戦いにおいて『準備』と言うのは非常に重要だ。
『戦う前に勝負は着いている』という言葉は真実であり、どんな戦いも万全な態勢で準備を進めた者が勝つのは必定である。
現在、フェイトは戦士のごとく真剣な表情で『戦い』の準備の真っ最中だった。
「…」
日曜日の朝、フェイトは姿見の前で何度も自身の格好をチェックする。
薄い青を基調としたブラウスに長めのスカート、そして頭には麦藁風の帽子。
飾り気は少ないが、フェイトの落ち着いた雰囲気もあってその格好は似合っている。
その姿はまるでお嬢様、『アメリカ西海岸あたりを歩いている富豪の令嬢』と言って通じそうな雰囲気だ。
だが、まだ心配。
この服で大丈夫だろうか、という疑念が昨夜から何度も湧き上がる。
今日はシュウトとのお出掛け、所謂デートの日である。
たかだかデートで何をそこまで真剣に、と思うものもいるかもしれないが少女たちにとって恋とは『戦争』だ。
「フェイト、そろそろ時間じゃないの?」
「あ、母さん」
ドアを開けて入ってきたのはプレシアだった。
時の庭園での事件以降、憑き物が落ちたかのようなプレシアからは刺々しさが消え、現在では穏やかな母親としての、本来の姿へと戻っている。
ちなみに本来の美しさを取り戻したプレシアは娘の親友の母、桃子とはママさん同士で仲がよく、近所付き合いも良好。
少し前からは考えられないくらいの穏やかな生活の中にいた。
そんな母親たるプレシアはフェイトの姿を認めると深くため息をついた。
「フェイト、あなたまだ鏡見てたの? 昨日の夜遅くまでかかって、その服にしたんじゃないの?」
「そうなんだけど…母さん、これ変じゃないかな?」
「その質問、昨日から何回目なの?
答えは昨日と同じよ、似合うわ、フェイト」
「ありがとう、母さん。 でも…」
「大丈夫だって、きっとあいつなら『可愛い』って言ってくれるよ、フェイト!」
「そうかな…?」
どこか不安げな表情のフェイトに今度は子犬形態をとったアルフがやってきて言葉をかけるが、それでもフェイトの不安げな表情は変わらず、プレシアとアルフは目を合わせると肩を竦めた。
(まったく…フェイトが何着ようがアイツが『似合わない』なんていう訳無いじゃないかい)
(この子の不安も理解はできるのだけど…私の娘なんだし、もっと自分に自信を持ってほしいわね)
アルフとプレシアは心の中で心配性なフェイトにため息をつく。
「それで、そろそろ時間は?」
「いけない、もうこんな時間!?」
プレシアの言葉に時計を見たフェイトは、バッグを手に取ると玄関へと駆けていく。
ちなみに、シュウトは兄である快人の家と、ここフェイトの家を行ったり来たりする生活をしていた。
総じて家事能力が何故か低いテスタロッサ家の、飯炊きというポジションは不動である。
快人曰く、『通い夫』だ。
今日は快人の家から待ち合わせ場所に来るため、シュウトはテスタロッサ家にはいない。
「母さん、アルフ! 行って来るね!」
「楽しんでらっしゃい」
「フェイト、お土産よろしく!」
プレシアとアルフの声を聞きながら、家を出たフェイトは軽い足取りで待ち合わせ場所である、公園の噴水前までやって来ていた。
「…いた!」
少し視線を巡らせるだけで、シュウトはすぐに見つかった。
長い髪を縛った、一見すると女性にも見えかねない中性的な美男子だ。
ジャケットにハーフズボンと年相応にしながらも、静かに噴水前で本を読む姿は落ち着いた知的な雰囲気を醸し出している。
そんなシュウトにあたりの視線が集中しているのを感じて、フェイトはある種の優越感を抱きながらシュウトへと声をかけた。
「シュウ、待った?」
「ううん。
今来たところだよ、フェイト」
そう言ってパタンと本を閉じて笑顔を見せてくれるシュウト。
「それじゃ行こうか、フェイト」
「うん…」
立ち上がってシュウトの差し出す手をフェイトが握り、2人は歩き出す。
お似合いの美男子・美少女の小さなカップルに、周りは優しい温かな視線を送るのだった。
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さて、そんな小さなカップルのかなり後方に、これまた視線を集める小さな男女の姿があった。
「あー、目標は移動を開始。 後を追うぞ」
「了解なの」
