ようやくの更新です。
その翌日の昼休み。
いつものように生徒でごった返す購買で手慣れた様子でパンを捌きながら、京助はある少女が訪れるのを待っていた。
とは言っても彼女は毎日来る訳ではなく、来る時間帯もまちまちで、今日購買に来るかどうかも半々といったところなのだが。
「こんにちは、パン屋さん!今日のおすすめは?」
「……来やがったな」
満面の笑みを浮かべて駆けてくる穂乃果を視界に捉えて、京助は眉間に深い皺を刻み込んだ。
「良く来たな饅頭娘。今日のおすすめはこのデスソースを思い切り使った殺人カレーパンだ」
「え……何その物騒なカレーパン」
「お前にやろうと思って丹誠込めて作ったんだ。喜べ。一口で救急車沙汰間違いなしだ」
「そんなのいらないよ!」
穂乃果の全力の否定を聞いて、京助は舌打ちを一つ、新たにイチゴサンドを手に取って、
「たっぷりのイチゴとホイップクリームのサンドイッチ。どっちも知り合いの農家さんから直接買い付けた一級の素材で作ってある。試作だが味は保証する」
「うん!じゃあそれにする!」
お代を受け取り、サンドイッチを手渡すと、穂乃果は笑顔で手を振って教室の方へと戻っていく。その姿を眩しそうに眺めながら、京助は舌打ちを一つするばかり。
穂乃果を待っていたと、そう言った割には何事もないように思えるひとコマだったが……
「ふぅ……」
日当たりの悪い体育館裏、かび臭いじめっとした空気を肌に感じながら、京助はタバコに火を点けた。
肺に満ちる煤けた臭いは心地良く、嫌な事を一時だけでも忘れさせてくれる癒しだった。
体育館の外壁に背を預けて煙を味わうこと数分。タバコがもはや手に持てない程に小さくなった頃に、彼女は現れた。
「京ちゃん?」
「おう」
穂乃果の声を聞いて、京助はタバコを地面に吐き捨てると踵で念入りにその火を消して、
「俺が、高校生の頃は……」
「?」
「昼休みに体育館裏なんか行くと、隠れてタバコ吸ってる奴が一人か二人はいたもんだがな。これも時代の移り変わりって奴か?いや、女子高ってのもあるし、ここの生徒がやたらお行儀が良いってこともある。一概には言えねぇか」
京助はそう言ってケラケラと笑う。
その笑顔は悪ガキのそれだった。
「京ちゃん、話って何?」
このままでは埒があかないと思ったのかおもむろに穂乃果はポケットから紙切れを取り出して尋ねた。
その紙切れは京助から買ったパンの包装に張り付けられていたもので、そこには昼食後に体育館裏に来るようにと京助の字で記してあったのだ。
「ん。そうだな、どっから話したもんか……」
歯切れが悪そうに京助は口ごもり、すぐに意を決したかのように語り始めた。
「まぁ、知っての通り、俺はあんまし口が達者な方じゃないし、口も悪い。悪気なく人の不興を買うのも日常茶飯事だ」
「うん、知ってる」
別に穂乃果は京助と長いつきあいではない。
お互いがお互いの事を良く知っている訳ではないが、それでもそんな事はとっくに知っていた。
だが、逆に言えばそれ位しか知らなかった。
京助は穂乃果達に必要以上の事を聞こうとしない。そして自分の事を全くと言って良いほど話さない。
だから今から京助が語るのは、全てが始めてのことだった。
「えーっと、それでだ。今からちょいと長い話をするんだが……聞きにくかったり、不快だったりするかもしれないが、別に悪気はないんだ。そこだけ先に謝っとく。……俺が昔、バンドでギターやってたって話は知ってるよな?」
「うん。にこちゃんからも聞いてるよ」
「それじゃ、俺が夢を諦めて逃げ帰ってきたことも知ってるよな?」
「……」
穂乃果は何も答えなかった。首を縦にも横にも振らず、ただ目を伏せる。
前々から、何となく彼女も気が付いていた。京助が何かから逃げてこの街に来たことに。
そして先日、バイクに乗せてもらったとき、京助が自らそれを口にしたのを今でも覚えている。
かちり、と音を立てて京助がオイルライターを開いた。タバコに火を点けるでもなく、灯ったオレンジ色の火を見つめながら京助は、
