ドラゴンボールFG 〜転生少女達と戦闘民族は仲間だった⁉︎〜 作:竜華
第1話 転生、そして逃亡
『オギャー、オギャー』
『アァー、アァー』
惑星ベジータで、2人の赤子の女の子が同時に産まれた。1人は戦闘力930、もう1人は950だったそうだ。王家ならば未だしも、どちらも下級戦士の子供である。この子供達の両親は、将来王家の血を脅かすとして、ベジータ王の命令で、それぞれが3歳の頃、王都から離れた森に子供達を捨ててしまったそうだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆
〜エイジ737〜
「…あの糞神…アイツどういうチート設定にしてんのさ…思いっきり迫害されたじゃん…いつか絶対ぶっ飛ばす」
「しゃーねーやろ。産まれた時の戦闘力が900超えちまったんや。化け物扱いされて当然やん」
「え〜、それでもこれは酷過ぎだと思わないかい?普通、子供を3歳で森に捨てたりしないよね。いくら残酷な性格のサイヤ人とて」
「王の命令には逆らえない、って事なんとちゃう。諦めるしかないで、これは」
僕達2人は、今、捨てられた森の中でサバイバル生活を送っている。4歳でだ。元地球人である僕達には考えられない。まぁ、それなりに戦闘力はあるので、食料調達などには困らないからいいのだが。
因みに、前世の記憶は、神様が残しておいたらしい。本人曰く、
『[寿命を全うする]という使命を果たす為に残した』
のだそうだ。別に、なくても大丈夫だろと思った事は、あえて言わなかった。あのヘボ神様なりの配慮だろうと思ったからだ。
「それにしてもさぁ〜、僕の名前なんかおかしくない?[アボカ]だよ?」
「サイヤ人に産まれられただけマシだと思ったらどうなん?」
サイヤ人に転生したのだから仕方が無いのだが、名前が気に食わない。僕が[アボカ]で、澄華は[キャッツべ]と名付けられた。サイヤ人の名前は、野菜からきているから、おそらく、アボカドとキャベツからきているのだろう。サイヤ人のネーミングセンスはつくづく凄いと思う。もちろん、悪い意味で。正直、改名したい。
ついでに言うと、顔立ちにも文句がある。こいつはDBキャラでいう18号タイプ。つり目で、端整な顔立ちだ。いかにもサイヤ人らしいといえる。しかし、僕はどうだ‼︎DBキャラでいうブルマタイプじゃないか‼︎しかも、タレ目というオマケ付きときたもんだ‼︎完全に地球人顏だよねこれ‼︎誰か顔を交換してくれ‼︎そう叫びたいくらい腹が立つ。
「あぁ〜…もうちょっとカッコイイ名前が良かった…バーダックさんなんてめっちゃカッコイイ名前じゃん…ああいうのが良いよ…あと、この顔嫌だ…お前みたいな感じの方がサイヤ人らしいじゃん…」
「…お前なぁ…」
キャッツべが呆れた様子で溜息混じりに呟いた。そして、俺だって嫌だけど我慢してることだってあるんやで、と続ける。ごもっともです。特に名前とか…。名前とか…。
「…ブフォァッ」
「あっ、今俺の事笑いおったな‼︎」
「いやいや笑ってないよ‼︎いや、笑ったけども決してお前の名前の事じゃないから‼︎断じて違うからね‼︎」
「笑ってるやんかこの野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」
「ひぇぇぇごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁい‼︎」
キャッツべが鬼の形相で僕を追いかけ回してきた。ヤベェ、マジで怖い。捕まったら確実に殺られる。僕のサイヤ人としての本能がそう叫んでいる気がした。
とりあえず、今は逃げるしかないや‼︎
☆☆☆☆☆☆☆
「…⁉︎っおい」
キャッツべが何かに気付いたのか、全力で逃げようとしている僕の首根っこを思いっきり掴んできた。
「ヒイッ…って、なに、怖いなぁ…」
「…気だ…デカイ気がこっちに向かって来てるで‼︎」
「はっ…っ⁉︎本当だ‼︎数は…5つで、そのうち僕達よりデカイのが…2つ‼︎」
5つの気が此方に向かって来ていた。中々大きい。おそらく、上級戦士の一味だろう。
ちなみに、僕達は気の感知以外にも、気のコントロールも可能だ。何故かって?サバイバル生活を送っている間に習得しておいたのだ。DBワールドに来たからには、是非とも覚えておきたい技術だし、何かと使えそうだと思ったからな。気の操作は漫画やアニメで大体のやり方とかコツとかは知っていたから、すぐ出来るようになった。今では少し集中すれば完全に気を消す事も出来る。とても便利だ。
そうこうしてるうちに、1つの大きな気がすぐ側まで来ていた。もう、隠れる暇は無い。上等だ、正々堂々戦ってやる‼︎僕達は、あの頃よりもずっと強いんだ‼︎そう簡単には負けないからね‼︎
木々の隙間から大きな気の持ち主が姿を現した。それは…
「「えっ…ベジータ⁉︎」」
紛れも無い、幼少期の誇り高き戦闘民族の王子・ベジータだった。
「っぅわっ⁉︎誰だ貴様等は⁉︎何故こんな所にいるのだ‼︎」
王子は驚きの表情を浮かべて、僕達を見てくる。あぁ可愛いなぁ…。
「おいっ‼︎聞いているのか‼︎」
うわぁ王子めっちゃ怒ってる。可愛いだけなんだが。大人の王子もカッコよくて好きなんだけど、子供の王子も可愛くて好きなんだよな〜。つまり、どっちも好きって事だ。
その時、
「いたぞっ‼︎」
ドスの効いた男の声が森に響いた。どこかで聞いた事のある声だな…嫌な予感がする。3人は同時に声の方を向いた。他の4人と思われる男達がこちらを指差している。髪の毛が少しある青年期(?)ナッパと、手下らしき男達だった。うわ、ナッパの気、以外に大きいな。まともに戦って勝てる相手じゃないね。他の3人には多分余裕で勝てるけど。
「チッ…ナッパの野郎、もう来やがった…おい貴様等‼︎一緒に来い‼︎」
「「はい?」」
王子は間抜けな声をあげた僕達の腕を掴むと、そのまま強引に引っ張って走り出す。物凄い力だ。振りほどけない。
どうやら、このまま王子と一緒にナッパ達から逃げるしかないようだ。捕まったらとんでもないことになる事間違い無しだな。どうやらまた、面倒くさい事に巻き込まれてしまったらしい。
こうして、僕達とナッパ軍団との恐怖の鬼ごっこが始まったのである。