ドラゴンボールFG 〜転生少女達と戦闘民族は仲間だった⁉︎〜   作:竜華

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第16話 戦いの序章

「へっへっへっへっ…こりゃあいいぜ‼︎この『地球』って星は、やたらと重力が少なくってスイスイ動けらぁ‼︎」

 

「…はしゃぎ過ぎですよ、ナッパ。最年長なんですから、少しは大人らしく振舞ったら如何ですか」

 

「脳筋なんだから仕方が無いんやろ」

 

「さっきから脳筋脳筋五月蝿いんだけど。ていうか、お前も結構脳筋だよ?」

 

「な…嘘やろ」

 

 ハロー皆さん、アボカです。只今、ピッコロさんと悟飯君のいるであろう岩場に向かっております。でも、なんで雲の上を飛んでんだろ。ナッパが餓鬼みたいに雲を切っているんだが。王子は無言で真っ直ぐ飛んでいく。王子、その無言が怖いんです。

 

「…あそこか。降りるぞ」

 

 ようやく喋ったと思ったら、到着の報告かい。早い。早過ぎる。流石だ舞空術。でも、もう少し空の旅を楽しみたかった。

 

「…王子、なんか雰囲気が怖いです。どうしたんですか?」

 

「ナッパが五月蝿い。後で塵にしてやろう」

 

「辞めましょう。現時点で絶滅危惧種なのに、これ以上減らしてどうするんですか」

 

 イライラしてたらしい。早よ黙らんかナッ禿。王子のイライラゲージが爆発する。とばっちりを食らうのは僕達なんだよ?

 

 雲を突き抜けると、真っ先に茶色が飛び込んできた。乾いた土の色だった。所々に緑がある辺り、ここは乾燥地帯ではないらしい。暑いと戦いにくいんだよね。僕限定かも知れないけど、体力の減りがヤバイんだ。あー良かった。

 

 地面に近付いていくと、5つの点が見えてきた。ん?5つ?なんか多くね?やっぱり。原作確か3人だけだよね?

 

 顔が認識できるギリギリで1度止まる。原作キャラの悟飯君とピッコロさん、そしてクリリンの他に、2人の地球人らしき人間がいた。1人は女だ。金髪の隙間から覗く、獣のような耳。さしずめ獣人って所だろう。もう1人は男。こちらは普通の人型だ。浅黒い肌の上に、じんべいを纏っている。…マジで誰だよお前達。お前達Zに出てないでしょうが。

 

 原作キャラ達は、僕達をこれでもかと睨み付けるが、僕達にはそんなの効かないよ?

 

「…ふっふっふっ…いたいた‼︎3匹増えて、お強そうなのか5匹」

 

「…どうやら、俺達のことはよぉーくご存知らしいぜ」

 

「…あいつらがサイヤ人か…。成る程、物凄い気を感じる…‼︎正に、鬼気迫るって奴だぜ…‼︎」

 

 おお〜生のクリリン声聞けたー。やっぱりクリリンの声って特徴的だね。こういう変わった声好きなんだー僕。

 

「…これは、面白くなりそうですね」

 

「へっ…うずうずしてきたで…‼︎」

 

 しっかり相手を目で捉えたまま、ゆっくりと地面へと降りていく。

 

 地面に降り立ち、改めてZ戦士勢を見ながら、彼らの戦闘力を確認する。ピッコロさんが1番大きくて、その次が謎のZ戦士(男)、謎のZ戦士(女)、クリリン、悟飯君って順番かな。でも凄いなー悟飯君。大人顔負けの気を持ってるじゃないか。流石未来のサラブレッド。

 

「…どうやら、お待ちかねだったようだな」

 

「…ですね。待ちすぎて、イライラしているぐらいですから」

 

「…そういうことだ」

 

 鋭い眼光をこちらに向けて、ピッコロさんが冷たく言い放つ。そして、そこから沈黙が続いた。

 

