女尊男卑の世界にて新人類は何を見る   作:一撃男

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前話で半年間、一夏を強化したのは一夏にも主人公してもらいたいからです。
オリ主の影で空気と化す一夏ってのもちょっと.....ねぇ?

GWなのでちょっと頑張って更新してます。褒めてくれていいんだぜ?


第四話

 

第二次ネオジオン抗戦にて、カグラ・トオルの心は壊れた。

 

カグラ・トオルはニュータイプ能力が高く、パイロットとして優秀な存在だ。一度、戦場を駆ければ敵機をパイロットを殺さずして、無力化していく。勝てない敵など存在しなかった。

しかし、カグラは本来なら戦いなどに関わるべきではなかった。

不殺という行為は人を殺さぬかわりに自分を壊していく。

 

敵機のパイロットを殺さずして生かす。敵も自分も死なせたくない。

敵から感じる守りたい場所、守りたい思い。

ニュータイプ能力による高い感受性は相手の心の中を覗かせる。

お互いに生きなければならない事情があることが知れた。

自分の技量なら殺さずとも敵を無力化できる。

不殺が甘さだということは分かっていても、この甘さを含めてカグラ・トオルだ。

そう自分の中で結論を出して戦いに臨んだ。

 

しかしその、不殺などという理想を追いかけ、戦場を駆ける日々は脆く崩れ去る。

現実はカグラの理想に対してあまりにも冷酷だった。

 

戦友が死んでいく。カグラは死なずとも、戦友は次々と命を落とす。

戦友の断末魔が聞こえてしまう。自分の能力を恨んだ。涙を流さぬ日などなかった。

 

 

それでもカグラは、自分が授かったこの能力は憎しみの連鎖を断ち切るためにあると信じた。

 

仲間を殺した敵も、敵の仲間を殺されている。

お互いが殺し、殺され、憎みあう。そんな連鎖を止めることができない。

そうして生まれる深い深い憎しみは、相手の傷つき、泣き叫ぶ心を踏みにじる。

終わりなき憎しみの連鎖は断ち切れない。相手の痛みを理解することなど憎しみに満たされた心ではできない。

 

ならば、お互いの痛みをキチンと理解できる自分は、憎しみ合う感情を留める受け皿とならなければならない。

憎しみの連鎖は自分の場所で留める。

死が憎しみの連鎖を作るなら、死など認めない。

 

そう思い、敵を殺すことはしなかった。

戦場で何度も何度も敵の命を見逃した。

 

 

 

だが結果として、カグラは理想を貫くことはできなかった。

 

 

 

戦友が更にひとり殺された。殺した相手は自分が見逃した敵だった。

そんなシチュエーションなど戦場ではありふれた存在となっていく。

 

激化していく抗戦の中の憎しみを受け止めるには、カグラという受け皿はあまりにも小さすぎた。

 

受け皿が憎しみで満たされた時、

 

カグラ・トオルは敵を"人"とは思わなくなった。

 

 

不殺をやめたカグラは凄まじい戦果を叩き出していく。

向けられる憎しみなどは無視した。

あれは人ではない。見るな。聞くな。同情するな。

いつも、戦場から帰還したカグラの顔は涙でグシャグシャになっていた。

 

 

第二次ネオジオン抗戦が幕を閉じたころ、カグラの心は疲弊しきって擦り切れ、砕けそうになっていた。

 

「いっそ、人を殺すのを愉しめるくらいなら.....こんな気持ちにはならないんだけどな.....」

 

カグラはいつの間にか涙を流すことができなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏side

 

「皆さん入学おめでとう。私は副担任の山田麻耶です」

 

「「「「...........................」」」」

 

「zzzzzzzzZZZZZZ」

 

静まり返る教室。

聞こえてくるのは安らかな寝息だけ。

 

「え?

今日から皆さんは、このIS学園の生徒です。仲良く助けあって楽しい三年間にしましょうね!」

 

今だに続く沈黙。

 

「はぅ......じゃ、じゃあ自己紹介お願いしますね?

