ドラゴンボールFG 〜転生少女達と戦闘民族は仲間だった⁉︎〜 作:竜華
「へっへっへっへっ…こりゃあいいぜ‼︎この『地球』って星は、やたらと重力が少なくってスイスイ動けらぁ‼︎」
「…はしゃぎ過ぎですよ、ナッパ。最年長なんですから、少しは大人らしく振舞ったら如何ですか」
「脳筋なんだから仕方が無いんやろ」
「さっきから脳筋脳筋五月蝿いんだけど。ていうか、お前も結構脳筋だよ?」
「な…嘘やろ」
ハロー皆さん、アボカです。只今、ピッコロさんと悟飯君のいるであろう岩場に向かっております。でも、なんで雲の上を飛んでんだろ。ナッパが餓鬼みたいに雲を切っているんだが。王子は無言で真っ直ぐ飛んでいく。王子、その無言が怖いんです。
「…あそこか。降りるぞ」
ようやく喋ったと思ったら、到着の報告かい。早い。早過ぎる。流石だ舞空術。でも、もう少し空の旅を楽しみたかった。
「…王子、なんか雰囲気が怖いです。どうしたんですか?」
「ナッパが五月蝿い。後で塵にしてやろう」
「辞めましょう。現時点で絶滅危惧種なのに、これ以上減らしてどうするんですか」
イライラしてたらしい。早よ黙らんかナッ禿。王子のイライラゲージが爆発する。とばっちりを食らうのは僕達なんだよ?
雲を突き抜けると、真っ先に茶色が飛び込んできた。乾いた土の色だった。所々に緑がある辺り、ここは乾燥地帯ではないらしい。暑いと戦いにくいんだよね。僕限定かも知れないけど、体力の減りがヤバイんだ。あー良かった。
地面に近付いていくと、5つの点が見えてきた。ん?5つ?なんか多くね?やっぱり。原作確か3人だけだよね?
顔が認識できるギリギリで1度止まる。原作キャラの悟飯君とピッコロさん、そしてクリリンの他に、2人の地球人らしき人間がいた。1人は女だ。金髪の隙間から覗く、獣のような耳。さしずめ獣人って所だろう。もう1人は男。こちらは普通の人型だ。浅黒い肌の上に、じんべいを纏っている。…マジで誰だよお前達。お前達Zに出てないでしょうが。
原作キャラ達は、僕達をこれでもかと睨み付けるが、僕達にはそんなの効かないよ?
「…ふっふっふっ…いたいた‼︎3匹増えて、お強そうなのか5匹」
「…どうやら、俺達のことはよぉーくご存知らしいぜ」
「…あいつらがサイヤ人か…。成る程、物凄い気を感じる…‼︎正に、鬼気迫るって奴だぜ…‼︎」
おお〜生のクリリン声聞けたー。やっぱりクリリンの声って特徴的だね。こういう変わった声好きなんだー僕。
「…これは、面白くなりそうですね」
「へっ…うずうずしてきたで…‼︎」
しっかり相手を目で捉えたまま、ゆっくりと地面へと降りていく。
地面に降り立ち、改めてZ戦士勢を見ながら、彼らの戦闘力を確認する。ピッコロさんが1番大きくて、その次が謎のZ戦士(男)、謎のZ戦士(女)、クリリン、悟飯君って順番かな。でも凄いなー悟飯君。大人顔負けの気を持ってるじゃないか。流石未来のサラブレッド。
「…どうやら、お待ちかねだったようだな」
「…ですね。待ちすぎて、イライラしているぐらいですから」
「…そういうことだ」
鋭い眼光をこちらに向けて、ピッコロさんが冷たく言い放つ。そして、そこから沈黙が続いた。
「…念の為に聞くが、貴様ら、ここに一体何しに来やがった」
「…もしや、貴様がラディッツを殺した奴か?」
「ラディッツ…、孫の兄貴とか言ってた奴か。そいつなら、確かに俺様と孫の2人で倒した。だが、何故分かった?」
「…ラディッツが言わなかったか?」
王子は軽く笑うと、付けているスカウターを人差し指で叩く。
「こいつは、通信機にもなっているんだ」
「…え?じゃあ、王子、ラディッツが殺られたこと…」
「あぁ、知ってたぜ…勿論、ドラゴンボールのこともな」
「なんで言ってくれなかったんや…」
「どうせ管制員が報告しに来ると分かっていたからな。それだったら、この俺がわざわざ言う必要は無いだろう。まぁ、ドラゴンボールのことは言ってなかったから、地球に来た時にでも言おうと思ってたのだが…忘れていた」
「…王子…」
王子、所々抜けてるよ。大丈夫?
