最後の聖杯戦争はアーチャーで、凜ルートのつもりです。
これから出来る限り頑張ります!
とある観測機の思考
――万能の願望機、ムーンセル・オートマトン。
ムーンセルによって行われた、勝者には数多の願いを叶えるムーンセルを手に入れる権限を与えられる――通称、聖杯戦争。
過去に英雄として謳われた存在を、自らの従者(サーヴァント)として召喚し、己の剣として聖杯戦争を勝ち抜いていく。
無数の人間が挙って参加した聖杯戦争の勝者は、人間ですらない、かつて地上に生きていた少女の残滓(NPC)。
それは、ムーンセルにとって観測するに値するイレギュラーだった。
月の聖杯戦争には、ヨーロッパを席巻していた王や、才能に満ち溢れたテロリストの少女、アトラスのホムンクルス、黒い暗殺者、多種多様な人物が参加していた。
それらの強敵を、何もないはずの最弱のマスターがサーヴァントと共に倒していったのだ。
それはなんて、可能性が広がるのだろうか。
ムーンセルは何度も聖杯戦争を繰り返した。
もし、助けた少女が赤いテロリストの少女ではなくアトラスのホムンクルスだったら?
もし、彼女の手をとったのがセイバー/アーチャー/キャスターではなかったら?
もし、彼女が自我に目覚めなかったら?
もし、途中で敗退したら?
何度も何度も―――それこそ、気が遠くなるまでムーンセルは彼女の消滅直前でその魂を拾い上げ、何もないNPCとしてそのまま聖杯戦争に叩き込み。
ありとあらゆるifを観測したい、というのが行動原理だった。
その結果、彼女は繰り返しの聖杯戦争で様々なサーヴァントと契約をした。
赤い暴君、紅い正義の味方、青い呪術師、女傑の船乗り、新緑の狩人、仮初めの黒、黒い吸血鬼、真祖の姫君、朱い暗殺者、蒼い槍兵、暴虐の狂戦士、白い騎士、吸血アイドル、金色の英雄王。
彼女が始まりの聖杯戦争で戦ったサーヴァントたちをはじめとし、
青い騎士王、紺碧の魔女、紫の魔眼、双槍の美丈夫、狂乱の騎士、他にも数多く――彼女のループは繰り返された。
だがある時ムーンセルは思考する。
彼女が関係するほぼ全てのifは観測し終わった。
ならば、消滅する間際にムーンセルの端末として契約させればいいのではないか。
元より彼女はNPC。
本来そこに有るけれど、無いもの。
――とある少女は無いものを有ると言ってくれた事を喜びとし、その愛で月を焦がした。
有るけれど、無いもの。
それは、観測に適しているとしか言い様がない。
そうと決まれば、早速行動を開始する。
適した世界をシミュレートし、観測端末として適した形へと作り替える。
その際に、多少ムーンセルへの接続権限やその他諸々がついてしまうが観測さえ出来ればムーンセルにとってそんな事些細に過ぎなかった。
■■■
私は沈んでいく。
ムーンセル。
私の親とも言える、願望機に。
だが、後悔はない。
私の本体は眠り続けているが生きていて。
エゴで助けた彼女次第ではあるが、彼女の性格ならば恐らく私ではない‘わたし’を助けてくれるだろう。
サーヴァントも、しっかり彼女に任せた。
少し悔しいが――彼女なら。
きっと幸せにしてくれるだろう。
そうして私は目を閉じて、未来を夢想する。
――失われたものへの追悼はあるけれど なに、地球が無くなったわけでもない。
道があるのなら、自分はきっと歩いていける。
願いに、目的に貴賤はない。小さくとも、一つだけであっても、叶えたい願いを持って歩き続ければ、最後に、大きな花を咲かすだろう。
それが、ついには自分をここまで連れてきたように。
心配はない。現在(そこ)には変えて行こうとする人々がいて。大切に思える人がいる。
一緒に、同じ時を生きていく事が出来る。一緒に進んでいく事が出来る。
ああ――それはなんて待ち遠しい、希望に満ちた――
そうして、私は―――――
ムーンセルの観測結果、平行世界■■■■が条件一致。
観測端末、キシナミハクノを霊子変換。
3
2
1
。
……………送り込み成功。
ではこれより、キシナミハクノを軸に観測を開始します。
■■■
「ここは………何処だ?」
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英霊の過去人物とはあまり関わり合いにならないようにやっていきます。
そもそも別世界ですからね
(。´Д⊂)
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