絶体絶命クロスアンジュ邪っ!   作:監督提督

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じーさん「………」


………



じーさん「………」



………



じーさん「………」



…………☆ミ






じーさん「ケツからちくわが出ますようにケツからちくわが出ますようにケツからちくわが出ますように!!」


















ちくわ「にゅっ」



おいでませアルゼナルじゃっ!

 

 

「対ドラゴン軍事施設…」

 

「アルゼナル、じゃと?」

 

「そうだ。[人間]のための兵器として、[人間]の駒となり、[人間]のためにドラゴンを殺す…そのための前線基地。

それを仕切っているのがこの私というワケだ」

 

そこまで言って、未だ呆けて固まったままのじーさんとまごを一瞥しつつ、黒髪の女性…ジルは再び右手の煙草へと口をつける。

 

スーーー……フーーーーッ

 

「質問は以上か?ならコチラの質問にも答えてもらおうか。貴様らには聞きたいことが山ほど……」

 

 

 

「(ヒソヒソ)まごよ、こいつイイ年してヘンなカッコしてイタイこと言ってドヤ顔しとるぞ」

 

「(ヒソヒソ)ちょ、やめなよおじいちゃん!聞こえちゃったらどうすんだよ」

 

「(ヒソヒソ)ああいうのを最近では厨二病と呼ぶのじゃ。よいかまご、間違ってもあんな大人になってはイカンぞ?当分結婚できなくなるから★」

 

「……聞こえているぞ電球頭」

 

「電球頭?あ、ナルホド確かにワシの頭まるくてツルツルのピカピカ…てコラーーーーーッ!!」

 

「ノリツッコミ!?」

 

面倒臭い。ジルは表情には出さず、内心で舌打ちをした。

 

 

 

--------

 

 

 

数時間前、まだ日も上りきらない朝方に指令室へと舞い込んできた報告。

それは近日中に実戦配備が決まっている新人メイルライダー二人からのもので、内容は「男の子らしきヒトと、人っぽい髭面のナニかが訓練場で倒れている」という非常に不可解なものだった。

ナニかに関してはひとまず置いておくとして、[男の子]というのは大問題である。

 

ありえないのだ。女性にしか発生しない[ノーマ]達のみで運営されるアルゼナルに、男子がいるということは。

 

一瞬、自分がよく知る茶髪の少年が脳裏に浮かび、肝を冷やしたジル。が、エマ監察官と共に現場へ赴くとそこには、件の少年よりも5つほど幼いであろう白いジャケットの少年と、なるほど確かに、髭面の人間離れしたシルエットのナニかが倒れ伏していた。

 

相手が男、さらに言えば人間だと思ったからだろう。エマが率先して「とりあえず医務室に運びましょう」と、[マナの光]をもって少年の身体を持ち上げようとした。だが…

 

少年を包んだマナの光は、次の瞬間霧散霧消したのである。

 

 

 

--------

 

 

 

「(世界初、ノーマの少年とナマモノ、か)」

 

その後、もう一方のナマモノもマナを打ち消すことがわかったため、気絶したままの二人を不穏分子と断定。そのまま反省房として使われている牢屋に投獄したのだった。

 

「(監察官殿は先ほどから随分と静かだが、いまだに半信半疑といった所なんだろう)」

 

普段の彼女であるならば「これだから野蛮で低俗なノーマは」ぐらいの嫌味を言う所だろうが、目の前の二人に向けられ続けているその視線には驚愕と恐れがない交ぜになっているように見える。

ノーマは女性にしか発生しない。それは、全世界で共通の常識であるからだ。

 

「(だが、そのほうがこちらにとってはやりやすい。私の好きなように話を進められるからな。…しかし)」

 

 

 

「誰が電球頭じゃえーコラ!そんなメタリックな腕でカッコつけおって!ライダー◯ン気取りかテメー!!」

 

「おじいちゃん!コロコロのマンガ以外のキャラの話はやめて!」

 

出鼻を挫かれるとはこのことか、とジルは内心ため息を漏らす。

こちらのペースでさっさと情報を聞き出すはずが、もう既にグダグダである。

 

