予知tube   作:DasaiOsamu

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平日

僕には未来が見える。

 

4秒間目を閉じる。

 

頭の中で右ポケットに入っているiponを取り出し

 

画面に出てる再生ボタンを押す。

 

すると何度も何度も同じような動画が頭の中のiponで超速再生される。

 

 

同じような動画が何度もループ再生される。

 

 

全て同じ動画では無い。

【同じような】未来の動画だ。

 

動画の長さは自分の精神状態で変わる。

 

 

精神状態が良い時は動画を長く見れる。

今までの最長5分

 

 

精神状態が悪いと一瞬だ。

今までの最低2秒

 

僕の自論だが、ほぼ間違いないだろう。

 

だが、未来が見えても大した事は出来ない。

 

転ぶ人を助けたり、転ぶ人にぶつかる友人を助けたり、目の前の食べ物を友人がどれから食べるかをズバリ言い当てたり、テレビのCMを先読みするとかその程度だ。

名付けて予知tube…どうだ。

 

ネーミングセンスを疑え。

 

この予知tuberになったのは小4の春だ。

 

だが誰に言う訳でもなく今まで過ごしてきた。

 

別になんとなく言わなかっただけだ。

 

僕は今、普通の高校2年生で、思春期のピークに達しようとしていた…

 

2016/8/4 16:38

 

この日、僕は109の横を通り飛脚のような勢いで道玄坂を登っている。

 

女子高生、女子大生、女子oo生、女、女、女…

 

半端じゃなく良い匂いだ!

 

香水とか化粧品の香りではなく

女性フェロモンの香りだ。

女性フェロモンを吸収し、

僕は男性ホルモン全開で走っている。

 

この坂が世界の果てまで続いているとしても、果ての果てまで走れる!

 

 

…そんな気分はさておき17:00から道玄坂交番すぐ近くのコンビニでアルバイトのシフトが入っている。

 

 

そして今日はバイト先の通りを挟んで

正面に位置する牛丼屋で最近アルバイトを始めた僕のマドンナ的存在!!【橋本さん】

改め【ブルボンちゃん】がもう間も無く私服で到着するのだ!!

 

坂を3分の1登った。

ここで何かあっては嫌なので

予知tubeを予習する…

僕が

・坂の途中で転ばない事

 

・フレッシュですバーガーの前で

空き缶を蹴とばさない事

 

・キャッチのお兄さんを無視しない事

 

・女子高生のパンチラを凝視する事

 

以上4点を心掛けてコンビニまで辿り着けば

”あいつ”が到着の後【ブルボンちゃん】を拝めるみたいだ。

 

 

・男性ホルモン全開効果で転ばすに。

 

・フレッシュですバーガーの前の空き缶を拾ってゴミ捨て場にスローイング。

 

・キャッチのお兄さんを2秒手伝い。

 

・パンチラをガッツリ見て…ピーーーーー。

 

お釣りが返って来るほど完璧に坂を登り、バイト先に到着した。

 

僕はバイト先の入り口右手に位置する

以前までゴミ箱が置いてあったスペースで時が来るのを待った。

 

 

「おーい。オミー。」

”あいつ”の到着だ。

 

 

遅くなったが僕の名前は

「未末孝臣」

ミマ タカオミ

 

尻を取って「オミ」

顔はイマイチで…

千葉県出身で…

私服も普通だ。

あえて言おう、僕はイマイチなのだ。

 

 

そして今、坂を上りながら僕を呼んでいるのは昔からの親友

「灯 洋次」

ともり ようじ

頭と尻で「トモジ」

イケメンで…

帰国子女で…

私服がすこぶるダサい。

 

惜しい。

 

トモジは惜しいのだ。

ちなみに、”あいつ”だ。

 

 

「オミがまたブルボンちゃん見てるー!!」

 

 

「なんだよ!……今日もハイセンスだな。トモジ君!」

 

煙たかったので少し揶揄してやった。

ちなみに今日のトモジは緑のパーカー

下は紫のスウェット、赤のスニーカーだ。

緑のパーカーには袈裟の様に右下がりで

「Go shopping」と書いてあった。

ある意味眩しい存在であり恥ずかしい存在でもある。

 

「でしょ。」

トモジは勝負事や他人と自身の比較などに興味がないタイプの人間で、揶揄など無意味だ。

張り合いがない。

自分がイケメンだからって見下しているのか?イライラする。

 

…このような感情を10年近くほぼ毎日抱いていた。

 

トモジが牛丼屋を見て言った

「ブルボンちゃんまだ出勤してないじゃん!」

トモジが来たから

そろそろブルボンちゃんが来る!

今し方の苛立ちとブルボンちゃんが来る興奮をトモジにぶつけるように言った。

「うるせーな。もう来るんだよ!!ほら!!」

向かいの牛丼屋に熱い眼差しを向けた。

 

 

牛丼屋の脇の道から小走りで

大通りに向かってくる女の子がいる。

目の保養とは正にこの事なのだろう…

 

首元までのショートカット

 

美しい黒髪

 

透き通るような白い肌

 

ちょいダサい私服

 

もうパーフェクトだ!

 

ブルボンちゃんは生に限る!

決して変な意味では無い。

 

ほぼ予知tubeで見た通りの展開だ。

 

 

この後トモジが目を見開いてデカい声で言う

「ブルボンちゃん私服ダサ!」…それに関しては僕も同意だ。

文句も言わないし、ツッコミもしない。

 

この先はバイトなので予知tubeの予習はしていない。

 

気が滅入るからだ…

 

 

トモジ「ブルボンちゃんの私服ダサいなんて言わないよ。」

 

 

オミ「え?…」

 

 

続く

 

 

 

 




ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。
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