タマゴのカラを割らないでっ!   作:すうどんたくろう

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4-7-1 強姦野郎の再利用

ふと目が覚めると、そこは良く知る天井が見えた。壁掛け時計見ると、アラームが鳴る丁度2分前だった。人間、アラームで起こされるのが嫌だから直前で起きるって話は聞いていたが、それは俺も例外ではないようだった。いずれにせよ、糞うるさいアラームはさっさと止めてしまおうと思い、左腕を動かそうと—————————したら動かせなかった。寝ぼけ眼を右手でこすりながら、左側を見ると、そこにはすやすやと眠る静乃が俺の腕にしがみついていた。

 

 

 「ほわわ!?」

 

 

俺の左腕は、彼女の胸の谷間にすっぽりとうまっていて————————すっぽり埋まるほど谷間が深い!?!?それに、久々にこいつの寝顔を見たがやっぱめちゃくちゃ可愛いな!?!?

こんな時に起きられでもしたらマズイ!起きてるのに胸の感触を味わうためにあえて動かない変態と思われてしまう!

左半身が動かせないので、右半身を何とか動かして枕もとのスマホを探したら、静乃の後頭部に転がっているのが見えた。そうか、こいつがベッドに上がってくるとは思っていなかったからいつもの定位置においてたのか・・・。

そして右腕スマホに伸ばしたその瞬間————————

 

 

 「んっ・・・・・・」

 

 

彼女のなまめかしい声が聞こえてきてしまい、思わず手を引っ込めてしまう。ちょっと様子を見たが、どうやら寝言らしい。起きているようではなかった。

 

 

 「お、起きたわけじゃないのか・・・。」

 

 

なんて一瞬安心したせいで、初動が遅れた。結果、けたたましくアラームが鳴り始めた。

 

 

 「いかん!」

 

 

急いでスマホを取り上げようとしたせいで、少々強引に体を動かしてしまった。アラーム音に加え、しがみついていた左腕が急に動いたのだ。聴覚と触覚の両方から攻められただけに、さすがに静乃も目を覚ました。起き上がる静乃と、その静乃の後頭部に転がっていたスマホを取ろうとして身を乗り出した俺。当然、ぶつかってしまうわけで・・・

 

 

 「・・・!」

 

 

静乃の唇と俺の唇が一瞬触れてしまった。ただ機械音にリズムを刻んでいただけのアラームに加えて、有機的なリズムも聞こえる。それが心臓の拍動であることを理解するのは、時間でいえば一瞬なのだが、感覚でいえば数時間たったように思えた。

 

 

 「ねえ、そろそろどいてくれない?」

 「あ、ああ・・・」

 

 

そうして静乃は、何事もなかったかのようにベッドから降り、身だしなみを整え始めた。俺は何をするでもなく、そのままぼーっと彼女を見ていた。いや、現状把握に精いっぱいで、なにもできなかっただけである。そうして帰り支度が終わった静乃は、振り返った後、俺のある一点を凝視した後、

 

 

 「童貞乙。」

 

 

とだけ残して、その場を後にした。俺はハッとして自分のムスコに目を向けると、そこはもう、ギンギンのギンよ。テントというよりもコテージというべきか。なぜこんな状態になっているのに気づかなかったのだろう。彼女の死んだ眼には、添い寝してちょっと触れた程度のキスをしただけで、ギンギンになってしまう童貞が映っていたことだろう。

俺は強烈な弱みを彼女に握られてしまい、もう彼女には勝てないんだろうな、と自覚した。

とりあえず、胸の感触を忘れないうちにシコっとくか・・・

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

静乃が帰ってから数時間後、竜崎も帰ってきた。彼は晴れやかな顔をしており、事が無事済んだことを察した。俺も下の処理を終わらせたから実に晴れやかな顔で迎えることができた。といっても、さすがに静乃でシコるのは罪悪感があるから、『ダウナーなドSJKにしこたま絞られるASMR』で抜いた。状況が状況だっただけに、とんでもなく出た。もう俺の精子工場は操業停止だわ。

 

 