....えっと主席番号順で!」

 

一夏は変に目立つことを避けたいがために返事をしなかったが、涙ぐむ副担任を見て少し罪悪感を抱いた。

誰も返事をしないのは流石に酷いだろう。

すぐ後ろの席の徹にいたっては、ぐうすか寝ている。つい三時間前まで自分の行く末を左右する会議に参加していたため、対して睡眠をとれていないせいではあるが、一夏はそんな事情は知らない。

だから教室に入るなり、一言も話すことなく眠りについた家族に驚いた。こいつこんなにだらしないやつだっけ?、と。

 

速攻で教室に着くなり眠りについた徹を除いても、このクラスには知り合い.....というか幼馴染がいるのだが六年振りの再会にも関わらず顔すら合わせてくれない。

これは......嫌われてますね、間違いない(確信)

 

......だからとんでもなく気まずい。なぜこんな状況に追い込まれているのか。

楽しい学園生活が始まるハズではなかったのか。

 

「お、織斑一夏く〜ん?」

 

「ハッハイ!」

 

そうこうしているうちに自己紹介の順番が回ってきたみたいだ。急に声をかけられたからか?焦って返事にやけに力が入ってしまい、大きな声を出す。

.........周りの皆に笑われた。恥ずかしい。

 

「お、大声だしてごめんね?

でも出席番号順だから順番だから!

自己紹介お願いしてもいい?」オドオド

 

「あ......すいません。元を辿れば話を聞いてない俺が悪いんです」

 

必死にオドオドしながら弁明をする山田先生にが可哀想になり、ついついこちらまで謝った。

いや.....話を聞いていないこと自体は問題か。

 

クラス中の人の視線が突き刺さる。

何も考えていなかったから無難なことしか言えそうにない。

とりあえず席を立つ。

 

「え、えーと....織斑一夏です。

よろしくお願いします」

 

.........なんだろう。このもっとなにか喋らなければならないような雰囲気は?

.....う〜む、何も喋ることはない。ならばこれで自己紹介を終わりにする意思表示でもすべきか?

 

「.........以上ですッ!」

 

教室の生徒たちがずっこける。一体何を期待していたんだろう?

疑問に思いながら席に座る。

 

「え、えと?

次の織斑徹くんなんですけど?

なんでも三時間前までIS国際委員会の会議に参加していたらしく....

疲れているようなので寝かせてあげて.....

「山田くん。そのような気遣いは無用だ。一夏、叩き起こせッ!」

 

教室に入ってきたのは、一夏の姉である千冬だった。なぜ?どうしてここに?

 

「千冬姉?なんd....「学校では織斑先生だッ!」バキッ

 

脳天に一撃。頭がくらくらする。拳でご挨拶とは、また随分な仕打ちだと思う。

それにしてもなんで千冬がここにいるんだろう?

何の職業に就いているかは知らなかったけどIS学園に勤めていたのか?

一夏は痛む頭を押さえつつ考える。

 

「はぇ?織斑先生?

.....でも徹くんIS学園に来る前まで三日くらい徹夜で連日会議だったって.....」

「無論、知っているが、だからと言って今眠る許可をだすわけにもいかん。

.......そうだな。まずは担任として私も自己紹介をする必要があるだろうな。

諸君、私が担任の織斑千冬だ!

君たち新人を一年で使いものになるようにするのが仕事だ。

私の拳は男女平等だから、覚悟しておくように」

 

(千冬姉が担任〜!いやいやそれどころかIS学園に勤めていたのか?まったく知らなかった....)

それにしてもいきなりこのご挨拶とはなんという独裁っぷりだろう。あれだぞ?今教師の体罰には厳しい世の中だぞ?

 

「「「「キャーーー!!!!」」」」

 

ぐぁあああああああ耳がやられたぁあああああああああ!!!

