タマゴのカラを割らないでっ!   作:すうどんたくろう

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2-3-3 緋色会長の秘密

 ~静乃side~

 

 「……………………」

 

 ぼくたち5人は、刹那たちを発見し、様子を影から窺っていたのだが…

 

 

 怜「私…会長の事がわからなくなってきたわ…」

 

 有希「お、恐ろしすぎますよぉ!!なんなんですかあれ!!」

 

 栞「肘で鳩尾を狙い、コンクリートに思いっきり倒して…そしてヒールで踏み倒し、挙げ句の果てには投げられた男の財布から何枚か抜き取りましたよ!」

 

 

 確かにあれは衝撃的すぎた。普段の風貌からは全く想像つかないよあれは。相手を倒すのに使った技って…あれ、柔道だよね?たしか大外刈だったような…。にしても、ヒールの靴はいた状態でであんな技をかけるなんて…普通によくやれるなと思う。柔道そのものは体育の授業でちょろっとやったことあるけどさ、素人の動きじゃないよ。あとさ、相手の財布から金を抜き取るって…生徒会長のやることなのか?そりゃ、仕掛けたのはあっちだけどさ…

 

 

 栞「あれ?部長はそんな驚いてないですね?」

 

 龍華「まぁ…中学からの馴染みだからね…。結衣、中学時代は柔道の全国大会で優勝したりしてるからね~」

 

 有希「は、初耳ですよ!」

 

 怜「普段の風貌からは考えられないわ…」

 

 栞「じゃあなんであんな才能があるのに今は柔道やってないんですか?」

 

 龍華「心境の変化というやつだよ…。柔道よりも楽しいことを見つけたからね…」

 

 

 宮永先輩はどこか感慨深そうに緋色先輩の方を見ていた。昔馴染みにのみわかることもあるのだろう。ぼくが詮索するようなことじゃない。

 

 

 静乃「まあ…柔道の件はわかりましたが…最後の財布から金を抜き取るのはどうなのでしょうかね…。」

 

 龍華「…結衣は、目には目を、歯には歯をのカースト的考えが強いからね…。結衣自身が襲われたことへの正当防衛として投げの行使、刹那ちゃんに暴力をふるったことへの対価として樋口さんだったんじゃないかな。」

 

 栞「え?あれ樋口さんだったんですか!?」ア、ハムサンハシッテマス

 

 怜「樋口?」ドロップキックガキマッタワネ

 

 有希「怜さん、五千円って意味ですよ。」ナンデハムサンノホウガオクレテルンデスカ・・・

 

 怜「あ、そういうことね(笑)」ミチニマヨッタンジャナイ?

 

 有希「にしても龍華さん、この距離で見分けるなんてすごいですね。」フトイヒトガタチアガッテキマシタヨ

 

 龍華「視力は1を越えてるからね(キリッ」オオッ!カルクウケナガシタネッ!

 

 栞「部長…そこ以外は…」セイダイニコケマシタネ

 

 龍華「余計なこと言わない。」シズノチャンノカンガエタトオリノセリフダネ・・・

 

 栞「にしても、そのカースト精神って部長によく現れてますよね。毎回懲りずに反省文書かせてるところが。」アマリニソウゾウドオリデワラエテキマスネー

 

 龍華「悲しいこと言わない。」フタリグミガカエッテクヨー

 

 怜「きっともっと大変なことしでかしたら停学にされるわね…」ハムヨクヤッタワヨ!

 

 龍華「それ決めるの教師の裁量だよ!!」アレ、セツナチャンノヨウスガオカシイゾ??

 

 一同「「「え?」」」

 

 

 見ると、刹那は顔を赤らめてグラハムの方を見て…いるのか?どこかぼうっとしていて…とおくてよくわからないな…

 あれ?

