ARMORED CORE for Answer Last <R>   作:かつて世界を目指した

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世界観とかなんかいろいろ違いますが何卒よろしくお願いします。


序章

――君がこれを聞いている時、私…いやおそらくもう誰もここには来ないだろう。そもそもだれがこれを聞いてくれるのだろうかとも思ったが私らそれでも・・・。

 

 …これは私のエゴ…いわば「罪滅ぼし」なのだろう。だがもし聞いてくれるのであれば…聞いて欲しい――。

 

 

 

     ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 

 

俺は暗くて狭い場所にいた。どうやら寝ていたらしい。僅かに外から機械音がしている。

俺はゆっくりと手を動かして小さなコンソールに触れた。するとブゥンという起動音とともに回りが明るくなっていく。

 

回りには沢山のウィンドウ、そして見るからに精密そうな機械があった。それらを一瞥していると、ウィンドウの一つが点滅していた。なんだろう、と思い確認したら、呼び出しだった。

 

起きてるよ、そう思いながら点滅したところをタップする。すると、女の人の声が聞こえてきた。

 

「おい、起きろ。そろそろだ」

 

彼女はセレン・ヘイズ。俺のオペレーターであり、師匠だ。・・・機嫌が悪そうだ。どうやら俺は結構寝ていたらしい。

 

「作戦内容は覚えているな?」

 

 「・・・えーとたしか・・・ラインアーク、でしたよね?」

 

 「・・・それで?」

 

 「・・・。・・・とりあえず戦う」

 

 「貴様・・・後で覚えておけよ。・・・作戦内容をおさらいするぞ。今回はラインアーク襲撃だ。とは言っても敵はMTやノーマル、敵ではない。」

 

 お説教が確定してしまうのと同時に彼女は作戦の確認を始める。

 

 「ラインアークのネクスト、”ホワイトグリント”は現在別のところで任務中とのことだ。まあ要するに鬼の居ぬ間に暴れろ、といったところだな」

 

 ---ラインアーク。「国家解体戦争」後に作られた「企業体制」に対して反旗を掲げている組織だ。一見大仰な理想を振りかざしている一方、その理念は事実上「形骸化」していた。理由は単純、「来る者拒まず」の姿勢であるため、ただのゴロツキ、企業間の権力争いに負けただけの人々が多く入り込んでいったからだ。

 

―――関係ない。”敵”は倒す。

 

 「よし、作戦領域に間もなく到着するぞ。AMSの接続を開始する」

 

 「了解」

 

 

 

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 「マジで強いのかよ?そのネクストって?」

 

 ノーマルに乗っているだれかがそう言った。すかさず、またさっきと違う声が聞こえた。

 

 「何でも、コジマ粒子とかいうよく分からない物質を使うって聞いたが・・・」

 

 「まあそのコジマ粒子とやらを使う”AC”なんだろ?なら結局俺らの乗るコレとそんなに大差があるとは思えねぇよ。」

 

 最初の声がそう答えた。するとまた別の声がモニター越しから聞こえてきた。

 

 「何言ってんだよ・・・お前ら・・・」

 

 「おい?どうした?気分でも悪いのか・・・?」

 

 その声は聞きなれた者の声だったが明らかに様子がおかしかった。同じく異変に気付いたもう一人が言った。

 

 「まさかお前ビビッてんのか?らしくないぜ、まったくよ」

 

 「あれはACなんかじゃない!バケモノだ!」

 

 おびえていた一人がそう叫んだ。あまりにも突拍子のない発言に思わず吹き出しそうになったであろう声が聞こえた。

 

 「ネクストがここ、ラインアークに来たら、俺たちは・・・いやラインアークもおしまいだぁ・・・」

 

これ以上はまずい。周りの士気に影響が出てしまう。ここの人々はちゃんとした訓練や教習を受けていない者が多数を占める。自分は少数派の人間だからこうしてリーダーとして任命されている。故に、それとなく話題を逸らすことにした。

 

 「おい、お前ら本部に連絡しろ。漏らしそうな奴がいるから交代要員回してくれってな」

 

 それを聞いて無邪気にも聞こえる笑い声を挙げたメンバーは、本部に連絡をし始めるものや、完全におびえきって使い物になりそうにないやつをなだめていた。杞憂だったかもしれない、と思いながら再び会話に耳を傾ける。

 

 「そんなに、おびえなくてもいいじゃないか。このラインアークにもネクストはいるじゃないか。それも相当強いらしいやつがよ」

 

 ・・・そう今からおそらく3年前ほどだっただろうか。掲げている理想とは遥かにかけ離れたこのラインアークになんの前触れもなくいきなりネクストが来たのだ。あまりにも衝撃的だった。まさかこんな組織に企業の最先端・・・いや今は「アレ」があるか。

 

それでも、企業の主力戦力とも言われるネクストが来るとは思いにもよらなかった。

 