 

「本物の千冬様よ!」

 

「お姉様に憧れてこの学校に来ました!」

 

「なんだ!敵襲か?敵襲なのか?」ガバッ

 

「むしろ千冬様の拳はご褒美ですッ」

 

耳がイかれてしまった。頭がキンキンする。予想をはるかに上回る声の音量だ。

あまりのうるささに先程までピクリともしなかった徹も目覚めた。

「敵襲?敵?あれ?」

.....訂正。今だ目は覚めきっていないようだ。

 

千冬はうっとおしそうに頭を押さえながらため息をつく。

 

「毎年よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ....

私のクラスにだけ集中させてるのか?」

 

いまだに騒がしい黄色い声が飛ぶ中、千冬は徹をキッと睨みつけながらそのまま近づいていく。そしてメキメキ、ミシミシと音をたてるくらい力強く徹の肩を握りしめ、声をかける。

 

「今の今まで寝ていたとはいいご身分だな?

とっとと自己紹介をしろ、お前の順番だッ!」

 

千冬にドヤされ徹は立ち上がる。

千冬にやられた肩を押さえながら涙目で立ち上がる。

なんかさっき山田先生が徹が三徹してるとか言ってた気がするのも重なって一夏は同情した。

 

「........まず初日にも関わらず睡眠をしていた無礼をお詫びいたします。すいませんでした。

えーと、織斑徹です。

そこにいる織斑先生たちの家の養子?に当たるんでしょうか?

元々は日本IS専高に入るつもりだったのでISについての知識は最低限はありますが、それでも分からないことも多いと思います。

そのときは助けていただければ幸いです」

 

案外真面目な自己紹介だった。

というか....このくらいは話せて普通なのかも.....。

 

「え?千冬様の家の養子?なにそれ私もなりたい」

「あとで詳しく聞かねばなりませんね」

 

いまだに女子たちは騒がしい。

と、いうかこのくらい元気があるなら山田先生にも反応してあげて欲しかった。

 

「静かに!

諸君らには半年でISの基礎知識を習得してもらう。その後実習だが、基本動作はすぐにマスターさせる。半月以内だ。

よければ返事をしろ。よくなくても返事をしろ」

 

「「「「はいっ!」」」」

 

よくなくても返事をさせるってどうなんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっそー寝不足なのに容赦ないなー千冬さん」

 

肩が痛い。肩を砕くつもりだったのだろうか?

 

「よっ久しぶりだな徹!

聞いてくれよ?俺もIS好きになったんだぜ!」

 

俺"も"とはなんだ。まるで俺がIS好きであるかのような言い方をしおってからに。

.......うん。

久々に会う親友はまったく変わっていなかった。

 

教室は騒がしい。女子だらけの教室とはやはり落ちつかないものだ。

 

ん?なんだろう?強い視線を感じる。

いや世界初の男性パイロットであるから見世物であるかのごとく視線が集まるのは当然だが.....一際強い視線を感じた。

....ふむ。あの女の子が一夏と話したそうだ。

 

「......なぁ一夏君?あの女の子は知り合いかなにかだろう?向こうさんはお前に用があるみたいだぜ?」

 

「ん....?あぁ箒か。六年前に引っ越してしまった俺の幼馴染だよ。それにしてもよく知り合いだって分かったな」

 

「まぁ勘みたいなものさ。....六年振りなら積もる話もあるだろ。先に向こうを優先してあげるといい」

 

「......悪い。じゃ久々に箒と話してみるよ。ありがとな」

 

一夏が話しかけると、箒と一夏は教室を出て行った。

 

 

 

取り残された徹は教室中.....いや廊下からも注がれる数多の好奇の視線にただひたすら耐えることになった。

 

 

「格好つけてはみたが....この視線は心にくるものがある.....一夏君....早く帰ってきてくれ.....」

 

 

その視線に乗せられる好意の感情はやはり徹には届いていない。

 

 

 

 

 




ちなみに感想欄でもチラッと言いましたがヒロインはまだ決まってません。
メインヒロインすら確定してません。

ちょ!やめれや!セカンド党の皆さん!なんで石を投げるんですか!
メインヒロインかどうかは分からない決めてないですよ!
鈴さん大勝利エンドが思い浮かばないんですよ!
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