魔法使いとなった鳥かごの少女   作:るみにゃん

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いきなり魔法使いとなっても戸惑うだけの少女だった

それをいきなり戦闘で慣れさせようというのも無理な話だと思う・・

だけど、時間がなければ仕方ないのかな?


感情が多い場面になるけど、慣れない人もいそうかな?

少しはなにか、刺激がある感じとかもよさそうだね


訓練

これからの方針を決めていく内に白猫があることを提案した

 

「るみにゃんにはもう少し戦闘を慣れてもらいたい」

「そのためにちょっと模擬戦をしてみないかにゃ?」

 

「模擬戦・・?でも、初めはいろいろと学ぶほうが先では?」

 

「そうだけど・・るみにゃんは飲み込みが早いから実戦で慣れるほうが良いにゃ」

 

瑠魅花の才能は白猫が今までに出会った能力者よりも遥かに優れていた

あの家にいたことが宝の持ち腐れ・・或いは美しいのに輝けない宝石だった

何を目的で彼女を監禁したかわからないが、原因は母親にあったかもしれない・・

 

「とりあえずは、外に出てみようか」

 

白猫はそうやって瑠魅花を外に誘った

瑠魅花は頷きながら白猫と一緒に境内へ向かった

 

「とりあえず、僕が3体の式神を出すからそれを滅してほしいにゃ」

 

「了解しました お手柔らかにお願いします」

 

瑠魅花はそういいながら杖を構えた

その目は真っ直ぐ白猫を見ていて、迷いがない凛とした視線が白猫を奮い立たせた

白猫はにやりと笑みを浮かべながら詠唱を唱え、式神を召喚させた

 

「え・・・?」

 

目の前の魔方陣から現れた3体の式神は思っていたのとはかけ離れた存在だった

 

「悪いけど、僕の式神はゆるきゃらとは違う悪霊を用いた式神なんだ」

 

「う・あ・・・あ」

 

瑠魅花は先ほどとは違う怯えた表情で後ずさる

その醜い容姿は瑠魅花の頭の中で直視してはいけないと何度も叫んでいた

一般人と同じ立場にいた瑠魅花にとっては恐怖そのものでしかなかった

 

「いや・・・いやだよ・・」

 

「るみにゃん!僕たちが人々を守るために戦う悪霊はこいつらだよ」

 

「こんな醜い敵と戦うの・・?悪霊って除霊とかおはらいじゃないの?」

 

「そんな甘えたものじゃないよ!宮永家は何時だってこいつらと戦ってきたんだ!」

 

白猫は戦意を喪失した瑠魅花を必死で奮い立たせようとした

しかし、瑠魅花は恐怖に完全支配されたために白猫の言葉を受け付けなかった

その上、敵に背を向けながら木の裏に隠れてしまったのだった

 

「戦うんだ!僕が何のためにるみにゃんに力を与えたとおもうの!?」

「るみにゃんは導かれた!宮永家に齎された悲劇を救えるのはるみにゃんだけだよ!」

 

「そんなの知らないよ!こんなのと戦うなんて聞いてないよ!」

 

次第に瑠魅花も声を荒げながら拒否反応を起こした

そんな瑠魅花を見た白猫は愕然とし、それを直させるため・・式神に命じた

 

「汝ら・・目の前の標的を駆逐せよ!」

 

その言葉に白猫の式神たちが一斉に襲い掛かってきた

瑠魅花は迫りくる式神を回避しながら外に逃げようとした

 

「逃がさないよ・・我命じる、汝つきづきし者なり、その門堅く閉ざさんとす!」

 

鳥居を出ようとした瞬間、何かにぶつかる形で瑠魅花は地面に倒れた

目の前に手をかざしてみると何か見えないものがその道を塞いでいた

 

「何これ・・?何で出れないの!?」

 

「この神社の周りに結界を貼ったからね・・解かない限りは開かないよ」

「戦ってよ・・これは訓練なんだよ?」

 

「いやだ!あんなおぞましいものと戦いたくない!」

 

瑠魅花は一向に首を縦に振らなかった

 

「ここ以外にるみにゃんの生きる場所はない・・できなければ死ぬだけだね」

 

白猫の目は本気だった

確かにこのまま行く宛てもなく彷徨っていても野たれ死ぬだけだった

 

「でも・・どうしてこんな酷いことを・・・?」

 

「これはるみにゃんのためでもあるんだよ?」

 

「私のため・・?」

 

その言葉に瑠魅花は理解できなかった

どうして?私が何をしたというの?どうして勝手に決め付けるの?

頭の中が混乱していてそのまま俯いたまま呟くだけだった

 

「るみにゃんは宮永家の末裔・・体内を通う血はるみにゃんを運命付けた」

 

「何で私なの・・?こんな力、欲しくて手に入れたんじゃない!」

 

「それは君の母親を否定する形になるよ?」

 

その言葉に瑠魅花は首を傾げた

瑠魅花は母親のことを知らない、産まれてすぐに引き取られたから

 

「その血縁はるみにゃんの母親から受け継がれた」

「母親もその又母親も同じようにあの時から連鎖するように引き継がれていく」

 

白猫が何を言っているのかがわからなかった

 

「るみにゃんの味わった境遇の理由がいまわかったよ・・・」

 

「さっきから何をいってるの?」

 

「その力を知られたことでるみにゃんはずっと監禁されてたことだよ」

 

白猫は瑠魅花の言葉に動じずに淡々と応えていった

瑠魅花もその言葉を聞いて驚愕する

 

 

 

