俺たち転生者 蟹魚復権活動中   作:キューマル式

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第05話 蟹、現状を確認する

「ふぁぁぁ…」

 

眠い目をこすりながら制服姿のなのはが通学路を歩く。

 

「よう、おはよう、なのは」

 

すると後ろからポンと肩を叩いて快人がやってきた。

 

「おはよう、快人くん」

 

「お前、眠そうな顔してんなぁ…」

 

「昨日、帰った後にいろいろあって…」

 

そう言って、なのはは困った顔をする。

なのはの高町家は、古流剣術である御神流剣術を継ぐ家系である。

その剣士である父士郎や、兄姉の恭也と美由希はなのはの深夜の外出に気付いていたのだ。

結局、帰宅をすると家族全員が揃っており説明を求められたわけだが、本当のことを言うわけにも行かず、誤魔化す羽目になってしまった。

普通は子供の誤魔化し、と追及されるところだが、なのはは特に嘘の追求をされることなく、注意だけにとどまっている。

その辺りは普段模範的な暮らしで培った信用が功をそうしたといえるだろう。

 

「で、あの妖怪イタチは?」

 

「ユーノくんなら、まだ怪我の影響があるからって私の家で寝てるよ。

 あと、イタチじゃなくてフェレットだよ」

 

「どっちもおんなじじゃねぇか。

 で、なんか説明したか、あいつ」

 

「説明も快人くんと一緒にしようって言って、何にも聞いてないんだ」

 

「ふぅん…」

 

なのはの言葉に納得したのか、興味なさげに答える快人。

 

「それより快人くん。快人くんの昨日のあれは…」

 

「ストップだ、なのは」

 

昨日の快人の力について聞こうとしていたなのはを、快人は止める。

 

「これからは学校の時間だ。

 いつも言ってるだろ? 『幸せも命も塵芥』ってな。

 今は穏やかな『学校』って時間だ。慌てなくても放課後には話してやる。

 だから…今はこの時間を楽しめ」

 

「…うん」

 

聞きたいことはたくさんあった。

何を聞こうと考えてもいた。

でも、そう言ってどこか寂しそうな快人を見ると、なのはは何も言えなくなってしまった。

昨日の力を見てなのはは分かった。

快人の『幸せも命も塵芥』という言葉はきっと、想像以上に重い。

だから言われるままに、今はその『幸せ』の一つである日常を楽しもう。

 

「なのは、快人、おはよう!」

 

「なのはちゃん、快人くん、おはよう」

 

「おはよう、アリサちゃん、すずかちゃん!」

 

手を振ってくるアリサとすずかに答えながら、なのはは手を振るのだった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

放課後、快人はなのはと共に高町家へとやってきていた。

 

「お邪魔しまーす…って誰もいないんだ」

 

「この時間だとお父さんたちは翠屋だから」

 

すると、2階からフェレットのユーノがやってきて2人を出迎えた。

 

「お帰り、なのは。 それに君も」

 

「出たな、妖怪イタチ」

 

「だからイタチじゃなくてフェレットだよ、快人くん」

 

どうもユーノを快く思っていないのか、若干棘のある快人の言葉になのはは苦笑した。

 

「さて、これで昨夜の関係者が揃ったみたいだな。 それじゃ早速…」

 

快人の言葉になのはとユーノが頷いた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「…って」

 

「げぇぇぇぇ、トキィィィィ!? なのは強キャラ使うのは反則だろ!」

 

「快人くんだって使えばいいのに…ところでなんで拳王さまでしゃがみ使わないの?」

 

「拳王さまは膝をつかないのでしゃがみはありません(キリッ」

 

「なんだって君たちはいきなりゲームしてるんだ!!」

 

目の前の惨状を前に、ユーノは思わず叫んでいた。

リビングで話をしようとしたところ、なのはが飲み物を用意しようと台所に行っている隙に快人がゲームを出して遊び始め、戻ってきたなのはがそれに合流してしまい今に至るのである。

 

「ご、ごめんなさいユーノくん。 つい…」

 

