変態狐を成敗すると、いつの間にやら瀬芦が起きていた。眠い目をこすっている。これが妹であれば可愛らしいのだが、いかんせん今の瀬芦の外見は俺であり、複雑な感情に支配されただけであった。
ーシャラ…ンー
またこの音だ。一体どこから聞こえてくるのだろうと辺りを見回していると、突然狐が立ち上がった。
狐「ついてきてください」
そう言うとさっさと森の奥へ行くので、まだ眠たげな瀬芦を起こして慌てて追いかけた。
知らない人についていってはいけないと教わった気がするが、突然知らないところに連れてこられ、帰り道もわからぬまま置いていかれるのは流石にマズイ。変態についていくのは気が引けるが、仕方のないことだ。うん。好きでこんなやつについていかないからな。
狐の行き着いた先は古びた社だった。
こんな森の奥に立つそれはどこか寂しげでーー
コンコン
狐が扉を叩く音が反響する。
すると、中から綺麗な女の人ー水色を基調とし、小鳥があしらってある着物を着たーが出てきた。
女「本当に帰ってきたのね・・・
おかえりなさい」
女の人は信じられないような顔をして、そして泣きそうに微笑み、言葉を発した。
浮世離れしたその存在に俺達兄妹はただ、ぼうっと立ち尽くしていた。
その言葉が誰に向けられたものかも知らずに
社の中に入り、俺達はなぜここに連れてこられたのか頭をひねっていた。
しばらくここで待っていてください。と言い残し、狐は女の人を連れて部屋を出てしまった。
兄妹とは違う部屋で、狐が女の人に兄妹の状況を説明していた。
女「ーーーということは、あの子たちには記憶がない?」
事のあらましを聞いた女の人は訝しげに尋ねる
狐「おそらくは。転生の影響だろうな。しかし、魂が同じことには間違いない。」
女「仮に祭りの力があの石に届いて、あの子たちがこちらの世界にに来てしまったとしてもいたとしても・・・魂が入れ替わるなんておかしいじゃない。」
狐「それなんだよな。魂の入れ替えなんて神サマくらいしか出来ない。しかもそんなこと普通はやらない。」
女「・・・ねえ、あの石がある神社の神ってタカオよね?」
祭好きの酔狂な神を思い出した2人はたどり着いた可能性に頭を抱えた。
狐「あ・・・そういやアイツら昔は気に入られてたな。一体何を願ったのやら。」
女「確信はないけれど、一応聞いてみましょう。もしそれが本当なら面倒くさいわ。あの神はかなり気まぐれだから何をするか・・・」
狐「はい!つーことで☆」
櫂琉「つーことで☆。じゃねーよー!!」
瀬芦「流石に説明して欲しいかも。」
唐突に話始めた狐に掴みかかる兄(外見妹)と袖を引っ張る妹(外見兄)
なんともおかしな構図に目を回しそうになる女
狐「いいじゃん説明面倒だし。というわけで君ら何か」
櫂琉「こっちから質問させてもらおうか」
狐「え?なんでいちいち遮・・・」
瀬芦「いいからちょっと黙ってて狐さん」
滅多に見せない黒笑を向けられた狐は硬直し、その場は静かになった。
とはいえ俺の顔なのだからそこまで威力は無かったであろう。小さい頃にキレた瀬芦を見たが、可愛い顔にもかかわらず、世にも恐ろしい笑顔だったことを覚えている。ああ、思い出すだけで寒気がする。
女は狐を一瞥すると
女「こいつはほっといていいわ。」
それで、何から話そうかしら?
大変お待たせいたしました。
皆様お気づきかと思われますが、トップのあらすじを削除致しました。あのあらすじのままではこれ以上書けないと思った故です。
また改変することもあるやもしれませんし、相変わらずの猫更新ですが、必ず完結させます。
お許しいただける読者の皆様、どうか最後までお付き合いください。