女尊男卑の世界にて新人類は何を見る   作:一撃男

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更新できました。やったね!

それと自分の小説を読み返してみました。

気づいたことは
いや、もちろん地の文多すぎ読み辛テラワロはあれですけど

改めて気づいたことは
戦闘と箒の描写が全然ない!!!!ってことです。


てなわけで今回は箒ちゃんを喋らせてみました。
徹と箒の絡みがないのはどーでもいい今後のしょーもない伏線になってます。
シリアル伏線じゃないのと、たいした伏線でもないのであんま気にしないでください。


では、本編どぞ




第十一話

「全治一週間です。一週間の間は激しい運動は控えるようにお願いします」

 

徹は頭の中で

(どうしてこうなった....)

とつぶやく。

にんじんロケットにはブレーキが備わっていなかったためにロケットの推進力をうまく調整できず凄い勢いで地面に突き刺さった。

これでも多少は身体を痛めた。しかしこれは全治一週間の原因ではない。

 

問題はその後だ。徹帰還の話を聞きつけた千冬と一夏が感極まって全力で抱きついてきたのだ。

 

そう。

 

世界最強のブリュンヒルデが全力で。

 

徹の腰の骨は高い音を立ててお亡くなりになった。

 

 

 

 

余談だが涙目で謝罪する千冬の姿は、たまたま再開の場に居会わせた周りの女子たちが鼻血を我慢できないほどの破壊力だったとかなんとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腰の治療のために訪れた保健室にて、束と会ってきたことを説明すると、千冬は束と腐れ縁であることを明かした。

徹は大体予想はついてはいたが、ところどころ束の会話に出てきたちーちゃんは千冬のことなんだなと確認できた。

 

『あの馬鹿め....相変わらず突拍子もなくわけの分からぬことを...』

 

と悪態をつきながらも、千冬は、穏やかで見ているこっちが微笑ましく感じるような表情を浮かべていた。

その表情から、徹はふたりの関係をある程度察することができた。

 

『ダガ....コノオトシマエハツケサセテモラウゾ』ゴゴゴゴゴ

 

その少し後には鬼神が降臨していたが、徹は既にその場にはいなかった。

 

 

 

 

 

保健室を後にした徹は、痛む腰を押さえながら、自らに再び当てられた部屋に向かっている。

現在、徹の部屋は大穴と瓦礫の山でとても人が寝泊まりできる場所ではない。

 

そこで急遽、修理が済むまでの一週間の間は二人用の客室を使うことになったのだ。

 

千冬によると、その部屋には急に転校してきたために部屋割りがまだ決まっておらず仮の部屋としてここを使う人も後から来るとか。

 

ひとりで過ごすのも寂しいが見知らぬ人と過ごすのは気まずいなと思う徹だった。

見知らぬ女性と過ごすことになる際に、男子たちが考えるであろう妄想をほとんどしない辺りは流石と言えるだろう。

 

 

 

 

「.......あ、そういえばオルコットさんとの話は結局流れちゃったんだよな.....悪いことしたなぁ....」

 

新しい部屋にて、一息ついたあとに、徹はセシリアとの話が結局まともにできていないことを思い出した。

 

「せっかく部屋に部屋番号で連絡が取れる電話があるんだし.....千冬さんに番号聞いて連絡とるか....」

 

徹たちが暮らす寮には一部屋にひとつ固定電話が設置されている。

この電話では普通の携帯などに電話をかけることができる上に、部屋番号で誰かの部屋に電話をかけることもできる便利なものだ。

 

 

 

「あーもしもし、織斑 徹ですが」

 

『.........え!セ、セシリア・オルコットですが....な、何の御用でして?』

 

「昨日せっかく俺の部屋まで来てもらったのにまともに話せなかったことを謝罪したかったんですが....今お時間よろしいですか?」

 

『も、も、もちろんですわ』

 

....何だろう?オルコットさんは凄い焦ってるみたいだ。

時間はあるみたいだし不都合なことはなさそうだけどなぁ...と徹は思っていた。

 

実はこの時に、セシリアはネット上で、自分の新たな趣味の世界に没頭していたために動揺したのである。

 

昨日、自分の気持ちの確認もろくに済まぬままに新たな知識を得てしまったことで、芽生えかけた恋心が明後日の方向に旅立ってしまった....という事態が起こっていた。

その結果、セシリアはBL好きの健全な腐女子になったりしているのだが....徹には知るよしもないことだ。

 