 

 

 怜「ま、まさか…」

 

 栞「落ちた、のでしょうか…?」

 

 龍華「ハハハ、あそこまでハムに敵意丸出しの刹那ちゃんが落ちるわけ…」

 

 有希「……あるかもしれません…さっきからハムさんが走ってった方見つめてますし。てかなんでハムさん今回は一緒にいようとしなかったんですかね?」

 

 龍華「だねぇ……ってぇ!結衣が…慈愛を込めた顔付きで刹那ちゃんに話しかけているっ!!そっとさせてあげようようっ!!」

 

 栞「さっすが部長!視力1越えは伊達じゃないです!細かな表情に気付くなんて…そこに痺れる憧れ……ませんね~(笑)」

 

 龍華「ええー…」

 

 

 横で漫才やっている有希と栞と宮永先輩は放置するとして…

 まだ完全に落ちたわけではないと思うけど、落ちる切っ掛けにはなったよね。間違いなく。

 

 

 静乃「まあ…ナンパの男も消えてったし、合流してもいいんじゃない?」

 

 

 あの雰囲気のまま放置させるのも可哀想だしね。

 周りのみんなもそれに同意し、刹那のところに駆け寄っていった。

 でも、有希の言うとおりなんでハムはあのとき刹那と居続けなかったんだろう。友達より女を優先させそうなやつなんだけどな…

 

 

 公「フフッ、少年と敢えて距離をおく。そうやって自身に枷をはめることにより、少年への愛が私の中でより深まる。なかなか素晴らしい考えではないかっ!教えてくれたあいつには感謝するっ!」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 「ここが結衣の家だよ!二階建ての一軒家、しかもでかい!!素晴らしい!」

 「なんで龍華が紹介してるんですか…」

 

 

 連れてきてしまった…刹那の一件もあったからてっきり忘れてるのかとおもいきやそんなことはなかった。…別に厭というわけではないけれど、いろいろと見られたらまずいものもあるから。例えばトロフィーとか、アレとか………いや、柔道の件は結局バレてしまったから隠す必要は無いんでした。なら、あの部屋に行かせなければ大丈夫でしょう。

 私は鍵をあけ、玄関の扉を開いた。

 

 

 「まああがってください。親は仕事で帰ってきませんから遠慮なく、くつろいでください。」

 「「お邪魔しまーす。」」

 「さあ!写真撮影会を始めるよ!刹那ちゃんは着替えてくるのだ!!」

 「…本当にやらなきゃダメですか…?」

 

 

 龍華は入って間もなくそんなことを言いだした。確かに遠慮なく、とは言いましたが、やはり彼女はそれを文字通り受け取るのですね…。龍華の言葉を受けた刹那の瞳の色は失いかけていた。

 

 

 「もちのろんろん。だけどまあ、その前に…」

 

 

 龍華がそう言うと、彼女と有希さんと栞さんが勢いよく立ち上がり、

 

 

 龍華「ドキッ!女だらけのゲーム大会をやるぞフゥゥゥゥゥ!!!!」

 

 有希「いえすいえす!!」

 

 栞「ぱちぱちぱち~」

 

 結衣「ちょっ……いつそんなの考えたんですか!?」

 

 龍華「つい」

 

 栞「さっき」

 

 有希「です!」

 

 静乃「(どうりで歩いてる最中携帯いじっていたわけだ…)」

 

 龍華「ルールは簡単っ!四人、三人で勝負して、リーグ下位は下位同士再度勝負!それでビリだったら水着を強制撮影っ!逆にリーグ上位は上位同士で対決し、勝てば誰を撮影させるかを指名できるっ!もしくは撮影を免れる!!つまりっ!最高三人が水着撮影の餌食となるのだっ!」

 

 刹那「…つまり、トップを私がとれば、撮影を回避できるんですね?」

 

 栞「もちろんです!」

 

 刹那「その話に乗りましょう。」

 

 怜「なかなか面白そうね。私も乗ったわ。」

 

 静乃「…………盛り上がってるとこ悪いけど、これさ、ゲーム初心者にはかなり不利でしょ?だからぼくは遠慮したいかな…」

 

 龍華「ふっふっふ、心配御無用!経験者はハンデつけるし、初心者にも操作が楽なものを用意しているんだぜ!!」

 

 怜「そのゲームって何?」

 

 龍華「それは………ボンバーマンなのです!!」

 

 静乃「あ、それは確かに簡単だよね。ぼくもかじった程度ならやったことあるよ。でもなぁ…」

 

 龍華「ちょうど結衣の家には4人対戦できるようなセットがすでにあるのです!」

 

 栞「ここまで用意されてるなんて…そこに痺れる憧れますゥ!」

 

 有希「いや、栞ちゃん?半分は龍華さんが置きっぱなしにしてるからすごいことじゃないよ?」

 