そう・・瑠魅花を引き取った家系はその昔、宮永家に仕えていた重臣の家系だった

あの戦い以降も何らかの接点で交流をしていたけど、ある日を境に一変した

瑠魅花を産んだ母親が宮永家の血筋を持った能力者だったからだ

 

それを知った一家は瑠魅花の家族と決別し、産んだ瑠魅花を無理やりに引き取ったのだった

無論、宮永夫妻は断固拒否したけど・・今までの恩と立場上から従うほかなかった

能力が泣くなり平和が訪れた中、再び現れたとなれば災いの元になってしまう・・

 

「・・・・・」

 

瑠魅花は言葉が出なかった・・あの辛い思い、ただ能力があっただけでされた仕打ち

俯いたまま頭を抱えていた、地面には雫が零れ落ちその部分だけを湿らせていく

 

「武器をとって・・そして強くなって・・・」

「この世を救えるのはるみにゃんしかいない・・辛いと思うけど頑張らないと!」

 

うなだれる瑠魅花を見て、白猫が勇気付けようとした

 

「・・・して」

 

「ん?」

 

「・どう・・し・・・て・?」

 

「るみにゃん・・?」

 

「・・どう・・・て・」

 

小さい声で何かを呟いていた

うまく聞き取れない白猫が静かに歩み寄った

 

「どうして・・どうして・・どうして!」

 

近づくにつれ、その声が次第に大きくなっていった

 

「るみにゃ・・」

 

「どうしてなんだよ!なんでなんだよ!!」

 

瑠魅花は急に声を荒げて詠唱を唱えた

白猫は禍々しい殺気を感じ取ると一歩下がって体勢を立て直した

 

「まずい・・!悪霊たち、目の前の敵を駆逐せよ!」

 

「あああああああああ!」

 

襲い掛かろうとした式神は瑠魅花が発した奇声に思わず怯んだ

 

「消え失せろ!宮永流火炎術、デスファイア!」

 

瑠魅花は凍りつく眼差しで式神達を睨み付けて手を差し向けた

その内から灼熱の炎が広範囲で白猫もろとも包み込んだ

 

「あの一族は魔法が使えるのか!?」

 

灰と化した式神に対して白猫が間一髪で避けると驚愕した

本人自身も宮永家の事はあらかた知っていた・・しかし、魔法のことまでは知らなかった

 

「止めないと・・・我命じ・・」

 

「遅い・・!雷術、クラッシュボルト!」

 

「(詠唱を省略・・!?それに速い・・・!)」

 

瑠魅花は白猫が詠唱を唱える間もなく、背後に回って先制を取った

稲妻同士を混じり合わせて激しい火花を散らした電流が雷の如く白猫を貫いた

体中に走る電流が白猫を一瞬にして戦闘不能に陥らせた

 

「う・・ぐ・・」

 

そのまま地面に叩き付けられた白猫は虫の息だった

 

「はぁ・・はぁ・・」

 

「それだけの力・・流石は宮永の・・・血筋・・にゃ・・・」

 

弱弱しい声で口にするとそのまま気絶してしまった

今の白猫は生命に関わる事態だ

        ・

        ・

        ・

        ・   

 

「・・・ん?・・こ・・こは・?」

 

白猫は朦朧としてたが少しずつ意識を取り戻した

辺りを見ると何か膝の上に倒れていた

 

「大丈夫・・?じっとしていて」

 

近くで優しい声がした

その方向に目をやるとそこには少女がいた・・瑠魅花だった

瑠魅花は切なそうな表情で白猫を膝の上に乗せて治療していた

 

「この光は・・?治癒魔法?」

 

「そうだよ・・・こんなことするつもりじゃなかった」

「ごめんなさい・・本当にごめんな・・・さい・・」

 

「ううん、僕のほうこそごめん・・ありがとう」

 

白猫がそういうと瑠魅花は微笑みながら一筋の涙を流した

その涙が白猫の目尻に落ち、白猫も涙した

 

 

白猫の治療が終了すると二人は再び本殿に戻って話し合った

 

「まだ不慣れの部分もあるけど、あらかたよかったにゃ」

 

「でも・・まだ本調子じゃないです」

 

「そうだね・・あの時は怒りに身を支配されたから本心じゃない」

 

瑠魅花は戦闘に関しては優秀な人材だとはっきりしたが、性格が問題だった

あの時は、憎しみや恨みで我を忘れてたためにできた行為・・

完璧にするには本人自身が立ち向かうしかなかった

 

「時間はかかるけど、少しずつ確実に慣れていこうにゃ」

 

「そうだね・・これは使命・・このままじゃだめだよね」

 

「大丈夫、るみにゃんならきっとできるよ!」

 

白猫はそういって瑠魅花の手に自分の手を置いた

それを見た瑠魅花が片方の手で白猫の手を優しく握った

 

「これからの悪夢をるみにゃんと共に歩くよ」

 

「白ちゃんがいてくれれば心強いね・・」

「もし、私が不安に溺れたら助けて欲しいの」

 

「当たり前だよ!きっと助ける・・僕が導くにゃ」

 

「ありがとう・・白ちゃん!」

 

二人は互いに微笑んで誓いを結んだ

この先に待ち受けるのは希望でも救いでもない

絶望だけの暗闇・・二人はそれを晴らさなければいけない

 

死と隣り合わせの地獄の毎日を互いに助け合いながら歩んでいく

誓い合った二人の他にも同じ思想を持ち、世界を救う者がいた

それは日本だけではなく、世界のどこかに存在する

共に戦う仲間が己の意思を信じ、誇りもって使命を果たしていくのだった




ここまでが二人のけじめの話し

この後は少し別の人からの視点で話を進めようかなと思いますね
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