ARMORED CORE for Answer Last <R>   作:かつて世界を目指した

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 頭痛と喉の痛みがヤバイです。


Chapter1
第1話


 ---「リンクス戦争」・・・6年前に起こった大戦の名だ。発端は当時GA(グローバル・アーマメンツ社)傘下だった、「アナトリアの傭兵」がGAから離反したGAE(GAヨーロッパ)のハイダ工廠を襲撃して、それにより裏で援助をしていた「アクアビット」が、GAに対して宣戦布告したことにより勃発した。

 

 なおこの戦いにより、「アクアビット」そして「レイレナード」は壊滅、同じく「BFF」(ベルナード・アンド・フェリクス・ファウンディション)は首脳部を失い機能を停止、「レオーネ・メカニカ」・・・今の「インテリオル・ユニオン」の元となった企業が大きな打撃を受けた。

 

 ・・・とは言ってもレオーネ・メカニカは”まだ”マシだったらしい。どうやら戦争が始まってすぐに、主要だった発電施設を「アナトリアの傭兵」によって破壊されたことによりそれはそれで重大な事だがそれによって更なる被害がなかったのだ・・・。

 

  

 

 ---駄目だ、性に合わない。

 

 俺は見ていた資料を机の上に放り投げるとあまり上質とは言えないベッドに寝転んだ。

 

 「こんなの見たって何になるんだか・・・。」

 

 ここに来てもう3日経っていた。そこは一人で暮らすには少し広いような感じだが、2,3人となるとやや狭い部屋だった。

 

 ・・・3日前、俺は初めての任務を達成して”リンクス”になった。

 

 リンクスとは一言でいえばネクストに乗る者の呼び方だ。「繋がる者」「山猫」などいろんな意味があるらしいが・・・後者は明らかにバカにされているだろう。

 

 任務を果たした後師匠からこの場所に案内されて、

 

 「今日からお前はここで生活することになる。」と言われた。

 

 正直言ってこの部屋は汚かった。なのでここに来て一番最初に掃除をした。別段、やることもなく、そこまで広くなかったため半日程度で終わってしまった。

 

 その後は部屋で筋トレをしたり、さっきのようにこの部屋に最初から置いてあった資料を眺めていたり・・・あとは食材や調理器具があったりしたので、簡単なものを作ったりしていた。大半はジャンクフードだが。

 

 「セレンさん、何やってるんだ?」

 

 一応つい2時間ほど前に通信越しには話したものの、ここに来て以来直接彼女とは会っていなかった。連絡はあるからトラブルがあったとは思えないが・・・。

 

 ---我慢の限界だった。ここには、本当にこれといったものもない部屋であるため、ただ純粋に暇を持て余していた。

 

 仕方がないので、部屋の外に出るか・・・。でもセレンさんは、「あまりウロチョロするなよ。面倒なことになるからな。」と釘を刺していたな。

 

 ある程度歩いてみるか、と考えながら彼はドアノブに手を掛けた。そして数時間後、本当に面倒なことになるとは予想していなかった。

 

 

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 彼女はコンテナの影に隠れていた。まるで誰かから隠れているかのように。息を潜めながら影から様子をうかがう。

 

 ・・・どうやら見つかってはいない。彼女は安堵の息をつくと、ここがどこなのかという疑問を抱いた。気が付けばここに来ていたため、誰もいないことを確認して、コンテナの影から出た。

 

 そこは薄暗い場所で、何やら機械のような音が聞こえてくる。他にも誰かが話しているのが僅かに聞こえた。

 

 彼女はそそくさと光が漏れている方に向かおうとした瞬間---。

 

 しかし、足元をよく見ていなかったせいか、足元にあった何かに躓いてしまった。そして思わず「痛っ!」と声を出してしまった。

 

 すかさず誰かがその声に気付き、「そこにいるのは誰だ!?」という声が聞こえた。

 

 ---マズイ!とりあえずどこかに隠れなければ・・・。そう考えている内に複数人がこちらに走ってくる音が聞こえた。時間がない。

 

 彼女は薄暗く広い場所をただ走って行った。

  

 

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 俺は狭い通路をのんびりとした足取りで歩いていた。誰かに会うかもしれないと思っていたが、そんなことはなくかれこれもうすぐ一時間経つかもしれない・・・というか実は彼は今困っていた。

 

 単に迷ったのである。何も考えずにただ歩いていたら、自分がどこにいるのかわからなくなってしまったのだ。

 

 ---どうしたもんか。そう思いながらただ歩いていたが、結局気分転換にすらならなかった。早く戻りたいが端末を置いてきてしまったため、師匠に聞くことすらできない。

 