それは全身黒づくめな少年少女だ。
夏の残暑も厳しいというのに少年の方は上から下まで黒一色。帽子まで黒の上、サングラス装備である。
対する少女も黒のフリルスカートに黒い帽子、そしてまったく似合わないサングラス装備だ。
漫画に出てくるような典型的スパイルックである。
その2人はまるで視線から隠れるように木陰から様子を窺っているのだが、周囲の視線はしっかりと2人に釘付けである。
説明するまでもないだろうが、この2人は快人となのはだ。
シュウトとフェイトのデートなどと言う面白いイベントを快人が見逃すはずもない。
『兄として弟の行動は知っておく必要がある!』
などと、本人が聞いたら問答無用で
そんな快人の暴走を最初は止めようとしていたなのはだが、言葉巧みに快人に誘導され、そしてなのは自身も興味があったせいで、今では立派なデバガメの共犯者である。
「それにしてもシュウトの奴、なかなか気合い入った格好だな」
「フェイトちゃんもお化粧してるし、気合い十分なの」
2人は
「化粧か…お前も化粧とか考えてみたらどうだ?
まぁ、まだ早いのかもしれないけど」
「うーん…今度お母さんとお姉ちゃんに教えてもらおうかな」
普段より格段に綺麗になってシュウトの隣を歩く親友の姿を見て、なのはは快人の言葉に素直に頷いた。
「確認するけど、なのは、これは極秘ミッションだからな。
ドジ踏むなよ?」
「そっちこそだよ」
「大丈夫だって、ヘマはしないよ。
何たって…こんな面白いこと、ヘマしてやめられるわけないじゃないか」
何とも邪悪な顔で笑う快人になのはは苦笑すると、シュウトとフェイトを追って移動を始める。
あくまで目立たぬよう・気付かれぬように、だ。
そんな快人となのはのおかしなカップルに、周りは生温かい、何とも言えない視線を送るのだった…。
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皆誰もが遊びに出掛けようとしている休日の列車は結構な混み様だった。
見渡せば人・ヒト・ひとで溢れかえっている。
正直に言えば、フェイトは人見知りをする質だ。
そのため、こういう人ごみというのはあまり得意ではない。もっとも、得意と言う人間はいないだろうが…。
「大丈夫、フェイト?」
「大丈夫だよ、シュウ」
そんなフェイトのことを理解しているシュウトは心配そうに眉をひそめるが、フェイトは心配させまいと笑顔を作る。
シュウトはフェイトの壁になって守るように立っていた。
フェイトが人ごみに巻き込まれないように、である。
そんな幼馴染の細やかな気遣いと、密着するほどの急接近にフェイトの胸は高鳴る。
(こういうことなら人ごみもいいかも…)
息苦しい電車内でシュウトに守られながら、フェイトはそんなことを思ってしまった。
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シュウトたちから離れる事1車両、快人となのはも電車の混雑に巻き込まれていた。
シュウトのフェイトに対する心配りは、女の子として見てパーフェクトである。マーベラスである。
対して自分の幼馴染は…。
「おーい、なのは。 ここだここ」
どうやったのか、ちゃっかりと席を確保していた。
のらりくらりしながら、おいしいところはちゃっかり頂いていくいつも通りの幼馴染になのはは苦笑が漏れるのを止められない。
「快人くん、ちゃっかりしすぎなの」
「席を確保した俺に言う言葉か、それ。
俺に言うべき言葉は『ありがとう快人様』だぞ。
ほら、リピート!」
「アリガトウゴザイマス」
「…なーんか引っかかるんだが、まぁいいや。
ほれ」
そう言ってポンポンと席を叩く快人に、なのはは席に座ろうとしたが、何故か途中で快人に止められた。
「快人くん?」
「あー、悪ぃ、なのは。
よく考えたら俺ら健康的な若者じゃん? それにあの2人を観察するなら立ち見の方がいいよな?」
そう言う快人の視線の先には、立っている老夫婦の姿があった。
それだけで快人の言わんとすることを理解したなのはは何も言わず微笑み返して頷く。
日頃バカなことばかり繰り返す快人だが、年上や目上の人間にはしっかりと敬意を払うことは忘れていない。
なのはは、老夫婦に席を譲る快人を好ましく思いながら眺めるのだった…。
