鬼武者×インフィニット・ストラトス(凍結)   作:鈴木颯手

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第一章プロローグ
織斑一夏


 僕は優秀な姉と弟に挟まれた凡人です。二人にできる事が僕には出来ない。

 

 「なんでこんな物も出来ないのだお前は」

 

 「お前って俺の兄だよな?赤の他人じゃないのか?」

 

 「こんな出来損ないにした覚えはないぞ」

 

 「なあ、提案なんだけど織斑名乗らないでくれる?出来損ないの一夏って名乗ってよ」

 

 酷いものだ。姉と弟にこんなに言われ他人からは

 

 「可哀想に。こんな出来損ないを育てなきゃいけないなんて」

 

 「お前の姉と弟は可哀想だな」

 

 「こっちみんなよ出来損ない」

 

 「代わりに掃除やってよカス」

 

 酷い言われ様です。僕だって頑張って二人に追いつこうとしてます。

 

 「秋十は100点で一夏は99点か。だめだなどうして一夏は秋十よりも下なんだ?ちゃんと勉強しろ」

 

 この時のテストはすごく難しくてクラスでは僕と秋十以外は70以下だったてすとです。それを勉強してないと罵られました。

 

 「全く。お前はいつもだめだな」

 

 そう言うといつも千冬姉は木刀で僕をたくさん殴ります。

 

 「痛いか?それはお前が軟弱だからだ。しっかり体を鍛えろ」

 

 剣道の大会で楽々相手をたおして優勝する人の放つ木刀は普通痛いと思うのですが。それ以前に木刀で叩かれればふつうはいたいですよ。

 

 「おいゴミ。姉さんがわざわざ汚物に触れてまで教えてくれているんだ。それを分かっているのか?」

 

 もう秋十は僕を「兄さん」とは呼ばずに「ゴミ」や「カス」と呼びます。それに木刀で殴る事が教育なのでしょうか?いつも疑問に思いますがそれを口に出してまで言いません。言ったらもっと叩かれるからです。

 

 そして束さんが開発したISのせいで女尊男卑主義者からも

 

 「あんた千冬さまの迷惑なのよ!」

 

 「ああ、千冬さまはなんて不幸なのでしょう。こんなゴミを弟として育てなければいけないなんて」

 

 「おいゴミ。千冬さまから離れろよ」

 

 このように僕に居場所なんて無かった。それでも僕は心のどこかで信じていた。

 

 でもそれは無残にも打ち砕かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第二回モンド・グロッソが行われたとき、ぼくは誘拐された。

 

 何でも犯人の目的は千冬姉の大会辞退だそうだ。

 

 「おい、こいつで本当に大丈夫なのか?」

 

 「大丈夫だきっと。いくら何でも本当の家族を見捨てたりはしないだろ」

 

 「だといいが・・・ってぼうず!?大丈夫か!?」

 

 犯人の一人が僕を気遣ってくれる。

 

 先ほど犯人が辞退させる為に千冬姉に電話したそうだ。その内容はスピーカーにしていたため僕にも聞こえた。

 

 「・・・誰だ?」

 

 しばらくすると千冬姉が電話に出た。

 

 「織斑千冬だな?お前の弟織斑一夏を預った。返してほしければ今すぐ大会を辞退しろ」

 

 犯人がそう言う。

 

 「・・・何をふざけた事を言っている?私に織斑一夏などという弟はいない。私にいるのは秋十だけだ」

 

 ・・・は?

 

 「はあ?ふざけんなよ!いるだろうが!」

 

 「何度も言うが勝手に私に弟を作るな。私には弟は秋十しかいない」

 

 「おい!・・・くそっ!切れやがった!」

 

 犯人が怒鳴っている。でも聞こえない。

 

 何も聞こえなかった。

 

 千冬姉に捨てられた。

 

 何で?ボクは出来損ないだから?ゴミだから?手間のかかる子だから?

 

 

 

 

 

 何で?どうして?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ

 

 

 

 

 

 「おい!織斑千冬が大会に出ているぞ!」

 

 そこにはテレビに出てるチフユネエがいた。

 

 チフユネエはあっという間に相手をたおしてインタビューに答えていた。

 

 「この気持ちを誰に伝えたいですか?」

 

 「唯一の家族であり弟の秋十に伝えたいです」

 

 ・・・あ。

 

 

 

 

 その時僕の中の何かが壊れた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっっっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕は盛大に笑っていた。僕は理解したんだ。

 

 「はははははははははははははははははっっっ!!!やっぱりチフユネエはボクを弟として見てクレナカッタンダッっっ!!!ボクハチフユネエニトッテドウデモイイソンザイダッタンダッッッ!!!」

 

 ようやく分かった。理解した。否応なしに。僕はチフユネエニトッテゴミと一緒だったんだ!!

 

 「お、おい。こいつ大丈夫か?」

 

 「精神的に死んだなこいつは」

 

 「可哀想に。優秀な姉と弟に比べられたうえに見捨てられるとはな」

 

 「どうするこいつ?」

 

 「解放してもこいつに帰る所はないし、俺達が匿うわけにもいかないし」

 

 「・・・あいつらに渡すか?」

 

 「それがいいだろう。ちょうどメラルドさんここに来ているしな」

 

 「んじゃ電話すっから」

 

 犯人がなんか言っている。どうでもいい。

 

 犯人の一人が電話している。どうでもいい。

 

 しばらくして誰かが来た。どうでもいい。

 

 もう、どうでもいい。どうせボクハ見捨てられたんだ。どうなろうといいや。

 

 「あはははははははははははははははははははははははははh」

 

 笑い声を挙げていたら首に痛みが走って意識が飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私はひどく煩い笑い声を挙げている少年の首に手刀をやって気絶させた。

 

 「確かにこいつは貰っていくぞ。いいな?」

 

 「ああ、構わない」

 

 私はその言葉を聞いてから持って来たキャリーバックに少年を詰め込んでその場を後にした。

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