―朝―
瀬芦「兄ちゃん、兄ちゃん。起きて、なんか手紙とパンフレットが部屋の入口に置いてあったよ。」
朝から騒々しいな
つーかもう起きてたのか、早いな。
櫂琉「眠いから、あと5分…」
もう一度眠りに落ちようとした俺は瀬芦の一言で意識が覚醒した。
瀬芦「なんか、神崎よりって手紙に書いてあるけ…」
櫂琉「なに!!瀬芦、そいつを渡せ。」
飛び起きた俺に驚いた瀬芦から、手紙を取り上げる
それは確かに、俺らあての神崎からの手紙だった。
内容を要約するとこうなる
神崎(僕は瀬芦ちゃん達と観光行きたかったけど、大事なお客が入るからって、外出許可がもらえなかったんだ。
ホントに残念だけど、僕としては地元を楽しんでもらいたいからね。パンフレットにあまり知られてないおすすめの名所を書いたのをはさんでおいた。楽しんできてね~。)
なぜ、要約したかというと、文章のいたるところに瀬芦への口説き文句が書かれていて、あまりにもうざかったからだ。
手紙の3分の2は埋めているだろう。
あいつ、どんだけ瀬芦に入れ込んでるんだ?
瀬芦に惚れたか。
…神崎は悪い奴じゃないんだ。
現に、ご丁寧に手書きの地図でおすすめの名所とその見どころとやらが書いてある。
明日に案内するって手もあったろうに…
そこは、神崎に感謝だな。
楽しげにパンフレットと地図を見ている瀬芦に免じて許してやる。
シメるのは無しだ。
瀬芦「兄ちゃん、ここに行きたい!」
手書きの地図の赤丸を指さしてはしゃぐ瀬芦のために、観光ルートを決めるための思考に切り替える事にした。
さて、出かけますか。
俺たちはガイドブックに載っている場所を訪れてはお土産を買ったりして観光を満喫していた。
そして今いるココは、吉祥寺というお寺だ。
吉祥寺は虜久の地図を頼りに来たのだが、ろくな目印が無くて到着するまでにかなりの苦労を強いられた。
そこまでしてきた理由はただ一つ。
吉祥寺には願いが叶うという成就石があるからだ。
ただし、そう簡単にかなえてもらえるわけじゃあない。
そうだな、今から瀬芦がやるようだからついでに説明しとくか。
1、本堂付近に金剛杖(今回は借り物)を持って立つ
2、目を閉じて金剛杖を持って成就石が置いてある場所まで歩いて行く
3、成就石に開いている穴に願い事を心の中で唱えながら金剛杖を突き通す
カアーン
…妙に抜けた音とともに瀬芦が崩れ落ちる
瀬芦「兄ちゃん、手が痛い…」
どうやら、思いっきり杖を突きだしたはいいが的を外して成就石に当たり、反動で手がしびれたらしい。
櫂琉「はずしちまったか。ま、そういうこともある。次は俺だからなよーく見とけよ。」
瀬芦から杖を受け取り、本堂付近に立った。
石との距離を測り、目を閉じる。
一歩ずつまっすぐに進む。
ここだ!
櫂琉「(―――――――――)」
杖が穴を貫いたその時、
――シャラ…ン―――
どこからか澄んだ音が聞こえ、成就石が目も開けられぬほどの光を放ち
俺たちの視界は真っ白に染まった。
?「―――い…おい。起きろ」
何処からか声がする
ああ、いつの間にか気を失っていたのか
そうか、ここはてんご―――
?「いや、天国じゃないよ。現実見よう!?」
なぜ心の中が読めるのだと文句を言うため、目を空けると、そこには―――狐がいた。
いや、正確にいうと狐の面をかぶった人であるが。
狐「はあ、お嬢さんたち人の子だろう?こんなところで 何をしてるんだ?」
櫂琉「お嬢さん?俺はれっきとした男だ…」
あれ…?今の声…なんだこの違和感?
ま る で 女 の 子 の よ う な 柔 ら か い 声
狐「じゃあ、それはなんだ?」
そういって指を差され、自分の胸元を見た俺は―――
櫂琉「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
狐「ちょっ!君!?大丈夫!」
俺の胸元は男性の胸筋ではありえない程腫れている…
いや、これはもう認めるしかないのか?
これは女性特有の「お」から始まるアレしかない
ここで叫ばずにいられようか
狐「いったん落ち着こう!?そうしよう!」
狐に押さえ込まれそうになり、抵抗するが押し返すこともままならない。思わず顔をそむけると、そこには
ーーーーー【櫂琉】が横たわって眠っていたーーーーー
俺は狐の胸ぐらをつかんで狐に訊いた
櫂琉「おい、狐。お前一体俺に何をした」
狐「何って、僕は君に何も……してないよ」
櫂琉「おい、今の間はなんだ。なんかしたのかおい」
狐「だからしてないって。…まあ、こんな可愛い子がいるからあんなことやこんなことしてみようかなー…って、冗談だよ!だからそんな恐ろしい形相でせまってこないでっ…ぎゃぁぁぁぁ」
ーーーーーしばらくお待ちくださいーーーーー
どうもお久しぶりです。翔です。
まことに勝手ながら改変した第二話、お楽しみいただけたでしょうか?
意味不明なところも後でちゃんと回収するので次回をお待ちください。
…それにしても、狐(狐の面をかぶった人)は生きていられるのでしょうか
生きていたら、登場させたいなと思っています。
ここまで読んで下さった皆さん。ありがとうございます。
感想などをくださるととてもうれしいです。
ではまたお会いいたしましょう。