インフルエンザで3日ダウン→上司の親の葬式→友人の結婚式→親戚の葬式
……2週間で起こるイベントの数じゃねぇぞ!
というわけで久しぶりの投稿です。
今回はかなり実験的な要素を含んだ内容……募集したオリジナル聖闘士の1人にスポットを当てた話になっています。
人から貰ったキャラを動かすのは始めてですので、まさに手探り状態。
ちなみに今回登場のオリジナル聖闘士ですが……。
俺「弟よ、というわけで小説に登場させるオリジナル聖闘士を決めようと思うんだが……」
弟「じゃ、とりあえずコレ」
俺「……やっぱりそれかい。
お前……本当に好きだなぁ、そのキャラ」
そんな感じで弟の鶴の一声で採用が決定。正直今までで一番難産でした……。
『終わりは新しい始まり』とはいうものの……ものには限度というものがあると思う。
事実、彼女が『終わり』から思ったことはそれだった。
薄れていく意識に消えていく自我。
ああ、これが『死』なのか……そう『死』を認識し始めた時だった。何かに引き寄せられるような不思議な感覚に、意識が見知らぬどこかを飛ぶ。
そして気が付いたときには……。
「凄い……何だかよく分からないけど……普通じゃないものが本当に呼べちゃった!」
彼女の目の前には、1人の少女が立っていた。
歳のころは12くらいと言ったところだろうか。赤と白のその服は民族衣装にも、宗教的な儀礼服にも見える。
そんな少女が驚いた表情で立っていた。
少女に状況を聞こうと口を開こうとしたそのとき、彼女は己の身体の違和感に気付く。そしてその身体を見渡せば、それはとんでもないものに変わっていたのである。
『もう3年以上も前の話になりますか……』
当時のことを振り返り、彼女は苦笑を漏らす。
そんな彼女の目の前には、この3年間を過ごしてきた少女が机に突っ伏していた。ドテラを来た少女は、白紙の参考書を前に面白くなさそうに腰まで長く伸ばした少女自慢の黒い髪を暇そうにもてあそぶ。
少女の年齢は15歳の中学3年生、1月も半ば過ぎのこの時期は受験のためにいそしむべき時期である。それがこの体たらく……彼女はため息交じりに言う。
『何度も言いますが……勉強しなくてはダメじゃないですか』
「んー、何だかやる気でない……」
彼女の言葉にも少女はどこの吹く風と、伸びをしながら天井を見上げる。
「何度言われても、何だかやる気でないのよ。
いい学校に入って勉強して……それが私のやりたいことに思えないよ」
『受験生がこの時期にそれを言いますか…』
「受験生だから将来を真剣に悩んでるんです~!」
彼女は呆れたように肩を竦め、少女は苦言する彼女に舌を出す。そして、少女は再び天井を見上げた。
「おかしいなぁ、『夢のお告げ』だと今日、人生を変えるほどの何かがあるはずなんだけど……」
少女にはある特殊な能力があった。それは『予知夢』、夢の中で未来を見る能力である。
とはいえ、その内容はひどく曖昧なもの。例えば『今日は何か良い事がある』など、具体的内容を伴わない非常に感覚的で曖昧なものなのだ。
しかし、その的中率はとてつもない。
彼女とてその『予知夢』のおかげで少女と出会ったのだ。少女が『今日、真面目に修行すれば一生の友人を得る』という『予知夢』を信じたおかげで、今こうして2人は一緒にいる。
『まぁ、あなたの『予知夢』が凄いことは知ってますが、間違いだってありますよ』
そう彼女は慰めの言葉を述べるが、その時だ。
ズドォン!!