 龍華「まあそんなことはおいておいて、2分ゲーム×5回を2セットやる。総合勝利数で決めるよ。」

 

 結衣「ちなみに、ハンデは誰につけるんですか?」

 

 龍華「そうだね~…。ゲーム狂の結衣は当たり前でしょ?ゲーム慣れしてる私と栞ちゃんもそうだし…刹那ちゃんは際どいよね…」

 

 結衣「別に狂うほどやってませんよ…」

 

 栞「…フルドでSSランクなのに…いったいどの口が惚けたことをいっているんですかねぇ?」

 

 有希「しかも…これまででているゲームハードが殆どある始末。どうしてこれでゲーム狂じゃないなんて言えるんでしょうかぁ?」

 

 龍華「一年生コンビ、あんまり結衣を虐めるとゲーム内でボコボコにされるからそのくらいにしておきなさい(笑)」

 

 結衣「あはは…(後でこいつら、潰します…)」

 

 静乃「(…!今緋色先輩からなおぞましい何かが…いや気のせいか)」

 

 龍華「じゃ、早速チームわけするよ。3人のところはCPUいれるからね。」

 

 静乃「(結局僕の話は聞き入れられなかったな…)」

 

 

 Aグループ

 怜、刹那、静乃、CPU

 Bグループ

 龍華、結衣、栞、有希

 

 

 結衣「あれ?経験者ばかりが集まりましたね~これはハンデをつける意味がないような気がしますね~」ゴゴゴ

 

 龍華「あ、あかん!これはあかんでえ!!」

 

 栞「ゆ、有希ちゃんは初心者だからハンデつけなきゃダメですよ!」

 

 結衣「おおかた国広君と一緒にやってたから普通にできるんでしょう?」

 

 有希「……………(汗)」

 

 静乃「うわぁ…分かりやすいなぁ…」

 

 結衣「全力でいきますね」ニコッ

 

 龍華「恐ろしい笑いだ…。じゃ、ちょっとボンバーマンとってくる。いつもの部屋にあるんでしょ?」

 

 結衣「ええと…最近やってないからきっとあると思います。」

 

 

 

 龍華「じゃあまずはAグループから始めるよ~。操作はわかったよね?」

 

 静乃「まあ大丈夫。」

 

 刹那「同じく。」

 

 怜「オールライトよ!」

 

 龍華「CPUのレベルはランダムでいくから。まあ変なことさえなけりゃあレベルは低いから………あ、どんまい。レベルMAXだ。じゃあいくよ!」

 

 静乃「おっと、たしか最初は火薬とボム数を増やすんだったかな。」

 

 怜「置けるのが二個になったわ!よし、とにかくたくさん…ってあれ?なんか自分のボムに挟まって動けな…」

 

 龍華「慣れないうちはよくあるよくある(笑)」

 

 

 

 第一試合結果

 1位CPU 2位刹那 3位静乃 4位怜

 

 

 

 結衣「これは仕方ないですね…」

 

 怜「同じ失敗はもう繰り返さない!」

 

 龍華「CPUのレベルは毎試合ごとに決定され、同じレベルは二度ならないようにしてるからさっきみたいにはならないから。」

 

 有希「さ、2戦目が始まりますよ!」

 

 

 

 

 第二試合結果

 1位刹那 2位怜 3位CPU 4位静乃

 

 

 

 

 静乃「……まあ一回くらいいいさ。」

 

 栞「災難でしたね…。中河先輩と榊先輩の爆風に巻き込まれるなんて…」

 

 刹那「(確実に勝ちをとるためには、一番弱いのを先に落とすのが定石。静乃に恨みはありませんが……いや、元はといえば静乃が写真撮影に賛成しなければこんなことにはならなかったんです!!恨みは晴らさせていただきます。)」

 

 怜「(…なーんてことを、刹那は思っているんじゃないかしら。なら、私も負けたくないし、刹那に荷担するとしよう。)」

 

 

 

 

 三回戦結果

 1位刹那 2位CPU 3位怜 4位静乃

 

 

 

 

 静乃「………あれ?ひょっとしてぼく、かなりまずいんじゃ…」

 

 結衣「CPUの結果は無視しますから、刹那は3連勝じゃないですか!」

 

 龍華「これで刹那ちゃんの一位通過が近づいてきたね~」

 

