長い眠りから覚めた眠り姫   作:パスタソースご飯

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今回はオリジナル展開です。
そして、感動の出会い?
正直わからないですが(笑)
では
本編へどうぞ


10話 兄弟の出会い

フィアが半吸血鬼になってから丁度24時間。

俺はエヴァさんのログハウス、通称エヴァハウスに着ていた。

手に持っていた水晶を見ると、フィアは自分のベッドに寝ているみたいだ。

周りには誰もいない。

なぜ修学旅行を中断し、フィア、エヴァさん、茶々さんだけが帰ってきているのか。

半吸血鬼になったからなのかフィアがまだ1度も起きない。

表向きには事故に巻き込まれたということになっているらしいが、麻帆良に帰っていた。

父さんと約束した。

フィアは俺が守ると。

フィアの側に転移すると、エヴァさんに感知されてバレないように魔力の残りを回収する。

後は同じようにフィアを京都のホテルに転移させ、自身はエヴァハウスの玄関前に転移する。

呼び鈴を鳴らすと茶々さんが出てきた。

 

「久しぶり、茶々さん。エヴァさんに用があるんだけど・・・いいかな?」

「お久しぶりです。少しお待ちを」

 

茶々さんがエヴァさんを呼びに行ってすぐ、エヴァさんは飛び蹴りで歓迎してくれた。

言うまでもないが、転移して避ける。

 

「相変わらず面倒な魔法を使うな」

「そう言うエヴァさんも相変わらずだな・・・いきなり飛び蹴りとか非常識すぎるだろ」

 

家の中には入れてくれるが、エヴァさんの命令で椅子を用意してくれない。

嫌われることでもしたか?

思い当たることは・・・・・・ないな。

エヴァさん1人がソファに座り、早速本題に入る。

 

「・・・で、いきなり消えていきなり現れて・・・何の用だ」

 

理由はそれか。

 

「簡単なことだ。フィアを連れていく」

「・・・魔法世界に・・・か」

「わかってるなら話は早「断る」い・・・・・・理由を聞きたい」

 

断られるだろうとは思っていた。

おそらくそう思っていることも、エヴァさんは知っているだろう。

1度は家族だったのだから。

 

「今は私の娘だ。それを連れていくと言われてはいそうですかと言って渡せるか、あほうが。それに、私はエドからあいつのことを頼まれたからな」

 

俺は出ていったがな。

 

「どうせお前のことだ。状況は知っているだろう」

「まぁね、水晶で見てたし」

 

フェイトのことを疑っているのか?

エヴァさんのことは分かりにくいな。

 

「ならなぜ半吸血鬼化も完全に終わっていないあいつを手放せる」

 

確かにそうだ。

でも・・・。

 

「なら教えてくれよ。フィアが今どういう状態なのか」

「・・・教える理由がない」

「頼むよ・・・義母さん(●●●●)

 

エヴァさんはこう呼ばれるのに弱い。

今は息子という立場を使える。

親が子にしてやれることへの喜びは、子供の俺で感じたはず。

これでも教えてくれないなら・・・逃げるだけ。

俺じゃエヴァさんに勝てない。

力が封じられた状態でも勝てないんだ・・・取り戻しているなら尚更。

 

「・・・フィアがどれほど寝ているのかはわからん。実は今の私には何もできん。ただ・・・起きるのを待つしかない。起きた時が完全に半吸血鬼になっているはずだ。」

「・・・完全な吸血鬼になってしまうことはないのか?」

「・・・フィアが望むなら吸血鬼の血が人間の血を吸って変わる。できればそうならないことを願うさ・・・フィアには私側に来て欲しくない。永遠の命とは辛い、特に親しかった者の別れがな・・・」

「・・・そうか。ありがとう義母さん。俺はこれで帰るとするよ」

 

2つの目的を果たした。

後は・・・。

 

「それと・・・やっぱりフィアは俺が守る。連れていくよ」

「・・・私からそれができると?」

 

エヴァさんは知らないのか・・・俺の転移は・・・。

 

「・・・確かにエヴァさんには勝てないな・・・だが、逃げることはできる。俺の得意魔法は転移だ、そして・・・俺の転移は誰も気付かない」

「・・・まさか」

 

エヴァさんはフィアが寝ているはずの部屋に駆け込むんで行くが、そこには誰もいない。

その隙に転移を始める。

さよならだ・・・義母さん。

尾行されないように何度か転移を繰り返して京都のホテルに戻るとフェイトがフィアの横でコーヒーを飲んでいた。

 

「・・・すまない。彼女に石の槍を当てた。」

 

どうやら俺の言ったことを理解していたみたいだ。

 

「過ぎたことは仕方ない。・・・帰るぞ」

「・・・大丈夫なのかい?」

 

フェイトの質問を無視し、直径10センチメートル程の水晶を出す。

今は時間がない。

 

「・・・フィア、少し借りるぞ」

 

そう言ってフィアから母さんの形見である煙管を取り、咥える。

実はこちらに来るときに使った発動体が壊れてしまったのだ。

魔法自体は左目(●●)で使えるが、これから使う魔法は強力なため、負担がかかり過ぎる。

しばらく見えなくなる可能性があるため、極力使いたくない。

フィアを抱いて詠唱を始める。

 

「ロナリス・リ・リーナ・ロアリーナ・・・今宵はどこへ逝く?天か?地か?はたまた世界を跨ぐか、汝はただ我の求める場所へ導け・・・《移動する空間(エスパシオ・ムダールセ)》」

 