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シュウトとフェイトのたどり着いたのは遊園地だった。
カップルや親子連れで賑わいを見せている。
「うわぁ…!」
フェイトは周りのアトラクションや着ぐるみに目を輝かせた。
「フェイト、もしかして遊園地って来たこと無い?」
「うん。私ずっと時の庭園にいたから、こういうところで遊んだこと無くて…」
「そっか。 ならボクもフェイトの遊園地デビュー、しっかりエスコートしなきゃいけないね」
「お願いできる、シュウ?」
「お任せ下さい、フェイト姫」
シュウトはおどけながら大仰に礼をすると、フェイトはクスリと笑うとシュウトに返した。
「それじゃ任せちゃうね、王子様」
手に手をとって歩くシュウトとフェイトは、本当に王子と姫君の様に優雅に歩き出すのだった…。
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「…あいつ、ああいう台詞がよくスラスラ出てくるな」
「あれは、シュウトくんだから許されるんだと思うよ」
シュウトとフェイトの様子を見ていた快人となのはは、呆れながら呟いた。
すると、快人はなのはに振り向いて大仰に礼をする。
「なの姫様、今日はこの俺が素晴らしい休日をエスコートいたしましょう」
「…うん、30点」
シュウトを真似した快人に、なのははジト目で即座に辛口の点数を付ける。
「お前、この完璧な王子っぷりになんて得点を」
「快人くんがやっても全然似合わないから。
あっちは王子様っぽいけど快人くんは…チンピラ?」
「…はぁい姫君、教育のお時間で~す!」
「いはいいはいいはいの!!」
正直な感想を口走ったなのはに、快人は青筋を立てながらなのはの頬を引っ張る。
「まったく…見る目のない奴め」
「むしろなのはの見る目は正常だと思うの」
ぶつくさと文句を言う快人に、なのはは頬を擦りながらジト目で答える。
「まぁいいや。 ほら、行くぞなのは」
「はいはい、なの」
快人に呆れながらも、なのははぴったりと快人にくっつきながら2人の後を追うのだった…。
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アトラクションに乗ってショーを見て、楽しく午前中を楽しんだシュウトとフェイトはオープンカフェ型のお店で昼食を食べていた。
「スターレンジャース、面白かったね!」
「私はあのお人形がたくさん出てくるアトラクションが好き。
あとあのお化け屋敷もよかった。
あんな可愛いお化けならお持ち帰りしたいかも」
「ボクは夏の一件でお化けはこりごりなんだけど…」
「アレと一緒にしちゃダメだよ、シュウ」
2人は談笑しながら昼食を食べていく。
デザートのパフェを美味しそうにパクつくフェイト。
そんなフェイトの頬に、シュウトの指が触れる。
「シュウ?」
「フェイト…クリーム付いてるよ」
「あ、ありがとう…」
シュウトが指でフェイトに付いたクリームを拭き取る。
そして微笑みながら、シュウトは指に付いたクリームをペロリと舐め取った。
「ふふ…甘いね」
そんなシュウトに、フェイトは顔を真っ赤にした。
そしてしばらくの後…。
「うん、甘くて美味しいよ。 だから…シュウトも食べて」
そう言ってフェイトは、はにかみながらスプーンにパフェのクリームを掬い、シュウトの前に差し出した。
「はい、あーん」
顔を赤くしながら言うフェイトに微笑み、シュウトは言われるままにパフェを口にする。
「うん、おいしいね」
「そうでしょ? もう一口…あーん」
「あーん」
フェイトがパフェを食べ終わり、2人が席を立つまでそこには余人の近づけない甘ったるい空間が形成されていた。
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「「……」」
一方、快人となのはは同じお店のシュウトたちの様子がうかがえる席でテーブルに突っ伏していた。
「…アパム、塩だ。 塩持ってこい」
「誰がアパムなの。 ってそれならなのはが先」
2人はゲンナリとした顔で身体を起こした。
2人揃ってシュウトとフェイトの形成する甘い空間に、もうお腹一杯である。
「つーか、なんであんな行動がスラスラ自然に出来るんだあいつは?
