俺たち転生者 蟹魚復権活動中   作:キューマル式

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舞台裏その3 魔法少女、聖衣を思う

「よし、ここまでとしよう。 なのは嬢、フェイト嬢」

 

「「ふぅぅぅ…」」

 

セージの言葉に、なのはとフェイトは座禅を解いてへたり込む。

ここは『巨蟹宮』、なのはとフェイトはセージから小宇宙(コスモ)を高める訓練として精神集中の座禅を組んでいたところだ。

 

「座ってただけなのに、予想以上に疲れるの」

 

「本当、何だか頭が重い…」

 

「そうでなくては修行にならんよ。 よし、お茶を淹れてこよう。

 2人とも肩の力を抜いて休んでおれ」

 

セージはそう言って奥へと戻っていく。

なのはとフェイトはあの一件…時の庭園での戦いで小宇宙(コスモ)に目覚めたため、快人たちの師であるセージとアルバフィカによって小宇宙(コスモ)についての訓練を受けていた。

とはいえ、快人たちのように本格的な聖闘士(セイント)としての訓練ではない。

目覚めたとはいえ、なのはとフェイトの小宇宙(コスモ)は決して高くはなかった。

正直に言えば聖闘士(セイント)訓練生、いわゆる『雑兵』レベルなのである。

小宇宙(コスモ)は魂の力…精神状態やテンション、状況によって比較的簡単に上下するが、平均的に発揮できる小宇宙(コスモ)がこれでは小宇宙(コスモ)による戦闘など見込めようはずもない。

だが、2人には他の才能が備わっていた。

『魔法』である。

実際のところ、魔法は非常に汎用性の高い、強力な力である。

聖闘士(セイント)の拳が神話の時代から練磨されていったのと同じように、長きに亘る研鑽を重ねた技術、『魔法』というのは強力なのだ。

そこで考え出されたのが魔法の補助としての小宇宙(コスモ)の使用である。

時の庭園での戦いの時、2人の魔法は小宇宙(コスモ)によってその効果を増大させていた。

同じ現象が、他の魔法でも確認されたのだ。

そこで2人のインテリジェントデバイスとセージ、アルバフィカの協議の結果、2人の方向性は魔法を小宇宙(コスモ)によって効果拡大させて戦う『魔導士』ということになったのだ。

小宇宙(コスモ)についての特訓は小宇宙(コスモ)を高め制御する訓練に集中し、戦闘スタイルは変わらず魔法によるものとなった。

その姿を見ていた快人が、

 

「…そのうち『魔法聖闘士(マジックセイント)』とか言う新しいナニカができるんじゃねぇの、これ?」

 

とか漏らすのだが、それは先の未来を見据えたような結構的を射た発言だったりするのだがここでは知る由もない。

なのはとフェイトはセージを待つ間、視線を訓練中の快人とシュウトへと向けた。

 

「おらぁ!」

 

「はぁ!!」

 

連続した打撃音。

今、快人とシュウトは組み手の真っ最中だった。

組み手といえど、お互いに黄金聖衣(ゴールドクロス)を纏っての本格的なもの。

観戦しているなのはとフェイトは感心したようにその戦いを見続けていた。

 

「相変わらずすごいね、あの2人」

 

「だって黄金聖闘士(ゴールドセイント)だもん。 すごいに決まってるよ」

 

フェイトの言葉に、なのはは相槌を打つ。

お互いに少しだが小宇宙(コスモ)についての知識も増え、そのために黄金聖闘士(ゴールドセイント)のすさまじさを改めて知ることになったのだった。

 

「それにしても聖衣(クロス)か…」

 

そう言って、なのはは2人の纏う聖衣(クロス)を見る。

その視線には少しだけ憧れが宿っていた。

 

「ねぇ、もし私たちも着れるとしたら、どんな聖衣(クロス)がいい?

 フェイトちゃん」

 

「私? でも私も聖衣(クロス)ってどんなのがあるのか知らないから。

 88の星座の数あるっていうけど、どんな形状か知らないし…」

 

「私も知らないけど、どんな聖衣(クロス)があるんだろうって思って。

 私はネコさんとか可愛いのがいいなぁ」

 

「そうだね、だったら私はその…クマさんとかいいかも」

 

2人はぬいぐるみのようなネコとクマを想像しているのだが…かたや冥衣(サープリス)でかたや青銅聖衣(ブロンズクロス)

そしてどちらも可愛くはない。真実を知れば絶望すること間違いなしである。

 

「快人くんの蟹座聖衣(キャンサークロス)みたいに可愛い子がいいなぁ。

 知ってる、蟹座聖衣(キャンサークロス)って撫でてあげると喜んでくれるんだよ。

 背中に乗せてもらうとすっごく楽しいの!」

 

