ミランダがにらんだ
ミランダ(ネコ装束)
「…なんであたしがこんな格好……ぐぬぬ」
まご・ココ
「(かわいい……)」
じーさん
「(レバニラ食いてぇ……)」
『第一中隊、まもなく視認可能域に入ります』
対ドラゴン用機動兵器、パラメイル。
ノーマの棺桶とも称されるソレは今、眼下に海面を見下ろす中で7機で編隊を組み、空を駆けていた。
しかし、中隊と言う割にカラーリングはバラバラで統一性がなく、それも赤、青、黄、緑、桃、そして橙に紫と、見ようによっては戦隊ヒーロー物をリスペクトしているようにも見てとれた。
「数と識別は?」
『確認できるだけで、スクーナー級が10、ガレオン級が1です』
「ふぅん…。デカブツが厄介だが、大した数じゃないね」
ウェーブがかった見事なブロンドの長髪を風になびかせ、紫色にペイントされた
「全員聞こえたな!相手は少数だ、小物を速やかに各個撃破しつつ、大物を包囲。集中放火でとっととカタをつけるよ!」
「「イエス・マム!」」
淀みない斉唱は軍隊教育の賜物か。
が、メイルライダーと呼ばれる彼女らのその表情はバラバラで、内2名は不満げな様子を隠そうともしていなかった。
「ったく、これじゃあ今回も大した稼ぎにならないじゃねぇか、張り合いでねーっつの」
「出撃コストばかりかかる……実入りが益々減る……ハァ…」
ぼやくのは、オレンジでハネた髪が特徴のロザリーと、淡いアクアブルーの髪で片目を隠し、後ろを赤い髪止めで三つ編み一本にまとめたクリス。
機体は連装砲を背負った中距離装備の黄色い
ロザリーは単純に報酬が少なくなることが不満なだけなのだが、クリスに至っては持ち前のネガティブ思考も相まって既に陰鬱としている。
「なに?二人揃って戦意喪失?なら、アンタ達の取り分もアタシがもらってやるよ」
「ばっ!?勝手なコト言ってんじゃねーよヒルダ!」
「いつも私たちよりずっと稼いでるクセに…」
不適な笑みで不穏な事をさらりと口にしたのは、ゾーラと同じくウェーブがかった、こちらは鮮やかな赤い髪をツインテールにした、ヒルダ。
乗機はロザリーと同じグレイブであるが、こちらは出力と装甲に強化を施した高機動型であり、実力者向けの調整が為されている。
「はいはい、敵さんはもうすぐなんだから、三人とも喧嘩しないの。サリアちゃんに怒られちゃうわよ?」
「そーそー。それに、もしうっかりエルシャまで怒らせちゃったらそりゃあもう大変なことに~」
「…それは私が一人で怒っても大したことないと言いたいの?ヴィヴィアン」
「うわっ、ヤブヘビ?」
「一言多いのよ、ヴィヴィちゃん?」
そして、橙、桃、青…水色の機体に跨がるのが、エルシャ、ヴィヴィアン、サリアの三人。
ピンク色の長髪で背中を隠したエルシャの機体はハウザー。長距離ライフルを携行した、高火力支援機となっている。ピンクハインrナンデモナイデス
サリアは紺の髪をヒルダと同じくツインテールにしている、がこちらはストレート。機体はアーキバスで、出力並びに通信・索敵能力が強化されたゾーラ機と異なり、ライダーの適性に合わせ長距離狙撃用へ特化した調整が施されている。
サーモンピンクのショートカットにピョンと立ったアホ毛が可愛らしい。そんな中隊最年少ヴィヴィアンの機体は他のどの隊員とも共通しない、
この機体は機動力を高めるため装甲が限界まで削られており、結果出力バランスが崩れ、非常に扱いの難しいピーキーな仕様となってしまった物である。
事実、実戦でこの機体を使用しているのは、現在ヴィヴィアンのみである。
「無駄話はそこまでだ、奴さんのお出ましだよ!」
と、ついに敵の姿が見えた。悠然と空を進む
「数はほぼ想定通り…。お前達、手はず通りだ。ぬかるんじゃないよ!」
「「イエス・マム!!」」
ゾーラの声に続けて再びの斉唱。ライダー達の目に戦いの灯が点る。
「…おろ?」
…が、しかしここで、約一名が気付いた。気付いてしまった。