「な、何!?」
『今の爆音のようなものは……裏庭あたりからです!』
その言葉を聞き、少女は跳ね起きると彼女を肩へと乗せて爆音のした方に走り出す。
そしてその発生源――裏庭に辿り着いた少女と彼女が見たものは……。
「これ……」
『これは……一体……?』
それは鈍い金属の輝きを放つオブジェだった。猫を模しているらしい。そんな正体不明の金属製の猫が、ジッと少女の方を見ている。
『……この『世界』にはこんなものがあるんですか?』
「ううん、私もこんなもの見たことも聞いたことない。でも……」
彼女の言葉に首を振る少女。だがその目は、目の前の物体にくぎ付けだ。
直感で分かる、これが『予知夢』にあった『人生を変えるほどの何か』だ。それを理解した少女は目を輝かせながら言ったのだった。
「何かすっごく面白いことが起こりそうじゃない!」
『厄介ごとの間違いじゃないですか、これ……』
少女の言葉に、彼女はため息交じりに答える。
その夜、彼女たちは自分たちの運命に出会ったのだった……。
~~~~~~~~~~~~~~~
日本、青森県むつ市。
そこをシュウトとフェイトは手を繋ぎながら歩いていた。
美少年・美少女のカップルに、待ちゆく人が振り返る。だが少女のその顔はとてもデートとは思えない、決して楽しそうな顔ではなかった。
それというのも、2人がここに来たのは遊びのためではないからだ。
話は昨日まで遡る。
昨日、
その捜索が、今回のシュウトとフェイト、そして快人となのはに与えられた任務だった。
「必ず見つけ出さないと……」
この話を聞いたなのはとフェイトは、この探索の任に気合十分だ。
一方、
その人物の正邪を確かめ、そして可能ならば
とにかく、
「それにしても……妙な気配のする街だね……」
シュウトは辺りを見渡して顔をしかめる。
それでも微量ながら
この街は街全体に奇妙な気配が漂っており、微量な
快人はこれを『匂いが強すぎて鼻が利かなくなった』と称していた。
『何の匂いなのか?』という皆の質問に快人は遠くを見つめながら答える。
「死の国、
日本最大級の霊山でもある恐山のふもとであるここには、そんな匂いが満ちていることを快人だけが正確に認識していた。
とにかく、
シュウトとフェイトは
「……ん?」
突然、シュウトが何かを見つめるように空を見上げる。
「どうしたの、シュウ?」
「今……妙な
「もしかして
「……いや、ちょっと違う。
でも、何だろう……ひどく懐かしい感じが……」
フェイトに答えながら、シュウトは首を捻り、そのわずかな感覚を追うようにゆっくり歩き始める。フェイトもそんなシュウトの後を追い進んでいく。
そして、導かれるように2人が辿りついたのは一件の和風邸宅だった。古さを感じさせる邸宅と重厚な門が、この家が由緒ある家であることを物語っている。
「大きな家だね」
「……間違いない、奇妙な感覚と
でも……どうしようか?」
門の前で2人は顔を見合わせた。
ここは人の家、理由もなく侵入することは立派な犯罪だ。もちろん2人とも一般人に気付かれることなく侵入する術は持ってはいるが、それは最後の最後、最終手段である。力があるからといって、それをおいそれと簡単に使うことの危険性を2人は正しく知っていた。だからこそ、2人は顔を見合わせてどうしたものかと首を捻る。
すると……。
「あれ? 私の家に何か用?」
声に振り返って見れば、そこには14~15くらいの少女が立っていた。この街の人間が見れば、それは地元の中学校の制服だということに気付いただろう。どうやらこの家の人らしい。
「あ、いえ、何でもないです」
シュウトは怪しまれないように慌てて取り繕おうとするが、その少女は2人をジッと、まるで品定めをするかのように見つめる。
「あの……何か?」
流石にその視線に妙なものを感じ取ったシュウトは、フェイトをかばうように立ちながらその少女へと視線を向ける。
すると、その少女は驚くべきことを口にしたのだ。
「しっかりしてそうな男の子と金髪の女の子のカップル……もしかして、あなた達シュウトくんにフェイトちゃん?」
「!? 何で僕たちの名前を!?」
その言葉に、一気に警戒を強めたシュウトは少し鋭い視線を送るが、それを向けられた少女は特に気にも留めた様子もなく続ける。
「なるほどね……。 どうやら『夢のお告げ』はまだ続いてるのね」
そう勝手に納得したようにウンウンと頷くと、少女は2人へと話を続ける。
「立ち話も何だから家の中で、ね」
そう言って少女は門を開けると、2人に振り返って言った。
