異世界に響く大喝采【IS×ガンダムW】   作:あなや

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第6話 「パーティー・ナイト」

第6話 「パーティー・ナイト」

 

ある日、ISの実習の授業が終わった後のことだった。

「あ、一夏くん。それとトロワくんも」

一人のクラスメイトが二人に話しかけてきた。

「ん?」

「今日の夜、時間空いてるかな?」

「いや、特に何も予定は・・・」

周りが女子しかおらず、二人しかいない男子。

その予定は限られてくる。

「よかった!じゃあ夕食の後付き合ってよ!トロワ君は?」

「俺も大丈夫だ」

「じゃあトロワ君も参加決定ね!夜に食堂で待ってるから!じゃあねー」

そう言い残して、クラスメイトの女子は駆けて教室まで戻っていった。

「?」

二人は疑問符を頭に貼り付けたままクラスメイトが走り去るのを見ているだけだった。

 

 

 

そしてその日の夜の食堂にて―

「一夏くん、クラス代表決定おめでとーーーー!!!」

盛大にクラッカーの音が鳴り響き、宴の始まりの狼煙となる。

「こういうことだったのか・・・」

頭に紙テープの山を乗せながら納得と諦めの表情を浮かべる。

食堂には『織班一夏クラス代表就任パーティー』との垂れ幕もかかっている。

「・・・人気者でずいぶん気分が良さそうだな・・・」

不機嫌そうな表情で箒が一夏に話しかける。

「そう見えるか・・・?」

明らかに疲れたという表情を浮かべるも、

「ふんっ!」

箒の不機嫌な表情を崩すことはできなかった。

「はーい、どーもー。新聞部でーす。噂の新入生くんにインタビューしに来ました!」

と、新聞部を名乗る新たな客が食堂に入ってくる。

新聞部の登場に一部の女子から「おおー」という声が上がる。

その声にいやな予感がする一夏。

「副部長の黛薫子でーす!はい、名刺。そちらの男子にも」

新聞部の女子が名乗り、名刺を二枚さっと配る。

「ありがとうございます」

「どうも」

一夏に便乗し、トロワも名刺を受け取る。

「それじゃあ早速インタビューです!ズバリ、クラス代表になった感想は?声はここにお願いね!」

ボイスレコーダーを一夏に近づける。

「えーっと・・・、がんばります」

そう一言答えるが、薫子は納得の表情を見せない。

「ええええ。何か他に無いの?こう、「テッペン目指します!」とかさ」

(何を求めてるんだよ!)

心の中でツッコミを入れながらも、これ以上の言葉が出てこない。

「自分、不器用っすから」

「なんか前時代的ねぇ・・・。トロワ君だったらなんてコメントする?」

一夏を置いておき、トロワに意見を求める。

「そうだな・・・。「大喝采を聞かせてやる」とでも言っておこうか」

「おおー!これこれ!こういうの欲しかったんだよー。じゃあこれを一夏君が言ったことにして・・・と」

(そんなアホな・・・)

新聞部にあるまじき発言に思わず心の中で突っ込む。

「よーし、それじゃあ写真撮ろっか。専用機持ち3人並んでー」

薫子に誘導され、一夏、トロワ、セシリアが並ぶ。

「うーん。そうだね、握手する感じでもいいんじゃないかな?」

そう指示し、一夏を中心にトロワが右手に、セシリアが左手に並び、握手をする。

一夏がセシリアの手を握った瞬間、セシリアの顔が赤くなり、箒の表情が羅刹のものとなる。

当の一夏はそれに気づいた様子はまったく無いが。

「そうそう。そんな感じ。じゃあ撮るねー。35×51÷24は?」

「なんですかそれ!?」

そんな間抜けな表情を浮かべているところ、シャッターの音が響く。

「うーん、いい感じー」

デジカメに移った画像を見、薫子は納得する。

「これって、焼き増ししてもらえるんですか?」

写真を撮った後、一夏の後ろから声がする。

いつの間にかクラスメイト全員が専用気持ちメンバーの後ろに各々のポーズをとって写真に入っていた。

「もっちろん!」

薫子が快諾する。

「じゃあ、私、欲しいです!」

「私も!」

「じゃあ焼き増しが欲しい子はここに名前書いてー」

薫子がクラスメイトに呼びかける。

その薫子のもとにクラスの女子が殺到していった。

 

