願い事   作:中谷 翔

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第4話

 

 

 

女「そうですねぇ。まずは自己紹介からしましょう。お互いにね。

私はセイカと申します。

そっちで使い物にならなくなってるのがミドリ。」

 

狐「使い物にならないってひどいよ!」

 

セイカ「ちょっと黙ってなさい。」

 

ゴスっ!

 

((怖ぇ))

 

櫂琉(外見妹)「ここはどこなんだ?」

 

セイカ「森の中っていってもわかりきってますよねぇ

そうですねー。では、妖って信じますか?」

 

 

瀬櫓(外見兄)「妖?それって妖怪?」

 

セイカ「まあ、そうとも呼ばれますね。

ここは妖の森。人間が好きなモノたちの住処。

と言っても気まぐれに人界におりて人間に混じったり、人間達の真似をしたり。」

 

櫂琉「じゃあ、あんたも・・・」

 

セイカ「ええ。私達は妖ですよ。」

 

 

ーーーーー

 

櫂琉は1人川のはしに腰を掛け、もの思いにふけっていた。

 

どうしてここに来たことがあるのだろう(・・・・・・・・・・・・・・)

ここは妖の住む森。人間がそうそう簡単に来れるはずがない。

なのに・・・この場所が、すごく懐かしい。

 

「ここにいましたか」

 

女の声で思考が遮られた。セイカだ。

 

「具合は良くなりましたか?」

 

そうだった。気分が悪いと言って、あいつらを置いてきて一人でここに来たんだった。

 

冒頭のやり取りがあった後、俺達は「祭りだ!早く来い」

と言われたセイカと狐に引っ張られ、あれよあれよと祭り会場へとつれてこられた。

祭りはどうやら人間がやっているのが楽しそうで、人に化けられないモノたちが企画し、始めたのが起源だそうだ。

本当に近所のお祭りのようなので、どこから屋台骨や調理器具を持ってきたのかと瀬芦が聞くと、狐が嬉々として答えた。これはちゃんと買ってきたものだよ。と。

どうやらここの妖たちは人界を好むあまり、仕事までして稼いでいるらしい。時々帰省してきてはみやげ話を語る奴らも結構いるとか。

呼びに来た妖に連れられたのは、少しひらけたところに設置された中央舞台の前。

そこではすでにバンドマン(妖グループで姿かたち、楽器も様々)が演奏していて、広場は大盛り上がりであった。

人界の曲ばかりだったので、ここの妖たちがどれだけ人間好きなのかを思い知ったと追記しておこう。

ゲストだといってステージの上へ引っ張られたセイカと狐を見送り、周りの妖たちと一緒になって盛り上がった。

一通りのグループが演奏し終わったのだろうというとき、そろそろ戻ろうか。と声をかけた隣には、妹(外見俺)の姿はなかった。そのかわり…

「おにーちゃーん!!」

ステージ上からマイクで呼び出され(どっちかっつーとおねーちゃんだろ!?)、逃げようと踵を返したが、あれよあれよとステージへ連れていかれてしまった。犯人は言わずもがな、狐である。こいつを一回はっ倒してもいいだろうかとか考えた俺は悪くない。狐の笑顔がむかついたんだ。

結局、貸出制の楽器とマイクを手に俺たち兄妹+セイカと狐(リョクって言ってたっけ?)で一曲歌った。

いつもは俺がドラムで瀬芦がギター兼ボーカルだったが(カラオケ最高っ)、体が入れ替わってしまっているので、ついでに入れ替えてみるかと俺がギターとボーカルをやることになった。セイカはキーボードで狐がベースだ。

色々と心配ではあったが、体が覚えていたようで、お互いそつなくこなせた。

自分から妹の声が出るのは何とも言えない違和感があったが、楽しかった。普段高音域を歌えない分、思いっきり発散できたのだ。

 

しかし、ライブが終わったあと祭り騒ぎの熱気にあてられたのか、俺は逃げるように祭り会場から離れたこの川へ来た。

 

 

 

 

セイカ「妹さんは、リョクと一緒に出店をまわっています。すごく楽しそうでしたよ。」

 

リョクと言う奴と一緒にいるのがなんか気にくわないが、瀬芦が楽しいならばまあいいか。

俺も「妹離れしなければ」

 

俺の思考を読んだように言葉を発したセイカを見上げた。

俺の横に静かに立っていた彼女は微笑んだ。

 

セイカ「やっとこっちを見てくれましたね」

 

その姿が一瞬なにかに重なった。

夢のように朧げな、逆光に照らされた誰か。

その場所もいつか見たものと同じでーーー

そこから先の思考を断ち切るように首を振ったら何か勘違いされたらしく、少し悲しげな表情になった。

隣に座った彼女。しばらくの間、何も考えずただ川のせせらぎを静かに聞いていた。

 

【いつからこんなに大きな思い出せない記憶があったか

どうにも憶えてないのを ひとつ確かに憶えてるんだな】

 

頭の中を、さっき歌った歌詞が流れていく。

ぽっかり空いた記憶の穴がおぼろげながら見えている。

 

【何も知らないままでいるのが

あなたを傷つけてはしないか】

 

本当に何も知らないのか?それならどうしてこんなにも懐かしいのか?

静かに、ただそばにいるだけの彼女を前から知っていたのか?

分からない。ワカラナイ。

 

セイカ「あなたはーーー」

 

突然話出して、一言で口をつぐんだ彼女はどこか苦しそうで。

 

櫂琉「なんだ?言いたいことがあるなら言ってくれ。どうせ暇なんだ」

 

セイカ「あなたは、前世というものを知っていますか?」

 

櫂琉「な、に―を―――」

 

セイカ「これからの話は独り言です。暇つぶしですのでお構いなく」

 




とりあえず書いてあったものを投稿します。
後で編集し直します。(ほぼ確実)
懺悔はいろいろありますがラストにします。
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