 

 

 四回戦結果

 1位怜 2位刹那 3位静乃 4位CPU

 

 

 

 静乃「こ れ は お か し い」

 

 龍華「また刹那ちゃんと怜ちゃんの爆風に巻き込まれちゃったね…どんまい。(ほぼ間違いなく2人はグルだね…)」

 

 結衣「(まあ、組むのは禁止と決めたわけでもないし話し合う時間もなかったし、利害が自然と一致したんですね…お気の毒です。)」

 

 

 

 

 五回戦結果

 1位怜 2位刹那 3位静乃 4位CPU

 

 

 

 

 静乃「どうしてこうなったorz」

 

 栞「ま、まだ後半戦があります!!諦めたらそこで試合終了ですよ!」

 

 静乃「まあそうだけどさ…(ほぼ間違いなく刹那と怜はぼくを集中攻撃している。刹那に恨みは買われているのはわかってる。そして怜は単にぼくが弱そうだから狙ってきているんだろう。なら、普通に考えて彼女らに勝つのは無理でしょ…)」

 

 

 

 

 総合成績

 1位刹那 2位怜 3位静乃

 

 

 

 

 刹那「これで撮影回避に大分近づきました!」

 

 怜「あらら、静乃は残念だったわね~ww」

 

 静乃「途中からぼく狙いが露骨になった…。いいのこれって?」

 

 龍華「まあ駄目なんて一言も言って無いし。」

 

 怜「晒し者にはなりたくないもの。ねぇ、刹那?」

 

 刹那「ええ。」

 

 静乃「(こんなんだからゲームはリアルファイトに発展しかねないんだよなあ・・・)」

 

 有希「まだわかりません!こちらの下位に勝てばいいだけですから!」

 

 静乃「……ゲーム慣れしている人たちから勝つ、か。(これは覚悟を決めないとな…)」

 

 結衣「さ、次は私たちの番ですね。」ニッコリ

 

 龍華「そ、そうっすね…」

 

 

 

 前半戦結果

 1位結衣 2位龍華 3位有希、栞

 

 

 

 

 有希「なんども同時に殺された…」

 

 栞「しかも偶然じゃなく意図的に…」

 

 龍華「5連敗………これが…廃人の力か…」

 

 結衣「どうしました?三人がかりでこんな様ってことは…ありませんよねぇ?」

 

 刹那「(会長の煽りなんて初めて見ました・・・こんなこともする人だったんですね…新たな会長の側面を見ることができて、私、嬉しい!)」

 

 静乃「(なーんてことを考えてそうな表情だなあこれは)」

 

 龍華「…後半からは、全てのアイテムをいれよう。別にそれくらい、いいよね?」

 

 結衣「それがないと勝てないって言うのなら…まあいいですよ(笑)」

 

 龍華「私と一勝しか違わないくせに…調子づいた鼻をへし折ってやりたいぜ…」

 

 栞・有希「(つ、強すぎ二人とも…)」

 

 

 

 六回戦

 

 

 

 龍華「喰らえ!!我が必殺のぉぉぉスライムボォォォォムシュゥゥゥツ!」

 

 怜「なんだこれ、不規則に跳ね回って…しかも高火力!」

 

 静乃「なんか無駄に熱いぞ。」

 

 結衣「っ…!なかなか面倒くさいですね…」

 

 龍華「いいぞ!!圧しているゥ!!さ、一年生たちも続けェ!!」

 

 有希「イエスマム!!…って、龍華さんの爆風に巻き込まれちゃった(笑)」

 

 栞「こんな事態考慮してませんよ…」

 

 

 

 六回戦結果

 1位龍華 2位結衣 3位栞 4位有希

 

 

 

 龍華「……もうさ、結衣を下位リーグにはさ、落とせないよね…物理的に。だがっ!私は必ず結衣を晒し者にさせてやる!」

 

 結衣「今野望が露見しましたよ?まあ最初からわかっていましたけど。」

 

 栞・有希「(よかった…狙われなくて…)」

 

 

 

 

 総合成績

 1位結衣 2位竜華 3位栞有希

 

 

 

 

 龍華「トップは無理だったかー…ま、次で勝てばいいや。」

 

 栞「でも4連勝ってすごいです!」

 

