魔法少女リリカルなのはViVid~レディアントマイソロジー~   作:薄茶

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あらすじ02~記憶喪失?~

side:三人称

 

 

あの後、駆け付けたカリムの判断で不思議な少年、カノンはもといた聖王教会の一室に戻された。そしてすぐにユミルとカリムはカノンに医師の検査を受ける事になった。結果、健康状態や精神状態などに異常は見られず、健康その者であった。…………の、だが。

 

 

 

「記憶喪失……ですか?」

 

 

「はい。言葉や文字、一般的な物の使い方などに関しては大丈夫なのですが……ここ最近に起こった事件や出来事について、ミッドにいれば誰もが知ってる事はおろか、自分の事ですら覚えていないらしいんです」

 

 

 

カノンは自分の事を一切覚えてはいなかった。医師からの診察結果に驚くユミルをよそに、そのカノン自身はのんきに先程カリムから渡されたフランスパンひと切れに黙々とかじりついている。

 

 

 

「それに、気になることがもう1つ」

 

 

「ッ……他にも、なにか?」

 

 

「はい。ですがこんなケースは我々からしても異常で、一体どう伝えれば良いのか……そうですね、物凄くかいつまんで話せば……カノン君には、『感情』と言われる物が欠けているように感じます」

 

 

「……は?」

 

 

 

医師の言ったことが理解ができず、ユミルの口から思わず間抜けな声が出た。その様子を見た医師は予想通りの反応だったのか、困った顔で苦笑を漏らした。

 

 

 

「あ、その……すみません」

 

 

「いえ、貴方の反応が普通なんです。誰だってこんなこと言われてもすぐに反応なんてできませんから」

 

 

「は、はぁ……でも感情がないって、一体どんなことなんですか?」

 

 

「言葉通りの意味です。喜んだり怒ったり、悲しんだり……私達が何気なく思ったり感じたり出来ることをカノン君は気づいていないと言うか、感じていないと言うか……検査のときもそうですが、嫌がったりもせずにただ黙って私の質問を聞いていたんですよ。返事は頷いたり首を振ったりしていただけたのですが」

 

 

「そ、それは……治る、と言ったらいいんでしょうか? それとも元に戻ると言うんでしょうか? とにかく感情を出す方法はあるんですか?」

 

 

「そればかりはどうにも……。カノン君が何かしらのショックを受けてこうなったのか、元々こんな性格なのか。こちらも判断しかねます。せめてもう少し彼に色々とお聞き出来ればいいのですが、先程いった通り彼は記憶喪失ということなので……」

 

「そう、ですか……」

 

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 

 

 

「それでは私はこれで……なにも出来ず申し訳ありません」

 

 

「いえ、こちらこそこんな朝早く来ていただいて…▽ありがとうございました」

 

 

 

聖王教会からそう言って出ていく医師の背に向かって

深々と頭を下げるユミル。その横にはフランスパンを食べ終えたカノンもいて、いつも通りの無表情で去っていく医師を見つめている。

 

 

 

「……さて、それじゃあ私はお仕事に戻るから、悪いけどカノン君はさっきのお部屋にいってもらってもいいかな?」

 

 

「……」

 

 

 

ユミルの返事に小さく頷くカノン。「道に迷ったら近くにいる人に帰り道聞いてねー!」と伝えると、ユミルは急ぎ足でその場を去っていった。

 

 

 

「……どっちだったっけ?」

 

 

 

そう呟いてカノンもゆっくり歩き出す。

しかし彼が進んだ道はユミルに指示された部屋ではなく、全く別方向の道だった。しかしカノンはそんなことに気付くこともなくふらふらと歩き続けた。

 

 

 

……5分位たったであろうか、カノンは聖王教会の中庭から少しはずれにある森林を歩いていた。ユミルやほかのシスターならいざ知らず、記憶喪失であるカノンがここから部屋に戻る方法などわかるはずもなく、また迷っている事さえも知らずに森林を進む。

 

 

そしてたどり着いたのは、彼が最初に見つけられた世界樹であった。その木の根もとにはなぜかノートを手にしたユミルの姿も。

 

 

「……ん? え!? カノン君、どうしてここに? もしかして部屋の場所わからないの?」

 

 

その言葉にゆっくり頷くカノン。部屋の場所はわかっていても、その行き方がわからなければ当然部屋につくこともできるはずがない。

 

 

 

「う~ん、どうしようかなぁ……カノン君を部屋につれていきたいのは山々なんだけど、私もお仕事があるから……誰か他の人をよんd……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《…………ほう、まさか目覚めてからこうも早く人と会えるとは》

 

 

 

「ッ!? 誰!!?」

 

 

機械じみた、そして少しエコーのかかった声が回りに響く。ユミルは持っていたノートを投げ捨て、とっさにカノンを自らの背後に隠し回りを警戒する。

 

 

 

《そう警戒しないでほしい……我々も目覚めてからそう時間が経っていない。我々はそなたらに話を聞きたいだけなのだ》

 

 

「我々?(……もしかして、狙いはこの子?)あなた達、話が聞きたいと言うのなら私たちの前に姿を表しなさい!! 『スカイランナー』!」

 

 

《承知》

 

 

 

スカイランナーと言われた彼女の首にかかっている白色の正方形の石が付いたネックレス……『デバイス』が光り、彼女の右手に薙刀の形をした武器が握られる。その薙刀の切っ先を回りに向け、警戒を続ける。

 

 

 

《元からそなたらのまえに姿を見せる予定だったのだが……わかった、すぐそちらに行こう》

 

 

 

先程の声がそう響くと、前方の林から何かが出てきた。

ガサガサと騒ぐ音に向かって薙刀を向けるユミル。

しかし、出てきたのはユミルが思っていたものとはまったく似ても似つかぬものであった。

 

 

 

「ぇ……デバイ……ス……? なのはちゃんのレイジングハート見たいに、浮い……てる……」

 

 

《ほう、我々の事を『でばいす』と呼ぶか。いや、そなたらから見たら我々の姿はそう見えるのであろう》

 

 

林から出てきたのは水色の六角形の形をした小さな石であった。

 

 

 

「えっと……あなたの……名前は……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《……おっと、名を名乗るほうが先か。我々の名前は『ニアタ・モナド』。見てくれは少し変わってはいるが、なに、すぐに慣れるだろう》

 

 

 




以上、第2話でした。

色々とキャラクター増えましたね。まぁなのはViVidの原作キャラは未だカリムと、名前だけですがシャッハだけですから。

今回はスキットなし、『こんなスキットが見たい!』とか、ほか誤字脱字などありましたら遠慮なく感想欄にお書きください。では今回はこの辺で失礼します。
それでは~。
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