「私の名前は猫山 霊鳴(ねこやま れいな)。
よろしくね、シュウト君、フェイトちゃん!」
振り返りざまに笑顔と共に名前を名乗る少女に、シュウトとフェイトは顔を見合わせたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~
「実はね、今日は『夢のお告げ』で凄いことが起こるって思ってたんだ」
屋敷を先導しながら2人は霊鳴の話を聞く。
どうやら彼女には先天的な予知能力があるそうで、『夢』という形で『何かしらが起こる』ことを知っていたという。
「レアスキルの一種だね。
この『世界』の人もなのはみたいに先天的に才能のある人は多いから……」
「でも、それにしたってボクたちの名前を知ってるのはおかしいよ」
説明を聞いたフェイトがレアスキルの一種だと結論付けるが、だとしてもシュウトとフェイトの個人名まで分かった理由としては薄い。それを指摘すると、霊鳴はカラカラ笑いながら答えた。
「名前を知ってたのは人から聞いてたからよ。
色々聞かせてもらったんだ、『時の庭園』の小さな可愛いカップルの話をね」
『時の庭園』という、普通ならばこの『世界』の人間が知りえない名前を出されたことにシュウトとフェイトは今日何度目かの驚きを隠せない。そんな2人を、いたずらの成功した子供のような、どこか猫を連想させる笑いを含んだ顔で霊鳴が見る。
「さぁ、着いたわ。ここが私の部屋。
ここに……2人のことを色々教えてくれた人が居るわよ」
その言葉にシュウトとフェイトは少しだけ緊張の面持ちでドアを見る。それというのも、自分たちのことを霊鳴に話すような知り合いに心当たりがまったく無いのだ。
第一『時の庭園』などの、この『世界』でない場所の話が出てくるぐらいに2人のことを知っているのは海鳴に住む友人や少数だけのはず。それらの人物と、目の前の霊鳴との接点がまったく思いつかない。
そんな風に2人が考えている中、霊鳴はそっとそのドアを開け放った。
「……?」
部屋の中は無人だった。
畳に机、そして桐のタンスと屋敷の外見にあった和風テイストながら、何の変哲もない年頃の少女の部屋である。どうにも部屋に馴染めぬ感じのぬいぐるみ達が若干浮いているのが御愛嬌か。
「ふぅ……ただいま!
この子たちでしょ、噂のシュウト君とフェイトちゃんって?
話に聞いてたからすぐわかっちゃたよ」
机にかばんを投げ出しながら霊鳴が、誰かに話しかけるように言う。
すると……。
『はぁ……いつも言ってるじゃないですか。かばんは所定の位置に。
そんなだからいつも朝出掛けるときになって慌てる羽目になるんですよ』
「「!?」」
頭の中に、誰かの声が響く。
それと同時に……。
「シュウ、あれ!」
「ぬいぐるみが……動いてる!?」
部屋の片隅に陳列されたぬいぐるみの一体、猫のぬいぐるみがトコトコとひとりでに動き出す。
それは確かに驚くべき光景だが、それ以上にシュウトとフェイトが驚いたことがある。
それはその声だ。この声は聞き覚えがある。
忘れ得ぬ人、そしてもはや手の届かぬ場所へと旅立ってしまった人の声……。
『……この姿で久しぶり、というのもおかしな話ですが……久しぶりですね、フェイト、シュウト』
「リニス姉さん!?」
「リニス!?」
その声の主に、シュウトとフェイトは今日何度目になるか分からない驚きの声を上げたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~
『イタコ』と呼ばれる存在がいる。
『イタコ』とは死んだ人間の霊を呼び出し、自分の身に憑かせることで死者との交信を行うという存在だ。
オカルトなどでは有名な存在であり、誰もが聞いたことぐらいはあるだろう。オカルトなテレビ番組で取り上げられたりもするため、その知名度は高い。
ただ、『魂』に精通する快人から言わせれば、それはほとんどが詐欺の嘘っぱちだという。
だが、一握りの『本物』も存在するのは事実だ。
快人に言わせれば、そういう一握りの『本物』は、『対象人物の残留思念をかき集めて言葉にする、いわば生まれながらの天然ものの
目の前の猫山 霊鳴(ねこやま れいな)も、そんな一握りの『本物』のイタコの一人だった。
「うちは代々続くイタコの家系でね、それでリニスを呼び出しちゃったってわけ」
『今の私は魂だけの存在らしく、こうしてぬいぐるみという新しい身体に宿っているのです』
そう霊鳴は説明をするが、シュウトとしては首を傾げざるを得ない。