「…念の為に聞くが、貴様ら、ここに一体何しに来やがった」

 

「…もしや、貴様がラディッツを殺した奴か?」

 

「ラディッツ…、孫の兄貴とか言ってた奴か。そいつなら、確かに俺様と孫の2人で倒した。だが、何故分かった?」

 

「…ラディッツが言わなかったか?」

 

 王子は軽く笑うと、付けているスカウターを人差し指で叩く。

 

「こいつは、通信機にもなっているんだ」

 

「…え?じゃあ、王子、ラディッツが殺られたこと…」

 

「あぁ、知ってたぜ…勿論、ドラゴンボールのこともな」

 

「なんで言ってくれなかったんや…」

 

「どうせ管制員が報告しに来ると分かっていたからな。それだったら、この俺がわざわざ言う必要は無いだろう。まぁ、ドラゴンボールのことは言ってなかったから、地球に来た時にでも言おうと思ってたのだが…忘れていた」

 

「…王子…」

 

 王子、所々抜けてるよ。大丈夫?

 

「…‼︎あいつ、ナメック星人ですぜ」

 

「…らしいな」

 

「ナッパ、今更気付いたんですか?」

 

 ナメック星人。摩訶不思議な民族であると有名だ。龍族と戦闘タイプの2種類に分かれている。食物を必要とせず、水だけで生きることができるらしい。戦闘タイプは、高い戦闘力を誇っているのに対し、龍族は、魔法のような物を使うこともできるので、前々からフリーザも目をつけていた。まぁ、僕は結構前から知っていたけどね。

 

「…ナメック星人…」

 

「…ピッコロ…お前も、宇宙人だったのか…⁉︎道理で…」

 

「そうなの⁉︎ピッコロさん⁉︎」

 

「…くっ…」

 

 あーそうか、ピッコロさんも知らなかったんだっけ。あと、皆知らないんだろうな。そのピッコロさんの母星、ナメック星が、因縁の大戦争の舞台となることを。

 

「分かったぞ!ナメック星人は、並外れた戦闘力の他に、不思議な能力を持っているらしい」

 

「テレパシー能力や、身体の収縮能力など、それらは多種多様。特に、龍族の方は、卵を産むことも可能なのだそうです」

 

「そして、魔法使いのようなことができる奴もいると、聞いたことがある」

 

 次々と明かされる、ピッコロさんの正体。ピッコロさんは、驚きの表情を隠せないでいる。

 

「…ドラゴンボールというのを作ったのは、貴様だろう」

 

「ド、ドラゴンボールのことまで知ってるのか⁉︎」

 

「いや、さっき話題に上がってたやろ。話聞いとったか?」

 

 クリリンにさりげなくツッコミを入れる澄華。確かに、さっき王子言ってたよね。話は聞くものだよ、クリリン。

 

「俺達は、それで永遠の命を手に入れるんだ。大人しく俺達に渡すんだな。いくらナメック星人でも、1匹やそこらじゃ俺達には蝿みたいなもんだぜ」

 

「…ありがとよ。お陰で、俺様の祖先のことが何と無く分かってきたぜ。だが、残念だったな。ドラゴンボールを作ったのは、俺様じゃない。俺様は、戦いの方が専門なんでな」

 

 ナッパの挑発にニヒルに笑い返して、構えをとった。そして、言い放つ。

 

「蝿みたいなもんかどうか、試してみやがれ‼︎」

 

「…言われなくても、そのつもりですよ」

 

 サイヤ人勢が、小さく笑ったのだった。

 

 ブロロロロロロ…ブロロロロロロ…

 

「ん?」

 

 空から、空気を切るような音がした。チラリ、と空を見上げる。無数のヘリコプター達が、僕達を撮影しようと近付いてきたのだ。辞めなよ、死んじゃうよ。

 

「…五月蝿ぇ‼︎」

 

