タマゴのカラを割らないでっ!   作:すうどんたくろう

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4-4-13 反撃の狼煙

 竜崎の話を全て信じるのであれば、小6の頃の静乃は告白券に名前を書かれた瞬間にチャームがかけられた。その後、竜崎の世界から移り住んだ人か、もしくはこの世界の協力者かはわからないけど、いずれにせよ逃げられない状況下に持ち込まれたあと、告白券を破かれ気絶した。その後そのどちらかによってレイプされた。推測だが、静乃には襲われる瞬間の記憶はギリギリ残っているのかもしれない。静乃のお見舞いに行った時、彼女は『あれは悪い夢』『こんな大勢の前で言う話じゃない』と言っていたんだ。チャームがかかった後のすべての記憶は封印されているんだ。だから、悪い夢というのが、悪い人につかまってしまう、という程度を指すのならば、辻褄は合うと思う。記憶封印後の静乃があんなに陽気なのは、襲われた後の記憶が一切ないことによるものだろう。もしそこの記憶があったのなら、乱暴されたことを自覚するとともに、深い絶望をし、中学時代の彼女のように腐ってしまうはずだ。そこは、不幸中の幸いか・・・。

 

頭の中で、静乃の置かれている状況を整理した後、竜崎にとうとうあのことをしゃべる決心をし、念話を再開した。

 

 

 【なあ竜崎、俺、竜崎の世界のから移り住んだ、おそらく静乃を襲ったであろう犯人を知っているんだ。】

 【それは本当か?】

 【ああ、今週の月曜日に、太った見てくれの男に、とある男が便箋らしきものを渡して、『お前に渡せる告白券はこれが最後だ。今度こそ、あの女を確実に犯せ。』と言っているのを聞いた。】

 【渡した奴はどんな奴だ?】

 【俺の学校に通っている一年生だ。神前鬼道というやつで、緋色会長や刹那と同じ生徒会役員だ。】

 【・・・なるほど。そこまで把握しているのであれば話は早い。怜にも伝えておこう。お手柄だ。】

 

 

布団に入って念話している以上、竜崎の表情がわからないが、声色は弾んでいたから、喜んでいるとは思う。にしてもあまりオーバーに喜んでくれないのは、そこまで重要な情報じゃないのか、それとも、もともとこういうやつなのか・・・こういうやつだった気がするわ。

 

 

 【ただ、あいつが諸悪の根源だとしても、俺に何かできることはあるのかな?怜と同じような存在ならば、武力行使しても返り討ちに・・・】

 【武力介入は怜に任せておいてくれていい。君は変わらず、萩原静乃のそばにいてあげてほしい。何度も言うが、想起と犯人確保は別問題なんだ。もちろん、その神前鬼道とかいうやつに単独で会うなどという危険な行為は絶対にやめてくれよ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

・・・そうだった。鍵と鍵穴の話があった。俺は鍵で、俺の周りの女性の誰かが鍵穴。竜崎側と神前側とで、プロセスは違えど、最終的な結論である”鍵と鍵穴を引き離す”ことには変わりない。————————俺はまだ死にたくない。俺が単独で奴に向かったら、きっとなすすべなく俺がやられるだろう。奴らの目的は達成できるのかもしれないが、残る人たちには非常に大きな迷惑をかけることに・・・

俺は、そんな普段考えようとしない、漫画やアニメの中でしか見ないようなセリフを浮かべ、襲い来る睡魔に負け、深い眠りについた。

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