「…うーん、ちょーーっとここでクイズだぁ!」
「はぁ?」
「何よヴィヴィアン。そんなの後でいくらでも聞くから今は集中しなさい!」
「サリアとヒルダのー、うしろの正面は誰でしょ~かっ!」
「…後ろの正面?」
「ったく、こんなタイミングで一体なんだってん…」
ズゴゴゴゴゴゴゴ……
「「 」」
二人は言葉を失った。何故なら、
それぞれの真後ろに、8頭身でブーメランパンツ一丁のゴリマッチョなヒゲが鎮座していたからである。
しかも、なんかジットリムワッとしてる。
「「んな~~~~~~~~ッッ!?!?」」ズガビーン
「フッフッフッ、ついにワシらの出番が来たようじゃな校長」
「ぐっふっふっふっ、ドラゴンと言えど所詮はトカゲ。ワガハイのパワーで指全部つき指させてやるのじゃい…」
「ならばワシは、奴らのヒジというヒジのイヤな所をぶん殴って腕をビリビリさせてやるぜ…」
「「ヌッフッフッフッフッフッフッフッフッ☆」」
「「(むさいのがなんか地味なこと言ってる!?)」」ずも~ん
何故か8頭身で、何故かマッチョで、しかし首から上だけいつも通りの、じーさんと校長の姿がうら若き乙女の背後にあった。
突如として身に降りかかったシュールさと汗臭さに、ヒルダとサリアの思考は停止せざるを得なかった。
「「………」」
「すっげー!ムキムキだムキムキ!」
ゾーラ以下他の隊員も同様で、目の前の怪奇現象にただただ呆然としている。約一名、無邪気にはしゃいでいる者もいるが。
「…誰!?」
「ってゆーかナニ!?」
絞り出されるようにこぼれたクリスとロザリーの一声に、ヒルダとサリアは我に返った。
「な、何なんだお前!!いつからそこにいた!?」
「まーまー落ち着け。あんまカリカリすっと、ハゲるぞ?」
「テメーに言われたかねえよっ!!」
「騎乗した時には間違いなくいなかった筈なのに、一体いつの間に…っていうか何で誰も気付かないのよ!それに…」
「オイキサマ!ブツブツ言ってないでさっさとワガハイを奴らの前へ連れていくのじゃい!!尾てい骨コナゴナにするぞ!!」
「初めて出会った男の人が、コレだなんて……」
激昂するヒルダと、ささやかな憧れが穢されうちひしがれるサリア。
謎のナマモノ出現により、「戦いの灯」なんてものは誕生日ケーキの蝋燭かの如く儚く霧散。
もはや空気は放送事故気分である。
シャアアアアッ!!
そんな隙が見逃されるほど、彼女らの
「全機散開!!」
「「っ!!」」
スクーナー級が数体迫りくるのに対し、ゾーラの指示が飛ぶ。
隊員達は反射的に機体を翻し、全機どうにか事なきを得た。弾の一発も入れぬうちに落とされるなど洒落にもならない。
「のわーーーっ!?」
「ぐわーーーっ!!」
しかし急な機動である。対照的に、じーさんと校長は慣れない慣性とGに悲鳴を上げる。
その拍子(?)に、二人はいつもの2頭身に戻ってしまっていた。
「キサマーッ!なんじゃい今のは!もっと丁寧に操縦しねーかコラ!!」
「ああもううるさい!!…ってなんか縮んでる!?」
「危うくゲロ吐くとこだったじゃねーか!いいのか!?オマエの背中にぶちまけていいのか!?」
「こっちもかよ!?ってか本当にやったら殺す!!」
そうこうしている間にも、戦場は動いていく。
第一中隊の前方からは大型を含む後続のドラゴン達が迫りつつあった。
「ちっ、先手を取られるなんざ面白くない!全機、駆逐形態!体勢を立て直せ!!」
「「イエス・マム!!」」
ゾーラのを筆頭に、それぞれの機体が姿を変える。
跨がる少女を抱きしめるように覆い隠すと、それを基点に各部がスライド。
両足、両腕、頭、そして翼。
何もかもが完璧と言われるこの世界で、唯一悪意と理不尽を背負わされる彼女達ノーマ。
それらをその身に宿し、共に果てる
…なのだが、
「おぉっ!戦闘機がロボットに
「したくてもできないのよっ!」
「どゆこと?」
「後ろ見なさい!!」
「へ?」
シギャアアアッ!!
