飯も食い終わって、少し早いけど晩御飯の材料でも買って帰ろうとした。
「あ、博麗神社に寄って見るか。」
何と無く霊夢の顔を思い出して行って見ることにした。その前に晩御飯の材料を…今日は簡単なそうめんでいいや。俺は人里の商店街の方へ足を傾けた。
ー30分後ー
さて、買い物も終わり博麗神社に来たわけなんだが…
恋符《マスタースパーク》!!
霊符《夢想封印》!!
神槍《スピア・ザ・グングニル》!!
禁忌《カゴメカゴメ》!!
何故か、霊夢と魔理沙とレミリアとフランが戦っていた。
「どーなってんのこれ?」
誰か説明プリーズ。
「あら、天馬。お久しぶり。」
声のかけられた方を振り向くと完全で瀟洒なメイドこと十六夜 咲夜さんが立っていた。この間までお互い敬語で話していたけど、何か他人行儀な感じがするから辞めようと言うことになってからはこんな感じだ。
「咲夜、これどーなってるの?」
最初に挨拶をするべきなんだが、あまりの修羅場状態に聞いてしまった。聞かれた方の咲夜さんは苦笑いをしながら話し始めた。
「そもそも、私がお嬢様と妹様と共に博麗神社に来たのには少し理由があってー
「天馬が来ないわ!」
ここは紅魔館の中にあるヴワル魔法大図書館。本を読んでいたお嬢様は突然、椅子から立ち上がった。あまりにも急になものだから紅茶をお飲みになっていたパチュリー様は驚いて紅茶を吹き出してしまっていた。
「レ、レミィ…貴女、急に驚かさないでよ。それに天馬も忙しんじゃないの?」
軽く咳をしながら言うパチュリー様。確かに天馬は幻想郷の何でも屋で色々な所から声をかけられている事を人里に行った時に聞いたことがある。忙しいのは当たり前だろう。
「うー。にしてもたまには紅魔館にも顔を見せにきてほしいわ。」
どうしたら天馬に会えるのか考えているご様子のお嬢様。大変、微笑ましい。あの異変以来、お嬢様は何か良い方に変わった気がする。近くにいてそう感じる。
「よっこいしょっと、どーしたのお姉様?」
悩んでいるお嬢様の元に本を持ってきた妹様が来た。これもあの異変の前ではあり得ないことだ。本当に仲が良くなったと思う。
「天馬が来ないからどうやったら来るか考えていたの。」
「うーん、確かに魔理沙は良く来るけど天馬はこの頃来ないね。」
妹様は本を開きながら話を聞いていた。そしてハッと顔を上げ、
「博麗神社になら居るんじゃない?」
「博麗神社?何でよ。」
「宴会の後、スキマの奴に連れて行かれたでしょ。帰ってきたら霊夢と魔理沙が居る事が多い博麗神社に行くんじゃないかな!」
妹様の推理を聞いたお嬢様は一瞬、なるほど!と言う顔をしてから慌てて冷静な顔に戻し、
「わ、私もそう考えていたわ。そうと決まれば、咲夜、行くわよ!」
「畏まりました。」
「私も行く〜!」
と、こんな感じで博麗神社に行くことになった。
ー博麗神社ー
妹様の推理通り、霊夢と魔理沙は居た。しかし、天馬は見当たらなかった。
「あら、珍しい参拝者ね。お賽銭はここよ。」
「おおー。フラン、レミリア。こんな昼に会うなんて珍しいこともあるもんだな。」
普段通り接してくれた霊夢と魔理沙だが、お目当ての天馬が居ないことに機嫌が悪くした妹様が
「何だ〜。てっきり、天馬がいると思って来たのに。」
と言い出し、今度はお嬢様が
「無駄足だったわね。帰るわ。咲夜、行くわよ。」
と言ってスタスタと歩き出してしまった。すると霊夢が
「待ちなさい。」
「?」
「あんたら、お賽銭入れて行きなさいよ!!」
「そこかよぉ!」
魔理沙の乾いたツッコミが境内に響いた。妹様は、やたら嫌な顔をしていて、お嬢様も、面倒くさそうな顔をした。でも、霊夢はお賽銭を入れるまで帰らしてはくれない様子。仕方ない、ここは黙ってお賽銭を払うのが吉か。
「分かったわ。しっかり入れとく「待って咲夜。」…何でしょうかお嬢様。」
さっきまで嫌な顔をしていたお嬢様がニヤァと笑っている。明らかに不味いことを考えた時の顔だ。早めに止めないと暴走し始める!