 案の定、その騒音に痺れを切らしたナッパが、1台のヘリコプターに向かって、気功波を投げつけてしまった。標的となったヘリコプターは、無残に爆発して乗員諸共消滅する。周りのヘリコプター達は、ナッパに恐れをなして上昇していった。

 

 邪魔者も消えた大地で、Z戦士の残り4人も構えた。どうやら、ドラゴンボールを大人しく渡すつもりはないらしい。

 

「『ドラゴンボールのことなど教えるもんか』って感じだな」

 

「…フン…」

 

 意固地だなー。ナッパがまたキレるよ。

 

「…いいだろう。力ずくでも言わせてやる‼︎」

 

 ナッパはそう言って、スカウターのボタンを押す。戦闘力を測るらしい。そんなの意味ないっての。

 

「…981…1220…1083…1124…1097…馬鹿め‼︎その程度の戦闘力で、俺達に刃向かうつもりか⁉︎」

 

「…ナッパ、アボカ、キャッツべよ、スカウターを外せ」

 

「何…?」

 

「こいつらは、戦いに応じて戦闘力を変化させるんだ。こんな数字は、もうあてにはならん」

 

「…そういやそうでしたね。『弱虫ラディッツ』の馬鹿は、スカウターの数字に油断して殺られやがったってもんだからなぁ…」

 

「…本当、あいつは間抜けでしたね」

 

「同じサイヤ人として、情けない限りやで」

 

 それぞれが口々にラディッツの悪口を言いながら、スカウターを捨てていく。『ラディッツ』という言葉に、ピッコロさんが反応した。

 

「よ、『弱虫ラディッツ』だと…⁉︎」

 

「『ラディッツ』って…悟空とお前の2人がかりで、やっと倒したっていうサイヤ人だろ…⁉︎」

 

 あいつを2人がかりでやっと倒すレベルじゃ、ナッパを殺るのはキツイかなー。まぁ、歴史が弄られてるみたいだから、もしかしたら勝てるかもしれないけどねー。

 

「よ、『弱虫』か…へへ、へ…」

 

「大丈夫よ。私達ならきっと勝てるわ」

 

「そうだぜ。だって、俺達は必死に修業してたんだ。負けるわけがないだろ⁉︎」

 

 あ、ようやく謎の男女が喋った。うーん、やっぱり、こんな声に聞き覚えはないな。誰だろ。

 

「…そうだ。こいつらのお手並みを拝見させてもらおうか。おい、ナッパ、アボカ、栽培マンがあと何粒かあっただろう。出してやれ」

 

「…ベジータも、お遊びが好きだなぁ…?」

 

「…自分、あれ気持ち悪くて嫌いなんですが…王子の命令には逆らえませんしね」

 

「さ、『栽培マン』?」

 

「何それ?」

 

 クリリンと悟飯君の疑問を無視して、栽培マンキットを探す。確か、アンダースーツのポケットにあったはず…あったあった。

 

「…俺は6粒だ。アボカは?」

 

「僕は3粒ですね」

 

「合計9粒だな。こんなに出したら、俺達の楽しみがなくなっちまうぜ?」

 

「その程度でくたばったらそれまでだ。ドラゴンボールを探しに行く。まぁ、栽培マンを見れば、ドラゴンボールのことも喋る気になるだろうぜ」

 

 地面に屈み、土を触って土の質を調べる。うん、ここならきっといい栽培マンができるね。

 

 小さい穴を開け、その中に栽培マンの種を入れる。そして、それに再び土を被せて、緑色の半液体を垂らした。これで準備完了。あとは少し待つのみ。

 

「…な、なんだってんだよ…」

 

 クリリンが再び呟いた時、

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 地面を割って、9つの緑色の頭が飛び出た。どんどん成長していき、身体も姿を現す。いよいよ、栽培マンの誕生だ。

 

「さぁ、君達の実力を、見せておくれよ」

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