「のお~~ッッ!?」
あろうことか、初撃を空振ったドラゴン達の全てが真っ先に並んで飛ぶサリア機とヒルダ機に狙いを定めて来たのである。
背後から喰らいつかんと牙を剥き出しにし、追跡してくるその数、5匹。
「ったく!なんでよりによってこっちにばっか群がってくるんだよ!?」
「ヤツらめ、さてはワシがカッチョイイからひがんじょるな」
「うるっさい!!いちいちウザいんだよハゲ!!」
実際は、
ともかく、ここまま変形などすれば隙を突かれてあっという間に四人は食い殺されてしまうだろう。
「おのれ小癪な~~!ならば、ワガハイの必殺技で目にもの見せてやるのじゃい!!」
「ちょっと!お願いだから余計なことしないで!」
「はあぁ~~~~~……!!」
「聞けぇーっ!!」
サリアの叫びも空しく、校長は何やら額に青筋を立てて体に力を込め始める。
すると、
「…!?なんだ、急に雲が!?」
ゾーラが発砲しつつ辺りを見回せば、ついさっきまで雲ひとつない青空だったはずが、どこからともなく真っ黒い雲々が湧いて出て、上空を覆い隠そうとしていた。
「喰らうがいい!これぞワガハイの必殺…」
ゴロゴロゴロ…
黒雲の中で稲光がほとばしった、次の瞬間。
「校長サンダーーーーーーッッ!!」
黒雲、雷雲から電が降り注ぎ、敵の体を貫いた。
ギャアアッ!?
予期せぬ一撃を喰らい、ドラゴン達が空中で悶える。
「っ、今だクリス!!」
「う、うん!」
何が何だかわからないが好機。ロザリー機とクリス機がすかさず、ちょうど前方にいた2匹へそれぞれアサルトライフルの引き金を引く。
なすすべなく直撃を受けたスクーナー級2匹は、血しぶきを上げながら落ちていった。
「っしゃいただきィ!」
「でも、今の何…?」
それは、サリアが一番言いたいことだった。
「がーっはっはっはっ!!やってやったのじゃーい!!」
「あ、あなた一体…!?」
「よーし、このまま畳み掛けてくれるわーーーッ!!とうっ!!」
「あ、ちょっと待ちなさい!?」
サリアの制止も聞かず、校長はアーキバスから跳躍。近くにいたドラゴン一体へと躍りかかった。
「必殺!校長スーパーハイパーミラクルマーベラステクニックウンバボーメキシカンスピードワンダフルカメハメマンチカンポチョムキンバーニングアイアンザブングルライトニングスターフォークセクシュアルワイルドボンバーダイナミックシルバニアうっふんあっはんデュエリストドラグーンホワイトミラバケッソえ~~~~~~~~と」
カ プ ♪
「ぎゃあぁ~~~~……」
ガブガブムシャムシャパリパリマグマグ
哀れ、校長はスクーナー級にあっさりいただかれてしまったのであった。(あんまりおいしくなかった)
ッドーーン!!
ギャアッ!?
「…えーと、ついうっかり撃っちゃったんだけど、良かったのかしら?」
「本当に、一体なんだったの…?」
「な~~~む~~~」
ついでに、校長を補食したドラゴンもまた、エルシャ機の砲撃で落とされてしまったのだった。
ありがとう校長!さようなら校長!キミの勇姿はきっと語り継がれることだろう。(チャーハン作ってる間くらい)
「なんじゃ、アイツもう死んだのか」
「はっ、お仲間が死んだのに随分薄情なもんだね!」
「イヤだって、今日でもう2回目じゃし」
「は?」
「っ、ヒルダ前!」
サリアの声に視線を戻せば、ヒルダ機の行く手を遮るように、ガレオン級のその巨体が迫っていた。
「ちィ!?次から次へと面倒くさい!!」
「おっしゃー!今度はワシの番じゃあーーっ!」
「ほんとメンドくせぇ…」
言うが早いが、じーさんはグレイブの上で器用に片足で立ち、両手を頭上横に掲げてみせる。いわゆる、荒ぶる鷹のポーズだ。
「ドラゴンよ!ワシの必殺、失恋大爆笑パンチを受けるがいい!」
「どんな技だよ!?」
「いくぞぉぉぉっ!!」
じーさんもまた跳躍。ガレオン級の眼前へ飛び掛かり、
「喰らえ必殺…ぐへっ!?」
「オイ痛いって!その歯鋭くて痛いってぎゃあああ!?」
「ゴメンなさい!!イヤマジでゴメンなさい!!」
勝 て ま せ ん で し た (はぁと)
「…は、ハハッ。ようやくうっとおしいのがいなくなって――」
ガシッ
「イヤー、惜しかったなー」ボロッ
「どうやって戻ってきた!?」
「ねぇエルシャエルシャ!今腕がにょーんって!」
「ええそうねヴィヴィちゃん。あんまり見たくはなかったわね…」
麦わらの海賊よろしくのリターンを目にし、ニッコニコなヴィヴィアンと頭痛を覚えるエルシャであった。
オォォォーーーンッッ!!
