こんなの非日常   作:はなみつき

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やっと書く時間が取れました。
アリシアはミッドの学校に通っていることにしていましたが、私立聖祥大附属小学校に通っていることに変更しました。


番外戦

vsアリシア


公輝とアリシアと13話

 

 

「はぁ……まさかみんな失敗するやなんてな……」

「え?」

「そうだね……相手は強敵だったね」

 

 約一週間前、ここにいるなのはちゃんとフェイトちゃんと協力して作戦を立て、実行に移した計画。

 公輝誘惑計画。

 しかし、その結果は芳しくあらへんかった。あいつの恋愛対象が男なのか女なのかをはっきりさせる。万が一男だった場合は矯正するということを目的にした計画やったけど、ここにいる誰一人としてその目標を達成することはできへんかった。

 

「一体どうしたらよかったんや……」

「もっと積極的にアタックしなきゃいけなかったんじゃないかな?」

「あのー……」

 

 確かになのはちゃんの言う通り、押しが足らへんかったのかもしれへん。あいつのガードは鉄壁やから、それを崩すにはそれ相応の威力が必要やった。

 

「よし、次はもっと過激なアッピルであいつを誘惑するんや!」

「おー!」

 

 今後の方針も決まったことやし、次の機会に向けて計画を練ろう。

 

「……私は上手くいきそうだったのに……」

「「上手くいきすぎてたの!!」」

 

 実はこの中でフェイトちゃんは中々ええところまで行っとった。しかし、私となのはちゃんと協議した結果、フェイトちゃんのやり方はアウトと言うことになり、ストップを掛けて強制的に失敗と言うことにした。

 決して……決して!! あのままいくと二人が良い雰囲気になって、今回の戦術目標どころか戦略目標すら達成しそうやったから邪魔したわけやないんや!

 

「もう……あの後マサキにはっきりと聞こうとしてたのに……」

「フェイトちゃん、ごめんって」

 

 頬を膨らませて怒ってますアピールをしているフェイトちゃんになのはちゃんが困った顔で謝っている。

 

「はぁ……結局公輝はホモでロリコンなんやろか?」

 

 これをはっきりさせるだけやったのに、なんでこうなったとしか言えへんな。もうあいつに直接聞いてみたろか? そうするのが一番早い気がしてきたわ。ていうか、何で私はこんな回りくどい方法を取ろうと思ったんや。全くもって謎やな。

 そんなことを頭の片隅で考えながら、私たちは再び頭を悩まし始める。

 

「ホモでロリコンってどういう意味? 分からないことはお兄さんに聞いてみよう! お兄さーん」

 

 ん? 今の誰や。なんやフェイトちゃんの声に似とったような、やけどちょっと違うような?

 その誰かの声が聞こえた後、玄関の方からこんな話声が聞こえてきた。

 

「お兄さんってホモでロリコンなの?」

「ふぁー!?!?」

 

 

 

 

「はぁ……まさか店が休みとは……」

 

 今日は学校は休みである。学校の宿題もなく、管理局の仕事もないので、趣味に時間を費やそうと思ったのだ。ゲームセンターで一日潰そうと思ったのだが、改装のため閉店中とは想定外だった。

 

(今日は家でゆっくりしろという神からのお告げだ)

「そういうことかね」

 

 やろうと思ったことが何らかの理由で出来なかった時はこう考えるのが一番だ。

 

「あ! お兄さんだ! おーい!」

 

 家へ向かう道を歩いていると、そんな声を掛けられた。おれのことをお兄さんと呼ぶのは一人しかいない。

 

「やあ、アリシアさん」

 

 フェイトさんのお姉さんであるアリシアさんだ。

 

「アリシアさんは買い物?」

「違うよ。暇だったからお散歩してたの」

 

 なるほど散歩か。散歩はいいよな。物事が煮詰まった時に散歩をすると気が紛れる。おれも浪人時代よく散歩したものだ。散歩の先にあるカードショップに時間をごっそり持って行かれたのも今ではいい思い出。珍しいカード、持っていないレアカード、無駄に高価なレアカードは見ているだけで楽しいからな。

 

「そうか、じゃあ家来るか? 甘いミルクティーをご馳走しよう」

「やったー! お兄さんのミルクティー!」

 

 いやはや、これだけ喜んでもらえると振る舞う側としては嬉しいものだな。

 

(あ、マサキが幼女を家へ連れ込もうとしている)

 

 なんてこと言うんだリインさんは! おれは幼女を専門に狙う誘拐犯ではないぞ! 失礼な人だ、まったく。

 と、そんなこんなで八神家に到着する。すでに家の近くまで来ていたので正味五分もかかっていない。

 

「どうぞ、アリシアさん」

「お邪魔しまーす!」

 

 おれがドアを開けてアリシアさんを家の中へ促すと、彼女は走ってリビングの方へ向かっていった。その勢いで脱がれたアリシアさんの靴はバラバラになってしまっている。それを出船状態に揃えてからおれも靴を脱ぐ。

 

「ん? 誰か来てるのか」

 

 よく見るはやての靴と普段ここにはない靴が二足並んでいる。おそらくなのはさん、フェイトさん、すずかさん、アリサさんの内の誰かと言った所だろう。ちなみに、ヴォルケンズは全員揃ってミッドに行っているので、ヴォルケンズの靴はここにはない。

 おれもはやて達がいるであろうリビングに向かうことにする。向かおうとすると、リビングからアリシアさんが走って戻って来た。一体どうしたのだろうか。

 そんなことを考えていると、アリシアさんはとんでもないことを言い放った。

 

「お兄さんってホモでロリコンなの?」

「ふぁー!?!?」

(あっはっは! マサ、マサキが……あっはっはっは!!)

