絶望から救われるって言うのは体験しないとわからない気持ちかもですね
誰しもが希望を求めているけど、それが何だかわからない
叶う、叶わないは本人の思い次第なのかな
瑠魅花は気がつけば自分の容姿が変わってることに気づいた
黒色のマント付ローブに瑠魅花の身長より少し長めの木製ワイドを手に持っていた
それだけなら多少の驚きで済むと思うが・・
「あれ?頭に変な違和感が・・それに頬も何だか・・・」
「って!?頭に耳が!頬には長い毛が生えてる!?」
自分の身に何が起こったかわからない瑠魅花は動揺していた
「驚いたかにゃ・・?それは猫族魔法使いの力にゃ」
「猫族魔法使い?確かにこれって猫耳に猫毛だけど・・」
「今の君は半猫にゃ」
「半・・猫・?つまりは私の体の半分には猫の血が混じってるのかな?」
「半分というかは・・4割程度?そのため耳と毛しかないはずにゃ」
そういわれて尻尾があるか確かめてみたけどついてなかった
白猫みたいに猫語尾じゃないことからそこまで侵食されてないと思った
「これって魔法も使えるのかな?」
「簡単な魔法なら使えると思うにゃ」
「たとえばどんな魔法が使えるの?」
「力を強く与えたから下級魔法なら教えればすぐ使えるかも?」
白猫の言葉に瑠魅花は自分の手を見て目を輝かせていた
さっそく定番魔法を白猫に聞きながら使おうとした
「古に宿りし精霊よ、我が身に答えよ、炎の火柱!」
白猫の教えに従いながら前方の大木に向かって詠唱を唱えた
向けた手の平から中火力の炎が一線の如く前方に放たれた
そして、標的にされた大木は一瞬にして灰と化した
「そこまで能力与えたつもりはないんだけど・・・」
「いえ、これって白猫さんだけの力じゃないと思いますが」
跡形もなく消え去った大木を見て二人は呆然としていた
「君は何か秘めた能力を持ってるみたいにゃ」
「その影響により僕の与えた力が増したんだと思う」
「へぇ・・今までは何もないと思ったのに不思議かも」
瑠魅花は手の平を見つつ呟いた
「とりあえず、ここにいても何だから屋敷に行こうにゃ」
「屋敷といってもあんなボロイ拝殿で中の状態も予想がつくんですが・・」
「君も失礼なことをいうのね・・大丈夫、見た目はあれだけど中は違うから」
渋い顔をしながら瑠魅花を本殿に案内した
本殿への道のりは拝殿内を通り左右にある出入り口から行く感じだった
「拝殿には鈴がついてないのですね・・中もやっぱり荒れ果ててますよ?」
「ここは迷彩と同じ感じで本殿が僕の住処だよ」
「へぇ・・境内に入る前の鳥居に貼られた札は何でしょうか?」
「あれは結界かにゃ?中級程度の悪霊なら一切寄せ付けないにゃ」
神社内の主な説明をしながら二人が本殿に着いた
一見して拝殿同様に朽ち果てて今にも崩れそうな感じだった
白猫はそのまま扉を開けて手招きをし、瑠魅花は警戒しながら中へ入った
「あれ?新築みたいにすごくきれいな部屋ですね・・」
本殿に入ったとき、そこはさっきまでの朽ちた廃墟とは思えないくらいに変わっていた
内装も一室と同じで外と見比べると明らかに本殿には思えなかった
「すごいですね・・これって魔法の力ですか?
「そうにゃ 罰当たりな感じもあるけど・・ここの神は既に亡くなってるしね」
「亡くなってるとは?」
「ここは新居として見つけたけど、ずっと昔に亡くなってたみたい」
白猫の言葉に瑠魅花は何かを考えていた
神社に神様がいなくなるっていうのはありえるのだろうか?
神様が死ぬっていうのも納得がいかなかった
外の風景を見ていて手入れが一切されてないことから人々から忘れ去られたんじゃないかと思った
本当はこの神社に神様がいて、誰もが気づかないんじゃないかと疑問でいっぱいだった
「ここの信仰心はどんな感じだったかわかるかな?」
「ん?そうだね・・僕が行き着いたときは既にこんな感じだったよ」
「私が途方もなく歩いてたらここに行き着いたけど、どうなってるのかな?」
「きっと宮永家の力が反応したんだと思う・・ここは、元あった場所から切り離した神社だし」
瑠魅花はその言葉に反応した
「切り離したってことは・・元々はどこかの地方に建ってあった感じかな?」
「急に察しがよくなったね・・・うん、誰もが崇めることなく放置されてたからね」
最初の態度とは一変して異常な切り替えに白猫が少し動揺した
時と場合によっての状況判断が誰よりも優れていると改めて感心していた
「この神社に神様はいると思う・・明確じゃないけどどこかに行かない限り消えないと思う」
「だけど、気配とかが一切感じられないよ?」
「そうなるとどこかにいってしまったと考えられるけど、微かに何かが感じるの」
瑠魅花は辺りを見回しながら首を傾げた
「(僕には感じ取れない気を感じる・・この子はあのお方並みの力が備わってるにゃ)」
「にゅ?白猫さんどうかしましたか?」
「いや・・それだったらその神様を見つければこの神社も元通りになるかにゃ」
白猫は頷きながら言った
しかし、瑠魅花は険しい表情で何かを思っていた
神様が戻ったとしても肝心な祀りができていなければ意味がないのではないか・・
祀られない神様はどんどん弱くなっていき民を守る力をもなくなってしまう
「やっぱり、戻ってくるだけではだめだと思う」
「一度犯してしまった罪は償わなければ消えない・・戻ってほしいなら信仰しないと」
「だけど、あの神社があった村は今では住む人がいなくなった廃墟だよ?」
「それだったら私たちで祀ればいいと思う・・神様が戻ればこの神社も元通りになる」
「元通りって言っても僕たちだけで祀り事を行うには流石に手厳しいんじゃ?」
「それなら集めればいい・・今は無理だけど、いずれはここにたくさんの参拝者が!」
瑠魅花は両手を挙げて微笑んだ
小さいことでも積み重ねれば大きくなる・・
今は無理だけど、未来にはここを信仰心が溢れる神社になると瑠魅花は信じていた
「それなら居座った僕が協力しないわけにはいかないね」
「一緒にがんばりましょう 諦めない努力が大事ですよ」
希望を失ってた少女が一匹の猫と出会い変わろうとした
暗い暗闇の中で死を待っていた裏腹に希望を求めていた少女
「やっと見つけることができたにゃ」
一筋の光・・少女が求めていた希望が少女を導いた
「あの時は諦めていた・・でも、片隅で信じていた」
途絶えたと思われた宮永の血筋が偶然生き残っていた
あの日、叶えられなかった夢を実現しようとしている
二人は互いにこれからの人生を歩むために二人だけの新たな呼び名を決めた
「これからの苦難を一緒に乗り越えましょう・・白ちゃん」
「絶望の日々だって考え方によって変えることができる・・そうだね、るみにゃん」
互いに手と手を重なり合わせた二人は今後の方針を決めていくことにしたのだった
次の展開としては何か探索活動も触れたいと思う
戦闘場面とかあると面白そうですね
ちなみに魔法詠唱は最初に唱えるけど後からは省かせてもらいます
※同じ魔法を使う場合のみ