「……俺のバンドも当時結構良い線はいってたんだぜ?俺はともかく、俺の仲間はみんな凄かったから。俺は俺で大分一人で突っ走っては無茶して無理して、それでも何だかんだ言いながら仲間たちはそれに付き合ってくれてさ。その先にようやく、夢の端っこに手が届くっていうチャンスも巡ってきた……それなのに、大事なイベント前に俺が大ポカやらかしちまってさ。情けなくも大怪我&不祥事。結果、大事なイベントはポシャっちまった」
あっけらかんとした様子で、京助は語る。それは吹っ切れたというよりもむしろ、他人事のような語りだった。
他人事だとでも思わなければ、思い出すのも辛いことなのだろう。それを裏付けるかのように、彼は話しながらも決して穂乃果と目を合わせようとはしない。
「そんでもって、次に俺が何をしたかって言うと……逃げ出したんだ。文字通り」
その言葉に、穂乃果は目を丸くして息を呑んだ。
「仲間にも何も言わず勝手にバンド抜けてさ。その時分かれた仲間たちとは未だまともに仲直りすら出来てねぇ。それから生まれた街まで捨てて着の身着のままで飛び出しちまった。今でもこの時の事は後悔してる……おっと、勘違いしないでくれよ?別に夢をそこで諦めたわけじゃない。諦めたのはそれからもうちょい後だ。……仲間がいなくても、ここじゃなくても、俺一人でも何とかなるって呪文みたいに言い聞かせて。一人で夢を叶えようと足掻いてもがいて、這いつくばって泥啜って、さ。路上ライブなんかもやったし、営業なんかもかけてみた。それでも終ぞ俺に才能なんてもんが開花する日は来なくて、全部失敗して。何回も何十回も、失敗して失敗して、失敗した。そのうちに心も体も擦り切れていって、そんで、気がついたら夢なんて見失ってた。そっから先は――流石にお前らにも言えないし、言いたくない」
京助は先ほどと同じように、何気なく語る……つもりだったのだろう。
だが、彼の顔にはありありと、無念と怒りをごった煮にしたような感情が浮かび上がっていた。
「……で、紆余曲折の末に今に至る。情けねぇ話さ」
かちん、と。
話を締めくくるようにライターを閉じる音が響いた。
「……自分語りってのはあんまし好きじゃねえや。あまりに格好悪すぎるし、どうやったって言い訳が混じる。そんな訳で俺の昔話はここまでだ。本題に入るぜ?」
「本題?」
青年は、今までもたれ掛かっていた壁から背中を離して、穂乃果の方に歩み寄る。
「穂乃果よ。俺はさ、お前のこと……」
照れくさそうに、言いづらそうに、だが真っ直ぐに彼女の目を見ながら。
いつになく真剣な京助に、穂乃果も思わず身構えてしまう。
そんな彼女の様子を知ってか知らずか、京助は穂乃果に近づいていき、そっと手を伸ばした。
そう、それはまるで……
「お前のこと、つくづく昔の俺に似てるなって思ったわけだ」
「あ、痛っ」
ため息を一つ、ついでにデコピンを一つ。
非常に残念そうな顔をしながら京助はそう呟いた。
「向こう見ずで一直線。こうと決めたら梃子でも動かない。俺が歩いてきた道だ。だから、お前が何を思って躊躇ってるのかはなんとなーく分かっちまうって訳だ。そして、その先に何があるのかも」
前から、それこそ出会ったはじめの頃から薄々は感じていた。だが、この娘と同類と言うのはなんとなく認めたくなくて、気がして気がつかない振りをしていたが、もうそういうわけにもいかなくなった。
認めなければ、次の一歩は踏み出せない。
「一遍思い出してみてくれ。俺がこの間、お前になんて言ったのか」
「『……後悔だけは、するな』」
京助に弾かれたのがまだ痛いのか、片手で額を押さえて、涙目で穂乃果は思い出した事を口にする。
それは先日、京助が語ってくれた話の中で、一番心に響いたセリフだった。
「そうだぜ。どこの誰が何を選択しようと知ったこっちゃねぇし、俺は人を諭して導くような真似が出来た身分じゃねぇが」
にやりと小物臭く笑ってみせて、京助は今度こそタバコに火を点けた。
彼女たちの前では極力喫煙を控えていた彼にしては珍しいことだった。