お兄ちゃん、ちょっと心配になってきたぞ…」
「フェイトちゃん、『あーん』なんてすっごく大胆…」
お互いの弟と親友の何かが吹っ切れたような全力っぷりに、快人となのはも引き気味だった。
「とりあえず…俺らもメシにしよう」
「うん、そうだね。 でもご飯より先に…」
「いらっしゃいませ。 ご注文はお決まりですか?」
そのタイミングで、2人の席にやってきたウェイトレスに2人は同時に言ったのだった。
「「ブラックコーヒーください(なの)…」」
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シュウトとフェイトのデートは続き、様々なアトラクション、土産物屋でのショッピング、幻想的な夜のパレードと2人は楽しんでいく。
そして…閉園の時間が迫っていた。
パレードも終わり人がまばらに減っていく中、シュウトとフェイトはベンチに座り星空を眺める。
「綺麗だね…」
「うん。 星はいつだって、綺麗な光で人を見守ってるんだ。
それは守護星座とも言うけどね」
「流石、星座の闘士、
ねぇ、私にも守護星座ってあるのかな?」
「勿論だよ。 人は必ず星座を背負って産まれてくるからね」
「…造られた私でも?」
「…怒るよ、フェイト?」
「ごめん、シュウ」
顔をしかめたシュウトに、フェイトは慌てて謝り、2人は再び星を見つめる。
「フェイトの守護星座は分からないけど…少なくとも
「シュウ…」
「…思えばこんな星空だったなぁ。 リニス姉さんと誓ったのは」
空を眺めながらシュウトが脳裏に思い浮かべるのは、自分にフェイトを託し消えてしまった、姉と慕う女性の姿。
「あの日、リニス姉さんとボクの心に、『フェイトを守る』って誓いを立てて今までやってきたけど…何だかボクがフェイトを危険に巻き込んでるみたいだ」
「シュウ…その話は蒸し返さないで」
フェイトはシュウトの言葉に一気に不機嫌そうになる。
今日のデートは、ちょっと前にシュウトが同じことを言って怒ったフェイトのご機嫌をとるためのものだ。
それを蒸し返すのでは本末転倒である。
「…わかってるよ。
でもこの間の『邪神エリス』の一件を思うと心配でたまらないんだ」
『邪神エリス事件』にて、フェイトは本当に死にかけていた。
シュウトがあと一歩遅ければ、オルフェウスによって首を断たれ間違い無く死んでいた。
それを思うとシュウトは震えが来る。
だからこそ、彼女の身を案じての言葉だった。
だが、フェイトはそれを否定するように首を横に振ると、シュウトに向かって問い掛ける。
「ねぇ、シュウ。
シュウはもしリニスとの約束が無かったら、私を助けてくれないの?」
「そんな訳無い! フェイトを守るのは他でもない、ボク自身で選んだボクの意志だ!」
力強いその言葉に、フェイトは嬉しそうに頷くとシュウトを見つめて言葉を紡ぐ。
「だったら、言うね。
私、フェイト=テスタロッサはこれからもシュウと一緒に歩んでいく。
どんな困難があっても離れない。
どんな敵…神様が相手でも離れない。
幸せも喜びも悲しみも困難も…これからシュウの背負うものを私も背負っていく。
…これは私が選んだ私の意志。
私の意志は、シュウにだって止めさせない」
「…それで危険がふりかかっても?」
「危険を恐れてシュウから離れるのと、シュウの隣にいるかわりに危険な目にあうことだったら、私は迷わず後者を選ぶよ」
「…本当にフェイトは強いね」
『邪神エリス事件』にて、フェイトはシュウトの敵となるような存在たちの力をまざまざと見せつけられた。
