ドラゴンボールFG 〜転生少女達と戦闘民族は仲間だった⁉︎〜   作:竜華

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第12話 別れの時

「…ねみぃ…死ぬで、マジ」

 

「あれは色んな意味で効くね…寝ても、夢に出てきてすぐ起きちゃうし…」

 

「貴様ら場所を弁えろ…大事な入隊式だぞ…ふわぁぁ…」

 

「そういうベジータもやん」

 

「王子、アボカさんにキャッツべさんも…一体何が…?」

 

 …どうも…お馴染みアボカですぅ…。って、今それどころではない。ビルスとかいう破壊神の所為で、異常な睡眠不足に陥っているのだ。入隊式という行事にも関わらず。今、思い出しても寒気がする程の恐ろしさだった。

 

 にしても、長い…。尋常じゃなく長い。何って?

 

 昨日あんなにボロクソにされたベジータ王の話がだ。頭に包帯を巻いたベジータ王の姿を見て、国民であるサイヤ人の中にどよめきが漂ったが、力強く演説する王を見て、その殆どが安堵していた。とはいえ、王とて怪我人。話を早々に切り上げ、とっとと入隊させるのかと思いきやのこれである。ある意味王って凄い。でも、早くしてほしい。

 

 今の僕は隣にいたラディッツの肩に頭を乗せ、うとうとしている状態だ。目の端に、林檎の如く顔を赤らめているラディッツが見えた。

 

「…どうしたんですか…ラディッツゥ…顔真っ赤ですよ…」

 

「…し、心配するなら、その頭を退けてくれ」

 

「…嫌です」

 

「なんで⁉︎」

 

 赤面したまま僕の方を見るラディッツ。僕、そんな顔になるようなことしてるかな?

 

「…この5人の戦士達の健闘を祈って、挨拶とする‼︎」

 

「…終わりましたぜ、お三方」

 

 ナッパが小さく僕達を小突く。お、やっと終わった。よっ、と、ラディッツの肩から頭を離す。ラディッツが小さく安堵の息を漏らしていたことを、伸びをしていた僕は見逃していない。

 

『これで、入隊式の全日程を終了します』

 

 司会者の言葉は、これから、僕達の新しい生活が、そして戦いが始まることを意味していた。

 

「…っし、暴れまくってやるぜ‼︎」

 

「ハメ外して、あっさり殺られないようにね」

 

 親友に釘を刺しておく。こんなタイプの奴は、大体モブの如く消されるからね。

 

「…ふん、貴様ら、簡単には殺されてくれるなよ‼︎」

 

「…王子、発言に毒気がありますよ」

 

 王子の危険な発言に、優しくツッコミを入れるラディッツ。こいつ、結構健気だ、と気付かされた。

 

「…王子と俺は大丈夫でも、お前ら下級戦士が生き残れるのか?」

 

 ナッパが、厭らしい笑みでチラリとこちらを見る。なんだろう、凄いムカつく。

 

「…そういう最年長の貴方こそ、生き残れるのですか?」

 

「そうだぜ…案外、最年長がへばってすぐ殺られるかもしれへんやん……?」

 

「へっ…どうだかなァ?」

 

 僕達女戦士達とナッパの間に、バチバチと火花が生まれる。ラディッツは間に挟まれてしまい、オロオロしていた。オロオロしてるんじゃなくて、『自分はこうだ』と大声で公言すればいいのにな。軟弱なメンタルの持ち主は僕、正直嫌い。

 

 にしてもこいつ…僕達のこと、舐めてるね。今の僕達の戦闘力はそれぞれ5000以上あるんだよ?今は愚か、サイヤ人編のナッパよりも強いんだよ?本気になったら、フルボッコにできるんだけど。まぁ、気を抑えてるから、今の僕達の戦闘力は多分、2800位だと思う。それを全力だと思ってるんだろうな。ナッパ、愚かなり。

 

「…ふふっ…」

 

「…どうしたんやアボカ…」

 

 あ、ヤッバ。気持ちが表に出てしまったよ。って、辞めてよキャッツべ、そんな『こいつ、妄想して笑ってる』みたいな目で僕を見ないでよ。

 

 ひとしきり漫才が終わった所で、

 

「おい、泣き虫の糞餓鬼」

 

「ひっ…バ、バーダック…おじ…さん?」

 

 キャッツべの想い人・バーダックさんが現れた。泣き虫の糞餓鬼って、コイツのことなのかな?

 

 バーダックさんはつかつかとキャッツべに歩み寄ると、赤いリストウォーマーを外し、ズイッと彼女の前に突き出す。

 

「…え?」

 

「…やるよ。俺とお前との約束の証だ」

 

 え?約束?何それ、そんな約束いつしたのさ。

 

「…分かった、貰うで」

 

「そう、それで良い」

 

「それと、絶対に約束、守るから。だから、いつか戦ってくれへん?」

 

 

「…いいぜ。トレーニング付けてやらぁ…お前が、約束を守りきったらな」

 

 バーダックさんがそう言った途端、キャッツべの顔が明るくなった。キラキラと瞳が輝いている。流石乙女(笑)

 

「やったっやったでアボカ‼︎」

 

「ちょっ、なんで僕に抱きつくのさ⁉︎」

 

 あまりの興奮に、キャッツべが僕に抱きついてきた。首が、首が痛い。辞めて、痛過ぎるから。でも、顔を赤らめながら喜ぶその姿は、とても可愛らしい。

 

「おい、アボカ‼︎キャッツべ‼︎早くしろ‼︎」

 

 王子の呼ぶ声がした。旅立ちの合図だ。

 

「…っし、それじゃ、それはめて行ってこい‼︎」

 

「あぁ‼︎」

 

 キャッツべは、最高の笑顔をバーダックさんに見せた後、それらを両手首にはめると、

 

「おう‼︎今行くで‼︎」

 

 明るい返事を返し、パタパタと駆けていった。

 

「何してんだよ‼︎早く行かんと、遅れるで‼︎」

 

「…ったく、現金なやつだよね…面白いからいいんだけど」

 

「そうだ、おい餓鬼」

 

「僕ですか?」

 

「あぁ。あのさ、ラディッツに『へばるなよ‼︎』って言っておいてくれ」

 

 それは、恥ずかしがり屋な1人の『父親』からの伝言。自分の息子を思いやる『父親』としての姿があった。

 

「…はい、伝えておきますね。『貴方を想うお父様から』と」

 

「…‼︎」

 

「顔真っ赤ですよ、バーダックさん」

 

 そんなに恥ずかしいのか。事実なのに。

 

「あ、そろそろ行きますね。伝言はしっかり伝えておくので、心配しないでください」

 

「お、おう…」

 

 そして、僕はキャッツべの後を追うのだった。

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

 僕達の母星・惑星ベジータが消滅したのは、それから約3ヶ月後のことだった。

 

 

 




惑星ベジータ編、遂に終了です‼︎
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