「つい、じゃないよ! もうこんな時間なんだよ」

 

いつの間にか時間は四時半、そうかからないうちに高町家の家族の誰かが帰宅するだろう。

これでは秘密の話も出来ようもない。

だが、そんな中快人はマイペースに言った。

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

「いや、問題大有りだよ君!」

 

地団駄を踏むフェレットという大変貴重なシーンを無視して、快人は言葉を続ける。

 

「わかったわかった、それじゃ始めるか」

 

「いや、その時間が無くなったから僕がこうして怒ってるんだけど」

 

その言葉に快人は笑う。

 

「時間ならあるさ。 たっぷりとな」

 

そう言って快人は胸元のネックレス、クロストーンを握り締めた。

 

「2人を俺の秘密基地に招待してやるよ」

 

「それはどういう…?」

 

「蟹座聖衣(キャンサークロス)よ、守護宮への扉を開け!」

 

ユーノの言葉をさえぎるように快人が言葉を紡ぐと、光が溢れる。

その光に思わずなのはとユーノは目を閉じた。

そして再び目を開けると…。

 

「ほぇぇぇぇぇ!?」

 

「ここは…一体?」

 

一変した景色に2人は驚きの声をあげる。

そこは白い石造りの柱が立ち並ぶ神殿のような場所だった。

 

「ここは蟹座の守護宮、『巨蟹宮(きょかいきゅう)』。 いうなれば別の空間だ。

 ここなら、誰に聞かれることもなく秘密の話ができるって寸法だよ」

 

「すごい! これが快人くんの魔法なの?」

 

「いや、俺は魔法なんて一切使えねぇよ。 その辺りの話もしてやるけど…」

 

「とりあえず何処かに座ったらどうだ、快人よ」

 

その声になのはたちが振り向くと、そこには白いローブのようなものを着込んだ老人の姿があった。

かなりの老人ながら、その眼光は衰えを見せてはいない。

なのははこの老人に何度か会ったことがある。

 

「えーと…清治おじいさん? 快人くんの遠い親戚だっていう…」

 

「久しいですな、なのは嬢。 お元気そうでなにより」

 

そう言って老人がなのはに会釈する。

 

「私の話はまた後で。 とりあえずは奥へ入りなさい」

 

そう言って老人―――セージに導かれ2人と1匹は奥へと入って行った。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

巨蟹宮の奥には祭壇のようなものの前に、椅子と机一式が揃えられていた。

 

「私は茶を用意しよう。 なのは嬢と座って待っておれ」

 

「わかったよ、セージじいさん」

 

奥へ去っていくセージを見送り、快人はなのはの方を見る。

なのはとユーノは祭壇に鎮座する黄金の蟹―――蟹座聖衣(キャンサークロス)のオブジェ形態を見ている。

 

「ほぇぇぇ、金色の蟹さんだ」

 

物珍しそうになのはがそれを眺めると、蟹座聖衣(キャンサークロス)が動き出した。

 

「う、動いた!?」

 

「そいつは意思を持ってるからな、自分で動けるんだよ」

 

恐る恐るという感じでなのはが蟹座聖衣(キャンサークロス)を撫でると、蟹座聖衣(キャンサークロス)は頭を垂れるように体を低くすると自身の甲羅を爪で指す。

 

「もしかして乗せてくれるの?」

 

その言葉に頷くように、蟹座聖衣(キャンサークロス)は体を上下に揺する。

はじめはなのはも戸惑っていたが意を決して蟹座聖衣(キャンサークロス)に乗ると、蟹座聖衣(キャンサークロス)が歩き出す。

 

「あは、あはは! 早い早い!!」

 

ガチャガチャと音を立てて歩き回る蟹座聖衣(キャンサークロス)をなのははいたく気に入ったようだった。

 

「ありがとう、蟹さん」

 

しばらくして蟹座聖衣(キャンサークロス)が元の所に戻って来てなのはを下ろすと、なのははお礼を言いながら蟹座聖衣(キャンサークロス)を撫でる。

すると蟹座聖衣(キャンサークロス)は満足そうに身体を震わせた。

そんななのはの姿を見ていた快人が、感心したように蟹座聖衣(キャンサークロス)に手を伸ばす。

 

「へぇ…蟹座聖衣(キャンサークロス)ってそうやって乗れたのか。 こりゃいい、今度俺も乗せてもらうか」

 

そう言って蟹座聖衣(キャンサークロス)に触れようとした瞬間だった。

 

ガチャン!