「そうなんだ。

いいなぁ、私も乗ってみたいかも」

 

フェイトがそんな風に呟いたその時だった。

 

「う、うっぴゃぁぁぁぁ!!」

 

形容しがたい快人の声になのはとフェイトは何事かと2人の方を向く。

すると…。

 

「ば、バカな!!」

 

快人が目を見開く。

快人とシュウトがお互いに右のハイキックをぶつけ合っているのだが、快人の右足に…聖衣(クロス)がない。

 

「お、おい。 今自然に蟹座聖衣(キャンサークロス)のフットが外れたぞ!?」

 

快人の驚愕の中、蟹座聖衣(キャンサークロス)が光りだす。

そして…。

 

蟹座聖衣(キャンサークロス)が俺の身体から外れていく!?

 あ、あじゃぱぁぁぁぁ!!」

 

快人のおかしな悲鳴と共に蟹座聖衣(キャンサークロス)は外れオブジェ形態になると、フェイトの前にやってきて激しく身体を左右に揺らした。

 

「え、これって…」

 

「おそらくフェイトちゃんに撫でて欲しいんだよ」

 

なのはの言葉に、フェイトはゆっくり蟹座聖衣(キャンサークロス)を撫でると、蟹座聖衣(キャンサークロス)はうれしそうに身体を揺らし、頭を垂れてきた。

 

「もしかして乗せてくれる?」

 

頷くように身体を震わす蟹座聖衣(キャンサークロス)にフェイトが跨ると、蟹座聖衣(キャンサークロス)はゆっくりと歩き出す。

 

「あ、あはは。 なのは、この子可愛いね!」

 

「そうでしょ、フェイトちゃん」

 

しばらく歩き回った蟹座聖衣(キャンサークロス)からフェイトが降りると、フェイトはお礼を言いながら蟹座聖衣(キャンサークロス)を撫でる。

すると、蟹座聖衣(キャンサークロス)も嬉しそうに身体を震わせた。

傍目からは、美少女2人と黄金の蟹の心温まる光景である。

 

「で、堪能したらちょっとその不良品を渡しちゃくれませんかねぇ、お二人さん?」

 

青筋を立てた快人が立っていた。

いつの間に持ってきたのか左手にはノミを持ち、右手のトンカチで肩をトントンと叩いている。

 

「どうしたの快人くん? そんなに怒って?」

 

「あ、アホかぁぁぁぁ!!

 幼女と遊びたさに戦闘中のご主人様ほっぽりだす聖衣(クロス)がどこにいるんだよ!

 壊す、ぜってぇ壊す!!

 完璧に壊したあとに作り直してやらぁ!!」

 

トンカチとミノを振り上げる快人の前に、なのはとフェイトが躍り出る。

 

「ダメだよ、蟹さんを苛めちゃだめ!!」

 

「待てなのは、どっちかって言うと俺が苛められてるから。

 これ、俺が苛められてるから!!」

 

「こんな可愛い子に当たるなんてダメだよ、快人」

 

「いや、当たるも何もそいつがすべての元凶だから!

 あ、テメェ蟹座聖衣(キャンサークロス)!何2人に隠れるみたいに移動してんだよ!

 おい、こら!!」

 

激昂する快人。

そんな快人の肩に、シュウトはポンと手を乗せた。

 

「? シュウト」

 

「兄さん、大いなる小宇宙(コスモ)がボクにもっと輝けって囁くんだ。

 だから…このタイミングを逃さず言うよ」

 

そこでコホンとシュウトは息を整えると、その言葉を言った。

 

「マンモス哀れなやつめ」

 

 

ビシッ!!

 

 

空間か何かに亀裂が入った音が聞こえた。

 

「…OK、OK。 世の中全部が俺にケンカ売ってるんだな。

 いいぜ、言い値で買ってやらぁ!!」

 

ついに爆発した快人が暴れだす。

その光景をお茶を用意したセージが目撃した。

自身も最強の蟹座の黄金聖闘士(ゴールドセイント)であり、全ての聖闘士(セイント)を従えていた偉大な教皇であったセージ様。

そのセージがその光景を見て下した結論は…頭を抱えながら頭痛薬を探しに無言で奥へと戻っていくことだった…。

 




感想でなのはとフェイトの小宇宙についての意見があったので、2人の小宇宙についてと、2人の聖衣についての興味の話。
2人は聖闘士ではなく、あくまで『小宇宙で魔法をブーストする魔導士』のつもりで書いてます。
ぶっちゃければ、今後を見据えた強化。
このぐらいしないと、今後出てくる予定の奴らに勝てません。
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