 

 

『徹さんは....クラス代表を辞退するんですか?』

 

徹は自分にクラス代表になる意思は無いことを告げた。

愛機が使えなくてやる気が削がれたなどという理由で辞退していたら千冬に何をさせられるか.....それだけは唯一懸念していたのだが、予想外の怪我でクラス代表の辞退の理由は自然にできた。

 

「まぁ....俺はISがあまり好きじゃないですからね....怪我がなくてもどちらにせよ辞退していたとは思うよ」

 

追加でIS嫌いという一言を付け加えたあといくつか言葉を交わし、電話を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏side

 

「「「一夏くんクラス代表おめでとう〜‼︎」」」

 

「で....なんで俺がクラス代表なんだ?」

 

一夏は全敗したのにも関わらずクラス代表になっていた。

クラスの皆は一夏のために、一夏の代表就任パーティーを実行していた。

 

「それはわたくしがクラス代表を辞退したからですわ」

 

受け答えたのはセシリア。例のごとくなぜか得意げな表情だ。

 

「思い返せば一夏さんと徹さんをクラス代表に望む声はたくさんありましたわ」

「実力がそぐわぬならば認めるわけにはいきませんでしたが、実際戦ってみて、お二人の実力ならクラス代表をお任せて何の問題もないと思い至りましたの」

「ですから今回は周囲の皆さんの意思を尊重させていただくことにしましたわ」

 

それを聞き、周りの女子たちが騒ぎだす。

 

「いやーセシリアわかってるよねー」

「そうだよねーせっかく男子がいるんだからねー」

 

えぇい!冗談ではないッ!

だが周りの女子の笑顔の包囲網を見るともう逃げ場はないように思えた

.....いや、待てよ?

 

「それなら俺に勝った徹をクラス代表にすべきだろ?」

 

何故こうならないのか?先の代表選抜戦にまったく意味がなくなってしまうだろうと思う。

 

「一夏君....俺は怪我人なんだぞ?対抗戦の参加は厳しいな。

クラス代表始まって最初の仕事すら代理に任せるようじゃ話にならないだろ?」

 

「orz.......」

 

これはどう足掻いても一夏がクラス代表になるのは避けられないようだった。

 

 

 

 

 

「かぐらーん!こっちきてよー」

 

「.....もしかしてカグランって俺のことですか?」

 

「そうだよー。かぐらんと仲良くなりたいなーと思って声をかけてみたんだ」

「カグッ......なんでカグランなんですか?」アセタラタラ

 

「えー?んーそれは───

 

 

徹はのほほんとした少女に呼ばれてどこかに行ってしまった。

......徹にしては珍しく本気で焦っているように見えるけど何かあったのだろうか?

 

 

 

「随分と人気者だな一夏」

 

徹が離れたタイミングを見計らったのだろうか?箒が入れ違いで近づいてきた。

そういえば徹と箒が話している姿は見たことがないな、と思った。

 

「そう思うか?」

 

クラス代表については正直に言えば面倒な仕事を押し付けられたようにしか感じない。

対抗戦でのISでの実戦に魅力を感じないと言えば嘘になるが、クラスの室長も兼任するとなると別問題だ。

とても自分に務まるとは思えない。

 

箒はなぜかフンッとそっぽを向いてしまう。

 

(何だろ.....今の会話には何も問題ないだろ?)

 

先の箒の皮肉すら皮肉だと気づけていない一夏では、箒の真意を察することはとうていできそうもない。

まあこれに関しては自分の意思の伝え方があまりにも不器用すぎる箒にも問題はあるのだが。

 

〝パシャッ〟

 

「ハーイ新聞部でーす」

「クラス代表には織む.....あーえっと一夏くんがなったんだよね?おめでとう」

 

「ん.....あぁ....そういうことになってます」

 

「あ!自己紹介が遅れたね?私は2年の黛 薫子です。よろしくね。新聞部副部長やってまーす。

新聞部とカメラで察しはついてるとは思うけど....君のことを取材しに来たんだ。ちょっと写真いいかな?」

 

「写真....ですか?」

 

「そうそう写真、写真。なんせ注目の専用機持ちだからねー」

 