 結衣「さすがにあの追い上げには焦りました。」

 

 怜「(私って、上位チームの中で明らかに場違いよね…)」

 

 結衣「またボンバーマンで決着つけるんですか?」

 

 龍華「ええと…そうだねぇ…」

 

 怜「あ、ちょっといいかしら。」

 

 龍華「何?」

 

 怜「その…せっかく地区予選メンバーが揃ってるわけだし、あのゲームで決着つけたらいいんじゃないかしら?聞いたところでは家庭用もあるわけだし。」

 

 龍華「でもそしたら怜ちゃん不利でしょ?」

 

 怜「代理ってたてられない?」

 

 結衣「別に私は構いませんよ。ただ、栞さんは却下で。敗者ですし(笑)」

 

 栞「…まだ頼まれてすらいないのに…」

 

 龍華「すぐ対応できそうな候補としては、ハム、真、国広、カトルだね。」

 

 有希「兄さんはきっと家でごろごろしてるだけだからいるんじゃないですか?」

 

 龍華「よし、じゃあ連絡してみよう。国広は結衣のオンラインコード持ってるの?」

 

 結衣「あ、まだ教えていません。聞かれなかったし、聞いていませんので(笑)」

 

 龍華「え…?……そういや、国広ってまだ結衣がゲーム廃人だってこと知らないのか。栞ちゃんたちもここに来て初めて知ったわけだし。なら、アーケードだけのプレイヤーだと勘違いしても仕方ないか。別に教えちゃってもいいんでしょ?」

 

 結衣「ええ、構いませんよ。」

 

 龍華「でもまあその前に、下位リーグの決着をつけるとしますかな。」

 

 静乃「…やっぱり決めなくちゃ駄目なの?」

 

 龍華・有希・栞「駄目だね(だよ)〔です〕」

 

 怜「すごいシンクロ率ね…」

 

 龍華「じゃ、やる内容は何にしようかな~…ボンバーマンだと静乃ちゃん不利そうだし…」

 

 結衣「スマブラでいいんじゃないですか?アイテム有り、ハンデ有りなら対等に戦えるだろうし。」

 

 龍華「って意見が出てるけど、静乃ちゃんどう?」

 

 静乃「スマブラかあ…(昔はそれなりにやってたけど、今は全然…。でも、何が起こるかわからないアイテム有りなら、勝機はまだあるか。)じゃあそれでいいですよ。」

 

 龍華「じゃあ決まりだね!!私はGコンとスマブラとってくるから!」

 

 栞「あの…私たちまだそれでいいなんて一言も…」

 

 龍華「敗者は黙っていろ。」

 

 有希「うぅ……おーぼーですぅ…」

 

 龍華「じゃ、こんどこそとってくるね。」

 

 刹那「もう最後は無視ですか…」

 

 

 相手は有希と栞。栞は言わずと知れたゲーマーだから、当然このてのゲームもやり慣れている。有希はゲーマーではないが、遼と小さい頃に一緒に遊んで鍛えられている。さらに、この二人は組んでいる可能性が高い。つまり…ぼくが勝つのは絶望的とも言える。ただ、幸運にも、ちょっとかじったことのあるスマブラなら、勝機はある。中学校の頃、半ば強制的に刹那の相手をさせられていたからね。

 

 

 「ルールは、アイテム全部あり、ストック制の三機、終点固定、ハンデは…」

 「ハンデつきで勝つのも癪だからなしでいいよ。」

 

 

 ぼくがそう宮永先輩の言葉を遮ると、思ってもいないことだったのか、少したじろいでいた。

 

 

 「あれれ静乃さん、強がる必要はないんですよ?」

 「そうです。私、手加減はしませんからね?」

 「挑むところ。」

 

 

 そして私はコントローラーを手に取った。

 キャラ選択画面に入り、栞と有希はそうそうにキャラを決めた。栞がロボットで、有希がネス。どちらも飛び道具が厄介だな…。

 

 

 「じゃあぼくはファルコで。」

 

 

 全員のキャラが決まったので、戦闘ステージに移る。右から、ロボット、ネス、ファルコだ。栞ならきっと…。そう思って、ぼくは開幕と同時にリフレクターを出した。案の定、栞は初っぱなにレーザーを撃ってきた。不意をつかれ、ネスは着弾したが、ぼくはリフレクターで弾き返していたので、ダメージはゼロだ。