 「萩原静乃のメンタルケアは?自我に問題はないか?」

 「おそらくは問題ないのかな?いつもの静乃になってたよ。いつもの、俺に悪態ばかりつく静乃にね。」

 「だろうな。君の顔が緩んでいる。問題があったらこうはならないだろう。」

 

 

竜崎に指摘されてしまうくらい、顔が緩んでいたらしい。そりゃ、あんだけ出したらそうもなる。

 

 

 「それに、よろしくやってたみたいじゃないか。ティッシュの減りがすさまじいことになってるぞ。換気くらいしたらどうなんだ?」

 「え?そんなにこの部屋ヤバイ?」

 「・・・カマかけて言ってみただけだったんだが、どうやら本当だったみたいだな。おめでとう。」

 

 

竜崎はおどいてこちらを一瞥した後に、にこやかに笑いかけて拍手をしてきた。あまりに純粋だったものだから、こちらが非常にいたたまれない気持ちになってしまった。

 

 

 「・・・すみませんただ自家発電していただけなんです・・」

 「あっ・・・」

 

 

竜崎は一度天井を見上げたのち、何事もなかったかのようにして話を切り出した。

 

 

 「さて、君も気になるであろう神前鬼道―――もとい、ルナ・カンフェスについてだが、まず処遇を伝えておこう。これからは、私の監視下に置き、怜の家に住まわせることにした。」

 「殺す、とかじゃなくて安心したわ。さすがに見知った人間が殺されるのは、嫌なことだから。」

 「で、彼女に操られていた3人については―――」

 「ちょっと待った。彼女?神前は女だったの?」

 

 

思わず話の途中に横槍を入れてしまった。確かに中性的な顔立ちではあると思っていたけども・・・

 

 

 「そうだ。考えてもみろ。どうしてあの男ら3人は操られていた?告白券は異性相手にしか使えないんだ。」

 「・・・まあ確かに、女性版もあるのが当然っちゃ当然か・・・」

 「女性版も同様に、相手が童貞じゃないと使えない。ルナ・カンフェスは、まず手始めに細身のやつと大柄な男に告白券を使用し、チャームをかけた。2人はルナ・カンフェスのことが好きで仕方なくなる。悪いいい方をすれば、好きだから事何でも言うことを聞いてしまう、都合のいい手下だな。だけど、普通にしてたら2週間でチャームは切れる。だけど、彼女の野望は数週間で終わるものではなかった。だから、チャームの延長が必須だった。そこでとった手段が―――」

 「・・・告白券使用中に、別の女で童貞卒業させること。」

 

 

静乃がかつてやられた手法を、神前はあの男らにしたってわけか・・・。

 

 

 「その通り。彼女が別の女を犯せと命令したため、2人は忠実に命令に従い、童貞を捨てた。古いタイプの告白券だから、期限到達時に童貞じゃなければ、そのままチャームはかかり続ける。だから目論見通り、男二人にはチャームがかかり続けさせることができた。永遠に命令の利く手下の誕生だ。ちなみに、君の友人である武士道と、丸刈りの男にも告白券を使おうとしたみたいだが、丸刈りのほうにしかチャームはかからなかったんだとさ。」

 

 

まあ、林とかいうやつはいかにもモテなさそうだったから納得ではあるんだけど・・・そっか、ハムは経験済みなのか・・・・・・。

あれ?あいつ今年の頭にはそういう経験ないとか言ってたような・・・・・・・・・・・・・・・。

そういや、夏休み明けから刹那の彼に対する態度が軟化したような・・・・・・・・・・・・。

・・・いや、これ以上考えるのはやめよう。むなしくなるだけだ。

 

 

 「―――――なんだその顔は。もしやなんで自分にチャームをかけなかったのかと思っている?知らないうちに童貞捨てていたのかって?安心してくれ。君に対してはこちらでプロテクトをかけたからチャームにかからないだけだ。君はしっかり童貞のままだよ。」

 「童貞童貞うるさいよ!!!」

 

 

友達の脱童貞を知る傍らでどうして俺は第三者から童貞を指摘されなければならない?それとも、添い寝までしておいて手を出さなかった俺を攻めているのか?ああ、神よ。あなたのご意向は何なのですか。

