東方棚ぼた日記   作:勇気のコーン

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どもども、勇気のコーンです。更新遅れてすみません。今回は後半少しシリアスな展開になると思います。では、どうぞ。


第十七話 昔の話

「...ぉぉぉおお!えっ。いだっ!」

 

俺は地面に思いっきりぶつかった。藍達は無事に着陸したみたいだ。...俺の上に。

「橙、危なかったな。」

 

「そーですね、らんしゃま!」

 

「お、重い...早く降りて...」

ピョンっと橙が降りた。だけど藍が降りてくれなかった。それどころか、妖気を使って段々重くしてきている。

「藍...息が、出来ない...」

 

「天馬。《重い》は無いんじゃないか?重いは。」

ヤバイ、意識が遠のく!言い返したいけど息がしにくいから喋れない。こうなったら

 

瞬符《立場逆転》

 

「ふえ?な、何で私、天馬に乗っかってんの?」

おお、軽い。分からなかった人の為に説明だか、今藍が居た所と橙が居た所を入れ替えた。この技は自分と対象を入れ替えるだけでなく、移動する対象のどちらかが身体に触れていれば交換できる。何とも便利な技だ。...この頃、使うことが多くなった気がする。取り敢えず、橙を降ろして藍に謝ることn...

 

「天馬。言い残すことは?」

 

「え、ちょっと、まっ

 

 

ピチューン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回、その病院。いや、診療所に近いかな。そこに連れて行くのは天馬に体調をさっさと治して欲しいだけでは無いんだ。」

...俺に対する慈悲は無いんですか。ま、いいや。何か言うとまた攻撃されそうだし。

「何があるって言うんだ。てか、二人とも気にしてなかったから言わなかったけど、ここ竹林じゃん。」

特に目立った所の無い竹林を歩いてる妖狐とちっちゃい猫又と人間ぽい半人半妖が竹林を歩く姿はとても異様だと思う。例えるなら、お菓子のた◯のこの里に何故か一つだけ、き◯この山のやつが入っている感じ。うん、よくわからないか。言ってる俺が何言ってるかわかんなくなってきたぐらいだし。取り敢えず今は藍の話を聞こう。

「実はその診療所の医師がどうも”月”から来たって話なんだ。」

 

「へえー、月から。」

そんな珍しくもない。ここは幻想郷。常識なんて通じない。月なんて当たり前のように...

 

「月から!?」

 

「あ、ああ。そうだ。あくまで話の中だけだがな。」

 

マジかよ。てことは、よーするに宇宙人か。おお!俄然、行きたくなって来た!

「早く行こう。その月から来たってやつに会ってみたい!」

 

「別に構わないが、注意点がある。」

藍はピッと俺の前に人差し指を出した。

「まず一つ目に怪しまれないようにする事。目的は偵察だから、ただの患者に成り済ますんだ。次に二つ目。ここからは私と橙は着いて行かず、代わりに違う奴に一緒に行ってもらう。私たちが行くと、何かと怪しまれるからな。じゃ、頑張れよ。」

 

「頑張ってね〜天馬!」

 

「え、もう帰るの?」

俺の質問の返答を前に藍と橙は足元に現れたスキマに消えて行った。あれ?スキマが出たってことは紫もどっからか見てるってことか。全然、気配を感じなかった。そういえば代わりの人って誰だ?

 

「あ、居た居た。おーい、天馬ー!」

 

後ろから俺を呼ぶ声がした。この声は...

「妹紅か。前に、竹林に住んでるって言ってたっけ。」

声の主は藤原 妹紅だった。腕いっぱいに筍を抱えている。

「一回私の家に戻っていい?天馬を探してたら筍がいっぱい見つかってね。」

 

「おう。じゃ、行こうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー少年少女移動中ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー妹紅の家ー

「はあー、疲れた。」

 

「えらい、筍の量だったからな。」

妹紅の家の台所に筍を置いて取り敢えず、休憩を取ることにした俺らは、居間でくつろいで居た。そういえば、妹紅は月から来たって噂の奴を知ってんのかな。

「なぁ、妹紅。」

 

「ん、何?」

 

「後で行く診療所に月から来たって奴が居るって知ってたか?」

途端、妹紅はとても不機嫌になった。

「どんな奴らかは知らないけど、月から来る奴をなんてろくなもんじゃ無いよ。」

 

「妹紅は昔、月から来た奴と会ったことがあるのか?」

妹紅は見た目に寄らず、と言うか不老不死なのでかなり昔の事を知っている。その妹紅が何とも知ったような口ぶりで話すから少し気になった。

 

「まだ私が不老不死じゃ無かった頃、街ではとても綺麗な姫が居て一日に何人もの求婚者が姫の住んでいる館に結婚を迫ったの。」

 

昔、妹紅の一族はかなり名の知れた一族だったらしい。妹紅も結構なお嬢様だったってことだ。

 

「でもその姫は中々、求婚に応じず諦める人も出て来て最後に残ったのは五人の貴族だった。その中に私の父も居たの。姫は五人の貴族に有りもしない宝を持ってくるようにお題を出してそれを持って来た者と結婚すると言った。」

 

随分ワガママな姫様だなと思った。恐らくお題も結婚したく無いが為の嘘だろう。

 

「父はとても困った。そして、自分の家の力。つまり、お金を使って宝を作った。でも、存在するはずがない宝を見せたってそれが本物で有るはずがない。父はその五人共々、結婚を断られてしまったんだ。でも父は諦めきれず、家にある宝や財産を姫に貢物として送り始めたんだ。宝も財産も永遠に出るものでは無いのにね。」

 

「私は父を説得したけど聞く耳を持ってくれなかった。それどころか暴力までふってきたんだ。以前の父では考えられないことだった。私は恨んだ。父ではなく、父をこんな風にしたその姫をね。そして姫の住んでる館に乗り込んだ。そして姫にこんな事辞めさせるように言った。そしたら、その姫なんて言ったと思う?」

 

「なんて言ったんだ?」

 

「『惚けるそっちが悪いんだ。』だってさ。そして姫は考えられない力を使って私を追い出してしまった。姫は月の住人だったんだって、そこで分かったんだ。だから、私は力を持とうと思ったし、月なんて嫌いになってしまったんだ。」

いつも明るく振舞っている妹紅からは感じられない感情だった。俺は何て声をかけたらいいのか分からず、黙ってしまった。

「さ、診療所に行く前に昼ごはんでも食べようか。」

妹紅がスッと立ち上がった。そして台所の方へ向かって行った。何と無く、お邪魔している身としては落ち着かなかったので手伝うと思った。台所へ向かいながら俺は妹紅の話を思い出しながら

 

「その姫が居なければいいんだけど。」

 

と、独り言をぼやいた。




こんにちは。妹紅だよ。なんか今日は暗い話を聞かせちゃったね。全ては作者だ。では、よろしく。
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はいはーい

それでは次回もお楽しみに!
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