「貴様が、我を諌めると?」
聖娼の儀を執り行う建物の前で、神によって生み出された二つの存在が出会った。
「そうだ。僕の手で、君の慢心を治そう。」
こうして、古代最古の叙事詩が彼の知らぬ場で幕を開く。
あの日以来、私の初めて作ったモノは全て父親に奪われ……いや、献上した。
ちなみに、黄金都市の宝物庫にある財宝の管理や警備を任されたりして碌なことが無かった。警備に関しては、意地になって、王に許可されてない存在が入れば消し飛ぶ使用にしたり、宝物庫を異世界化して、この世界の神ですら入れないようにした。
財宝の管理については・・・・・・自分ですら把握できてないから、これを機に息子である私に纏めさせるってどういう事ですかね…。まぁ、父親様にタブレット型端末を作って、財宝を余さず登録し、纏めてやった時は驚いていた。父親のあんな顔を見れたのは面白かったし、まさに愉悦。
ついでに、RPGの様に武器の特性やモノの使用方法を辞書の様に乗せた。まぁ、そのお蔭で真の担い手では無いが、武器の真名さえ覚えて居れば力を七割ぐらい解放できるようになったらしい。後、新しいモノが入れば、ちゃんと登録もされると喜んでいた。
モノ作りも、神の眷属に作るよう勧められたモノは粗方作ったので、今度は試行錯誤を繰り返しながら、この世界に無いモノを作る事にした。ウルクの市内を彷徨って、民たちが不便に思ってる事や有ったら便利と思うモノをアンケートし集めて、この時代の人々の手で無理なく確保できる材料で作れるモノを開発した……例えば、電気が無くとも空気中の目に見えないマナを自動的に吸収して稼働する現代で言う電化製品や望遠鏡、小型飛行機にパソコンなどなど…。試しに支給してみれば、以前はウルクの都市を出て、危険な場所を通り商品を運んでいた商人や兵士たちは喜んで受け取り、便利だったためか、瞬く間に広がり、他の町の商人が欲しがり、需要と供給が生まれ、それなりウルクは父であるギルガメッシュのお陰で裕福な町だったが、それ以上となった。
後、自然の化身と言っても良い神霊による騒ぎが度々起こるので、彼らに対抗する神の御技ではない魔術の起源を生み出し、才能がある兵士や元から魔術師である人々に伝授し、神霊達を鎮め追い払える程の力にまで達していた。
そんなこんなで順風満帆な時、ピンポーンと工房のインターホンが鳴り、作業の手を止め、誰が来たか確認すると、信じられないモノが映っていた。
父親である…いや、父であるギルガメッシュが工房に訪れる事は何ら可笑しくない、玄関や結界をぶち破り、出来たばかりのモノや冷蔵庫にある食べ物を平然と奪ったり、食べているのが普通だ。
ぶ、不気味過ぎる…この父親は本物か…?贋作などでは無いな?そう戦々恐々とした思いで、玄関の扉を開ける。
「父よ…何かあったのですか?何時もなら工房の結界や玄関を笑いながらぶち破ってくるのに…お腹を壊しましか?それとも、あまりの暑さに頭がイカれましたか?それにしても、今日は空から武器の雨が降って来そうですね…。」
「ほう…では、望み通り武器の雨を降らせてやろう。」
そう父が呟いた瞬間、背後の空間が光り始め、そこから数多の武器が顔を出す。
「やめろ!にしても、何があったんだよ!何時もならインターホンなんて触りもせず破壊するのに!」
「フン、一々、此処を破壊すのが飽きてな。さっさと、其処を退け。後、茶も用意しろ。」
「あ、あぁ…。」
何時もよりご機嫌な父が工房の中に入り、続いて一人の女性がお辞儀をして入ってきた。きっと、親父の女だろう。ちゃんと見もせず、気にも留めなった。
「お邪魔します。」
「は、はい…うん?あれ?シャムハト?」
そう言うと、シャムハトそっくりの女性は――――目を見開き、ほんの少し微笑んだ。いや、女性じゃない。そもそも、この人は人間じゃない!
「フフ、君と会うのは初めてだったね。初めまして、僕はエルキドゥって言うんだ。よろしくね。」
「えぇ、宜しくお願いします。って、エルキドゥ!?」
彼の名を聞いた瞬間、頭の中に、体に、魂に刻み込まれた使命が木霊する。
〝新しき楔よ。おまえは鎖と楔を私たちに戻すのです。〟
神によって作られた三つの存在が遭遇したことにより、神々の思惑が交錯し、時は加速していく。
それが吉と出るか、凶と出るかは、神々ですら分からない。
※ギルガメッシュが宝物庫に触らせたのは、主人公がモノを奪うようなマネはしないし、以前より宝物庫がきっとバージョンアップするだろうと思ったから。
※主人公の工房は要塞化している。
※ギルガメッシュさんが主人公の所為で、もっとチートになっていく。