専用機を一年生のうちに既に所持している生徒は珍しく、注目されるらしい。

ましてや今年は専用機持ちが例年より多い上にそのうちふたりは世界初の男性操縦者なのだから取材がくるのは当たり前とも言えた。

 

「そ、そういうことなら徹さんも連れてきますわ!おふたりのツーショットなど...それはそれは素晴らしいものになると思いますわ」ヨダレー

 

「うん!それいいねーセシリアちゃんも写っちゃう?」

 

「一度男性操縦者のみの括りで撮影したあとで結構ですわ。

むしろわたくしなどよりもおふたりが重要であって.......それより撮影した写真は、当然全ていただけるんですよね?」

 

「そりゃもっちろん」

 

 

セシリアの要望通りに男性操縦者の撮影を行ったあと、結果としてクラスの集合写真と化した専用機持ちの写真撮影とがあった。

 

 

 

セシリアが凄く満足気な顔をしていたのが印象的な就任パーティーとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「恐ろしい目にあった.....あののほほんとした少女は何者なんだ....」

 

今の自分の名前にはカグラのカの文字もないのに、一体何がどうなったらカグランなどというあだ名ができあがるのか?

もしかして前世の自分の姿まで完全把握されているのでは....と思いかねんほどの衝撃だった。

 

 

「.......ルームメイトが来るのは明日からだったかな?」

 

一週間限りのルームメイトとはいえ仲良くできれば、と思う徹だった。

 

「それにしても静かだな....」

 

ひとりで使う客室はいつも以上に静かだった。

いつもならば部屋にひとりでいようと、隣の1025号室の一夏とルームメイトさんの大きな物音で多少の賑やかさはあるものだ。

 

(こういう静かな夜は.....あの夢を見る。決して忘れられないあの日の夢を.......)

 

 

夜はふけていく。徹の学園生活はまだ始まったばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜某所・地球上の何処か〜

 

 

ラボの中では束が約三日ぶりの食事をとっていた。

ゲル状の物体を美味しそうに食べている。

おそらく常人が口にすれば、生と死を彷徨いかねない事態が起こるであろうものを躊躇なく口に放り込む。

 

「束様......よかったのですか?徹様にあのことを伝えなくても...」

 

「ふぁんのふぉとふぁいクーふぁん?」パクパク

(訳:何のことだいクーちゃん?)

 

「徹様が訪れたあとやプル・トゥエルブが現れたあとに生じた次元の歪みの跡.....それに似たものが過去にふたつほど発見された事実をです」

「もしかしたら徹様のように世界線を超え、こちらの世界に来た人間がいるのかもしれないという話です....

しかも観測跡から推測するに、先のふたつの反応のうちひとつ起きてから50年はゆうに経過しています」

「もうひとつの反応も発生してから最低15年は経過しているでしょう」

「これは共有すべき情報だと思いますが.....」

 

「ゴクン......そうだねーそうだろうねー」

 

束は少し考える〝フリ〟をすると、いたずらっ子の顔をしてこう告げた。

 

「IS学園でこれから起こるゲームが箒ちゃんといっくんのためゲームなら....そいつらは束さんととーくんのためゲームのラスボスさんなんだよ」

「そのふたりの人物は私にとってもとーくんにとっても敵なんだからね?」

 

「ゲームを楽しくするには楽しくするための条件ってものがあると思うんだ」

 

 

 

 

天災の考えは常に常人の理解の外をいく。

その無邪気な表情の裏にある考えは助手のクロエ・クロニクルでさえも想像もつかないものだ。

 

 

 

 




自分は章分けはしてませんが章分けするならここが区切り目になるでしょうね。
福音戦まではある程度原作沿いでいきますがその先はオリ展開になると思います。そこまでたどり着けるように頑張ります。

あと鈴ちゃんの登場フラグを九話の最後に建てときながら今回も未登場という作者のガバガバ話造りに関してお詫びを入れておきます。
謝罪代わりに鈴ちゃんにおいしい展開を用意しておきました。
クラス代表戦が一夏でプラマイゼロだとかそんなことはないない。

あ、なおセシリアと一夏と徹の飛行シーンはあまりの展開の遅さに絶句した自分の独断によりカットされました。
仲良く空の上で会話する徹と一夏を、見た誰かが興奮のあまり昇天し、意識を失い、グラウンドに穴を空けたりしましたがカットします。

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