「お前の前に立ってる最低なロクデナシを良く見てみろ……後悔の先にあるのは、まさにこれだぜ?」
凡そ人の手本になるような生き方をしてこなかったが、それが逆に今は悪い見本として活きているのは何という皮肉だろうか。
自嘲を通り越して自虐、それすらも通り越してただの捨て鉢。格好悪いことこの上ない。
何者にもなれず、過去を悔やみ続けるロクデナシの姿を、その人生を晒してみせたのは偏に、彼女には……彼女たちには自分と同じ道を歩んで欲しくないからだった。
「俺が伝えたかったのはこれだけ。悪かったなくだらない話で昼休み潰しちまって。……あばよ」
京助は最後にそれだけ言って踵を返した。
「後悔……」
京助に言われたその一言を、穂乃果は噛み締めるように呟いた。
そして、まだ迷いを浮かべた顔を上げて、小さくなっていく京助の背中に声を投げる。
「京ちゃんは……今の京ちゃんは、最低でも、ロクデナシでもないよ」
京助は足を止めて、そっと穂乃果の方を振り返る。
「……ありがとな」
囁くように小さくて、風の音にも消えてしまいそうだった。
それでも確かに穂乃果は彼のその言葉を受け取った。
†
「これから二人でこの石段をダッシュで競争よ!私が勝ったらラブライブに出る。穂乃果が勝ったらラブライブに出ない!」
にこが高らかに勝負の啖呵を切った。
京助に年長者の助言とも痴れ者の戯言ともつかない話をされたその日の放課後、穂乃果はにこに神田明神の裏手、男坂の石段下に呼び出されたのだった。
話があると、にこはそれだけしか言わなかった。だが、それだけで分かっていた。
矢澤にこという少女が、何を言おうとしているのか。
そして、こうなるであろうことも。
「うん、いいよ」
だから穂乃果はにこの申し出に応じた。
否。
応じざるを得なかった。
誰よりも真剣に夢を追い続けてきた彼女の見せた、その真剣な眼差しを見てしまったから。
「行くわよ……よーいどん!」
「え?わ!?」
不意打ちだった。
早口で号令を言うなり駆け出したにこ彼女を穂乃果は一拍置いて追いかけた。
「っ……!」
穂乃果が思った以上に、にこの足は早い。
それは当たり前のことなのだろう。
今の今まで、穂乃果やμ’sの面々が活動を休止している間も彼女は一日として練習を欠かさなかったのだ。
――否。
それだけのはずがない。
彼女には譲れない思いがあるのだから。
だから、
「きゃっ!?」
気張って焦りすぎたのがいけなかったのだろう。
石段の中間あたりでつまずいてしまった。
受身をとる暇もなく、宙に舞う一瞬の間、しかし彼女の頭にあったのは、穂乃果に負けたくないという一心だった。
絶対に、負けられない――
「おっとぉ!」
彼女があわや転ぶ寸前、石段を目にも止まらぬ速さで駆け下りて現れた人影が抱きとめるようにして彼女の小さな体を支えた。
優しく彼女を守った暖かい腕。その正体は顔を見るまでもなく分かった。
分かってしまった。
背に負った大きなギターのハードケース、仄かに香るパンとタバコの匂い――
「いつも思うんだが……お前らちょいと落ち着いた方がいいんじゃねぇか?」
にこを離して数歩後ろに退くと、彼は――京助は呆れたように呟いた。
「怪我はねぇか?矢澤ちゃんよ」
「……」
京助の問いかけには答えず、彼女は京助から目をそらすようにそっぽを向いた。
まだ彼に対する心の整理がついていないのだった。
「……俺も、嫌われたもんだ」
小さく、自分に言い聞かせるように呟いた。
それだけの事を自分はしでかした。最早、何を言ったところでその事実は消し様がない。
だから余計にやるせない。
「にこちゃん、大丈夫!?あ、京ちゃんが助けてくれたの?」
駆け寄ってきた穂乃果と、遅れて物陰から飛び出してくる7人を目の端に捉えて、すぐにその視線を所在なさげに空へと移した。
「にこちゃん、ズルなんかするから……」
「ズルでもなんでも良い!ラブライブに出れさえすればそれで……私は夢を諦めたくないの!」
「っ……」
息を、飲んだ。