 

 一体……どうして……おれがホモでロリコンとかいう最強の矛盾の塊みたいなものであるという疑惑を掛けられているんだ? いかん! これは即刻弁明して認識を改めてもらわねば! ていうか、リインさん笑い過ぎィ!

 

「それで、ホモでロリコンってどういう……」

「いいか、アリシアさん」

「えっ」

 

 おれはアリシアさんの肩をガッシリ掴んで全力でお話する。

 

「おれはホモでもなければロリコンでもない。おれは女の子が好きだからな。世間一般の男子と同じように女性の好みもしっかりあるから。まず、髪は肩を超えるくらいの長さだ。ロングの女の子も可愛いが、おれの好みとしてはちょっと長いくらいの髪が大好きだ。癖っ毛よりはストレートの方が好きかな。そんで、次はおっぱい。おれも男の端くれであるから大きいおっぱいは一種の夢だ。大きいことは良い事だ。しかし、それは所詮夢だ。現実的に、結婚を前提にお付き合いする女性だということを考えると、BかCくらいがベストだ。そんでもってお腹及び腰周り。ぽっちゃりした女の子の安定感が悪いとは全く思わない。だが、やはりボン・キュッ・ボンという言葉があるように、おれもキュッ・ボンとなったのが好み。と、なんだかんだと言ったが、外見はそこまで重視しない。いや、一人の男の希望としてこうだったら良いなとは思うが、それだけで一生の伴侶を決めるような男ではないぞ。やっぱり、人は中身だからな。その人の内面をよく知ったうえで、おれはその人の事を好きになるだろう。あ、飯は美味いとなおいいな」

「あ、うん……」

 

 ……おれは何を言ってるんだ……

 いくら驚きの疑惑を掛けられて、テンパっていたとは言え、友達の女の子に自分の性癖を全力で語るというのは……これはただの変態ではなかろうか?

 

(ほーん、マサキはストレートのセミロングで、胸はBからC、お腹と腰はキュッ・ボンって感じで、性格が良くて料理が上手い女性が好みなのか)

 

 だあああああ! 上手くまとめやがって! 全くその通りだよこんチクショウ!

 

「アリシアさん。とりあえず、おれはホモでロリコンではないという部分以外は忘れてくれ」

「あ、はい」

 

 はぁー……こんな時は紅茶を飲んで心を落ち着かせるのが良い。うん、そうしよう。とりあえずリビングに上着を置いてこよう。

 

「うっ!?」

 

 おれはあることをすっかり忘れていた。今、この家にはおれとアリシアさん以外に三人の人物が居ると言うことに。

 

「はやて……なのはさん……フェイトさん……」

「……」

「……」

「……」

 

 正直、さっきのことを聞いていたのがアリシアさんだけだったら、そこまで深刻に考えてはいなかった。研究者としてものすごい才能を見せ、立場上フェイトさんのお姉さんのアリシアさんではあるが、精神面は歳相応のお子ちゃまだ。九歳の幼女に自分の性癖を暴露してもさして問題は無いだろう……あれ? それはそれで大問題な気がしないでもない。

 まあ、そんなことはどうでもいい。問題はおれと同い年の少女達に今の話を聞かれたという事だ。中学生の彼女たちは多感なお年頃。こう言った話題には敏感であろう。そして、おれみたいな割と近い位置にいる男が性癖を暴露するとどうなるか?

 嫌われるっ!

 

「今の話……聞こえてた?」

 

 そう言ったおれの声は震えていたかもしれない。

 

「髪はセミロング……」

 

 なのはさんが言う。

 

「む、胸はそこそこ……」

 

 フェイトさんが言う。

 

「料理上手……」

 

 はやてが言う。

 

「全部聞かれてたあああああああああああ!!!! うわああああああああああああああ!!!!」

 

 自分の部屋に駆けこんで、閉じこもったおれを誰が責められただろうか。

 

 

 

 

 結局、その後枕に顔を埋めて眠ってしまった。リインさんがあのことに関して一言も茶化してこなかったことからも彼女がどれだけ同情しているかが伺える。

 三十分程も寝ると、気持ちも落ち着くものだ。おれはさっきのことは全部夢だったと考えることにして、アリシアさんに約束のミルクティーを振る舞うことにする。

 リビングに向かうと、ミルクティーを所望するアリシアさん、いつもツインテールにしている髪を何故か解いているなのはさん、自分の胸に手を当てつつ、「髪切ろうかな……」なんて言ってるフェイトさん、料理雑誌をいつも以上ににらみつけているはやてがいた。

 

 どうでもいいけどフェイトさん、そんな綺麗なロングヘアーをばっさり切っちゃうのはもったいないと思う。




勝者:アリシア

次章、決戦編。お楽しみに!
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