 すぐさまブラスターを連射。あんまりやりすぎるとネスに吸収されるから、適度に止めながら。そんな攻撃にイラついたのか、ロボットがこちらに向かって―来る前にロボットの目の前にモンスターボールが落ちた。まずいと思ったが、もうおそい。ロボットはそれを投げると、中からでたのは……

 なんとルギアだった。

 一瞬にしてネスとファルコは亡き者となった。

 うーん、残機的にネスを狙わないと駄目かなぁ。

 ぼくは矛先をネスにかえ、突撃した。掴みと緊急回避を駆使してネスをいたぶる。幸い、有希はぼくよりは下手くそなようだ。

 一方ロボットは私たちの勝負に水を指さないようにしているのか、アイテムで遊んでいた。

 

 

 「ちょっ…栞ちゃん狙ってくださいよ!何で私ばっかり…」

 「晒し者にはなりたくないし…」

 

 

 龍華「てか、静乃ちゃん上手いね……アクションゲームとか苦手そうなイメージだったんだけど、全然違ったね。」

 

 刹那「私の対戦相手に何度も付き合わせましたからね。最初は私が勝ってたんですけど…気付いたら強くなってて、今ではほぼ互角になりました。」

 

 怜「それなら納得だわ。…というか、私は刹那がゲームやるってイメージがそもそもなかったんだけど。」

 

 刹那「私は…あれですよ、姉に連れられてやってましたので、いつの間にかゲームをやる人間になってしまったんです。」

 

 怜「…え?姉いるの?」

 

 刹那「はい。…あれ、言ってませんでしたっけ?」

 

 結衣「今大学一年ですよ。刹那の姉さんとは仲良くさせていただいたのでよく覚えています。」

 

 龍華「去年の生徒会長だったもんね~茜さん。」

 

 怜「生徒会長に選ばれるってことは…相当痛い人なのね…」

 

 結衣「…それって私の事、軽くdisってますよね?」

 

 怜「?ディスって何?」

 

 結衣「あ…」

 

 龍華「…自爆乙。」

 

 

 ネスを星にしたあと、狙いをロボットに向ける。さすがに申し訳なくなるからね。仕方なく狙う。さすがに反撃してきて、ブラスターとレーザーの撃ち合いとなる。だが、それも一瞬。私のブラスターの次弾発射の方が速いため、ロボットはろくにレーザーを撃てず、途中で突撃してきたのだ。さらに、復活したネスもぼくを狙いに来ていたため、ぼくは逃げの姿勢に移る。といっても、ぼくの現在の場所はステージ右端だったので、逃げ場なんて彼女らの裏をとるしかなかった。イリュージョンで攻撃しつつ移動しようとしたら、なんとこれがうまくいった。さらに運がいいことに、着地したさきにはハンマーが落下してきた。これならぼくの勝ちは決まりだ、そう思ってハンマーを手に取った。

 

 思い返せば、ここが問題だった。取らなければ…負けなかったのにな…

 

 軽快なリズムに合わせてハンマーを振るーかとおもいきや、なんと先のパーツがとれた。駄目ハンマーのパターンだったのだ。こうなってしまったら、なんとか一定時間逃げ切るしかない。そう思った矢先、画面上方にスマッシュボールが出現。有希と栞はそれをとりーあわず、ロボットに譲り始めた。いや違うな、有希はとろうとせず、ぼくを集中的に狙ってきた。抵抗する間も無く画面外にぼくは落とされる。そして復活後にロボットのスマッシュボールによって殺され、晒し者はぼくになってしまった。

 

 

 龍華「静乃ちゃんには悪いけど、罰は罰だからね。あとでよろしく。」

 

 静乃「…はぁ…。」

 

 刹那「まあそんなこともありますよ…ププッw」

 

 静乃「ねぇ、励ますか貶すかどっちかにしてくれない?」

 

 有希「ま、まあ静乃さんはスタイルいいですからいいじゃないですか!」

 

 静乃「いや、そういう問題じゃないから。」

 

 龍華「そうそう!一年生たちはつるぺったんだしね!」

 

 栞有希「………」ペターン

 

 結衣「なんで彼女等が貶されているんでしょうか…」

 

