Fate/URUKU   作:カイネm

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「同じことを繰り返すとは…神々も愚かなものよな。だがしかし――――…」
星々の広がる夜空を眺めながら、黄金色の髪をした男は一人の乳呑児を胸に抱きながら呟く。その声音には呆れが半分、もう半分は喜びが混じっている。
口を釣り上げながら男は言う。
「この様な面白いモノを、この我の元に寄越した事については感謝してやろう。」
男は思う。この乳呑児が大きくなった時、生み出すであろう宝物は言葉で言い尽くせぬほど素晴らしいモノであり、この世の原点となるモノになるだろうと。
その宝物を奪い取る己の姿が目に浮かび、自然と顔が綻ぶ。
そして、男は愉しみにしている。この乳呑児が一体、どの道を選ぶのかを。
神々の思惑通り動くか――――…
それとも、己と同じ様な道か―――将又、誰にも予想だにしない道か…。

男は乳呑児の頬を撫でながら嗤う。己と同じように創られた存在を思って。






URUKU編
第二話 もう一つの楔


 

 

私は何処かの城の様な場所で目覚めた。

目に映ったのは満点の星空と、私を抱きかかえている黄金色の髪をした紅い瞳の男だ。

その眼は、まるで獲物を狙う蛇の様に私の事を見つめ笑っている。いや―――――見定めている…と言った方が正しいのかもしれない。その眼に何かも見透かされているような…そんな気がしてならない。

私にとって、その男の第一印象は、芸術品を品定めする収集家…そんな感じだった。

男は私を抱くのを飽きたのか、近くに居た女に渡し城の奥へと消えていった。

女に抱かれて、意識が徐々に覚醒していくと共に、私が作られた…己に予め兼ね備えられた使命を思い出して行った。

 

 

〝新しき楔よ。おまえは鎖と楔を私たちに戻すのです。〟

 

 

私の役割、私の使命。

神々と人との間を繋ぐ楔である我が父ギルガメッシュと神々の道具であり父を鎖で神の御許まで戻すよう使命づけられたエルキドゥに本来の役割を思い出させ、諌めよと。

あの二人に天罰を。

体に刻み込まれたその役割と使命―――――そして、即座に理解する。

私も彼らと同じ様に神々によって作られ、誕生した人形だということを――――。

それを知った瞬間、内心苦笑いし、呆れた。この神々とやらは、とんだ大馬鹿らしい。

人形なんぞに意志を持たすとは…そんなモノは製作者の思い通りにならないのが大半であるというのに……。

まぁ、馬鹿にしようが、彼らは一応〝神〟と名のつく存在だ。それなりに敬い、彼らに与えられた役割や使命を全うしよう。

だがしかし、私のモノ作りだけは絶対に邪魔はさせん。

――――――邪魔などすれば、神々だろうが何だろうが絶対に殺す。

そう心に決めてた――――が、この頃の私は気が付いていない。

転生した今の私は普通の人間では無い。腐っても神と呼ばれる存在の血が混じっているのだ。前世の頃の様な人間の思考でいられる訳が無い。

なにせ、この世界の神とやらは自然現象がそのまま人格をもった存在。ある意味、災害といっても過言ではない存在の血がこの身に流れているのだ。

故に私は――――人の形を成した生きた災害…そのモノだったのだ。

そんな事を露知らず、私はこの世界でどのようなモノを作るか思案していた。

この先、我が父のこと以上に神々が頭を悩ます存在…そんな存在に私が成るとは誰も知らない。

神々を悩ました父ですら、私に手古摺らされるなんて思いもしないかっただろう。

幼い頃の私…多くのモノを作れる事に歓喜し〝お試し〟と表し大量の宝具でウルク中を大暴れして、父の朋友に取り押さえられた黒歴史。

 

そんな黒歴史が幕を開く。

 

 

 






自分の思うがままのモノが作れたら誰だってテンションMAXになる…筈。




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