ARMORED CORE for Answer Last <R> 作:かつて世界を目指した
グラムは北西洋を時速1200km近い速度で飛んでいた。正確にはストレイドに乗りながらVOB(ヴァンガード・オーバーブースター)を装着している。
周りの艦隊を次々に追い越していく。時折正面から砲弾が飛んでくるものの、ネクストによるQB(クイックブースト)で、右、左へと自在に避けていく。
「VOB使用限界近いぞ。通常戦闘準備しておけ。」
「了解です。セレンさん。」
そう言っている内に今回のターゲットである巨大な兵器---「ギガベース」が見えてきた。
まさに海に浮かぶ巨大兵器と言ったものだ。先ほどからの砲弾もこの兵器から飛んできていた。
「VOB使用限界。パージする!」
師匠の声とともにストレイドの背中の巨大なブースターがパージされ海に散る。
それと同時にOBを起動。一気に眼前のギガベースへと突っ込んだ。
「懐に入ればただのでかい的だ。切り刻め!」
「分かってますよっと!」
飛んできた主砲を避けながらライフルで威嚇射撃、接近、青い刀身を携えた右手で側面を袈裟に切り裂く。
その勢いで、切りつけたところにブレードを突き刺した。引き抜くと同時にギガベースから爆炎が上がり、爆発した。
「ギガベースの撃破を確認。そのまま突っ切れ。回収を済ませてとっとと逃げるぞ。」
「了解!」
ストレイドは巨大な鉄クズになったギガベースの後ろをOBで走り去った。
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回収用ヘリに乗ったストレイドに乗ったままグラムはセレンと通信で話していた。
「ミッション達成だ。よくやった。初のAF(アームズフォート)戦だが問題なかったぞ。」
「ありがとうございます・・・。」
「・・・・・・今お前が考えていることを当ててやろう。」
「?いきなり何を・・・。」
彼女は続けてこう言った。
「存外弱かった、あんなのよりネクストの方が強いのになぜ企業はアレに金をかけるのか・・・こんなところか。」
「・・・セレンさんってエスパーとかそういう類でしたっけ?」
「貴様が分かりやす過ぎるだけだ。」
---AFとは「リンクス戦争」の後に作られた、企業の最新鋭巨大兵器だ。企業は今ネクストよりも多く金をかけている。
そのため初のAF戦ということである程度は期待していたが・・・。
「なんていうか、近づければ大したことなかったんで・・・、砲撃もVOBで楽勝でしたし。」
VOBは対AF用のネクスト装備である。遠距離からの砲撃はさすがのネクストでもキツいため作られた大型使い切りブースターが開発された。
「・・・あれでもあのAFの砲の精度はそこそこ高いんだが・・・。まあそれはいいか。なぜ企業がAFに金をかけるのかを教えるとするか。」
「・・・長くなりますか?乗った後なんでだるいんですよ。」
「貴様の理解力次第だな。」そう言って彼女は話し始めた。
「まずAFとネクストは用途が少し異なる。ネクストは速攻で相手に接敵して戦う。AFはどちらかというと”動く砲台”だな。基本的には迎撃や占領を目的にされている。」
・・・なるほど。違いはなんとなくつかめた気がする。だが---。
「そして、なぜ企業がAFに傾倒しているかというのは---恐れたからだ。ネクストを。」
「恐れた?ネクストだって企業の産物じゃないですか。」
「そうだな。だがネクストにはいろいろ問題がある。例えば”コジマ粒子”は非常にヤバイ代物だぞ。」
セレンさんの言った通りコジマ粒子は非常に危険な物質である。生物だけでなく、植物、あらゆるものに悪影響をもたらす。
だが、同時に物凄いエネルギーを得ることもできるため、企業はこれを多く利用した。結果、地上はほとんど汚染されてしまった。
・・・馬鹿げた話だ。そう思いながら彼女の話に再び耳を傾ける。
「そしてもう一つ---ネクストを動かすのは”個人”だということだ。」
「個人?・・・ああ、そういう事ですか。」
ネクストを扱える人間---リンクスは限られている。AMS適正というのがなければ動かすこともできない。さらにAMS適正には優劣があり、適正があっても物凄い症状に襲われることがあるらしい。
自分はセレンさんから聞いたところ、「まあまあ」高いと言われている。
「リンクスは替えがないからな。AFならば人員を入れ替えればいいだけだ。」
「なるほど・・・。ネクストよりも汎用性が高いんですね。」
「そういうことだ。なにより---勝手に動かれると厄介なんだろうな。」
「え?それって---。」
「おっと・・・すまん。用事ができた。そろそろ戻ってくるころだろう。またあとで話そう。」
そういって彼女は通信を打ち切ってしまった。
「・・・・・・勝手に動かれると厄介、か。」
どうやら企業とリンクスの関係は一枚岩ではないのだろう。自分も正直企業については良く思っていない。
「まあ、俺の知ったことじゃないな。」
グラムは瞳を閉じて眠りについた。
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セレンは自分の耳を疑った。こいつらは何を言っている!?
彼女は今、再びインテリオルの上層部から呼び出された。何の事前情報もなかったため、事情は全く把握できていない。
「・・・どういうことですか?」
「もう一度言うぞ、セレン・ヘイズ。君の弟子のリンクスには------。」
続く
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