 

「ぎゃぁぁぁぁ! 蟹爪(アクベンス)、蟹爪(アクベンス)が腕にぃぃぃ!!」

 

快人の伸ばした右腕が蟹座聖衣(キャンサークロス)のはさみで挟まれていた。

 

「てめぇ蟹座聖衣(キャンサークロス)! 何しやがる!!

 さてはてめぇロリコンだな! 幼女の尻以外乗せる気はねぇっていうロリコンだろ!!

 って、もう片方のハサミを下げろ! 事実を言われて怒るな、やめろ!!

 ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「…何をやっとるんだ、このバカ弟子は」

 

お茶を用意して戻ったセージは目の前の光景にただただ頭を抱えるのだった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「では改めて自己紹介させてもらいます。 僕はユーノ=スクライア。こことは違う次元世界から来ました」

 

そう言ってユーノは説明を始めた。

ユーノはこことは違う、『魔法』という技術が発展した世界から来たという。

彼は遺跡発掘を生業としている部族のものだそうだ。

そしてある日、彼らの部族は古い古代遺跡の中から『ソレ』を発見してしまったという。

ロストロギア―――現在よりずっと発展していた古代魔法文明期の遺産の総称である。

現代の技術力では生成不可能な物品や、再現不可能な技術を指すものだそうだ。

彼の発見した21個のロストロギア、『ジュエルシード』は保管のために次元輸送船に積み込まれ輸送されていたが、その輸送船が事故か、人為的な災害のせいでこの地球―――もっと言えば日本にあるこの町…海鳴市へと散らばってしまったらしい。

 

「何とか1つめの『ジュエルシード』は封印出来たけど、そこで僕は力尽きて…それで、この世界の魔法の素質がある人に手伝ってもらおうと念話…魔力を使った会話で助けを呼んでみたんだ。

 そうしたら…」

 

「なのはがお前の声を聞いてやってきたってわけか…」

 

快人の言葉に、ユーノは頷いた。

 

「なのはの魔法の才能はすさまじいよ。 まさに『天才』って呼ぶにふさわしい才能を持ってる」

 

「そうなの? えへへ…」

 

「調子乗るな、アホタレ」

 

照れたように笑うなのはを、快人はこつんと叩いた。

 

「それで、その21個の『ジュエルシード』なるものはどう言った代物なのだ?」

 

セージに促され、ユーノは先を続ける。

 

「はい、『ジュエルシード』は手にした者の願いを叶えるいわゆる魔法の石です。

 ただ…とても不安定で、昨夜みたいに使用者を求めて暴走し、思念体となって周囲に被害を与えることもあります。

 たまたま手に入れた動物や人の願いを勝手にくみ取って発動することもある危険なものなんです」

 

「つまりたまたま拾った誰かが笑えないジョークで『世界なんて滅びちまえ』と思ったら、ホントに世界が滅びるってか?」

 

「それに見合う暴走が引き起こされる可能性は十分にあるね。

 あれの内包した魔力は次元震を起こすほどのもの。

 暴走すれば、最悪この世界が次元震によって次元の狭間に落ちて粉々に砕けてしまう…」

 

「そんな…」

 

ともすれば世界の破滅の危機というスケールの大きさに、なのはは声を失った。

 

「僕の目的は、21の『ジュエルシード』が害悪を及ぼさないように封印することです。

 でも今の僕の力じゃ、それはできません。 だからなのは、君に力を貸してほしいんだ。

 僕の渡したインテリジェントデバイス『レイジングハート』となのはの魔力があれば、『ジュエルシード』を封印できる。

 だから改めて僕に協力して欲しい。

 お礼なら必ずします。 僕も精一杯のサポートをするからどうかジュエルシードの封印に手を貸して、なのは」

 

「うん、もちろんだよ、ユーノくん!」

 

ユーノの言葉に、なのはは即座に頷いた。

 

「でもよぉ…何だって『封印』なんてまどろっこしい真似するんだ?

