こんなの非日常   作:はなみつき

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ちょっとエロいかな?まあ、問題ないでしょう。

今の時期に稼働しているナンバーズはⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの四人と言うことにします。

追記
プレシアさんが生きてるのにリンディさんのことをフェイトの母親としていたことを修正しました。


救出と返事と16話

 

 

 私はクロノくんのお母さんであるリンディ・ハラオウンさんと話している。

 

「ごめんなさいね、みんな……今すぐ動ける部隊は無いみたいで」

「いいえ! そんな。私たちが現場に向かうための手続きをこんなに早く済ませてくれただけで十分です」

 

 リンディさんは申し訳なさそうな顔で私に言ってくる。やけど、あいつの誘拐が判明してからリンディさんに相談したら、信じられへん早さで管理外世界への転移の許可や、救出作戦実行の許可を取ってくれた。

 残念ながら、今すぐ動ける武装隊はおらんようで、基本的に私、なのはちゃん、フェイトちゃんだけでやらなあかん。そして、ヴォルケンリッターのみんなにも同じことが言える。ヴォルケンリッターのみんなは最近管理局の仕事で一週間程別行動しとる。今からみんなを呼ぶには時間があらへん。

 

「今ではマサキくんはあなた達と同じように管理局にとって無くてはならない存在です。もちろん、それだけじゃなく私個人としても応援してるわ。がんばってね!」

「「「はい!」」」

 

 リンディさんの激励の言葉を受けて、私たちは様々な思いを込めて応える。

 

「現場での指揮を執る。なのはちゃん、フェイトちゃん。準備はええか?」

「もちろんだよ」

「大丈夫」

 

 リンディさんとの話を終えた私は二人に準備ができたかどうか確認をする。まあ、そんな必要はなかったようやけど。

 

「よし! 出撃や!」

「「おー!」」

 

 私たちの思いに対する返事をする前にいなくなるなんてのは絶対に許さへんからな!

 

 

 

 

「ちょっとついて来てもらいたい」

 

 スカリエッティはそう言い、椅子から立ちあがる。その場から動かない所を見ると、どうやらおれが動くのを待っているようだ。

 仕方ない、どうせ拒否権は無いんだ。おれは嫌な予感を抱きながらも彼に付いて行く。

 

「マサキくんは人間の子供は生後まもなく、視力0.02程と言うのは知っているかい?」

 

 コツコツと足音を鳴らしながら歩いていたスカリエッティは突然おれにそう聞いて来た。一体どういった意図があるのかさっぱりわからないが一応答えておく。

 

「確か、母親が赤ちゃんを抱っこすると、母親の顔がよく見える程度の視力……なんだったか」

「うん、その通りだ。マサキくんはこのことをどう思う?」

 

 今度はそのことに対しておれがどう思うか聞いて来た。やはり、彼がどういった意図でこの質問をしてきたのか分からない。

 

「どうって……よくできてるなーって?」

「そう! 生物と言うのはよくできているんだ!」

 

 両腕を大きく広げて、空を仰ぎ見るような動作をするスカリエッティ。その様子は後ろ姿からだけでもテンションが上がっていることが分かる。どうやらおれは奴のスイッチを入れてしまったようだ。

 どうもスカリエッティは生物、ひいては生命に関する話題になるとテンションが高くなる傾向にある。確かに、それを専門とする研究者であることを考えるとそれは自然なことではあるが、付き合わされる側からすると若干ウザい。

 

「その生物の行動に、体を構成する要素に、一見無意味に思える思考に。その全てに生物がより生き残るために必要なことを含んでいるんだ! では、その生物の生き残るための知恵。財産と言ってもいい。それらは一体誰から受け継がれるのか?」

 

 歩き続けながらもスカリエッティは話を続ける。それはまるで、先生が生徒に教えるように。

 

「それは親だ。では、その親は一体誰から? それはさらにその親からだ。こうやって、生物の財産は当代の個体へ連綿と受け継がれている。考えて見給えマサキくん。君の体を構成する細胞の一つ一つが君の祖先達からの贈り物なんだ。その才能(スキル)すらもね」

 

 長い廊下を歩き終え、おれは別の広い部屋へと案内された。目的地はそこだったようで、さっきまで背中を見せていたスカリエッティはこちらに向き直る。

 

「だから私は生物が本来持つ力を利用することにした。ポチっとな」

「なっ!?」

 

 スカリエッティが合図とともに、いつの間にか持っていた何かのスイッチを押す。すると、おれの後ろに板がせり上がり、おれはその板にバインドによって縛りつけられる。板はおれを縛りつけたまま90度回転し、台に寝かせられる格好となった。

 

「君の体細胞は私に何も語ってはくれなかったからね。そこで、君の性細胞に聞くことにした」

「は?」

 

 え? まさか……そんな。嫌だよ! よく知らない科学者におれの性細胞を提供するとか! だからと言って、知り合いの科学者に提供するのはもっと嫌だが。

 それに性細胞を提供するってことは……な、ナニをする気なんだ! この変態!

