ドラゴンボールFG 〜転生少女達と戦闘民族は仲間だった⁉︎〜 作:竜華
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
僕達2人より先に、王子の拳が大蛇に繰り出された。拳は、大蛇の身体に直撃する。
バシンッ
「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼︎」
「なっ…なんだと⁉︎」
しかし、大蛇はその一撃にビクともせず、王子は大蛇の尻尾で叩き落とされてしまった。
ブンッ‼︎
ガッ‼︎
ドォ…ン
「グッ…‼︎」
「王子…‼︎」
「べ、ベジータ⁉︎」
辺りに立ち込める土煙。鈍い音と共に、地面に何本もの亀裂が入っていった。
「っあぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
「アボカッ⁉︎」
僕が王子に気を取られた隙に、大蛇の尻尾が勢いをそのままに、僕の横腹にクリーンヒットした。僕の身体は近くの壁に激突してようやく止まる。背中に刺さるような痛みが走る。痛い、苦しい。
…ユルサナイ。
人間では無い下等生物の攻撃をまともにくらってしまった自分への憤りと怒りが生まれ、心を侵食していく。こんな感情、前世でも現世でも初めてだ。
「…こ、この野郎…‼︎」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
「⁉︎キャッ……キャッツべ⁉︎」
キャッツベが僕と同じ様に、尻尾で床に叩きつけられた。そのまま、洞窟の壁にぶつかる。岩が何個も崩れていった。彼女の身体が岩の壁の中に消える。
「うぅっ…‼︎」
苦しそうに呻く
悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しいっ‼︎あんなのに、僕達が負けるなんて、絶対嫌だっ‼︎
もう、限界だった。何かが僕の中でブチンと切れた。
絶対、あの化け物を許さない‼︎殺してやる‼︎
「…よくも、キャッツべを…許さねぇぞぉぉぉぉぉぉてめえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」
気付いた時には、我武者羅に大蛇に突っ込んでいた。目前では、王子が大蛇の攻撃をギリギリで避けながら、自分でも攻撃のタイミングを図っている。
「王子‼︎そこどけ‼︎」
「はっ⁉︎馬鹿か貴様は⁉︎何も考えずに突っ込んでくんな‼︎」
王子の忠告にも耳を傾けず、怒りに身をまかせた僕は、王子を押し退けると大蛇の目の前で両手に気功波をつくり、相手の両目に向かって投げつけた。
「これでも食らえ‼︎つあぁ‼︎」
シュンッ
バァァ…ン…‼︎
「ウガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼︎」
「よっしゃぁ‼︎ざまぁみやがれ‼︎」
どちらも見事目標に当たった。大蛇は悶える様に、頭を無茶苦茶に振り回す。どうやら、こいつは目が弱点のようだ。
「2人共‼︎こいつ目が弱点だ‼︎」
「ほぅ…馬鹿そうな貴様にしては上出来じゃないか」
「了解でっせ‼︎」
2人は少し口角を上げて俺にそう怒鳴った。力ではどう足掻いても勝てなそうだからな。弱点を集中的に攻撃してやるぜ‼︎
「「「だりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ‼︎」」」
3人揃って、大蛇の目に何発もの気功波をぶち当て続ける。大蛇は、苦しげな雄叫びをあげていた。
よし、良いぞ…僕達が押してる‼︎このまま上手く行けば…。勝てるかもしれない‼︎
誰もがそう思った、その時、
『イイ加減ニシロ、貴様ラ‼︎神ニ逆ラウ愚カ者ニハ、制裁ヲ与エテヤル‼︎』
「「「⁉︎」」」
突如響き渡る低い声。そして、大蛇の顔を覆っていた煙が消えていった。見えた大蛇の姿は、今までとはかなり違っていた。
先程まで黄色く輝いていた目は今、赤黒い光を宿しており、黒い輝きを放つ身体は、毒々しい紫色の気を纏っている。しかも、先程よりかなり大きくなっていた。
見間違いようがない。これは…
「凶悪化⁉︎そんな、なんで⁉︎」
正に、ゼノバースで登場する、凶悪化そのものだった。
「…な、なんや……その凶悪化って…」
「DBのゲームに、ゼノバースってやつがあるんだけど…その設定にあるんだ…一種の洗脳として…。確か、犯人は…」
僕がそこまで言った途端、
ザシュッ
「⁉︎」
僕の横腹を何かが抉った。
『余計ナ事ヲベラベラ喋ルナ…小娘ガ』
「がはっ…‼︎」
『ソレニ、ソレハ貴様ラノヨウナ人間ニハ、知ル必要ノナイ事ダ』
大蛇の尻尾だった。先程よりも心なしか大きく鋭いそれには、僕のものであろう赤黒い血がべっとり付いている。
グラッ…
「お、おい⁉︎」
「アボカ‼︎」
激しすぎる痛みに揺らぎ、薄れていく意識と視界。僅かに残った平衡感覚で、自分の身体か真っ逆さまに落下していっているのが分かった。あぁ、自分はこんな下等生物に殺されるのか…。
落ちざまに自分の横腹から溢れ出る血飛沫と肉片が見える。テレビとか、漫画で見た物なんて比では無い程グロテスクだった。元地球人の僕にとっては、見たくなかった情景だ。これは、下手したら、トラウマになりかねない。
そして、力の入らなくなった身体は、地面に直撃する…事はなく、
ボフンッ
温かく、弾力のある太い物に身体を包まれ、落下は免れた。
「…餓鬼の癖に、無茶すんじゃねぇよ…バーカ」
聞き覚えのある声が聞こえた。誰かが僕の身体を受け止めてくれたらしい。
そして、その張本人こそ…
「…バー…ダック…さ…ん…?」
ー 最強の下級戦士・バーダックだった。 ー