 このままだとここで誰にも会えずのたれ死に---なんてことになったら笑えない。もうあんな目にあうのは勘弁願いたい。流石にそろそろ誰かに会うだろうと自分に言い聞かせ歩き続る。

 

 その時通路の向こうから足音が聞こえてきた。なにやら走っているような音だったため、しばらく様子を伺うと誰かがこっちに向かってきた。

 

 その誰かはフードを被っていて、全身をコートのようなもので覆っていた。俺の第一印象は「変な人」だった。明らかにおかしいその姿を見ておもわず、

 

 「なぁ!そこのへんな人!ちょっと道聞きたいんだが・・・。」と言った。するとその人は前に俺がいることに気付いていなかったのか、驚いた拍子にバランスを崩して---転んだ。

 

 「痛っ!・・・もう!今日はよく転びますね!」と女の人の声がした。

 

 「・・・あんた何者だ?」

 

 「あ!えっと・・・私はその・・・・。」

 

 女は立ちあがると俺から距離をとった。

 

 「・・・!!・・・おい、お前---。」

 

 すると後ろからなにやら複数人の足音が聞こえてきた。

 

 「!!すいません!失礼します!」

 

 そういって彼女は立ち上がり走ろうとした。だが彼女は俺に腕をいきなりつかまれたせいでバランスを崩しかけた。

 

 「!?何を・・・!?」

 

 俺はそのまま彼女を引きずり込むようにして、脇道に入って行った。

 

 

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 セレン・ヘイズは機嫌が悪かった。彼女はそれが表情にでていることも気にせず長い廊下を歩いていた。

 

 ---まったく”上”のやつらはやはり好きにはなれんな。どんな育ちならああまで見栄を張りたがるのだろうか。

 

 この3日間、彼女は”上”・・・いわゆる上層部に報告をしていた。普通ならばそんなに長くなることはないのだが、なまじいろいろ「複雑」な事情があるせいだろう。

 

 そう、例えば私は元---

 

 その時向こうから何やら足音が聞こえた。複数人が通路の向こうから現れた。何やら切羽つまったような感じだが・・・。

 

 「どうした?何かあったのか?」

 

 「?ああ!セレンさんか。ご無沙汰しております。不審者を見かけませんでしたか?」

 

 「不審者?すまないが見ていないな。そいつがどうした?」

 

 「どうやらドッグにて整備中に声がしたって言うやつがいたんです。しかもネクストのドッグで。」

 

 「なんだと!?・・・分かった。見つけ次第連絡しよう。」

 

 「見つけるぞ!まだそんなに距離は離れていないはずだ!」

 

 そう言って彼らは走って行った。

 

 ・・・どこの企業の差し金だ?まさかこんな早くに探りを入れてくるとは予想外だった。今ここにあるネクストは1機・・・それも3日前にリンクスになったばかりのやつだ。

 

 わざわざこんな早く情報を欲しているやつらがいるのか?

 

 ・・・とりあえずアイツに伝えるべきか。

 

 そう考えた彼女は足を速めた。

 

 

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 俺は彼女を背負いながら道を歩いていた。

 

 「あの・・・えっと・・・。どうして助けてくれたんですか?」

 

 「・・・やっぱりアンタは追われてたんだな。まあそうだろうとは思ったけど。」

 

 「何か・・・あるんじゃないですか?」

 

 ・・・なるほど。なんとなく警戒されている理由は分かった。・・・が。

 

 「・・・ケガしてんだろ。」

 

 「・・・・・・・・え?」

 

 俺は彼女の右膝を見ながら言った。血が結構流れている上に傷口はそこそこ深そうだった。・・・故につい助けてしまったのだ。

 

 「だから・・・ケガしてたから。」

 

 「・・・それが理由、ですか?」

 

 「・・・それだけじゃダメか?」

 

 ・・・沈黙が流れる。

 

 「・・・アハハッ。」

 

 彼女の笑い声が後ろから聞こえた。大人げないとは思ったが少しイラッとした。

 

 「・・・このままぶん投げていい?」

 

 「あ・・・ごめんなさい・・・。」

 

 「え、あー・・・いや、本気で言ったわけじゃないんだ・・・。謝らなくてもいい・・・。」

 

 ・・・また沈黙が流れた。何かないか・・・。そうだ。

 

 「そういや自己紹介してなかったな。俺は”グラム”だ。」

 

 「グラムさんですか・・・私の名前は・・。」

 

 彼女が続けようとした時道の曲がり角から---。

 

 「・・・何処に行ったあのバカは!?・・・見つけたらタダじゃ済ませんぞ・・・!」

 

 何やら不吉な言葉を呟きながら歩く女性が現れた。

 

 彼女と目が合った途端俺はこの後の運命を悟った。

 

                 続く




工廠・・・こうしょう

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