 

「体細胞クローンを作るのも手だが、これは時間が掛かるからね。とりあえずこれは後回しにすることにしたんだ」

「いや、そんなこと聞いてないから」

 

 スカリエッティは何がそんなに可笑しいのか、ニヤニヤと笑いながらおれに近づいてくる。おい、バカやめろ。近づくな変態。

 

「なに、君にとっても悪い話ではないはずだ。ギブアンドテイクだよ」

 

 そう言って「クックック」と奴は演技じみた笑いをする。ふむ、何かおれと取引をするという事だろうか。どんな好条件だろうと全部突っぱねてやる。

 

「ドクター、お呼びでしょうか」

「はーい、ドクター。何か御用?」

「やあ、来てくれたようだね二人とも」

 

 さっきおれ達が入って来た入り口から二人の女性が入って来る。一人はウーノさんで、もう一人は茶色の髪を後ろで二つに結び、丸メガネを掛けた見知らぬ女性だ。

 

「彼女の名前はクアットロ。仲良くしてくれ給え」

「あらあら、あなたが最近話題のおまぬけな先生ね。よろしく~」

 

 どうやら、クアットロと言う名の女性はおれと仲良くする気はないようだった。しかし、おれは彼女の姿をある人物とダブって見えていた。そのおかげというのだろうか? おれは彼女に対して悪い印象を持つことが出来なかった。

 

「近所の……おばさん!」

「なっ!?」

 

 クアットロさんの容姿は近所のおばさんの若い頃がこうだったといわれれば納得できる位には似ている。特に髪の広がり具合が結構近い所がある。

 あの人にはとてもお世話になったから、どうしてもそんな人にどことなく似ている彼女に悪感情は抱けない。

 

「うむ、どうやら二人とも仲良くなったようだね」

「ドクター、一度眼下へ行った方が良いかと?」

「む、そうかい? 視力が2.1なのが隠れた自慢なんだがね。クアットロがそう言うなら今度行ってみるとしよう」

 

 クアットロさんはウーノさんとは違って、スカリエッティに対してあまり遠慮はしない人のようだ。

 

「さて、二人が来たから話を進めよう」

 

 スカリエッティは話を再開する。そして、一息ついて奴はこう言い放った。

 

「マサキくんにはこの二人のどちらかとヤッてもらおうと思う」

「……は?」

 

 あれ? 聞き間違えたかな。ヤる? ……あー、あの「今日は皆さんに、ちょっと殺し合いをして貰います」って感じかな。時々殺すの隠語としてヤると表現されるしな。

 しかし、困った今はリインさんとユニゾンしていないから戦いなんてできないぞ。

 

「ん? ああ。安心し給え。彼女たちは私の最高傑作だ。完成度は折り紙付きだ」

「何も安心できねーよ!?」

「きっと気持ちいいはずだよ」

 

 Oh……どう考えても殺し合いではないよ。最高傑作とか、完成度とかいまいちよくわからない所もあったが、これは間違いない。スカリエッティは彼女たちを使ってR18的なことをさせる気だ。

 ちょっといいかもって一瞬でも思ってしまった。だけど仕方ないよね。だって、童貞だもの(直球)。

 

「……そ、そこの二人は嫌だよな! こんなよく知らない男とそんな事するなんて!」

 

 おれは苦し紛れに反論を行う。反論をするまでに少し間が空いてしまったのは気の所為だ。気の所為だったら気の所為だ。

 

「ふむ、二人はどうだい?」

 

 スカリエッティがウーノさんとクアットロさんにそう聞く。よし、これで二人が拒否すれば回避できるはずだ。

 

「ドクターがそうしろと言うのであれば私は構いません。私としてはドクター専用でいたいですが」

「えっ」

「私は嫌ですわ。こんな男なんて」

 

 ウーノさんは消極的承諾。クアットロさんは拒否。

 おかしいだろ。普通はクアットロさんの反応が正しいはずだ。

 て言うか、なんでスカリエッティはウーノさんの発言に若干引きながら疑問を呈しているんだ。ウーノさんとスカリエッティはそういう関係ではないのか? しかし、そういう関係だったとしたらスカリエッティは自分のパートナーを他の男と関係を持たせようとさせる変態になるぞ。やはり変態か。