死者の魂を呼び出しそれを長期間維持するなど、最高の
だが、それも2人の説明によって一応の納得をすることになる。
『私がここに呼び出されたのはあの瞬間……『死』の瞬間でした……』
契約が切れたことで存在を維持できなくなったリニス。その意識が完全に途絶えるその瞬間に、霊鳴によって呼び出されたのだという。
「その日も『夢のお告げ』を見てね、『今日、真面目に修行すれば一生の友人を得る』、っていう内容だったの。
その『お告げ』通りに修行をしてたら、いつもとは違う感覚でね。
リニスを呼べちゃったってわけよ」
要するにタイミングの話だ。
完全に死んだ者の魂は容易に呼び出せず、長期維持はできない。
だが、死ぬその瞬間の、『死んでも生きてもいない』瞬間の魂ならば別なのだ。
リニスは半死半生の絶妙なタイミングで、これまた絶妙なまでに相性の良かった霊鳴によって呼び出されたのである。
「何だか……どう反応していいのか……」
「ボクも同感だよ、フェイト……」
死んだと思っていたリニスが、魂だけの存在とはいえ残ってくれていたのである。
リニスを姉と慕っていたシュウトとフェイトにとってこれほど嬉しい話はないのだが……どうにも頭がついて行っておらず、どう反応していいか分からない2人だった。
そんな2人の様子を、霊鳴はカラカラ笑いながら言った。
「まぁ、そういうこともあるわよ。
現実に起こってるんだし、無理やりにでも納得しないと。 ね?」
「は、はぁ……」
笑いながらウインクする霊鳴にどう反応していいか分からず、シュウトはそう曖昧に頷く。そんなシュウトにウンウン頷くと、唐突に首を傾げて霊鳴が言う。
「あれ? 2人はリニスに会いにここに来たんじゃないの?
2人してウチに来る用事はそれくらいしか思いつかないんだけど?」
「実は……ボクたち探し物をしてまして。
リニス姉さんのことは完全に偶然なんです」
「探し物?
ああ……もしかして、『アレ』のことかな?
こっちよ」
シュウトの言葉に霊鳴は頷くと、ぬいぐるみ状態のリニスを肩に乗せてどこかに向かって歩き出す。
その後ろ姿を追うシュウトとフェイトは、そんな霊鳴とリニスの様子を見ながら自分たちの知らない絆が2人に出来ていることを知ったのだった……
~~~~~~~~~~~~~~~
霊鳴とリニスに導かれてやってきたのは、重厚な蔵だった。その中には、見るからに由緒正しそうな葛籠や箪笥に巻物、果ては鎧甲冑までもが並んでいる。
その一番奥に、それはあった。
青銅に輝く金属質の箱……間違いなく探していた
「これでしょ?
ウチの裏庭に大穴開けて降ってきたのよ。
穴埋めるの結構大変だったんだから」
「それはすみませんでした……」
そう愚痴をこぼす霊鳴に、ペコリと頭を下げたシュウトはそこでふと違和感に気付く。
「あの……これを運んだのって、霊鳴さんなんですか?」
「そうよ。 私以外にいるわけないじゃない」
さも当然のことのように霊鳴は言うが、それは凄いことだ。
そんな
無論、この場合後者である。
そのことを理解したシュウトは、
「霊鳴さん……お話があります」
シュウトは自分たち
突然の内容に、すぐには信じられないだろうとシュウトは思ったが、以外にも霊鳴は即答だった。
「いいよ。 その話、受けるよ」
「そんな即答でいいんですか?
「命の保証?
そんなもの、この世のどこにもないよ」
あまりの即答にいぶかしむシュウトに、霊鳴はカラカラと笑いながら答えた。
「うちの家は、代々続くイタコの家系でね、私は子供のころからその修行で『魂』たちと会話をしてきたよ。
だから分かる、『命の保証』なんてどんなふうに生きても、誰も、神様だって与えてなんてくれないのよ。
私が
でもね、だからこそ人は目の前にある最良の選択を選ぶ必要があるの。
いつ終ってもその『命』に後悔が無いように、ね。
それに、ね……」
そう言って、霊鳴は
「なんとなく分かるんだ、この子が私に『自分と一緒にいる道を進んで欲しい』って魂で叫んでることが。
『魂』の声を無碍にはしない……これは私のイタコとして叩き込まれてきたこと。
だから、今回もこの子の声を無碍にはしない。
この子の願う道……『
そう語る霊鳴に、どことなく兄である快人の姿がダブって見えた。
「霊鳴さん……あなたはボクの兄さんに似てますね」
「きっとそれは素晴らしい人格者なのよね、そのお兄ちゃんは?」
「まさか。 いい加減の権化ですよ。
でも……最高の兄さんです」
「それは私も『最高です』ってことでファイナルアンサー、ってことでいいのよね?