 栞「ぶ、部長さんだってあんまりないじゃないですか!!私とたいして変わりませんよ!」

 

 龍華「いやいや、アルファベットがひとつ違うのは大きなことだよ?(笑)」

 

 有希「まあ今は小さくても?私たちには未来がありますし?それに比べて竜華さんはもう…どんまいですねwwww」

 

 龍華「はいはい妄言妄言。現実から目を背ける負け犬の悪い癖だな~www」

 

 栞「現実見れてないのは部長さんじゃないですか!私たちの可能性を否定して…いくら自分がもう萎びたからって嫉妬は見苦しいですよ?wwww」

 

 龍華「そういった台詞は実際に成長してから言ってほしいものだね~ww」

 

 静乃「なんか始まっちゃったなあ…。正直あまり差はない気もするけど…。」ボソッ

 

 結衣「ええ…………団栗の背比べですよ……。」ボソッ

 

 怜「え?どんぐりの背比べ?会長の言うそれってどういう意味なの?」

 

 結衣「え?ちょっ…そんな大きいこ…え……で………」

 

 龍華・有希・栞「………」

 

 静乃・刹那「(あ、これはやばいなあ[ですね]…まあぼく[私]は関わってないし、面白そうだから見てようっと。[見てましょうか。])」

 

 静乃「(…まあ間接的にはぼくも同罪だけどね。黙っておこう。)」

 

 龍華「……そう、思ってたんだ…ふーんふーんなるほどねえ~」

 

 栞「胸のある人には…さぞ滑稽に見えたでしょうねぇ…」

 

 有希「腹黒生徒会長……なるほど…」

 

 結衣「ああ…ほら…こうなる…」

 

 怜「えっと…なんかすいません。」

 

 龍華「そういや…なんか胸が自己主張してる服だしさぁ?私らバカにしてんの?」

 

 結衣「……」

 

 栞「酷いですっ…!」

 

 有希「謝罪を要求しますっ!」

 

 龍華「ほら?すいませんだろぉ?早くい――」

 

 結衣「……じゃあここで言うのも嫌なので、あちらの部屋で謝ってもいいでしょうか?」

 

 龍華「…まあそれくらいなら許そう。」

 

 龍華栞有希「………」ガクブル

 

 結衣「………」ニッコリ

 

 静乃「(な、なにをされたんだ…?)」

 

 結衣「私は何も悪いことは…してませんよねぇ?」

 

 龍華「その通りでございます……」

 

 有希「すべては私たちに非があります……」

 

 栞「ですから、投げるのはもう勘弁してください……」

 

 刹那「投げ?どういうことですか?」

 

 怜「刹那、知らなくていい事実もあるのよ…(きっと投げられたのね…)」

 

 刹那「そうですか…。じゃあ次は私たちに移りましょう!撮影は御免です!」

 

 龍華「ハッ……ちょっとおかしくなってたようだ…。まあ静乃ちゃんの撮影はこの勝負のあとに撮ることとしよう。………てか一年生たち!目を覚ませ!」

 

 有希「……うぅん……ん?」

 

 栞「…ふぇ?」

 

 結衣「」ニッコリ

 

 有希「……ひっ…!」

 

 栞「」ガクブル

 

 龍華「負けちゃダメだ!ここで負けたら……今後漬け込まれるっ…!それでいいのっ…!」

 

 有希「そ、そんなのダメです!!」

 

 栞「立ち向かって…行かなくちゃですねっ…!」

 

 龍華「その心意気だよ!…じゃあ次はトップ決定戦だね。…この悔しさはここで晴らすっ…!」

 

 栞「部長さん頑張ってください!」

 

 静乃「(流れ的にぼくの事を忘れてくれてるかと思ったらそんなことはなかったなぁ…。はぁ…憂鬱だ…。)」

 

 龍華「じゃあ、別室のブラウン管と過去モデルのプレステ3借りるよ。その部屋でやるのもいいけど……どうせならこの部屋でやりたいし、ここに持ってくる。栞ちゃんと有希ちゃんは運ぶの手伝って(笑)あとコントローラー。専用のゲームパッドは刹那ちゃんに貸してあげてね。間違っても結衣は使っちゃ駄目だよ?」

 

 有希「なんで私たち!?」

 

 龍華「さっき不甲斐なかったからだよ!!」

 

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