 

「では、ウーノに頼むとしよう」

「やーめーろー!」

 

 おれはせめてもの反抗としてじたばたするが、おれを捕えるバインドはかなり固い。

 

「ドクター? 集合せよとのことでしたが、何かありましたか?」

 

 ウーノさんがこちらに歩いてこようとしていた時、再び入口の方から声が聞こえてきた。声の主は金髪長髪のこれまた綺麗な女性だった。

 

「おや? ドゥーエか。任務の方はどうしたんだい?」

「今日は休暇なので、久々に姉妹の顔でも見ようかと思いまして」

 

 その女性の名前はドゥーエと言うらしい。

 

「ちょうどよかった。ドゥーエはどうだい? 彼とヤッてみるかい?」

 

 スカリエッティはドゥーエさんにも聞いている。いやいや、女性にそんな聞き方があるかよ。しかも、そんな直球な聞き方で……

 

「いいですね。ヤります」

 

 即答だった。

 

「いやいやいやいや! 駄目だろ! もっと自分を大事にしろよ!」

 

 それよりも、彼女は何の話か理解してるのだろうか?

 

「ん? 何か勘違いをなさっていますね」

 

 ドゥーエさんは目を伏せ、まるでできの悪い子供に悟らせるかの様にこう言った。

 

「私、ショタコンなんで大丈夫です」

「なん……だと……」

 

 二度目の人生を歩み出してから、そういう行為を気にするようなことは一度もなかったから気付かなかったが……

 

「おれ自身が……ショタだったのか……」

 

 まだおれの年齢は十三歳。おれ自身が所謂ショタコンと呼ばれる人種の標的にされることなんて想像もしていなかったため、ほんの一瞬だけ頭が真っ白になってしまう。

 

「はーい、それじゃあ脱ぎ脱ぎしましょうね~」

「って!? や、やめろー!」

 

 その隙をつかれておれはドゥーエさんにマウントポジションを取られてしまう。

 やばい、このままではおれの貞操が……

 

「はーあ、下らない。私は自分の部屋に戻らせてもらいますわ、ドクター」

「おや? クアットロは見ないのかい?」

「興味ないですもの」

 

 ズボンに手を掛けてくるドゥーエさんに必死に抵抗していると、クアットロさんはそう言ってこの部屋を出る。

 スカリエッティよ、行為の一部始終を見るつもりなのか……全く、度し難いな。

 

「「「「え?」」」」

 

 クアットロさんは部屋を出て行った。いや、正確には出て行こうとした。ドアをくぐろうとした瞬間、ピンク色のゴン太ビームが研究所の壁と一緒にクアットロさんを貫いて行ったのだ。

 このビームは……なのはさんのスターライトブレイカー!

 

「何!? トーレに警戒させていたはずだが」

 

 トーレとは、おれが誘拐された時に、おれの後ろで脅して来た人の事だ。ウーノさんのような紫髪であるが、短髪の見た目武闘派の女性だ。

 

「モニターに出します」

 

 スカリエッティは今まで見せたことのない焦った表情をしている。ウーノさんは空間にいくつかのモニターを出し、研究所内を映し出して行く。

 その中の一つにバインドによって亀甲縛りにされ、適当に転がされているトーレさんが映った。

 

「この一見亀甲縛りだが、結び方が間違っている似非亀甲縛りは……はやてか!」

 

 おれははやても来てくれたことを知って安堵する。

 

「流石に彼女たちは強……」

 

 スカリエッティの言葉はそこで遮られる。なぜなら、おれの傍で立っていたスカリエッティが突然消えたのだ。

 スカリエッティが消える直前、おれは光を見た。それは金色に輝く電光だった。そんな、驚異的なスピードを実現する人をおれは一人しか知らない。

 フェイトさんも来てくれたのだ。

 だが、フェイトさんはこの場にはいない。おそらく、フェイトさんはその自慢のスピードを全力全開にしてスカリエッティに突っ込んだのだろう。そう、自身も止まることが出来ないスピードで。

 

「ドクター!」

 

 スカリエッティの身を案じて、ウーノさんがスカリエッティが飛ばされた方へ向かって行った。

 

「ドクター、これはいけません。私がつきっきりで看護して差し上げます」

「え? いや、そこまで酷い怪我では……」

「いえ、それはドクターの思いこみです。大丈夫です。全て私にお任せください」

「え、あ、ちょっ」

 