もう、可愛いんだから!」
そう言ってシュウトを抱きしめて頭をワシワシと撫でる霊鳴。
実は霊鳴は可愛いものに目が無い。
そんな霊鳴の感性から言って、いかにも真面目そうでからかい甲斐がありそうな少年のシュウトは大好物だった。
そして……。
「……む」
「ん、どうしたのフェイトちゃん?
もしかしてヤキモチ?」
「そんなんじゃありません……」
一切抵抗しないシュウトに不機嫌そうだったフェイトは、霊鳴の言葉にプイっとそっぽを向く。その分かりやすい『私、ヤキモチ妬いてます』という様子に、霊鳴は思わず噴き出す。
こういう可愛い反応の女の子も霊鳴にとってはどストライクだった。
「はいはい、フェイトちゃんもこっちおいで」
無理矢理フェイトまでも引き寄せて抱きかかえると、そのサラサラの髪をワシャワシャと撫でる。
古い蔵の中での、そんな珍妙な光景はその後しばらく続いたのだった……。
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とりあえず、詳しい話は
『いいんですか霊鳴?』
「ん? 何が?」
『決まってます、
風呂上がりの霊鳴に、ぬいぐるみのリニスが苦言する。
リニスは優秀な魔導士として、フェイトを鍛え上げた存在だ。そんな彼女からすれば霊鳴は戦いというものを甘く見すぎているのでは、との危惧があったのだ。
だからこその苦言なのだが、霊鳴の心は変わらない。
「言ったでしょ。
『明日の『命の保証』なんて何処にもないから、今出来る最良の選択をする』……私の人生哲学よ。
私は、この道が『最良の選択』だって思えるわ」
霊鳴は今まで『予知夢』に従い、最良の選択をしてきた。その結果がリニスと共にある今であり、それに後悔もなければ悔いもない。
今回だって同じだ。それに……。
「一回ぐらい逆らってみたいじゃない……」
実は霊鳴は『予知夢』で不吉なものを見ていた。
漠然とした『真黒な絶望』が津波のように迫る……そんなイメージの夢である。その正体こそ、今日シュウトたちによって話された十年後の『聖戦』だったのだ。
そのことが分かりすっきりした半面、嫌な気分にもなる。
何故なら『予知夢』の結果は、『逃げ場のない絶対的な絶望』というものだったのだからだ。今までの自身の『予知夢』の的中率を見るに、それはかなりの高確率で未来に待っている出来事だろう。
だからこそ、決意する。
「私はあの『夢のお告げ』を覆す。 『予知夢』を、外れさせる」
自身の信頼する『予知夢』を『外れさせる』ために……それこそが霊鳴の本心である。
そのことに一応の納得をしたのか、リニスは深いため息をついた。
『まったく……私が仕える相手は揃いも揃って、妙なところで頑固ですね』
「呆れた?」
『ええ。
これは今後も目を離してはいけないと再認識しました』
それは霊鳴の進む道に、今後もリニスは着いて行くということだ。
「……ありがとね、リニス」
『いいのです、霊鳴。
ところで質問なのですが……あなたはさっきから何を書いているのですか?』
リニスの指摘通り、霊鳴は机に向かいガリガリと何事かを書類に書いていた。
「ああこれ?
学校に提出する進路の書類よ」
そう言って掲げた書類にはデカデカとこう書かれていた。
『進路第一希望……
こうして、1人の
というわけで、応募をかけたオリジナル聖闘士登場編の第一弾。
今回は小次郎さんから頂きました『リニス憑依型山猫座聖衣の猫山 霊鳴』の登場でした。
リニスの生存についてはリアルでもかなりの数の要望があったのですが、あの段階での助けようがないため変えようがありませんでした。
ですがその後の『リインフォースの聖衣への魂の移し替え』という事例からその話がリアルでも再燃、送ってもらった聖闘士案と弟の鶴の一声で採用という運びとなりました。
小次郎さん、ありがとうございました。
今回で一端、オリジナルの闘士の募集は打ち切らせてもらいます。
皆さまたくさんの案をありがとうございました。
次回はオリジナル聖闘士登場編の第二弾。
パライストラの開校と、そこに集った聖闘士を目指す者たちの様子を描きます。
次回の段階でほとんど全員の第一期オリジナル聖闘士は登場の予定です。
次回もよろしくお願いします。