 「確か名前は・・・なんだったか?ホワイト・・・ブロント?」

 

 「なんか黄金の鉄の塊で出来てそうですね」

 

 「お前は何を言っているんだ。・・・たぶん違うな。なんだったか…俺も年か」

 

 「どうでもいいじゃないですか。俺らノーマル、MT乗りには縁のないことでしょう?」

 

 「まあな。・・・個人的には気になるが」

 

 「しかし・・・さっきのアイツ明らかにおかしかったですねえ。ネクストとやらを見たことあるんですかね?・・・聞いてみたいですけどあれじゃ…なぁ」

 

 「そんなことより腹減りましたねリーダー。交代まで後どれくらいすか?」

 

 これ以上の話は無駄であると判断し、回線をオープンにする。

 

 「さて、お喋りはここまでだ。偵察を続けるぞ。サボっているやつは飯抜・・・」

 

 次の瞬間、けたたましい警報がラインアークに響き渡った。

 

 「なんだ!?」「何があった?」「敵か!?」「配置につくぞ!」

 

 慣れない事態に混乱する部隊を尻目に本部からの指示を仰いだ。

 

 「聞こえるか!?なにがあった?」

 

 「ラインアークに急速接近する敵影あり!!・・・これは!?」

 

 「どうした?とにかく敵の数を教えろ!」

 

 「・・・敵影は・・・1です」

 

 「・・・ふざけているのか?それとも余程の自信家というやつか?ハッ、まあいい。やることは一つだ。奴が警告を無視したと分かった時点で総攻撃を開始する!各機戦闘態勢だ!」

 

 ・・・なにかと思えばまたか。

 

ため息が漏れる。ここ最近ラインアークに物資をたかろうとする族が増えている。警備が厳重になったのもそれが原因の一つだ。一応、ラインアークはネクストを有しているため、コジマ汚染が心配ではあるが、最大限の配慮はしているため、今のところ被害はない。

 

ともかく、来訪者の正体は何なのか。そこまで考えた時だった。

 

 「これはまさか・・・!敵機確認!ネクストです!」

 

 「何だと!?」

 

 ・・・・噂をすればなんとやら、本当に来やがった。それが全部隊に広まると瞬く間に騒ぎが起こった。

 

 「ネクストだと!?」「企業の主力が攻めてきたのか!?」「もうだめだぁ!」

 

 「一番槍は俺だ!」「落ち着け!相手はあのネクストだぞ!?」

 

 ・・・マズイ、このままではただでさえ良い統率とはお世辞にもいえないレベルなのに混乱によってさらに悪くなる――。

 

 「貴様ら!!!全員口をつぐめ!!」

 

 一喝により静まり返った奴らに指示をする。

 

 「相手はあのネクストだ。俺たちはなにも知らない。故に万全の体制で臨むべきだ。第1、第2部隊は前衛、第3、第4部隊は後衛、残ったやつらは状況に応じて展開させる。異論はないな?」

 

 「「「「了解!」」」」

 

 「単独行動は絶対にするな。出過ぎた奴は早死にするぞ!」

 

 ---よし、これでどうにかなるはずだ。だがそのまえに確認すべきことがある。

 

 「本部、ネクストは出せるのか?」

 

 「いえ、”ホワイトグリント”はつい一時間前にラインアークを離れています」

 

 「・・・了解」

 

 自分はこれでも腕は立つと自負している。故に”この絵”にある不信を抱かずにはいられなかった。出来過ぎている。ホワイトグリントが任務に行く事を知っていたとしか思えない。

 

 「敵ネクスト、第1、第2部隊と間もなく接敵します!」

 

 「!!・・・来たか・・・。」

 

 ・・・見せてもらおうか、ネクストの性能とやらを。まあいくらなんでも、数十体のノーマル、MTならば、抑えられるだろう・・・。

 

 だがその予想は、あっという間に打ち消された。

 

 「なんだこいつ!?」「玉が当たらない!」「なんだあれは!?バリア!?」

 

 「なんだよこれ、なんなんだよ!!うわあああああああああああ!!」

 

 「おい!どうした!?返事をしろ!」

 

 「第1、第2部隊と連絡がつかなくなりました!」

 

 バカな!!やつらは、そこそこ戦えるのを厳選したはずだ。それらをわずか20秒足らずで・・・!?

 

 冷や汗が流れた。なんだ!?何が起こった!?・・・いかん。焦りは”死”を招く。

 

 「お前たち、手筈通りにやれば勝てる!・・・・来るぞ!!」

 

 そして――通路の先にそれは現れた。だがその姿は自分が想像していたのとはある意味違っていた。

 

 「あれが・・・ネクスト・・・?」

 

 その機体は見た目・・・武装・・・それらすべては従来のノーマルACと一回り大きいものの、大した変わりはなかった。両肩にはハイレーザーらしきものが、左手にライフル、そして右手には・・・。

 

 「あれはいったい・・・ブレードか!」

 

 おそらく接近戦主体・・・ならば。

 

 「”引き撃ち”だ!いくぞ!!」

 

 周りにいたノーマル、MTがネクスト目がけて一斉射撃を開始した。それと同時に少しずつネクストの距離を離すために、移動を始めた。

 

 ネクストが動く。降り注ぐ銃弾、ミサイルを難なく避けていく。まるで弾道を読まれているかの如く。

 

 ---速い!なるほど、これがネクストか・・・だが!