 声だけしか聞こえなかったが、スカリエッティはウーノさんにどこかへ連れて行かれた様だ。そのまま二人でよろしくやっていればいいよ。

 はやて、なのはさん、フェイトさんの三人が来てくれたという事は、おれの身の安全は保障されたと言うことと同義だ。

 

「な、な、な……」

 

 ドゥーエさんは今だに混乱しているようだ。おれの上で。

 なんでもいいから早くおれの上からどいて欲しい。

 

「デアボリックエミッション! ミニバージョン!」

 

 なのはさんのビームによって一直線に穴が空いた壁の先からはやての声が聞こえた。

 ……デアボリックエミッションって、すごい魔力の塊みたいなのが中心部から外周部への向きで衝撃が広がっていき、辺りを一掃する魔法だったよな。以前見せてもらったことがあるが、とてつもないものだったことは覚えている。

 思いだしてみよう。クアットロさんはなのはさんによって撃ち取られ、スカリエッティとウーノは二人でどこかへ行った。つまり、この場に居るのはおれと、おれに対してマウントポジションを未だ維持しているドゥーエさんだけだ。という事は、はやてのデアボリックエミッションはドゥーエさんに対して行使されたものと思われる。そもそも、個人に対して行使する魔法ではない。

 

「きゃああああああああああああああ!!!!」

「うわああああああああああああああ!!!! 鼻が! 鼻が削れるうううううううぅぅぅぅ!!!!」

 

 さっき、はやてはミニバージョンと言っていたが、おれとドゥーエさんの距離はとても近い。

 ドゥーエさんの上半身はデアボリックエミッションにすっかり包み込まれてしまった。そして、その魔力の塊はおれの鼻先まで来ている。

 怖すぎる。

 しばらくすると、デアボリックエミッションは消える。魔力ダメージを相当受けたであろうドゥーエさんは気絶してしまったようで、力を失くした彼女はおれが寝かせられている台から転がり落ちる。

 

「助かった……のか?」

「お待たせ、マサキ」

 

 おれは「ふう……」と、一つため息をする。それと同時におれを縛っていたバインドがフェイトさんによって解除される。

 

「ハムテルくん! 大丈夫やったか!」

「公輝くん! 怪我はない!」

「フェイトさん、はやて、なのはさん……ありがとう」

 

 本当に……本当にありがとう……

 もう少しでおれはまだ肉体年齢的に昇っちゃいけない階段を昇るところだった。

 そうだ、感謝をしなければいけない人がもう一人いたんだった。

 

「リインさんもありがとう」

(どういたしまして、マサキ)

 

 それははやてとユニゾンしているリインさんだ。彼女がこの三人を連れて来てくれなかったらと思うと……

 

「じゃあ、帰ろうか」

「待って」

 

 色々あり過ぎて疲れたおれは家へ帰ることを提案したが、はやてがそれに待ったを掛ける。

 

「ほんまやったら、ハムテルくんも疲れとるやろうから、また今度にしたかったんやけど、もう私たちは我慢できへん!」

 

 はやてはどこか追い詰められた様子でおれに訴えてくる。おれはなのはさんとフェイトさんの事を見る。どうやら言葉にはしないが、彼女たちも同じ意見らしい。

 ……どうやら、先延ばしにすることは出来なさそうだ。

 おれは誘拐されても、あのことを考えることをやめたわけではなかった。しかし、誘拐という思わぬ事態に直面し、おれはそのことを頭の片隅に追いやっていたのも事実。

 だが、やはり答えなければいけないのだろう。

 

「返事……か」

「うん」

 

 はやても、なのはさんも、フェイトさんも、そしておれも。この場にいる全員がそれを望んでいる。

 

 この場に静寂が包み込む。

 

 ここでおれが答えを先延ばしにしても、彼女たちはまだ待ってくれるかもしれない。ああは言っているが、彼女たちはおれに考える時間をもう少しくれるだろう。

 

「おれは……」

 

 だけど、事態の先延ばしはおれ自身も望んではいない。それはあまり良い選択肢ではないから。もちろん、だからと言って適当な選択をするわけではない。

 なぜなら、答えはとうに決まっているんだから。

 決まったのはいつだろうか。もしかしたら、彼女たちに思いを告げられる以前から無意識の内に考えていたかもしれない。

 どちらにしろ、もう考える時間は……必要ない!

 

「おれは」




はやてがわざわざデアボリックエミッションを使ったのは公輝くんに対する嫌がらせの意味もちょっとだけ込められてたり。
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