呪文の詠唱が終わると同時に、持っていた水晶を落として割り、フェイト、フィアと共に魔法世界へと帰る。

この魔法を使うには予めマーキングが必要になる。

魔法世界では俺の部屋に、あちらの世界では、フェイトにゲートで行かせ、ホテルの中に付けてもらった。

俺単独では、この魔法を使えず、フェイトの魔力を先ほどの水晶に込めてもらった。

俺はフィアより魔力容量が少ない。

ただの短距離転移なら詠唱無しで、魔力消費も少なくできるが、超遠距離だと出来ない。

単純に魔力が足りないからだ。

転移が完了すると、フェイトが連れてきた孤児の1人の黒い髪の女の子が扉の前で立っていた。

 

「おかえりなさいませ、フェイト様」

「・・・俺には無しか?・・・えーと・・・すまん、忘れた」

「暦です!名前を覚えてくれない人に言う言葉なんてありません!」

「それもそうだな・・・えーと・・・何だっけ?」

「・・・もういいです」

「まぁそう怒るなよ、暦」

「覚えてるじゃないですか!」

「ははは、聞いてすぐに忘れる訳ないだろう」

 

こいつを弄るのは楽しいな。

フェイトは黙ってコーヒーを入れてるし・・・丁度いいな。

 

「フェイト」

「・・・・・・何?」

「少し暦を借りていいか?」

 

ふぇ?と変な声を出して驚く暦。

今のは少し気持ち悪いぞ・・・。

 

「・・・彼女自身に聞いて欲しいんだけど」

「そうだな、暦」

「・・・何ですか」

「こいつの世話を頼みたい。出来れば俺からあまり離さずに」

 

フィアを少し前に出して顔を見せてやる。

 

「思っていたのですが・・・この子誰ですか?」

 

フィアの顔を覗きながら不思議そうに首を傾げている。

 

「俺の妹だ」

「妹さん!?妹いたんですか!?」

 

驚くのはいいが引かないでもらいたい。

 

「可愛いだろ。血の繋がった正真正銘の妹だ。名前はフィア、いい名だろう」

「・・・確かに似てなくもないような」

「微妙な言い方だなおい」

「・・・わかりました。どこかの誰かさんが変なことを教えないように」

 

「どこの誰だろうな」と笑いながら言うとジト目で見られた。

ひとまずフィアを暦に渡し、机の椅子に座って目を瞑る。

 

「え?そこで寝るんですか?」

 

何を言ってるんだこいつは・・・。

ベッドはフィアに決まってるだろう。

 

「ベッドにフィアを寝かせてやってくれ」

「なら新しいベッドを「やめろ」・・・え?」

「これ以上物を増やしたくない。邪魔だ」

 

フェイトが持ってきた小さめのテーブルでもギリギリだってのに、これ以上増えたら魔法が使えなくなる。

 

「フィアの世話は起きるまででいい。頼んだ」

 

そう言った後は無視し、引き出しに入っている薬を2錠飲んで椅子で眠った。

 

 

 

目を覚ますとそこは見たことのない黒い部屋。

体を動かそうとすると痛みが走る・・・が、動けない程ではない。

起きて部屋を見渡すと、黒で揃えられた机、テーブル、ベッドがあり、唯一黒でないのが、テーブルの上にあるコーヒーサーバーと机の上にある水晶、そして私自身。

私はその部屋のベッドで寝ていた。

そして・・・机の椅子では私と同じ髪型だが、前髪が逆の黒い青年が眠っていた。

気絶してからどれだけの時間が経ったのだろうか。

1度出てみようとシーツを退けると、着ていたはずの服が脱がされていたようで、下着姿だった。

慌ててシーツを羽織る。

そのまま黒い青年を見ていると、扉が開く音がした。

扉を開けて入って来たのはフェイトさん。

どうしてフェイトさんが?と思っていると「すまない」と言って出ていった。

次に入って来た人は黒い髪のメイド服の女の子で私の服を持っている。

そして・・・猫耳?尻尾?

 

「おはようございます。フィアさん」

 

何故か私に服を着せてくれる。

私の服を着せてくれている途中で質問は彼に聞いて下さいと言って、黒い青年に指を指していた。

猫耳の人は、私に服を着せると出ていってしまった。

あの人がここに連れてきたのかな?

私が寝てる間に何があったのか、教えてくれると猫耳の人は言っていた。

ベッドに座って待っていると、5分程(時計が無いので正確な時間がわからないが)で黒い青年が目を開けた。

 

「・・・起きてたのか、フィア」

 

私の名前を呼ぶとコーヒーサーバーの方に行った。

モーニングコーヒーといったところだろうか。

黒い青年を見ると、着ている服が全て黒。

年齢は20位だろうか。

黒でないのは目の色と肌の色。

目は私と同じラピスラズリのような青い色。

私とは対象の存在のように思える。

黒い青年は、私にコーヒーの入ったティーカップを渡し、一口飲んだ。

私は飲む気になれず、テーブルに置きに行く。

 

「・・・さて、まずは自己紹介か」

 

私から1メートル程離れた黒い青年が話し出した。

 

「俺はルイン・クロイツェル」

 

・・・クロイツェル?

まさか・・・。

 

「ははは、そのまさかだよ。フィア、俺はお前の兄だ」




最後まで読んでいただきありがとうございます。
誤字や脱字、アドバイス等があり、教えていただければ嬉しいです。
今回はゲストがいませんが次回は関連のある方に来ていただきます。
予想してみてください。
その予想が当たるかはお楽しみに♪
では次回
両親の過去?
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