「生憎と、この右手は正真正銘の義手だ。そこまで疑わしいのなら、身を持って体感させてやっても私は一向に構わんが?」

 

「わーっ!すみませんすみません!ホラおじいちゃんも謝って!」

 

「わり」プ~

 

「真面目にやれやジジイ!!」

 

もうさっさと指令室に戻ってしまうか…と、なんだかどうでも良くなってきてしまったジルなのであった。

 

「…ワシらに聞きたいこと、か。いいじゃろう、じゃがその前にもうひとつ聞きたいことがある」

 

「…なんだ、言ってみろ」

 

漸く話が前進し、ちょっとホッとしたジルだったりする。

 

「ワシらの他に、とんがり頭のどじょうヒゲがいた筈なんじゃ。そんなヤツに覚えはないか?」

 

「あっ、そうだった校長!」

 

竜巻に呑まれる直前、風に飛ばされ家に突っ込んできた校長。じーさんとまごがこうしてココにいる以上、校長もまた同じように巻き込まれている可能性が高い。

 

「ふん。やはり、アレも貴様らの仲間だったか」

 

「えっ?知ってるんですか!?」

 

「ああ知っているとも。ソイツの所在がそんなに気になるか?」

 

「は、はい!」

 

余裕を少し取り戻してきたジルに対して、まごは焦りを隠せずにいる。

 

「その人はオレの学校の校長先生なんですけど、自分が一番エラくないと気がすまない人で、そのためなら手段を選ばないというか何でもするというかでもその割りになんかかんや弱くて…」

 

「…話を聞く限り、ただの小悪党か何かのように聞こえるが?」

 

「それは…まぁ…」

 

事実、まご自身の校長のおかげで痛い目にあったことが何度もある。イイヤツかヤなヤツかと聞かれれば、ヤなヤツであることは違いない。

 

「まぁ校長のハナクソっぷりは今どうでもいいんじゃ。が、あんなヤツでもほっとくわけにはいかん。居場所を知ってるなら会わせてくれ、話はそれからじゃ」

 

少なくとも、いきなりヒトを牢屋に放り込むような連中が、自分たちに友好的であるとは思えない。だからこそ味方は少しでも多いほうがいいだろう…じーさんはそう考えたのだ。

もっとも、これぐらいのことは相手に読まれていることだろうとは思うので、まともにとりあってもらえるかは怪しいところである。

 

しかし、

 

「いいだろう」

 

要求は、拍子抜けなほどすんなり通った。

 

「なぬ?」

 

「い、いいんですか?」

 

「いいも何も、仲間に会いたいんだろう?別に、私にそれを止める理由はないさ」

 

そう言ってジルは懐に手をやり、チャラッという金属が軽くぶつかり合う音と共に鍵を取り出す。

そしてそのまま、躊躇なく牢の鍵穴に差し込み解錠。内と外を冷たく区切る鉄格子の扉は、いともたやすく開かれた。

 

「おっ?なんじゃ、オマエ案外素直なヤツじゃのー。ただの厨二病じゃなかったんじゃなー♪」

 

「まだ言うか…」

 

呆れるまごに構わず、上機嫌でさっさと牢から出てくるじーさん。

 

「じゃあ早速校長のところに--」

 

 

 

チャカッ

 

 

その眉間に、僅かな光源で鈍く黒光りする銃口が突きつけられた。

 

「……」

 

「おじいちゃんっ!?」

 

「仲間には会わせてやろう。だが、少しでもおかしな動きが見えれば、その時には綺麗な風穴が1つ開くことになる。それが嫌なら、大人しくしておくことだ」

 

不適に口元を歪めつつ、くわえていた煙草を左手で放り、踏み消す。

 

「言っておくが、これは忠告でもなければ警告でもない。()()だ。どんな事情があろうと、アルゼナル(ここ)に[ノーマ]としている以上は私に従ってもらう、一切の異論は認めん」

 

数秒の静寂。自身に凶器を向ける女性を、じーさんは睨むわけでもなくただ黙って見つめ返し、やがてゆっくりと首を縦に降った。

 