 封印なんて人のすることなんだから、封印をといて悪用しようって奴は必ず出てくるだろ。

 だったらまどろっこしいことは言わずに、昨日の俺みたくぶっ壊ちまえばいいんじゃないのか?」

 

「ロストロギアは古代魔法文明期の遺産、その歴史的・技術的な価値は計り知れないんだ。

 それらを解析することが出来れば技術の発展に繋がるから、おいそれと破壊なんてことは考えられないよ。

 それに…『ジュエルシード』はよっぽどのことが無い限り、絶対に破壊できないんだ」

 

快人の言葉に答えながら、今度はこちらの番といった感じでユーノが聞いてくる。

 

「今度は僕の方から質問させて欲しいんだけど、君には魔力を感じなかった。

 なのにあのジュエルシードを破壊したんだ。

 君の力に黄金の鎧にこの空間…この世界には魔法技術はないはずだ。

 だったらこの力は何なんだい?」

 

「あー、それは…」

 

「この力は小宇宙(コスモ)の力だ」

 

「「小宇宙(コスモ)?」」

 

説明しずらそうな快人に変わって、セージが答えるとなのはとユーノは揃ってはてな顔をする。

 

「小宇宙(コスモ)とは魂の力。

 己の内にある宇宙を感じ取り、それを高め燃え上がらせることで、空を裂き、大地を砕く闘法のことだ。

 そしてその力を自在に使い、星座の加護を受けた聖衣(クロス)…君らのいう鎧を纏って戦う闘士のことを『聖闘士(セイント)』と言う」

 

「小宇宙(コスモ)…それに聖闘士(セイント)…。

 すごい、そんな人たちが誰にも知られずにいるなんて!」

 

ユーノは感心したように言うが、快人はこの世界の聖闘士(セイント)は自分以外ではどこにいるかも分からない弟だけだと知り苦笑する。

 

「あれ、でも快人くん自分で『黄金聖闘士(ゴールドセイント)』って言ってたよね?

 普通の聖闘士(セイント)とどこか違うの?」

 

「聖闘士(セイント)の前の黄金(ゴールド)っていうのは纏う聖衣(クロス)の種類、言ってみれば聖闘士(セイント)としての階級みたいなもんだ」

 

なのはの言葉に快人はそう答え、セージが続ける。

 

「快人の言う通り、聖闘士(セイント)の纏う聖衣(クロス)には種類がある。

 まず最も下の階級の青銅聖衣(ブロンズクロス)。

 そしてその上の白銀聖衣(シルバークロス)。

 これらを纏う聖闘士(セイント)はそれぞれ青銅聖闘士(ブロンズセイント)、白銀聖闘士(シルバーセイント)という。

 そしてすべての聖衣(クロス)の頂点、黄道十二星座の加護を得た聖衣(クロス)こそ黄金聖衣(ゴールドクロス)、そしてそれを纏うことを許された最強の聖闘士(セイント)のことを黄金聖闘士(ゴールドセイント)と言うのだ。

 快人は黄道十二星座の一つ、蟹座の黄金聖衣(ゴールドクロス)を纏う黄金聖闘士(ゴールドセイント)なのだ」

 

「ってことは…快人くんって実は滅茶苦茶凄い人?」

 

「今更気付いたのか? 俺はいつだって凄い男だっただろう」

 

「いつだって変な幼馴染だったの」

 

「んだと、この!」

 

「いはいいはい! ほっぺ引っ張らないで」

 

ユーノとしては、なのはとじゃれあう快人を見ているとどうしてもそんな凄まじい人間には見えない。

だが、昨夜ジュエルシードを破壊した事実がその考えを改めさせる。

 

(もしかして…本気になったらどんな魔導士が束になっても敵わないんじゃないかな?)

