ARMORED CORE for Answer Last <R> 作:かつて世界を目指した
---俺は再びよく分からない夢をみた。
一人の男と子供らしき姿が見える。どうやら子供は泣いているようだ。
「・・・いんだ・・・もし、なにも・・・・・れて・・・・れないのが・・・。」
「・・・・・のとき・・・・・すんだ。君・・・・ることは---。」
男の言葉が途中で途切れる。視界がブラックアウトすると同時に再び声がする。
「・・・・・・ん。」
「・・・・・さん。」
だんだん声が大きくなっていく。そして---。
「グラムさん!起きてください!」
「!?」
いきなり聞こえてきた声に飛び上って起きるとびっくりした顔でこちらを見るサナがいた。
「・・・ああ、すまん。びっくりして。」
「構いませんけど・・・大丈夫ですか?うなされてるようだったので。」
「うなされてたのか・・・。にしても変な夢だった。」
夢の内容はほとんど抜けてしまっていた。男と子供がいたのは覚えているが・・・。
「まあいいか・・・。サナ、セレンさんからなにか連絡はあるか?」
「・・・それがないんです。もう結構経つんですが・・・。」
「そうか・・・。なんかあったのかな?」
そう言いながら俺はベッドから這い出る。時刻は午後6時を過ぎようとしていた。
「なんかトラブルでもあったのか・・・?」
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「・・・危険すぎます。最悪の場合---。」
「問題ないだろう?いくらネクストとの戦闘を経験していないとはいえ、レッドバレー突破支援に加えて、今回のAFギガベース撃破任務もよくこなしている。」
「・・・・・・。」
こいつらは・・・リンクスまでも最悪の場合は捨て駒にするつもりか。
セレンは内心の憤りを隠しながら続けた。
「・・・よろしいのですか?適任なら他にいるでしょう。」
「生憎”レイテルパラッシュ”および”マイブリス”、"レ・ザネ・フォル”そして”ヴェーロノーク”は今遠征任務で動けない。動けるのは”ストレイド”のみだ。」
「・・・どうしても奴でなければいけないのですか?」
「何度も言わせるな、セレン・ヘイズ。拒否権はない。重大な案件だからな。」
「・・・・・・分かりました。」
「それでいい。言っておくが失敗は・・・許されないぞ。」
そう言い残すとモニターに映った人達は消えた。
「企業のゴミどもが・・・!そこまでメンツが大事か!」
そう吐き捨てると彼女は部屋から出ていった。
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目覚めて数十分後、セレンさんから連絡があった。
「グラム、今からそっちに行くから準備しておけ。ノックしたら2秒以内に開けろ。1秒でも遅れたら殺すぞ!」
・・・などという謎の脅迫をしてきた。機嫌悪いってレベルじゃないな。
「何があったのやら・・・。」
俺はそうぼやきながらドアの目の前でスタンバっていた。(前にも似たようなことがあって本当に遅れたらヤラれそうだったからスタンバイしている。)
「依頼・・・ですかね?それにしては凄く機嫌悪いみたいですけど・・・・。」
サナが心配そうに言ったと同時に足音が聞こえてきた。
「来たみたいだな。セレンさん今開けま---。」
次の瞬間ドアが勢いよく開いてグラムはドアと壁の間に挟まれた。
「グラム!!・・・いないのか?」
「・・・・・・・・・。」
「セレンさん・・・ノックしましょうよ・・・。」
サナは何とも言えないといった顔で言った。
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「・・・死んだかと思った。」
俺はサナから渡された氷袋を左頬に当てながらそう言った。
「避けない貴様が悪い。」
「いやあれどう避けろっていうんですか!?」
「いいから黙れ。それより---。」
「依頼なんですか?」
サナが言った。
「・・・そうだ。だがこの任務は・・・。」
一旦口ごもってからセレンさんは続けてこう言った。
「運が良ければ楽だが、悪かったら最悪死に直結するかもしれない任務だ。」
「・・・・・・・・・。」
・・・とうとうこんな依頼が来たか。グラムは身を引き締まらせた。
「・・・だがその前にいろいろ問題があってな・・・。」
「なんですか?」
師匠はこう言った。
「・・・グラム、お前に一つ聞きたいことがある。」
「答えられることなら・・・。」
「よし、なら----------。」
そして、部屋の中からわずかに声がした後、
「「えええええええええええええええええええええええええ!?」」
という若い男女の声が部屋の外まで響いた。
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「・・・すまないセレン殿。彼にやらせるのは私は反対だったが・・・。」
「だから謝らないでください。アレックス総帥。」
「とにかくできることはなんでもするつもりです。ご心配なく。」
「ああ・・・そして、折り言って頼みがあると聞いたが・・・。」
「そうです。無粋極まりないことは承知の上です。」
「・・・聞こう。」
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「ネクスト整備完了。輸送用ヘリが間もなく到着します。」
外から聞こえた整備士の声がコックピットに聞こえた。
「・・・了解。」
程なくしてヘリが到着した。そのままハンガーにネクストを連結させる。
「いよいよか・・・。」
ネクストがヘリによって持ち上げられる。ゆっくりと高度を増していく。
1000・・・2000・・・3000と高度が上がる。
そして、4000となったあたりで、ヘリが止まる。
「ここから先は自力でお願いします。頑張ってください。」
その言葉と同時にネクストとの連結が解除され、通信が切れる。
---AMS接続。ネクストが起動する。
ブースターを吹かしてさらに上へと上がっていく。
・・・そろそろいいか。俺はそう考えるとこう言った。
「眺めはどうだ?サナ。」
グラムは隣の僅かな隙間にいた人影に言った。
「・・・すごい。」
彼女は画面に映る青い空を凝視していた。
・・・にしても・・・・。
「・・・本当に行けたな・・・。」
「行けましたね・・・。」
時間は遡り--------。
「よし、なら・・・。」
セレンさんはこう言った。
「コックピットにお前がいても誰か乗れそうなスペースはあるか?」
「・・・・・・え?・・・・たぶんせまいですがあると思います。」
それを聞いたセレンさんはこう言った。
「なら良かった。サナを乗せてクレイドルまで行けるな。」
「ああ、そうですか・・・って、」
「「えええええええええええええええええええええええええ!?」」
「イヤイヤイヤ、セレンさん何言ってんですか!?頭イカレました!?」
「クレイドル!?そんなところにどうして・・・!?」
俺とサナは激しく動揺しながら彼女に説明を求めた。
「今回の任務はクレイドル21の偵察だ。まあ他にも事情はあるが・・・。」
「とにかく時間がない。ほら準備するぞ。」
そう言って彼女は俺たちを無理やり押し込める形で現在に至る。
「マジでどうしてこうなった・・・。」
そう呟くと目の前に大きな巨大な作られた翼のようなものが見えて来た。
「あれが・・・クレイドル・・・。」
サナの呟きとともに俺はクレイドルへと向かった。
---ここでの事を俺は一生忘れないだろう。そして同時に・・・
忘れることを許してはくれないだろう。
続く
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