「…‼︎あいつ、ナメック星人ですぜ」
「…らしいな」
「ナッパ、今更気付いたんですか?」
ナメック星人。摩訶不思議な民族であると有名だ。龍族と戦闘タイプの2種類に分かれている。食物を必要とせず、水だけで生きることができるらしい。戦闘タイプは、高い戦闘力を誇っているのに対し、龍族は、魔法のような物を使うこともできるので、前々からフリーザも目をつけていた。まぁ、僕は結構前から知っていたけどね。
「…ナメック星人…」
「…ピッコロ…お前も、宇宙人だったのか…⁉︎道理で…」
「そうなの⁉︎ピッコロさん⁉︎」
「…くっ…」
あーそうか、ピッコロさんも知らなかったんだっけ。あと、皆知らないんだろうな。そのピッコロさんの母星、ナメック星が、因縁の大戦争の舞台となることを。
「分かったぞ!ナメック星人は、並外れた戦闘力の他に、不思議な能力を持っているらしい」
「テレパシー能力や、身体の収縮能力など、それらは多種多様。特に、龍族の方は、卵を産むことも可能なのだそうです」
「そして、魔法使いのようなことができる奴もいると、聞いたことがある」
次々と明かされる、ピッコロさんの正体。ピッコロさんは、驚きの表情を隠せないでいる。
「…ドラゴンボールというのを作ったのは、貴様だろう」
「ド、ドラゴンボールのことまで知ってるのか⁉︎」
「いや、さっき話題に上がってたやろ。話聞いとったか?」
クリリンにさりげなくツッコミを入れる澄華。確かに、さっき王子言ってたよね。話は聞くものだよ、クリリン。
「俺達は、それで永遠の命を手に入れるんだ。大人しく俺達に渡すんだな。いくらナメック星人でも、1匹やそこらじゃ俺達には蝿みたいなもんだぜ」
「…ありがとよ。お陰で、俺様の祖先のことが何と無く分かってきたぜ。だが、残念だったな。ドラゴンボールを作ったのは、俺様じゃない。俺様は、戦いの方が専門なんでな」
ナッパの挑発にニヒルに笑い返して、構えをとった。そして、言い放つ。
「蝿みたいなもんかどうか、試してみやがれ‼︎」
「…言われなくても、そのつもりですよ」
サイヤ人勢が、小さく笑ったのだった。
ブロロロロロロ…ブロロロロロロ…
「ん?」
空から、空気を切るような音がした。チラリ、と空を見上げる。無数のヘリコプター達が、僕達を撮影しようと近付いてきたのだ。辞めなよ、死んじゃうよ。
「…五月蝿ぇ‼︎」
案の定、その騒音に痺れを切らしたナッパが、1台のヘリコプターに向かって、気功波を投げつけてしまった。標的となったヘリコプターは、無残に爆発して乗員諸共消滅する。周りのヘリコプター達は、ナッパに恐れをなして上昇していった。
邪魔者も消えた大地で、Z戦士の残り4人も構えた。どうやら、ドラゴンボールを大人しく渡すつもりはないらしい。
「『ドラゴンボールのことなど教えるもんか』って感じだな」
「…フン…」
意固地だなー。ナッパがまたキレるよ。
「…いいだろう。力ずくでも言わせてやる‼︎」
ナッパはそう言って、スカウターのボタンを押す。戦闘力を測るらしい。そんなの意味ないっての。
「…981…1220…1083…1124…1097…馬鹿め‼︎その程度の戦闘力で、俺達に刃向かうつもりか⁉︎」
「…ナッパ、アボカ、キャッツべよ、スカウターを外せ」
「何…?」
「こいつらは、戦いに応じて戦闘力を変化させるんだ。こんな数字は、もうあてにはならん」
「…そういやそうでしたね。『弱虫ラディッツ』の馬鹿は、スカウターの数字に油断して殺られやがったってもんだからなぁ…」
「…本当、あいつは間抜けでしたね」
「同じサイヤ人として、情けない限りやで」
それぞれが口々にラディッツの悪口を言いながら、スカウターを捨てていく。『ラディッツ』という言葉に、ピッコロさんが反応した。
「よ、『弱虫ラディッツ』だと…⁉︎」
「『ラディッツ』って…悟空とお前の2人がかりで、やっと倒したっていうサイヤ人だろ…⁉︎」
あいつを2人がかりでやっと倒すレベルじゃ、ナッパを殺るのはキツイかなー。まぁ、歴史が弄られてるみたいだから、もしかしたら勝てるかもしれないけどねー。
「よ、『弱虫』か…へへ、へ…」
「大丈夫よ。私達ならきっと勝てるわ」
「そうだぜ。だって、俺達は必死に修業してたんだ。負けるわけがないだろ⁉︎」
あ、ようやく謎の男女が喋った。うーん、やっぱり、こんな声に聞き覚えはないな。誰だろ。
「…そうだ。こいつらのお手並みを拝見させてもらおうか。おい、ナッパ、アボカ、栽培マンがあと何粒かあっただろう。出してやれ」
「…ベジータも、お遊びが好きだなぁ…?」
「…自分、あれ気持ち悪くて嫌いなんですが…王子の命令には逆らえませんしね」
「さ、『栽培マン』?」
「何それ?」
クリリンと悟飯君の疑問を無視して、栽培マンキットを探す。確か、アンダースーツのポケットにあったはず…あったあった。
「…俺は6粒だ。アボカは?」
「僕は3粒ですね」
「合計9粒だな。こんなに出したら、俺達の楽しみがなくなっちまうぜ?」
「その程度でくたばったらそれまでだ。ドラゴンボールを探しに行く。まぁ、栽培マンを見れば、ドラゴンボールのことも喋る気になるだろうぜ」
地面に屈み、土を触って土の質を調べる。うん、ここならきっといい栽培マンができるね。
小さい穴を開け、その中に栽培マンの種を入れる。そして、それに再び土を被せて、緑色の半液体を垂らした。これで準備完了。あとは少し待つのみ。
「…な、なんだってんだよ…」
クリリンが再び呟いた時、
ゴゴゴゴゴゴゴ…
地面を割って、9つの緑色の頭が飛び出た。どんどん成長していき、身体も姿を現す。いよいよ、栽培マンの誕生だ。
「さぁ、君達の実力を、見せておくれよ」