ドラゴンボールFG 〜転生少女達と戦闘民族は仲間だった⁉︎〜 作:竜華
「…ハァッ…ハァッ…クソッ、ナッパの野郎…いつまで追いかけ回してきやがるんだ…」
「というか、僕達はいつまで一緒に逃げなきゃなんないんですか?」
僕達の庭とも言える森の中で、僕(アボカ)とキャッツべは王子と一緒にナッパ達から逃げている最中だ。何故僕達が逃げなきゃなんないんのかは分からない。なんか成り行きでこうなっていた。というより、手は離してもらっているのだが、もうこうなっては逃げなきゃなんないみたいな空気になっていた、が正解だろう。
「王子ぃぃぃぃ‼︎良い加減に止まってください‼︎今日は、フリーザ軍への入隊式なんですぞ‼︎」
あぁそうか、王子はフリーザ軍に入るのが嫌なんだ。多分、奴等のいろんな噂を聞いて、不安になってきたのだろう。無理も無い。いつ死んだっておかしくないような環境に自ら入ろうとする子供はまずいない筈だ。実際、僕もこんな状態だったら、間違いなく同じ様な事をするだろう。証拠に、王子は時々、目に溜まった涙を僕達に見せない様に拭っている。なんだか、とても可哀想になってきた。
「………王子」
「なんだ…っわぁ⁉︎」
王子の左手首を掴むと、そのまま近くの大木の上に飛び乗る。僕は、こういう事はしょっちゅうしているのでなんの問題も無く乗れた。王子はというと、僕に強制的に引っ張られたせいで、飛び乗った瞬間少しバランスを崩していたが、すぐに体勢を立て直した。流石王子。まぁ、此処でもしそのまま落ちたら元も子も無いのだが。そして、その1拍後に、キャッツべがヒョイッと木の上に現れた。よし、ここまでは作戦通りだ。
こんな事は、普通なら絶対に許されないだろう。でも、どうしてもこうしなきゃならない気がしたんだ。情けとか、そんなんじゃなくて…。純粋に助けてあげたいっていうかなんというか…。分かんないけど、とにかく王子を助けたいんだ‼︎
「なっ…何のつもりだ貴様っ‼︎」
「何って…王子の逃走劇の手伝いですよ。王子、フリーザ軍の入隊式嫌みたいですから。あと、僕の名前は[貴様]じゃなくてアボカです」
「ついでに俺はキャッツべや、宜しゅうな‼︎」
木の上を軽々と飛び回りながらさりげなく自己紹介をする。だって、このままだと、王子に名前覚えてもらえないじゃないか。それだけは絶対に嫌だ。少しでもDBワールドに名前を残したい。
「…で?貴様は何処に向かっているんだ?」
「…あ」
「…おい、まさか、考えずに此処まで来たのか⁉︎馬鹿じゃないのか貴様⁉︎」
ヤバイ…何も考えずに此処まで来てしまった。王子を連れていく事だけ考えていた。
ちらり、と後ろを見てみる。ナッパ達が俺達と同じ様に木の上を飛びながら近づいてきていた。しかし、ナッパは身長も体重も僕達よりもはるかに大きいからか、スピードはかなり無いし、時々足を滑らせている。手下共に関しては1人すでに落ちているらしい。2人しかいなかった。馬鹿だなー、飛ぶ方が明らかに速いし楽だろうに。まぁ、これが作戦なのだが。
どうせ、僕達が木の上を逃げれば、ナッパ達も反射的に木の上に登って追いかけてくるだろう。だが、大の大人が木の上で飛び回ろうものなら、バランスはとりにくいし、下手をすれば枝が折れて落下する危険性がある。ここの木は、どれも20mはゆうに超えている。いくらサイヤ人でも、落ちてしまったらただではすまない筈だ。だからナッパ達はスピードを上げられない。それに対して、僕達はナッパ達より小さいし軽いから、バランスを崩すことも、落下する心配も皆無だ。つまり、スピードを上げやすくなって、ナッパ達をまける、というわけだ。我ながらかなり考えた方だと思う。俗に言う名案だ。というか、よく引っかかってくれたナッパ‼︎それでも、これはサイヤ人ではないと使えないだろう。相手が単純思考のサイヤ人だからこそ使えたのであって、此れがナメック星人や地球人などの複雑思考の相手だったら100%使えない。サイヤ人が馬鹿で本当に良かったと思う。単純思考万歳‼︎マジ感謝‼︎
予想通り、ナッパ達の姿は見えなくなった。上手くまけたようだ。あとは、どこか隠れる場所があれば…。
そう考えていると、奥の方に、薄暗い洞窟が大きく口を開けているのが見えた。丁度良い。あそこに隠れよう。
「よし、あの洞窟に行こう…もう少しついて来てくださいね王子‼︎」
「このっ…ただのサイヤ人の癖に、この俺様に指図するな‼︎」
「いいから行きまっせベジータ」
「…そういえば、何故貴様等は俺の名前や身分を知っているんだ?貴様等に教えた覚えは無いぞ…?」
「「気にしない気にしない」」
そんな会話をしながら考えた。
(そういえば、あの洞窟…昔入って、化け物に襲われたんだよね…なんとか逃げ切って、入り口にデカイ岩押し込んで出れなくしたけど…大丈夫かな…?生きてたらヤバイよね…。まぁ、あれから1年は経ってるもん。もう流石に死んでる死んでる。万が一生きてても、僕達と王子がいれば余裕で倒せる筈だし)
そんな楽観的な考えを持って、僕は皆を連れて薄暗く不気味な洞窟の中へ入っていった。