「霊夢。私達が負けたらお賽銭を払うのはどう?」
出た。困った時の弾幕ごっこ。まあ、何だかんだ言ってこれが一番物事を決めやすい。しかし、問題は霊夢がこの勝負に乗るかと言うことだ。
「上等よお!絶対、お賽銭は払ってもらうわ!魔理沙、行くわよ!」
「ええ〜、私もやるのかよ。」
と言いつつ、臨戦態勢に入る魔理沙。そして金のことになると人一倍。と言うか人と言うものを超える霊夢。これはかなりの相手だ。
「行くわよ!フラン!」
「OK!お姉様!本気で行くよー!」
と言って弾幕ごっこが始まったのである。
ーとこんな感じな訳よ。分かった?」
「なるほど、分からん。」
話がぶっ飛びすぎててよく分からない。しかし、頭と言うものは若干、時間が経つと分かろうとするもので。
「何?てことはこの勝負はお賽銭を入れるか入れないかってこと?」
「まあ、簡単に言うとね。」
「しょ、しょーもない勝負…」
勝とうが負けようが全くもってどうでもいい勝負だった。何だか心配して損した。
「俺、帰るわ。レミリアにはまた今度行くって伝えといて。」
「分かったわ。あ、でも近々来ないと貴方、紅魔館に拉致られるわよ。」
お嬢様と妹様は独占欲の強い方だから、と言った。…冗談だと思いたいが恐らく本当だろう。てか、そんなに遊びたいならそっちから来れば良いじゃん!まあ、そう言うわけには行かないんだろうけど。本当に近々行かなくては。そんなことを考えつつ、俺は博麗神社を後にしたのだった。
ー棚ぼた堂ー
空が夕陽の色に染まり、そろそろ暗くなる時間帯に帰ってきたわけだが当然誰も居ないので鍵を開けようとすると
「あれ?鍵が空いてる。」
鍵かけるの忘れたのかな。そう思い、中に入った。
「ただいま。」
「あ、お帰りなさ〜い。」
…なんで中から人の声がするんだ?しかもこの声には聞き覚えがある。俺は声のした店の奥の居間に向かった。
「ねぇー。早く晩御飯作って〜。こっちは記事書いてて忙しいんだからさ〜。」
と、さっきの声の主【姫海棠 はたて(ひめかいどう はたて)】が携帯をいじりながら言った。
「記事なら家に帰って書けよ。そんでさあ…」
俺は少し間をおいて
「何で文や椛、しまいにはにとりも居るんだ?あと鍵は掛けたつもりなんだがどうやって入ったんだ?」
もう家に入ってること自体、おかしいと思ったんだが、何故かはたての他に文達もいた。
「あやややや、鍵ってこれですか?ポストの中にありましたよ。」
文は鍵を見せてきた。何でこいつは鍵の位置知ってんだ?結構、場所をコロコロ変えてたんだけど。
「いや、盟友。私は辞めた方が良いって言ったんだけどね。」
「すいません!文さんとはたてさんが私の有ること無いこと記事に書くって脅されて私の能力で…」
と、白狼天狗の【犬走 椛(いぬばしり もみじ)】が涙目で謝罪してきた。白狼天狗は鴉天狗の下っ端らしいので文やはたてに色々こき使われているらしい。ま、椛の能力を使えば鍵なんて簡単に見つかるか。千里眼っぽい能力だし。
「んで、何が目的だ?記事に出来るものは何も無いぞ。」
「特に理由は無いけど、暇だから来たのよ。」
「もう帰れよ。」
にしても外は暗くなってきている。ここで帰すのは何だか悪い気がする。
「取り敢えず、晩飯でも食ってくか?」
「いやいや、悪いですよ〜!」
と言いつつ、もう座っている文。はたてに関してはさっきから携帯をいじっていて帰る気などさらさら無いように見える。椛は帰った方が良いと思っているものの、上司がこの有様なので困っていて、にとりはお言葉に甘えてと言う感じで座っている。
「分かった。取り敢えず作るから待っとけ。椛も座りな。文とはたてがこれじゃあ帰れないだろ?」
「うう、すみません…」
椛はすまなそうに座った。さて、そうめんしか買ってないんだけど、どうしようか。そういえばこの前、紫から外の世界の”パスタ”ってものを貰ったからそれを使って…
「おーい!天馬〜!酒持ってきたから一緒に飲まないかぁ…て、何だお前らも来てたのか。」
「ぎえっ!す、萃香さん…コンバンワ…」
「な、なんで此処に…」