 

トロワは基本的に端でおとなしくしているのだが、たった二人しかいない男子ということで、クラスメイトに押しやられ会話の中心となっていた。

「そういえば、トロワ君ってここに入る前は何をしてたの?」

「あー、入場するときも、今日もすごい動きしてたよね!体操選手みたいな」

クラスメイトがアリーナでの試合を思い出し、話が広がる。

「ああ。サーカスの団員をやっていた」

一夏に話したようにクラスメイトにも隠れ蓑であったサーカスの話を持ち出す。

「えええ!?すっごーい!」

「何をしてたのー?」

サーカスという単語にさらに食いつきが激しくなる。

「いろいろさ」

「玉乗りとか、動物の相手とか、綱渡りとか?」

「ああ。やったな。他にもナイフ投げの的になったこともある」

トロワが自分がサーカスで行った演目について話し出す。

話が出るたびに女子の歓声がいたるところで上がっていった。

「それじゃあ次の質問!彼女はいますか!?」

「おおおお、いきなり飛ばすねぇ!」

先ほどのサーカスの話で火がついたのか、高いテンションのまま次の質問を繰り出す。

「彼女といったものはいないな。そのようなことにうつつをぬかす時間なんてなかったしな」

「それじゃあ友達は?」

その質問で自分以外のガンダムのパイロット4人の顔を思い出す。

「友達、か。仲間と呼べるヤツらはいたな」

「どんな人どんな人?」

「トロワ君みたいに静かなひとばっかり?」

「そういうヤツもいたが、底抜けに明るいヤツもいた」

「へー、なんか意外!」

そんな他愛のない話をし、時は過ぎていくのだった。

 

 

 

「今日は面白かったよ、ありがとー!」

「それじゃあまた明日ー!」

「一夏くん、おやすみ!」

「トロワ君もね~」

最後のクラスメイトが食堂から捌けていく。

「・・・ようやく嵐が去ったか・・・」

数時間の出来事ではあったが、一夏にはそれ以上の時間経過と気苦労を感じていた。

「やはり女は力強い生き物だな」

「・・・なんか悟ったような感じだな」

あれだけ異性に質問攻めされながらも顔色一つ変えないトロワに疲れた視線を向ける。

「俺の知ってる女性も皆力強いからな」

「はぁー・・・、俺、生き残れるかなぁ・・・」

今日の出来事を思い出し、大きくため息をつく。

「あまり気を張っては体に障るぞ」

「・・・お前ほど肝っ玉が据わってるわけじゃないんだって・・・。」

また一つため息をつく。

「さて、と。それじゃあ、俺も部屋に戻るわ。それじゃあまた明日」

「ああ。また明日」

一夏とトロワは自室へと戻っていった。

 

 

 

薄暗い灯りだけがともるラボの中。

一人の女性が機嫌よくくるくるとラボの中で踊っていた。

「たっくさんの面白い拾い物~♪無人でISが動くシステムとか~♪射撃兵器を無効化できるようなバリアーとか~♪その他もろもろ~♪」

踊りながら、独特なリズムで歌を口ずさむ。

しかし、その内容は歌になっておらず、歌というよりは新たなおもちゃを手に入れた喜びを誰にというわけでもなく伝えている風だった。

「よろしくお願いね、『異世界の兵器』さん♪」

歌と踊りを止め、篠ノ之箒の姉、ISを世界に知らしめた天才・篠ノ之束は降って沸いた異世界の―A.C.の兵器一つ一つに挨拶して回った。

彼女は彼女なりの『パーティー・ナイト』を楽しんでいたのだった。

 

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