その中でふと疑問に思ったことがきっかけで
ゆうまに悲劇が起こる。
世はまさに大後悔時代!!
「そういえばさ」
会話の流れを断ち切り問いだす俺。
「ん?いきなりどったの」
突然の事に普段飲んでいるミルクティーを
飲みながら首をかしげるしょうた。
「まじか三谷、お前・・・」
「まだなんも言ってねーよ!!」
テレパシーでも使えんのか?こいつは・・・
いや、日常で何回も起こるみそぎ特有の
最後まで聞いたつもりでリアクションをする芸当。
「違う、ええと・・あれだ!!」
「バギーの異名ってなんだっけ?」
俺達の間では今有名漫画ONE PIE○Eが流行っている。
そしてこの漫画、今じゃ70巻以上にも及び出版されている。
そうなると意外に初期の設定とか忘れがちである。
ゆえに漫画だけは無駄に知識のあるこいつらに尋ねた。だが・・・
「「知らん」」
同じタイミングで同じイントネーション同じ声量で
一言で一括する2人。
聞いてからわずか0.5秒の発声には
ある意味称賛にも価するであろう。
そしてここで出た。バカ高校生徒の生態其の壱
『考えることをしない』
今だからこそ人類はヒトから人間に進化し
様々な文化と機能を作り上げてきた。
これはまさしく他の生物よりも知能が発達し
沢山の事を活かせる頭脳を持ったからである。
しかしどうだろう?ここの連中の8割は
神様からの授かりものであろうとも言える
脳みそを活用しないのである。
問われれば
『知らない』『なんだそれ』『考える必要があるか?』
終いには最初から聞いてなく放屁して去っていくものまでいる。
よってこいつらは人類後退種とも言える。
そして恐らく彼らの目にはかの有名なオーギュスト・ロダンの
最高傑作『考える人』も今まさに拳を口に入れようとしている
人としか見えていないであろう。
そこでまずは考えろ、俺!!
ここで奴等を後退種から脱出させるにはどうする?
そこでひねり出した一言・・・
「たまには頭使わねーと脳みそ腐るぞ?」
うん、我ながら至ってシンプルでストレートな答えだ。
だが、その答えは間違っていたと数秒後に知る。
「てめー、誰が腐ってるって?!」
まず初めに空になったミルクティーの紙パックを
ひねりつぶし飛びかかってくるのは言うまでもない
暴君・バーソロミュー・藤田だ。
「これは折檻が必要だな。しょうた」
次にしょうたから後ずさって逃げようとする俺を
後ろから羽交い絞めにして捕まえてくる
自称傍観者にして東の海の覇者・ノコギリのみそぎだ。
この二人がタッグを組んだらもう諦めるしかない。
さながら俺はローグタウンの処刑台で今まさに
殺られそうになる麦わら帽子の少年の気分でこう呟く・・
「わりぃ、おれ死んだ」
もちろんこの期に及び命乞いをするつもりはない。
出来ればこの二人の処刑人に運良く雷が落ちないか
なんて思ったりもしたが、残念、ここは屋内だ。
仮に学校に落ちたとしても避雷針がそれを防ぐであろう。
遠くでこちらに走って向かってくる仲間も
俺がやられるまでに間に合いそうにない
(実際は廊下で追いかけっこしてる名も知らない上級生たち)
そう思いながら顔を上げた瞬間・・・
どごっ!!!!
見事なまでのしょうたのメガトンパンチが
俺の顔面に炸裂する。
その瞬間、みそぎは羽交い絞めを解き
俺の両鼻からはおびただしい量の血液が
流血しながら後ろに倒れこむ。
そして意識が薄れてゆき景色はスローモーションに見え
窓ガラスに映った自分の倒れ行く姿が見える。
その中で一際目立つ自分の鮮血で
染まった鼻を見てこう思った。
『あ~、バギーの異名は赤鼻だったな』
こんな状況にならないと思い出せないとは
俺も頭を使ってない証拠だな。
ある意味こいつらに感謝だ・・・
「「あ、ちなみにバギーは『道化のバギー』だぞ」」
見事にはもった声が最後に聞こえた。
畜生・・・こいつら、殺す!!!
そう誓って夢の中に入っていった。
fin