 

 「これなら避けられまい!」

 

 通路脇から出るタイミングを予測してMT部隊によるミサイルを浴びせた。

 

 直撃、爆炎がネクストを包み、姿が見えなくなる。

 

 「どうだ・・・?」

 

 無論倒せたとは思っていない。だがある程度のダメージは与えたはずだ・・・。

 

 だが次の瞬間、

 

ジェットエンジンが爆発するような音を立てながらネクストが物凄い速度で突っ込んできた。

 

 「!? 撃て!!」

 

 再び大量の銃口がネクストに向けられた・・・そして、ネクストが視界から消えた。

  

 ---!? いったい何が・・・・。

 

 そしてネクストは、俺たちの”背後”からライフルを撃ってきた。

 

 「クッ・・・バカな!! 何をした!?」

 

 ネクストから放たれた弾丸は的確にノーマル、MTを捉えていく。

 

 ---なんて威力だ!

 

 3、4発くらっただけでノーマル、MTが爆散する。武器もノーマルと比べ規格外なのか・・・!?

 

 こちらも反撃しようとして機体を反転させる。そして、あることに気付いた。そう先ほどあれだけのミサイルを浴びせたにも関わらず------無傷だった。

 

 そして、彼は見た。ネクストを覆う”膜”のような物を。

 

 「なんだあれは!?」

 

 あんなものは見たことがない!あれはなんだ!?

 

 その時部隊の一人が叫んだ。

 

 「PA(プライマルアーマー)だ!!まずはPAを減衰させるんだ!!」

 

 「同じ”人間”だ!やれるはずだ!」

 

 そう言って弾丸を撃ち続ける・・・だが、ネクストを捉えられていない。

 

 捉えたと思った次の瞬間には、射線外どころか、視界外に行ってしまう。

 

 ---まさか・・・そう思った瞬間合点がいった。

 

 一瞬だけ超高エネルギーを使い、まるで”瞬間移動”のように見えるのだ。

 

 男はこの事をここにいる誰よりも早く理解したが、同時にそれはあり得ないという結論に至った。

 

 こんな動きを例え特注スーツらしき物を使えば、生身は無事かもしれない。だがそもそも”一瞬のタイミング”で、”任意の方向へ即座に移動する”というのは、人間では間違いなく不可能だ。・・・だがもしそれを可能とする技術があるのなら・・・。

 

 この男はようやく認識した。これが現実だ。こいつはPAというバリアを持ち、さらには”瞬間移動”もどき---もはやそれに近い動きができる。

 

 このとき彼は自分の甘さを思い知った。何が「手筈通りにやれば勝てる」だ。笑わせる。こんなやつにたかだかノーマルやMTで挑もうとしたこと自体が間違っていた。

                         

 ・・・そういえば増援が来ない・・・なるほど・・・そういうことか・・・。

 

 おそらく”上”のやつらは知っていたのだろう。このネクストとノーマル、MTの”差”を・・・。

 

勝てない勝負に無駄に犠牲を出す必要もないということか・・・。

 

 気づけばもう俺一人しか残っていなかった。ノーマルとMTの残骸に囲まれたネクストがこちらを見ていた。

 

 ---そういえば誰かが言っていたな・・・あれはACなんかじゃない・・・バケモノだって・・・

 

 今にして思えばあれは何の誇張でもなくまさに”そのまま”の意味だったのだ。

 

 ネクストが右手から伸ばした青い刀身を携え突っ込んでくる。

 

 そして、彼の意識は途絶えた。

 

 

     ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

 

 

 

 ---「よくやった。ほとんど完璧だ」

 

 彼女---セレン・ヘイズは弟子に向けて賞賛をした。だが調子に乗ってもらっては困る。作戦内容もロクに覚えていない体たらく・・・。

 

 「・・・とはいえあまり調子づくなよ。敵が弱すぎたのだからな」

 

 「はいはい、分かってますよ。セレンさん」

 

 「全く、貴様はPAに頼りすぎだ。もうすこし被弾は少なくしろ」

 

 「時間かけるより早く終わらせたかったんですよ」

 

 「速さにこだわるにはまだ早い」

 

 まったく・・・こいつほど手のかかる弟子はいないだろう。

 

 「迎えをよこした。早く帰って来いよ」

 

 「了解」

 

 こうして、一人のリンクスがここに誕生した。

 

 

 その力が、全てを変える――。

 




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