彼女の言う“夢”は、いつか彼が抱いたものと同じだったから。
同じだったはずの夢はどこで違ってしまったのだろう。
「……雨、降ってきやがったな」
心に湧いてくる痛みを隠し、京助は雨粒に濡れた額を拭った。
ぽつりぽつりと石畳を濡らし始めた雨は間もなく土砂降りへと変わり、遠くからは雷の音までも聞こえてきていた。
神田明神の門の下、雨宿りをする少女達と青年。
十人いればもう少し話も弾みそうなものだが、そこにいつもの喧騒はなく、厚く空を覆う雲と同じでどんよりとした空気が立ち込めていた。
誰も口を開かない。話を切り出すタイミングがつかめずにいるのだった。
「ちっ……」
暗い雰囲気に耐え兼ねた京助が忌々しげに舌打ちを一つ打って、タバコを口に咥えるが、少女たちの手前、それに火をつけるわけにもいかずに余計にイライラを募らせた。
湿っぽい空気はもともと好きな性質ではない。
どうしたものかと考えながら、未だ止む気配のない雨と分厚い雨雲を見上げる京助の視界の片隅に、遥か彼方で一条の稲妻が光るのが映った。
それを合図とばかりに、こらえきれなくなった彼は遂に話を切り出した。
「……結局、お前らはどうしたいんだよ?」
不機嫌な顔をして門に背中を預ける京助に、九人の視線が一斉に集まった。
「本当なら、俺がとやかく言う話じゃないのは分かってる。分かっちゃいるんだが……こうもうだうだと、知り合いに悩まれると気分が悪いんだ」
どんなに親しくなったところで、どれだけ手助けを行ったところで、京助は彼女達の選択にまで口を出したくないと思っていた。
助言を求められては曖昧にヒントを与え、答えを求められても“お前達はどうしたい?”と、逆に問いかけるだけだった。
最早終わってしまった男が、今まさに輝こうとしている若者に何かを言えるはずがないと、そう思って今までやってきた。
だが……
「……絵里ちゃん達は、後半年で、」
穂乃果は最後まで言わなかったが、その続きは考えるまでもないことだった
スクールアイドルを続けられるのは、在学中だけ。絵里、希、にこの三人に残された時間は後半年だけなのだ。
今が楽しくて、今輝くことに必死で、見えないふりをしてきたが、それは避けられないことなのだ。
「本当は私もずっと続けていきたい。卒業後もプロを目指す人たちだっているけど、この9人で輝けるのは後少しの間だけなの」
絵里の寂しそうな微笑みを見て、京助は一人静かに拳を握り締める。
メンバー全員も、京助と同じ気持ちだった。
「例え、一回戦で負けちゃったとしても、みんなで何かをやり遂げたって、そんな証を残したい。それは私たちも同じだよ?」
「凛もそう思うにゃ!」
「やってみても、いいんじゃない?」
まず始めに、一年生が心の内を打ち明けた。
「私は、穂乃果ちゃんが選ぶ道ならばどこまででも」
黙ったままの穂乃果に、ことりがそう言って笑いかける。
「……また、自分の所為で周りに迷惑をかけたくない、なんて思ってるんでしょ?」
海未もまた、呆れたように穂乃果に問いかける。
二人の幼馴染の言葉を受けて、彼女は困ったように、
「全部、バレバレだね。この間、京ちゃんにもお説教されちゃった」
「……さてな」
最後に話を振られた京助は短くつぶやいて空を見上げた。
雨はまだ止みそうにもなく、遠くの空には稲妻が走るのが見えた。
「最初は、何も考えずに出来たのに、今は何をやるべきか、何をしなくちゃならないのか、分からなくなる時がある、でも……!」
その先に続く一言を、京助はずっと待っていた。
かつて自分が諦めてしまった場面の再現で、そして彼が見ることの出来なかった明日への一歩。
あの時どうすれば良かったのか、その答えが今まさに出ようとしていた。
「一度夢見た舞台だもん!私だって、本当はすごく出たい!」
その一言だけで、十分だった。
彼女たちは、夢に敗れたかの青年とは違う。彼には至れなかった場所に、遂に彼女たちは一歩足を踏み出そうとしていた。
道のりは険しくて、その先がどうなるのかなんて誰にも分からない。
それでも――!