空間を揺らがすような唸り声とともに、ガレオン級が再びヒルダとじーさんへ迫る。
「クソッ!こうなったらあの《伝説の剣》を使うしかない!!」
「イキナリなんの話!?ってかもう何でもいいからそこで大人しくしてろ!」
「その剣ははるか昔、世界を脅かす邪竜を倒した聖なる王子の腹心が使ったとされ――」
「人の話を聞け!!だいたいんなもんどこにあるってんだ!!」
「ここにある!!はぁぁーーー……」
目を閉じ、全身に力を込めるじーさん。
すると、その体が光り始めた。
「おい、まさか――」
「はぁぁーーーーーーーー…ッッ」
光は眩さを増し、その力はどんどんと大きくなっていく。
そしてついに、
「はぁぁーーーっ……ハァッ!!」
カッ!!
すぽっ
「「………」」
じーさんの手により抜かれたソレは、一瞬滑らかになびいてから、瞬時に硬化。
ジグザグという、剣としては歪なフォルム。
真紅に彩られた美しいその刀身は、陽光を反射し煌めく。
巨大な敵を討ち果たさんと握られたソレは――――
ヒルダのツインテールの、かたっぽ。
「はあァァアアアアアアアアア!?!?!?」どびび~~ん
「よっしゃいくぜ!」
「今何が起こった!?アタシに何が起こった!?なんか頭の重心おかしいんだけど!!ヒルダ泣いちゃう!!」
「とりゃーッ!!」
「オイ待てジジィーーーーッッ!!」
ヒルダの悲鳴とともに、じーさんは先程よりずっと高く跳んだ。
ガレオン級の頭上まで上がり、空中で剣を掲げる。
ほんの一瞬空中で制止し…
「
落下とともに、縦一文字に振り下ろした。
「…ていうか、形が似てるだけじゃん」
「え、クリスわかんのかよ!?」
「うん、スマブラ出てたし」
「はい?」
ザンッ!!
グギャアアーーーッ!?
ガレオン級は首から腹まで一直線に切り裂かれ、激痛で悲鳴を上げる。
そこへ、間髪入れずに紫の機影が突撃した。
「ダメ押しだ、持っていきなァッ!!」
ゾーラのアーキバスが、腹の傷口へ容赦なく右手を叩き込み、その内側へ凍結バレットと呼ばれる必殺兵装をぶちかます。
ガレオン級は体の至る所から氷柱をつき出させ、断末魔の声を上げながら墜ちていった。
さらに言えば、今のが最後の一体。他のスクーナー級も全てゾーラとヴィヴィアンを中心に撃破され、壊滅。戦闘終了である。
で、じーさんと言えば、
「誰かぁーー!!助けてくれーーーッ!!」
そのまま、重力に従ってぐんぐん落ちていっていた。と、そこへ、
「キャーーッチ!」
「おぉっ!!」
ヴィヴィアンのレイザーが持ち前のスピードを生かし、猛追。見事、じーさんの体をその手に収めてみせた。
「イヤーすまん、おかげで助かった」
「どーいたしましてっ♪それよりスゴいねおっちゃん!ねね、今のどうやったの!?」
「フフ、知りたいか?」
「知りたい知りたーい!」
「いいからさっさとアタシのソレ返せボケェェェ!!」
コクピットから顔を出し屈託ない笑みを見せるヴィヴィアン。
それにじーさんが気を良くするのも束の間、怒髪天のヒルダが変形したグレイブで猛接近してきていた。声だけでわかる、鬼の形相だと。
「うわちゃあ、ヒルダマジギレだぁ」
「ホント短気なヤツじゃのー、不屈のエースオブエースが聞いて呆れるわ」
「使い尽くされたネタ出してんじゃねぇよッ!!」
ヴィヴィアンと同じようにコクピットから身をのりだしてくるヒルダ。
その頭は、対の片方を失ったなんちゃってサイドテールと化していた。
「しょうがないのー。ホレ」
そう言ってグレイブに飛び乗ったじーさんは、元に戻ったヒルダの髪を頭へとくっつける。
ガキィィィィン!