 

 

 「とりあえずわかった。で、残りの三人の処遇は?」

 「そうだったな。話が逸れた。すまない。彼らについて現代の法で裁こうとしたのだが、そうすると、高確率で協力者をたどられて、やがてはルナに行き着いてしまう。彼女は私や怜と同じ世界から来た人間だ。身元を調べられると非常に面倒になる。それに、”神前鬼道”という名は、どうやら偽名ではないらしい。それのせいでこちらの法で裁くとなれば、複数の事件が絡み合った非常にめんどくさい事態に巻き込まれる可能性が高いんだ。」

 「・・・また話の腰を折ってごめん。偽名ではないってどういうこと?本名はルナ・カンフェスじゃないの?」

 「・・・神前鬼道という名前の少女は、この時代に実際に存在していた。びっくりすることに、当時のルナとうり二つの顔をしており、さらに身寄りのない孤児だったそうだ。年も近いときている。――――――まだ説明が欲しいならするけど、どうする?」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、ということなんだろう。

 

 

 「・・・その顔は、別に要らない、という風に捉えるね。」

 

 

竜崎は咳ばらいをすると、再度こちらへの説明を行った。

 

 

 「まず、神前鬼道だと思っていたら別人だった、という事件。次に、じゃあ本人の身元を調べても一切情報が出てこない、という事件。家宅捜索をされると、オーバーテクノロジーの機械が見つかってしまう、という事件。ちょっと考えただけでこれだけ出てくる。さらに、そんなルナと関わりの深かった緋色結衣や萩原静乃にも警察の調査は及ぶかもしれない。――――告白券の悪用で何度もレイプを繰り返したあの男らを警察に突き出すと、芋づる式に面倒くさいことが重なって起こってしまうんだ。最も、彼らが女性を襲う際、丁寧に告白券を使って記憶消去し、意識を失っている間に襲っているから、被害者側は男の顔を知らないし、男性側も丁寧に体液や指紋をふき取っているらしく、足がつかないんだとさ。ルナの用意周到さにはあきれるよ。自首しない限り永遠に解決されない事件なんだ。これは。」

 「ならば、私刑で済ませるほかないということか。」

 「そういうことだ。もっとも、告白券を破れば彼らのチャームは解けて、ルナに関する記憶は一切なくなる。緋色結衣や萩原静乃に痛い目にあわされた記憶がすっぽりなくなるだろう。けれど、レイプした記憶は残り続けるから、今後も同じ手口を繰り返す悪質な犯罪者を野に放つことになる。そうなると、ルナが直接手を下さないだけで、君の周りの女性への危険がなくなるわけじゃない。これは問題だろう。だから、告白券を破ることもしない。」

 「となると・・・まさか奴隷延長!?」

 「そうなるな。もっとも、ルナ自体は怜に監視されているから変なことはできない。逆にいえば、ルナを通して彼らに命令させることができる。労せずして従順な手下を迎えられたわけだ。やつらは車と運転免許を持っているから、これで長距離の移動が楽になる。」

 「・・・さらっと言ってるけど、静乃や会長はそれで納得してくれるの?」

 「何も彼らに関わらせることだけが君のサポートになるわけじゃない。使い道はいろいろとあるのさ。もちろん、積極的に関わらせることはさせないから安心してくれ。ただ、丸刈りの男にかけたチャームは外れるだろうから、手下になるのは細身の男と大柄な男の二人だけだ。」

 「はあ。」

 

 

これ以上は俺が考えてもしゃあないことだと割りきることにした。

 

 

 「長くなったが、ひとまず君に直接関係があるのは、ルナがこれから怜の家に住むことくらいか。来週頭をめどにサポート業務につかせるつもりだから、よろしく頼む。」

 

 

竜崎はそう言葉を残すと、自分のハウスへと入っていった。俺も風呂入ったら、さっさと寝るとしよう。今日一日疲れたし・・・

長い長い一日が終わる。面倒ごとが一気に片付いただけあって、今日はぐっすり眠れそうだ。

 

 

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