「文さん!はたてさん!帰りましょ!出来るだけ早く!」
「め、盟友。やっぱ、帰りたくなってきた。」
何で萃香が来ただけでこんなに騒いでいるかというと、萃香は妖怪の山で四天王の一人としてあそこに君臨していて、今は四天王ではないが妖怪の山に住んでいる奴らは会っただけで震え上がるらしい。
「じ、じゃあ私達はこれで…」
と言って文達が帰ろうと腰を上げると
「待ちなよぉ〜。まさか、私のつぐ酒が呑めないって訳じゃないだろぉ。」
「まま、まさかそんなつもりじゃないですよね〜、はたて。」
「な、何で私に話をふるのよ。」
「何だぁ?お前は呑めないって言うのか?」
「ひい!ち、違います!呑ませていただきます!」
こりゃ、大変だな…。人も増えたし、飯も多く作らないと。取り敢えず、つまみから作るか。
ーしばらくしてー
「だからぁー私は霊夢に言ってやったんだよぉ〜。酒ぐらい昼から呑ませろよって〜。」
「てか、お前はいつでも酒飲んでるだろ。」
飯も作りおわって、飲み食いして、喋りに喋って夜も更けた頃。文とはたてはぶっ倒れていて、それを椛とにとりが看病している状態。萃香が呑ませすぎたからだろう。
「じゃあ、私はそろそろ帰るな。」
「ん、大丈夫か?かなり酔っているけど。」
「大丈夫だ。鬼に喧嘩を吹っかけてくる奴なんか、中々居ないよ。」
と言いながら、萃香は玄関を出て霧のように消えてしまった。
「じゃ、盟友。私も帰るね。」
「おう、気をつけてな。」
にとりは手を振って帰って行った。さてと、こいつらをどうするか…
「天馬さん。文さん達を送るの手伝ってくれませんか?」
「…まあ、萃香が来た時点でこうなるのはいつもの事だからね。」
俺は外に出る準備をした。残暑、残暑と言うが今夜は夜風が冷たかった。文もはたても立てる状態ではなく、飛ぶなんてことは出来るはずもなかった。
「はぁ…取り敢えず、俺が文とはたてを担ぐから椛は道案内、頼むわ。」
「分かりました。本当にすいません。ウチの上司が…」
椛はすまなそうに道案内を始めたのだった。
ー妖怪の山ー
「も、椛。まだ着かないの?」
「もうちょっとです!」
以外にも文とはたての家が遠く、しかも途中からは歩いて行かないといけないらしく、かなり疲れてきた。椛は千里眼を使いながら道案内をしてくれているから迷うことはないからそこの点は安心していた。
「ん?何だろ、あれ。」
と、急に椛が足を止めた。暗いし、木が沢山あり見通しが悪いため俺には見えないが椛はある一点を見ている。
「椛、何か見えるのかい?」
「あ、はい。距離は遠いですが、物凄い速さで柱っぽいものがこっちに飛んで来ているんです。で、その上に人が乗っています。」
「柱?」
俺は文とはたてを降ろして結界を張ろうとした。
「でも、おかしいんですよ。」
「何が?」
「このままこの方向で飛んで来ると木にぶつかってしまうんです。それなのに止まる気配がしないし、むしろ、速くなっているような…」
確かに、誰も乗っていないなら分かる気がするが、わざわざ自分から木に突っ込んでくる奴なんて早々、居ないだろう。
「えっ!き、消えた!?」
椛は急に叫んだ。椛の千里眼は全方位が見渡せる。それなのに見失うって事はまさしく”消えた”と言うことだろう。俺は気を張って近くにいるか探した。全く、現れない。幻の類か?
「天馬さん!上!」
「ッ!椛!下がって!」
俺は上を見ずに、昼にやったあの結界を張ることにした。
霊妖符《多重シールド》
結界を張った次の瞬間、物凄い地響きとともに柱が目の前にそびえ立っていた。
「へえーっ。これに対応できる結界が張れるなんて、対した技術だねえ。」
その声の主は柱の上から俺たちを見下ろしていた。
こ、こんにちは。犬走 椛でしゅ!(か、かんだ!)この度は作者の投稿が遅れてしまいすみません!で、ではあとはお願いします!
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どもども、作者です。出来るだけ、投稿を早くするのでよろしくお願いします!
感想、意見などありましたら教えてください。