「それがお前たちの選択か」
空を見上げたまま、京助は呟いた。
雨雲に覆われた空に目を凝らせば、一箇所だけひび割れたように明るい場所が見えてくる。
と、
「え!?穂乃果!?」
「ちょ、何やってんだお前!?」
まだ降りしきる雨の中、穂乃果が傘もささずに飛び出していく。
皆が突飛な行動に目を丸くする中、彼女は、
「雨、やめー!!」
大きな声で叫んだ。
「な……」
京助の口からタバコがぽとりと地面に落ちた。
彼女の宣言通り、雲の切れ間はみるみるうちに大きくなって、やがてそこから太陽が顔を覗かせた。
「人間その気になればなんだって出来る!京ちゃんの言ってた通りだね!せっかくラブライブに出場するのにもったいない!この9人で……ううん!京ちゃんもいれて10人で、優勝を目指そう!」
その場の全員にどよめきが走った。
しかしてそれはすぐにみんなの笑顔に変わっていく。
「随分とまぁ……難儀なことだぜ、まったくよ」
勝手に仲間の一人に数え上げられて、面倒臭そうに言いながら、それでもなお京助も優しい笑顔を浮かべていた。
今までは、彼女たちに何もしなかった。何もしてやらなかった。
何もしてやれなかった。
だけど、そんな日々はもう終わりだ。
何かをしてやりたい、ではない。
これからは自分に出来ることをやるのだ。
心の折れた青年も――心の折れていた青年もまた決意を新たに一歩踏み出す。
「やるだけ全力でやってみろ!無理だなんて考えるな!」
京助は新たな決意に満ちた彼女達を見ながら、京助は心に浮かんだ事をそのまま口にだす。
「面倒くさいことやら、何やら、俺に出来る範囲なら力になってやるからよ!」
言い切って、京助は勢いよく体を寄りかかっていた門から離した。
その瞬間、ケースの中の楽器が揺れて、微かに弦の音が鳴る。
それは彼にとって随分と懐かしい音だった。
背負うのは今まで苦楽を共にしてきた相棒――ではない。
かつて夢を志した時、一番最初に手にし、そして今の今まで友人に預けたままにしていた
楽器……言わば夢の始まり。
夢の残骸はもういらない。灰色の光景ももう見飽きた。
必要なのは新たに立ち向かう意思一つだけ。
そう、それは今彼女達を照らす太陽の輝きのような……
それの重みを確かめるように、彼はそのケースを背負い直す。
"
第三十七話、いかがでしたでしょうか?
穂乃果達の決意と同じように、京助もまた何かを決意した次第。
1期が夢を目指す少女たちと夢に敗れた青年のふれあいの物語だとしたら、2期は夢を目指す少女達と夢をもう一度追う青年の共闘の物語です。
さぁ、どんどんギアを上げていきますよ!!