ウル・ルガルが森に居た神霊まがいや幻想獣、動物たちをフンババの本体が居る異世界の森に移し終えた後、数十本のレバノン杉がフンババの指示のもと、エルキドゥによって切られていった。
これから先の森のため、切り株を残しつつだ。この森を切り開くのを神が禁止したのかは、フンババ曰く、この森を更地にした場合、塩害などが起こり、作物が育たなくなるので人が森に入る事を禁止したそうだ。
杉の木を切った後は、エンリル神を奉っているニップール市に行き、彼が森を開かれた事を激怒しているのを予測できたため、彼の怒りを納めるため、レバノン杉で作った至極のモノ…杉の匣を納めに行った。神殿へ行けば、怒りながら髭を蓄えた老人…いな、神…エンリル神直々に出迎えに来たのである。
彼が出て来るとは思わず、我が父もその朋友も大層驚いていた。唯一、驚いていなかったのは新しく使い魔になったフンババである。人型になった奴は怯えた眼差しでエンリル神を見ていた。
エンリル神は怒りながら人型のフンババを蹴飛ばしナマモノにすると、正座をさせ彼を怒鳴った。フンババは土下座をしながら彼の言葉に耳を傾得ている。これが古代最古のDO☆GE☆ZA!?とウル・ルガルが感心していれば、ギルガメッシュはその姿を見てまたも大爆笑している。
その後は何とかエンリル神の怒りをなだめ、杉の匣をプレゼントすると、怒りから打って変わって大層喜んでいた。これ程の巧みな匣を作れるものは見たことが無いと。気分が良くなった彼は褒美に天と地を別けた槍のような何かをウル・ルガルにプレゼントした。
しかし、そのような彼の大権能の具現である武器を渡されるほどの価値はあの匣にはない…故に、ウル・ルガルは彼の神殿を改築すると申し出て、エンリル神は喜んでそれに了承し事なきを得た。
そう、エンリル神に対してはだ――――――自らの父であるギルガメッシュはそうは行かない。
ギルガメッシュはエンリル神から貰った槍の様な何かを欲しがり、挙句の果てには息子から強奪しようとしたものの、ウル・ルガルから返り討ちに逢い最終的に親子喧嘩となった。
その親子喧嘩は凄まじく、ウル・ルガルが幼い頃に行われた喧嘩と比べ物に成らない程の戦いであった。
まさに世界が滅び、再び生まれ変わったような錯覚を覚えるほどの戦いであり、ニップール市にいる民たちはどちらが勝つかワクワクしながら観戦していたという。
そんな最中、とある神官が吹き飛ばされながらも、決死の覚悟でその喧嘩に割りこんだ。
「おい…そこな雑種…貴様――――誰の許しを得てこの我の戦いに邪魔をした!!!万死に値するぞ!!不敬!!!」
「申し訳ございません!!!我が首が刎ねられようともこの事だけは神々の命により伝えなければなりません!!!バビロンの南にある町キシュの王エンメバラゲシに女神イシュタルが攫われてしまったのです!!!どうか女神をお助け下さい!!!」
そう神官はDO☆GE☆ZAをしながら言うと、流石の父も内容が内容なので武器を納め、神官に尋ねた。
「それは事実であろうな?我らの戦いに水を差したのだ。嘘であれば貴様の血族を滅ぼすぞ。」
「えぇ、事実です。嘘など吐く暇はありません。」
「女神イシュタルがキシュの王に攫われたとな…父よ…喧嘩はまた今度だ。エルキドゥを連れてイシュタルを救いに行こう。」
「ふん…その言葉…後で覚えておけよ。」
そう蛇の様に睨みつけてくる父を背にため息を吐きながら、ウル・ルガルは喧嘩を観戦していたエルキドゥの元へと向かった。
*
ある日、地上でフンババを退治しているその雄々しくも美しいギルガメッシュの姿をイシュタルは見た。
彼の者がウルクに戻れば求婚しようと彼女―――女神イシュタルは思っていた。しかし、あろうことかバビロンの南にある町キシュの王エンメバラゲシにさらわれてしまったのである。
女神と言えど、人を素手で殺すほどの力は彼女には無いし、そもそも、女である。故に力で抗う事は不可能に近い。そのため呪術でどうにかしようとしたが、その様な偶類の術を掛けられぬようエンメバラゲシはイシュタルの力を封じたのである。それゆえ、彼女は泣く泣く自身の好みでもない、ギルガメッシュの美貌とは程遠いブサイクな暴君に攫われてしまったのだ。
しかし、彼女に転機が訪れる。
彼女が泣いていると、何とギルガメッシュが助けに来たのだ。喜びのあまり素直になれず、突っ放してしまったものの、一目ぼれだった。彼女はそのまま彼の統べているウルクに匿われる事になり、彼の雄姿を真近で見た。
彼女は思う。
ギルガメッシュこそ自らの閨に誘うに相応しい人であり、夫になるべき人間だと。自らの力で彼を英雄の王にすれば、喜びのあまり彼は咽び泣くだろうと。
そう彼女は安易に考えていた。しかし、女神イシュタルは知らない。
彼女のその考えこそが、一目惚れした相手であるギルガメッシュの地雷を踏み抜いているという事に。
そもそも、神と人がそう簡単に分かりあえる筈がない。
元が人であれば、理解はできずとも歩み寄る事は出来るだろう。しかし、大自然の化身である彼女に人を、人と神が合わさった存在であり、二つの存在を凌駕する見識を備えたギルガメッシュを理解できる筈がない。
ギルガメッシュを唯の人間と無意識の内に思ってしまった彼女は、ある出来事により自らの行いを見直す羽目になる。そんな事をきにせず、彼女は恋する乙女として、ギルガメッシュに何を贈るか悩んでいた。
これから先に引き起こす悲劇の元凶となるとはつゆ知らずに。
フンババさんのステータス
※人型時
筋力:A+
耐久:A+
敏捷:A+
魔力:A++
幸運:D
※ネコアルク・フワワ時
筋力:A++
耐久:A++
敏捷:A++
魔力:EX
幸運:D-
※何も枷がない状態
筋力:EX
耐久:EX
敏捷:EX
魔力:EX
幸運:D-
◆能力
・魔眼『キュベレー』
最高位である『虹』ランクの魔眼。神域の魔眼。朱い月の持つモノとは似て非なるモノである。
その能力は七種類で『石化』『隷属』『幻惑』『吸収』『無機物魅了』『千里眼』『淨眼』。
強力な魔眼ではあるが、メドゥーサとは違い、自身の魔眼をコントロールできるものの、無意識に能力を発動させる時があるため、普段はウルの作った眼帯で魔眼を封印している。
・大地と融合、同化させる。
その地の地脈や自然などと融合、同化し、その星の情報を解析し、地表にいる敵の気配を正確に割り出したり、自然を操り、原初の森を再現することが出来る。勿論、自然と同化しているため、神霊クラスでないと、その気配を察知する事は不可能であり、隠れても意味が無い。
地球以外の他の惑星でも行える。
・瘴気
人々や生き物に害をなす大自然の穢れ。
どんな生き物であれ、腐敗したりする。特に死という結果を抗う死徒のような存在には大ダメージを与える。死徒にとってはまさに天敵である。