その圧倒的な力を正しく理解し、それでも危険なシュウトの隣にいる事を選ぶ…それがどれだけの強さか、シュウトには想像すらできない。
「シュウ。 私はまだ、シュウに守ってもらうぐらいに弱い。
でも待ってて。私、強くなるから。
せめて…シュウが前だけを見て進めるくらい強くなってみせるから…」
そう言うと、2人は見つめ合い、フェイトは顔を赤くしながらシュウトの頬を触る。
そしてゆっくりと目を閉じながら、シュウトへと顔を近づけていく。
その時。
「にゃ!?」
「おぅわ!?」
背後の茂みが揺れ、ズデンと倒れこんでくる2つの影。
「おいなのは、お前なに倒れてんだよ!」
「快人くんが身を乗り出してなのは押しだされたの!
なのはのせいじゃないもん!」
「おまえなぁ!」
倒れながらも何事かを言い合っている2つの影。
「「…」」
シュウトとフェイトは揃ってその影に、絶対零度の視線を向けるのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~
快人となのはは転がったままいつも通りの言い合いをしながらも、内心では冷や汗がダラダラと流れていた。
それと言うのも、シュウトとフェイトの視線が今までに感じたことが無いくらい冷たいのだ。
(絶対零度…氷の闘技を極めたか…)
(バカ言ってる場合じゃないよ! シュウトくんもフェイトちゃんもアレ、本気で怒ってるよ!!)
(う、うろたえるんじゃない!
こういうときは素数を数えて落ち着くんだ!!)
(わかったの! 1、3、5、7、9…)
(落ち着けなのは、それは奇数だ!)
などと小声で会話を交わす快人となのは。
やがて、快人は意を決したように努めて明るく2人に話しかける。
「や、やぁ、2人とも! 奇遇だなぁ!」
「「…」」
努めてフレンドリーに話しかけるが、2人の視線は変わらず。
そして、シュウトの右手が動く。
「うごがぎゃぁ!?」
「きゃぁ!?」
快人が訳の分からない叫びと共に、なのはを抱きながら横に転がると軽快な音と共に地面に白い薔薇が無数に突き刺さる。
「おいシュウト、何しやがる! ブラッディローズは痛いじゃすまねぇぞ!!」
なのはを抱きながら立ち上がる快人の抗議の声に、シュウトは不気味なほどの笑顔で答えたのだった。
「うん、『痛い』じゃすまさないから安心して。 『遺体』になってもらうから」
「笑えねぇ! 全ッ然笑えねぇよ、それ!!」
「ふぇ、フェイトちゃん?」
「…」
いい笑顔で殺気を放つシュウトと、ハイライトの消えた瞳で無言のままのフェイトに快人となのはは戦慄する。
そして…。
「「ご、ごめんなさ~~い!!」」
それだけ言い残すと、快人は
「…まったく、兄さんは」
「なのは…」
シュウトとフェイトは呆れたようにため息をつくと、お互いに顔を見合わせ微笑む。
「帰ろっか?」
「うん」
そう言って2人は手を握り家路につく。
(私は強くなる。 シュウトの隣にいるために。
シュウトを支えるために今よりずっと…神様に負けないぐらいに!)
フェイトはそんな決意を星の光に込め、そんなフェイトを応援するように、空の星々は美しく輝いていた…。
今回はほのぼのとした完全日常回。
ブラックコーヒー片手に読んで頂けたら幸いです。
蟹なのはよく書いていたので、魚フェイ側の絆を強化する回ですが…強化の必要ありませんね。
最初っから絆値MAXでした。
次回からはついにA’S編に突入していきます。