「んー、今日も日本は平和です。お母様。」
ぼけーっと上を向いてまたわけわからんことを呟く。
それを聞いてたのか洗礼とも言える激しい突っ込みが来る。
「ボケが回りすぎてとうとういかれたか?」
「ショック療法がおすすめだぞ?ほれ!」
「ちょっ、ばか!!うわっ」
明らかに不敵な笑みを浮かべながら俺の後ろに来て
椅子をひっくり返し上から見下ろしてくるこの男。
しかみ、またしてもロングストレート。
そう悪友のもう一人、藤田しょうた。
みそぎ以上の長髪にきりっとした目つきに
若干筋肉質とも言えるがしまっていて容姿は抜群。
(あ、みそぎもイケメンだったわ)
運動も出来てモテるやつなんだが少々おつむが弱い。
これまたみそぎ以上に好戦的。
ライオンのように挑発に乗りやすく
カバのように高い攻撃力。
本人曰く鍛えたことはないそうだ。
もともとこいつの地元の中学では喧嘩無敗。
あー、そうそう俺ら三人は高校からの知り合いだ。
まあ、聞いた話だし見たわけでもないが
なんとなく纏ったオーラと行動で嘘ではないとわかる。
どこぞのスポーツ漫画のドレッド頭をイメージさせられる。
まあ、喧嘩っ早いと言えばそこまでなんだが
しょうたの場合は歯止めがきかない。
一度切れると1が10にも100にも返ってくる
暴君とも言えるかもしれない。
逆らうやつはいなかったなー・・・
そんな暴れん坊のイメージもあるんだが
反面、結構面倒見も良くてムードメーカーでもある。
少しシャイだったのもあったっけ。
まだまだ言い出せばキリがないから今はここまでにしとく。
もう少し余談を挟むが、
男子女子と性別を分けて名簿順で席を並ばすのが
この学校の決まりだ。もちろん席替えはあるがな。
面白いことにこのクラスの席の並び順に従うと
俺の右隣にみそぎがきてその左斜め前には
名字が藤田であるしょうたが来るようになる。
図で表すとこうなる。
〇〇 〇〇 〇〇
〇〇 〇〇 〇〇
〇〇 ①〇 〇〇
〇〇 ◎〇 〇〇
〇〇 ③② 〇〇
〇〇 〇〇
①がしょうた ②がみそぎ ③が俺
という順番になる。
え?◎はなんだって?
実はこのオセロのようにはさまれた真ん中の子。
最強いや、最凶とも言えるほどの不運な子でな。
名前は馬淵くん(俺ら三人から通称:ポンコツと呼ばれている)。
骨と皮しかないようなひょろひょろで控えめな子。
何かと俺らのテンションにも合わせてくれるいいやつでもある。
まぶっ・・いや、ポンコツのアホな話もまた
伝えようと思ったから宣伝として覚えててくれ。
さあ、道草も食ったし本編戻ってみっか!!
「・・いって」
「おー、また派手にサーカスやってんのな」
けらけら笑いながらみそぎも傍観してる。
ほんと俺の周りはロクなやつがいねーな
と思ったら俺もそのロクでもないやつなのだから
声には出さずそっと蓋をしてしまっとく。
「お前らにも同じことしてやるよ、ポンコツがな」
「え?え?なんで俺?おかしくね?」
ほこりを払いながら当然の如く他力本願宣言。
頼られた?方もきょどった反応をしている。
俺の言葉を聞いて2人はポンコツを凝視する。
ホントいいとばっちりだと思うかもしれないが
これが俺らの毎日行われる挨拶みたいなものだ。
やらなきゃいいのに結局躍らせれて1番危険な
しょうたの椅子を反転させてぼこぼこにされるのは
誰しもが見慣れた光景。
半べそかいて席に戻るポンコツだがなぜか笑いも交じっている。
そう、なんだかんだいってこいつも楽しくやってる。
いじめではなくじゃれているだけなのである。これはホント。
(しょうたは加減を知らないけど・・・)
実際にこの4人でもよくご飯を食べたり遊んだりもした。
「お、そういえば三谷、お前にいいお知らせがあるぞ?」
何もなかったように平然と話すみそぎ。流石だ。
「ん?どした?」
「いや、お前昨日彼女欲しいって言ってただろ?」
「昨日じゃなくても毎日言ってるな、こいつは」
またもけらけら笑いながら言うしょうた。
「うるせー。そこは突っ込むな。」
「で?それがどうかしたか?」
「でな、そのことリサに話してみたんだよ」
なんと・・・よく言えたな。
「そしたら友達の女の子が1人フリーなんだってよ」
「「!!!!!!!!」」
俺だけじゃなく何故しょうたも驚く。
お前は彼女いるだろうに・・・・
まあ驚く理由は何個か出てくるが1番はやっぱり、
女の子がフリーなのはいいがリサさんの友達ということだ。
俺らを見ても分かるが友達というのは同類項みたいなものだ。
同じものを持った者が集まった1つの部族だ。
ことわざか知らんが
『類は友を呼ぶ』とも言われてるほどだ。
前回も説明したがみそぎの彼女リサさんは
重度のメンヘラだ。しかも折り紙付き。
友達とならば必然的に同じなのではないか?
はたまたそれ以上?
しょうたもおそらく同じことを考えてる。
というか絶対してる。
だってこいつの顔想像しすぎたのか顔が真っ青だ。
つくづく加減を知らないやつだ・・・・
「で、どうする?」
「リサもお前の話は一応その友達にはしたるらしいぜ?」
妄想から現実に戻されるみそぎの声
「え?それもう俺選択しなくね?」
「行くしかないじゃん!アウトどころかダウトだよ!」
そう、ここまで話が進んでて断れない。もとい皆無だ
恐るべしリサさん。まずは俺の意思の確認があるだろ。
「まあ、新聞は一軒にしかないっていうから会って来いよ。」
すまん、しょうた・・・言いたいことはわかるが
それをいうなら百聞は一見に如かずだ。
一軒にしかない新聞とか儲かんなさ過ぎて辛いわ。
毎日塩と水でもなめて生きてんのか、その新聞屋は・・
って、そんなことはどうでもいい。
まあ、確かに脳内で繰り広げるだけじゃ駄目だな
「おっけ、ちょっと会ってみるわ!」
「珍しく即答だな。じゃあ、またアドレス送っとくわ」
こんな話をして始業のチャイムが鳴る。
期待と不安が入り混じってはいるが久々に
刺激という名のスパイスが来て顔がにやける。
このあと待ち受ける予想外の出来事があるのも知らずに・・・・
次回
高校2年 旋律の告白~私は実は〇〇〇なの~