「…わかった、オマエの指示に従おう。じゃが、どうかまごには手を出さないと約束して欲しい、やるならばワシだけにするんじゃ」

 

「おじいちゃん……」

 

「さて、な。それは貴様ら次第だ。…監察官殿」

 

「…え?あっ。な、何です司令」

 

呼び掛けられ、ここでようやく口を開いたエマを横目に、じーさんは考える。

 

[ドラゴン] [アルゼナル] [人間のための兵器()]

 

そして、[ノーマ]

 

「話はお聞きだったと思うが、こいつらを例の場所に連れて行きます。よろしいですかな」

 

「…構いません。ですが、くれぐれも目を離さぬように。運営に支障をきたすわけにはいきませんからね」

 

「ええ、心得ておりますとも」

 

 

「(ワシらは、ワシの考えている以上の厄介事に巻き込まれてしまったのかもしれんな……)」

 

 

「では、感動の再会といこう。お仲間は今ごろ、貴様らを見つけた二人が()()()()()してやっているはずだ。ついてこい」

 

促されるまま、ジルとエマに前後を挟まれ歩き出すじーさんとまごであった。

 

 

 

 

…………。

 

 

 

 

「ここだ」

 

じーさん達が案内されたのは、ひやりとする牢屋とはうってかわって、ポカポカ陽気が心地いい晴天の下。つまりは屋外であった。

 

「ジャスミン、作業はどうだ?」

 

「ん?ああジルか。ちょうど今しがた終わったトコだよ」

 

「そうか、ちょうどいいタイミングだったな。ご苦労だった、ココ、ミランダ。楽にしていいぞ」

 

「「い、イエスマム!」」

 

 

一行を出迎えたのは、初老の女性と二人の少女。

 

初老の女性は頭にバンダナを巻き、淡い紫を基調とした服装で、ジルに対し応じる物腰も含め、全体的に落ち着いた雰囲気を醸し出していた。

また、側には頭にゴーグルを着けたゴールデンレトリバーらしき犬が控えている。

 

それに対し少女二人は、背丈からしてまごと同い年か少し上で、ジルと同じような依託の服装で何故かヘソ出し。おまけに敬礼姿はどこかぎこちない様子で、見るからにソワソワしている。

藍色の髪をお下げにした少女がココ、モスグリーンのショートヘアーがミランダであり、その視線はチラチラとジルの背後に向いている。

 

「で、後ろのが例の連中かい?なるほど、確かに男だねェ」

 

「そうだ。すまんがそこを退いてくれるか、会わせてやると言ってしまったのでな」

 

「あいよ」

 

ここで、じーさん達は辺りを見回す。

 

目に写るのは規則正しくズラリと並んだ、綺麗に四角く加工された石の数々。

それらには皆一様にアルファベットで文字が掘り込まれており、英語のわからない二人にもこれらが何なのかハッキリとわかった。

 

「待たせたな、貴様らの仲間ならここにいる」

 

「「………」」

 

そう言うジルが手を置くのは、周りの物と同じような形をした石…墓石。

 

それには、同じようにアルファベットでこう彫られている。

 

 

 

Pencil head(えんぴつあたま)

 

 

 

 

………………。

 

 

 

 

 

「「校長すでに死んどるがなーーーーーーっっ!!!」」ガビーンズビーンドビーン

 

 

ありがとう校長。さらば校長。君は、僕たちの心の中できっと生き続けることだろう(二時間くらい)





ギャグが、ギャグがたりねェ……

当初の予定より弱冠長くなったので、ここまでで投稿。
基本的に、話の流れと構成、ネタだけを考えて執筆を始めるので、予定外の長さになることが昔から度々あるんだよなぁ。

実を言えばラ◯ダーマンかエドワー◯・エルリックと迷ったんだけどあえてライダーマ◯をチョイスしました☆



予想外と言うべきか予定調和と言うべきか、2話で早くもガッツリ死んでしまった校長。果たしてじーさんの心中は…?
そんな中、鳴り響く警報、姿を現す「敵」。どうする、じーさん!

次回もこうご期待。それではノシ
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