「あ、まだ教室にいましたかデラオキルド君」
放課後になりこれからどうしようかと考えていたら教室に山田先生が入って来た。
「どうしました山田先生?」
「デラオキルド君の寮が決まったので鍵を渡しに来ました」
「あ、そう言えば貰っていませんでしたね。ありがとうございます」
「大丈夫ですよ。先生としてこのくらい当然ですから」
先生の部分を強調して山田先生が言った。
「んじゃ俺は寮の方に行きますのさようなら」
「あ、はい。それじゃあまた明日」
俺は山田先生の言葉を聞きながら教室を出た。
「待っていたぞ!クズ!」
教室のある棟を出て寮に向かう途中織斑秋十と篠ノ之箒に出会った。というよりは俺の行くさきを邪魔して来ている。
「・・・またか、君達もしつこいな」
「貴様に負けっぱなしは嫌だからね。それにいつから僕に手を出せる様になったのかな?もう一回しつけてやる!」
そう言って秋十と箒は木刀で俺に襲い掛かって来た。
昔の俺なら泣くのを我慢しながら「ごめんなさい」と殴り終えるまで言い続けるだけだったろう。
しかし、
「「!?」」
襲い掛かって来た二人は驚愕する。頭に振り下ろしたのにいつの間にか木刀が自分の腕から消えていた。
そして
「「がっ!?」」
突如背中に衝撃を受けた二人はそのまま気絶した。
「・・・遅い」
気絶した二人の後ろには二つの木刀を持った一夏が立っていた。
「この程度で俺に挑むとは・・・。天才は所詮この程度か」
そう言い捨てて一夏は木刀をその辺に捨てて寮へと向かった。
「・・・ここが俺の部屋か」
寮の中に入り一夏は自分の部屋を探していた。
取りあえずノックをしておく。女子と相部屋になった時の事を考えてだ。
「(さすがにそんな事は・・・)」
そう思ったら扉が開き中から水色の髪の女子が現れた。
「・・・誰?」
「(女子と相部屋かよ)あ、えーと今日からこの部屋になる一夏デラオキルドだ。よろしくな」
「・・・」
自己紹介をした一夏に対して少女は無言で見つめてくる。
「(イライラする)取りあえず中に入っていいかな?」
「・・・どうぞ」
水色の少女はそう言って奥に引っ込んでいった。
一夏もそれに続き中に入って行った。
「・・・随分豪華だな」
部屋の中は豪華なホテルのような部屋だった。
IS学園に入学するまでいた本部よりも豪華かもしれない。
「これは何と言えば・・・」
そこまで行って気付く。先ほどからこちらを見てくるルームメイトに。
「・・・どうした?」
「・・・別に」
そう言ってルームメイトはそっぽを向く。
「(・・・イライラする)・・・あのなぁ、そうじっと見つめられるとこちらも困るんだ。用があるならパパッと言ってくれ」
「・・・あなたは織斑千冬の弟と噂になっている」
おいおい、噂になるの早すぎでしょ。
「・・・あなたはほんとに織斑千冬の弟なの?」
「(それが聞きたかったのかよ)・・・所詮噂は噂だ。真実を超える事はない」
「つまり赤の他人と言いたいの?」
「そうだ」
「・・・そう、分かった。変な事を聞いてごめんなさい」
「・・・いや、大丈夫だ(しかし、こいつ負のオーラ半端ねえな。ザガン様に報告しておくか)」
密かに一夏はそう思うのであった。
「へえ、負のオーラの半端ない娘、ねえ」
幻魔本部にてザガンはIS学園に入学(潜入)しているNO・000からの報告書を見ていた。
「それで、名前は不明。特徴は青い髪と紅い目。見た目からしておっとりしている、か」
最後のは必要ない気もするが一応見るか。
「とは言う物の、写真がある以上特徴書く必要はないのに」
ザガンの右手には一夏のルームメイトとなった少女の写った写真が握られていた。
「確かに下等幻魔の数に比例して指揮能力のある幻魔は少ない。攻める以上効率よく進めないと勝てる戦も勝てない。幻魔化の成功率も低いし、指揮能力のある幻魔の作成は急務だな」
そう考えてメラルドを呼ぼうとした時不意にノックする音が聞こえた。
「・・・入りたまえ」
「失礼します」
入って来たのは呼ぼうとしていたメラルドだった。
「メラルドか。ちょうど用事があったんだ」
「どうかなさいましたか?」
「こいつについて調べてくれ」
そう言って右手に持っていた写真を渡すとメラルドは少し驚いた風な顔をした後口を開いた。
「ザガン様、実は今回訪ねたのはこの写真の子について報告をするためなのです」
「・・・なるほど。メラルドの方が早かったわけか。その書類はあるか?」
「ここに」
そう言ってメラルドは一通の封筒を渡す。ザガンが受け取り中身を見ると数枚の書類と写真が入っていた。
「ふむ、分かった。これは呼んでから報告する。引き続き頼むぞ」
「はっ!」
メラルドには幻魔化できそうな人間を選んでもらっている。つまりこいつは有能と言う事だ。
「これで戦力アップとなればいいが」
メラルドが退出した後ザガンはそうつぶやいた。