「なんかあり得ない音したぞ!?てめぇマジでアタシになにしやがった!?」
「まーそういう季節だから♪」
「そんな季節あるかクソ野郎ッ!!」
「おおっと」ピョイーン
「すっげーヒルダ、ガンダムみたいじゃん!」
「お前後で覚えてろよヴィヴィアン…」
不穏な効果音とともに戻ってきた髪の房をしきりに確認するヒルダ。なんの異常もないのが返って不気味であった。
グレイブからレイザーの肩へ飛び移ったじーさんに、ヴィヴィアンは問いかける。
「ところでさー、おっちゃん何者?」
「ワシか?」
その問いに、じーさんは声高らかに答えた。
「ワシはでんぢゃらすじーさん!世の中のありとあらゆる危険から安全に生き抜く方法を教えるプロじゃーーーーっ!!」ばばーん!
「デンジャラス爺さん、ねぇ。名は体を表すとはよく言ったモンじゃないか」
「お姉さま?」
「こいつは、しばらく退屈しないで済みそうだねェ。フフ」
「あ、あはは…」
[推奨OP、「でんぢゃらすじーさん愛の歌」http://youtu.be/8x3uDPgm8Qk]
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一方その頃、アルゼナルでは…
「………戦闘は終了。敵残存戦力、ありません」
「…第一中隊全機、損傷なし…」
「現在、ヴィヴィアン機に……えと、なにかヘンなのが…司令?」
「スーーーーーーーーーーーーッ、フゥーーーーーーーーーーー……」
戦場をリアルタイムでモニタリングしていた司令室は、何とも言えない空気が充満していた。
そんな中でもどうにか声を絞り出し、職務を全うしようと努める3人の少女オペレーター達だったが、肝心の司令であるジルは、ただひたすらケムリを入れては出すひとになっていた。
「…ジル、それで何本目だい?」
「……22本」
「この短時間で一箱空けちまったのかい…。程々にしときなよ?」
「…ヨウスケ?あんたのおじいさん…人間?ノーマとか人間とか、そういう意味じゃなくて」
「うんまぁ………一応」
「一応てあんたね…。しかも何よその間は」
その中には、まごのイヤな予感に従って戦場の様子を見るべくやってきたジャスミン達の姿もあった。なお、ココは先程から口を半開きにして固まってしまっている。
「…少年、さっきはすまなかったな」
「え!?あ、いや別に気にしてませんから…」
「アレとは一緒に暮らしているのか?」
「そうですけど…」
「そうか……。その歳で、随分苦労してきたんだろうな…」
「……えぇ、そりゃあもう…」
柄でもないが、今この時、少なくとも
「…さて、監察官。これからどうしたものかな」
「静かにしてください司令。今、ミスルギ皇国で第一皇女アンジュリーゼ殿下の洗礼の儀が執り行われているんです。邪魔をしないでもらえますか?」
「……いや、すまなかった。どうぞ心行くまで見ていてくれ」
監察官のエマは、マナによって開いている空間モニターを凝視している。どうやら皇室式典の中継を見ているらしいが、今は勤務中である。
常日頃は規律に人一倍厳しい彼女のそんな様子に、ジルは口を挟むことなど到底できなかった。
チラリと戦場を映すモニターを一瞥してから、ジルはゆっくりと席を立つ。
「あっ、司令?どちらへ…」
「医務室だ。さっきから胃の痛みが酷くてな…。胃薬をもらってくる」
「そ、そうですか…」
「なんかもう、ホント色々ゴメンなさい…」
複数のいたたまれない視線に見送られ、ジルが司令室を後にしようとした、その時、
「……はっ?え、えぇっっ!?」
中継を見ていたエマが、すっとんきょうな声とともに勢い良く立ち上がった。
「どうかしたのかい?」
「こ、こんなことが…」
「「?」」
ワナワナと震えるエマを怪訝に思い、ジャスミン達四人がその背後からモニターを覗くと、
そこには、自身が
ミュウツーを購入したので、しばらくぶりにスマブラをプレイ
↓
その後執筆作業再開。黒餡の設定を洗い直すべくWikiや公式サイトを眺め始める
↓
ヒルダの立ち絵を見た際、その波打った髪が目に止まる
↓
「……サンダーソードっぽくね?」
それだけです。ええそれだけですとも
諸事情により、中途半端なところで更新が少々延びてしまいました。申し訳ありません。
4話にして、とうとうじーさん達がやりたい放題を始めました。書いていて非常に楽しかったですw
が、こんなのはまだまだ序の口。ジルの胃袋は果たしてどれだけもつかな!?
次回、自身の正体がノーマであると知らされ、目の前で母も死に、わけもわからず打ちのめされたままアルゼナルへとやってくるアンジュリーゼ。
そんな彼女を出迎えたのは、二人の女性と、一人のヒゲジジイであった。アンジュリーゼの運命やいかに!?
それではまた次回ノシ