「全く此処までとはな・・・何処までこの我を楽しませるのやら。」
そうギルガメッシュは呟くと眼下に広がる崖を眺めていた。二人が衝突する前は、草木が生い茂る森だった場所は今では底の見えない崖に成り果てている。
死力を尽くした訳では無いが、たまりにたまりかねた力を解放することが出来き、ギルガメッシュはほんの少し満足していた。
彼は足元に転がって気絶している自身の息子の首根っこを掴み、ヴィマーナに乗せると、惨劇の場を笑いながら後にした。
「――――――――ウル…―――。」
自分の名を呼ぶ声が聞こえたため、徐々に少年は意識を覚醒させ、瞼をゆっくりと開く。
其処は何時も見なれた寝室の天井と心配そうな顔をしたシャムハトの姿があった。
自分が目覚めたことに気が付くと、彼女はホッとした表情をして優しい声音で此方に話しかけてきた。
「ついに、目覚められたのですね…一時はどうなるかと思いました。」
「あ、あぁ、いきなりですまないが、今って何時だ…?」
「あの戦いから一日たっています。」
「一日か・・・って、俺の宝物庫!!!!」
先ほどまで寝ていた人間とは思えない動きで飛び起きると、シャムハトの声を無視し、彼は魔法を使用して、一瞬で宝物庫の前に付く。
宝物庫には盗まれない様、強力な魔法や罠を掛けていたのだが、全て解かれてい居る…いや、
そんな光景を見てウルは
にしても、まだ試していない武器が多数あったと言うのに…。
けれど、
まだ自分が生きているので
「まぁ、良いか。また作ればいい…今度、作るモノは以前のモノより魔改造しよう…。」
「ククッ・・・飽きぬやつよな。取り上げられても尚、作り続けるか…。」
「なッ…!」
そう独り言をぼやいていたら、背後に宝物庫の宝を盗んだ犯人が優雅に盃を手に持ちながら、酒を煽っていた。
「出たな!!!犯人は一度、現場に戻るとテレビでやっていたが、本当だったとはな!何の様だ盗人!逮捕されに来たか!」
「王であり、父であるこの我を盗人と例えるか!不敬、万死に値するぞ!しかし、貴様の生み出した宝に免じて許す。そもそも、此処は我の庭だ!我が何をしようが罰せられる事は無い!後、貴様の作ったケーキとやらは中々、美味であったぞ!!!」
「なッ!工房にまで入ったのか!!!あんたって人は本当に息を吸うのと同じくモノを奪うな!」
「奪うのではない!この我の宝物庫に入るべき財であるが故に納めているのだ!」
「何も言わず取ったんだから同じだろ!」
「何を言うか!罰として没収すると言っただろう!」
「だからって、宝物庫の中に入ってるモノは兎も角、工房の冷蔵庫に入ってる菓子まで没収するのかよ!」
「えぇい!おまえのモノは我のモノだ!!そもそも、貴様と口論しに来た訳では無い!」
「じゃあ、何しに来たんだよ。」
お互い息継ぎせず話したため、息を整えると、こうギルガメシュが切り出した。
「貴様、この我と戦った場所を見たか?」
「いや、見てない…あんたの所為で気絶してたからな。」
そういうと、ギルガメッシュは徐に、波紋から水晶玉をだし、ある場所を映し出した。
簡単に言えば崖。しかし、その崖が何故、出来たのかがすぐに分かってしまった。
「ファ!?」
「貴様の生み出した武器とエアがぶつかって出来たモノだ。これがどういう意味か分かるな?」
「ハイ。周囲にいる民や自然に迷惑を掛けてしまいました。」
「その通りだ。貴様の所為でいらぬ心配や被害をこうむった民は大勢いる。故に貴様が初めて生み出した武器はまずこの我に見せよ。この我が自ら品定めしてやる。そして、武器の試しはこの地では無く、貴様の力であれば生み出せるであろう異世界でやれ。王であるこの我の決定だ。」
「アッハイ。ワカリマシタ。」
「うむ!良い返事だ!」
そう言うと、満足げに高笑いをしながらギルガメッシュは去って行った。
にしても、異世界を作り出してそこで武器を試すとか思い浮かばなかった…今度こらそうしよう。
そう心に決めたウル・ルガルであった。
※前回の爆発落ちは、核爆弾5個相当の力が周囲に飛散しました。本人たちはぶっ飛んでるとあまり気が付いてない。神代時代だから出来ること。
次回、苦労人エルキドゥ君がついに登場。