行くとしよう」

 

十六夜の提案に桃雲はニヤリと笑った。しかしすぐに表情を曇らせた。

 

「しかし、それは黒ウサギに言わなくて良いのか?勝手に行っては迷惑ではないのか?」

 

「大丈夫だ。黙って行けば問題ない」

 

「ふむ、そういうものなのか?なら問題ないのだろうな」

 

十六夜の無茶苦茶な理由を人としての感覚を既に失っている桃雲は納得してしまった。

それを聞いていた飛鳥と耀がくるりと振り向いた。

 

「あら、なら黒ウサギには私達から言っておくわ」

 

「もちろん黒ウサギに聞かれたらだけど」

 

「ああ。頼むぜお嬢様、春日部」

 

「では、行くとするか」

 

十六夜と桃雲は瞬く間に走り去っていった。地面を蹴った際に砂煙を舞あげたが黒ウサギはそれに気づかなかった。

 

そして気づかないまま黒ウサギは進んでいった。そして門の前で腰掛けているローブを着た少年を見かけ黒ウサギはピョンピョンと跳ねるように手を振る。

 

「ジン坊ちゃん!新しい人達を連れてきましたよー!」

 

ローブを着た少年、ジンと呼ばれた少年は腰を上げ彼女を迎える。

 

「おかえり黒ウサギ。そちらの女性二人が」

 

「Yes!こちらの御四人様……が……ってアレ⁉︎」

 

くるっと振り向くとそこには飛鳥と耀しか居らず黒ウサギはえっ………と完全に固まった。

 

「えーっと。もう二人いませんでしたっけ?全身から“俺問題児”ってオーラを出しているヘッドホンをつけた方と、白髪で大人しそうな仙人の方は?」

 

「十六夜君なら『ちょっと世界の果てを見に行ってくるぜ』って走り去っていったわ。桃雲さんもそれについていったわ」

 

飛鳥が指を指す方角を見ると断崖絶壁があった。どうやら本気でいったようだ。

 

「な、なんで止めれくれなかったのですか⁉︎」

 

「止めるなよって言われたのだもの」

 

「ならせめて黒ウサギに言ってくれても‼︎」

 

「黒ウサギには言うなよって言われたから」

 

「絶対に嘘です!本当は面倒臭かっただけでしょう⁉︎」

 

「うん」

 

無慈悲な解答にがくりと肩を落とす。十六夜はともかくなぜ桃雲まで行ってしまったのだろう。

 

「な、なぜ桃雲さんまで行ってしまわれたのですか?」

 

「最初はやめさせようとしてたみたいだけれど十六夜君が『ばれなければ大丈夫だ』って言ったら簡単についていったわ」

 

「そ、そんな………」

 

今度こそガックリと肩を落とす。仙人というのは常識がないのだろうか。ある意味一番の問題児である。

 

「く、黒ウサギ世界の果て付近にはギフトゲームの為野放しにされている幻獣が」

 

「幻獣?」

 

「はい、強力なギフトを持った獣です。普通の人間なら太刀打ちできません」

 

「あら、じゃあ彼らは既にゲームオーバーってこと?桃雲さんは仙人だけど」

 

「ゲーム前にゲームオーバーって………斬新。桃雲さんは仙人だけど」

 

「関心している場合じゃありません‼︎」

 

ガックリと肩を落とす黒ウサギ。流石に哀れである。

 

「………ジン坊ちゃん、御二人の案内をお願いします。黒ウサギは、問題児様方を捕まえにまいります!“箱庭の貴族”と謳われた黒ウサギを馬鹿にしたことを骨の髄まで後悔させてやりますよ」

 

怒りが頂点に達した黒ウサギは艶のある黒髪を緋色に染めた。

 

「半刻ほどで戻ります。それまでは箱庭ライフをご堪能ください」

 

踏み込んだ黒ウサギは弾丸の如くの速さで走り去っていった。

それを見た飛鳥は感心したように呟く。

 

「箱庭のウサギはずいぶんはやく飛べるのね。感心するわ」

 

「ウサギたちは箱庭の創設者の眷属。力もそうですが、様々なギフトをの他に特殊な権限を持ち合わせた貴種です。彼女な余程の幻獣に出くわさなければ大丈夫かと」

 

「そう、なら安心ね。それなら彼女の言葉通り箱庭を堪能させてもらいましょう。貴方がエスコートしてくださるのね」

 

「は、はい。僕はジン=ラッセルです。十一歳の若輩者ですがコミュニティのリーダーをしています」

 

「私は久遠飛鳥よ。そしてこちらの猫を抱えているのが………」

 

「春日部耀」

 

「ではこちらへ。軽い食事でもしながらお話でも」

 

ジンにエスコートされ箱庭の中にと入っていく。

 






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