 

そんな風にユーノは思うがそれは間違いであり、『本気にならなくても敵わない』という真実を知らないのは幸いなことだった。

セージはじゃれあう快人となのはに咳払いを一つすると、話を再開する。

 

「話を続けよう。 この空間『巨蟹宮』は蟹座の黄金聖衣(ゴールドクロス)の内包する別の空間だ。外界とは隔絶され、時間の流れすらも違う異なる世界だ。

 そして私は蟹座(キャンサー)の黄金聖衣(ゴールドクロス)が内包する魂の一つが快人の小宇宙(コスモ)によって具現化した存在、いわば蟹座(キャンサー)の黄金聖衣(ゴールドクロス)についた幽霊のようなものだ」

 

「幽霊!? 清治おじいさんって幽霊なんですか!?」

 

驚きの声をあげるなのは。

それと言うのも、授業参観や学校での用事のときには快人の保護者ということで着流しの和服のようなものを着て皆の前に現れていたからだ。

それが幽霊だったと言われても信じられるはずもない。

 

「小宇宙(コスモ)によって形作られた身体は、普通の人間と変わらぬように動くことができるのでな。

この身体でここにいる未熟な弟子を鍛えあげているというわけだ」

 

「ふん…」

 

そう言ってセージに頭を触られると、未熟と言われたことが不満なのか快人は鼻を鳴らした。

 

「して、今後のことだが、このような話を聞いては放ってはおけん。

 地上の愛と平和を守ることこそ聖闘士(セイント)の務め、未熟者ながらこの快人を協力させよう。

 なのは嬢は少々無茶をするところもあるからな、しっかり守るのだぞ。

 いいな、快人?」

 

「ふん、じいさんに言われなくたって最初っからそうするよ。

 まぁ、この俺が助けるんだ、大船に乗ったつもりでいろよ、なのは!」

 

「…泥船になりそうなの」

 

「はぁい、素敵なタワゴトを言っちゃってくれてるのは、このお口ですかぁ?」

 

「いはいいはい! 快人くんのイジワル!!」

 

じゃれあう快人となのはを見て呆れたように、だがどこか朗らかにセージが笑う。

この瞬間、黄金聖闘士(ゴールドセイント)快人と魔法少女なのはとのチームが結成されたのだった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

話すべきことを終え、『巨蟹宮』から帰還した快人、なのは、ユーノの3人。

 

「すっかり遅くなっちゃったね」

 

ずいぶんと長い時間『巨蟹宮』で話し込んでいたため、おっかなびっくりと言った感じでリビングに戻ったなのはだが、そこで異常気付いた。

今の時刻は4時35分、『巨蟹宮』に向かってからたった5分しかたっていなかったのだ。

 

「だから言っただろ、時間の流れが違うって」

 

『巨蟹宮』での1日は現実での1時間に相当するらしいが歳を取ったりすることは無いということ。ここで長い間、快人は聖闘士(セイント)としての特訓に明け暮れていたそうだ。

ユーノは未知の力に驚き疲れ、なのははただただ素直に感心する。

そこでふと、なのはは快人に疑問を口にした。

 

「…快人くんって、夏休みとか宿題なんてやらずに毎日思いっきり遊びまわってたけど、宿題忘れたこと一度もないよね。

 もしかして…」

 

「…最終日の夜、3時間あれば『巨蟹宮』で宿題余裕でした」

 

「あー、ズルい!

それ、どんなに遊びまわっても宿題やる時間が3日もあるってことじゃない!!」

 

「分かった分かった、今度の夏休み最終日は一緒に『巨蟹宮』使わせてやるから…」

 

「やったー!」

 

夏休みの敵への強力な対処法を手に入れて、喜ぶなのは。

快人に引っ張られてか、案外狡賢いなのはなのであった…。




設定再確認の回。
話は何も進んでないです…。
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