とある製薬会社に務めていた研究員のヤケクソ日記   作:色々残念

24 / 85
モイラの隠し武器のKATANAは鬼武者1の主人公明智左馬介の刀らしいです

 月 日

ジェイク君に提供してもらった血液を元に作成した最新の抗ウイルス剤は、現存する全てのウイルスだけではなく未知の新種であろうともそれがウイルスであるならば効力を発揮する代物だ。どんなウイルスだろうと、およそ一時間は進行を抑えられる。その間に感染者からウイルスを採取し、あらゆるウイルスに耐性を持つジェイク君の血液を元にワクチンを作成すれば、どのような相手でも助けられるだろう。

 

「オフクロが世話になってるから無償でいい」とジェイク君は言っていたが確りと報酬は支払っておいた。

 

きみの血液にはそれだけの価値が有る。

 

また頼むぞ、ジェイク君。

 

 

 月 日

 

世界中に散らばる部下達からの報告でアレックス・ウェスカーの所在地はザインと呼ばれる孤島だという事が判明した。

 

この情報をセルゲイに流す前に一度、正確な情報であるか私自身で確かめておきたい。部下達を信じていない訳ではないが、更なる確証が欲しい。

 

実際にザインへ潜入してみるしかないか。

 

 月 日

 

ザインの採掘場で遭遇した見るからに様子がおかしい女性へ新型抗ウイルス剤を投与してウイルスの進行を抑えている内に、血液を採取してから船までフックショットを駆使して急いで戻りワクチンを作成。そして再びフックショットを用いて女性が待つ採掘場に到達し、彼女にワクチンを打ち込んだ。

 

そうしてようやく容体が落ち着いた女性に話を聞く事が出来た。女性の名はイリーナ・レビック。

 

どうやら1970年代の終わりに唯一の産業である石炭を掘り尽くして困窮する島にアレックスが乗り込んできて、新薬の研究所と称して巨大施設を建造し、島民を雇い入れはじめたそうだ。

 

島民の殆どがアレックスをザインを救う救世主だと考えていたらしいが、イリーナの父親であるエフゲニーは疑いの目を向けていた。そのせいで島民の殆どから厄介者扱いを受ける父にイリーナも反発して、アレックスが造り出した鉱山の新施設へと働きに出る事になったが、そこで彼女は父が正しかった事を知ることになる。

 

毎日毎日採掘場に運び込まれる人間の死体、それらを研究者達が実験材料として継ぎ接ぎの怪物を造り出していく。そんな有り様を目撃してしまった彼女は何とか逃げようとしたが研究員に何かを打ち込まれてしまい意識が朦朧としていながらも何とか辿り着いた採掘場で私と出会い治療を受けたといったところか。

 

アレックス・ウェスカーは此処ザインに間違いなく居るようだな。

 

 月 日

船で待っていろと言っても着いていくときかないイリーナを仕方なく連れて島内を散策中に人型の異形達に襲われた。

 

餓えた獣の様な凶暴性を剥き出しにして跳びかかってきた異形を大口径の拳銃で撃ち落とし、武器を持った異形の腕を撃ち抜き、取り落とした得物を拾い上げて異形の脳天に振り下ろす。鉄の仮面を被った屈強な肉体を持つ異形が振り回す両手持ちの巨大な凶器を避け、鉄の仮面以外の部位を狙い弾丸を撃ち込む。膿疱状の物体で全身が覆われた異形は動作が緩慢だが此方へ近付く度に肉体を風船状に膨らませて最終的には爆発するので近付かせずに撃ち倒す。

 

私が倒した異形が落としていたレンチを拾ったイリーナも異形を打ちのめして怯ませていたので、顔に手を当てよろめき怯んだ相手に上段廻し蹴りを叩き込んでおく。

 

そんな事を繰り返して十分も経過しない内に掃討は完了した。

 

彼等も実験の被害者だったのだろうな。

 

 

 月 日

 

ウイルスの影響なのか数十倍のサイズにまで発育したオオウデムシが集団で襲いかかってきたが、弾の節約の為にナイフで全て始末。その後にずだ袋を頭に被せられ背中に棘が刺さった犬が三頭も跳びかかってきたので、その内の一頭の頭部にナイフを突き立ててやり、くたばった一頭の死体を盾に二頭の攻撃を受け止め。ナイフを抜き取り二頭へ死体を放り投げ、死体を避けて足が止まった一頭の眉間にナイフを投げ放ち、突き刺さったそれの柄に後ろ廻し蹴りを叩き込み更に深々と刺し込んでやる。残り一頭となった犬の跳びかかりながらの噛み付きを蹴り上げて宙に浮かせ、左腕義手で頭部を掴み機械仕掛けの万力の様な握力で握り潰しトドメを刺した。

 

犬は嫌いじゃあないんだがね。

 

 

 月 日

 

下水道で生存者の男性を発見。その男性はイリーナの父親であるエフゲニー・レビックであった。どうやら此処で自給自足の生活をしていたらしい。よそ者は嫌いなようで私には対応が辛辣だったが、娘のイリーナには弱かった。

 

とりあえず島を出るようイリーナに説得してもらった方が得策だろうな。

 

 月 日

 

相変わらず私はエフゲニー氏に信頼されてはいないが娘に言われて仕方なくといったところで同行を承諾してくれた。この島に居るまともな人間はアレックスの関係者以外ではこの父娘だけだ。

 

エフゲニー氏は肺を患っているようだ。早急に入院が必要だろう。

 

 

再度襲いくる異形の群れを蹴散らし、私達は船でザインを後にした。

 

 月 日

入院を拒む頑固なエフゲニー氏をイリーナに説得させて何とか入院させる事に成功。次は君だとイリーナも一応入院させる事にした。あたしは元気だから大丈夫と言っていたが大丈夫じゃあなかったと私は思うので強制的に入院させておこう。

 

父娘仲良く入院しておきなさい。

 

 月 日

 

ザインの情報をセルゲイの手の者にアレックスが独自に研究を続けている事も添えて流す事にした。これでセルゲイはザインに向かうだろう。

 

さて、どうなるかな。

 

私もザインに向かうとしよう。

 

 月 日

 

島内を散策中各所に幾つか仕掛けておいた隠しカメラの映像から推測すると、セルゲイは30体を越える「暴君」をザインへと投下したようだ。そしてアレックスを粛正する為に自身も孤島に降り立ったらしい。あの純白の防護コートを着て笑みを浮かべた「暴君」は間違いなくセルゲイだな。

 

アレックス側は島民を実験体として使用して生まれた異形や、バラバラにした死体を継ぎ接ぎにしてウロボロス・ウイルスを投与した怪物の量で勝るとも個体としての質がセルゲイの用意した「暴君」には圧倒的なまで劣っており。このままでは質が量を圧し潰すのも時間の問題だ。

 

敵同士が潰し合うのは構わないが一方だけが潰されては困る。双方が互角に潰れてくれるのが理想的だが、世の中そう上手くはいかないか。

 

アレックスにこの状況を覆せる切り札が無ければ、戦いはセルゲイの勝ちで終わるだろう。

 

私がこのまま何もしなければの話だがね。

 

まずは多すぎる「暴君」の数を減らす事から始めようか。

 




ネタバレ注意

人型の異形
アフリクテッド
アレックスによってTーPhobosウイルスを投与され拷問を受けた被験体
恐怖によって発症するTーPhobosウイルスの変異発症者
ウイルスのもたらした細胞活性化で常人を遥かに超える耐久性を有しているが、思考を司る脳機能はほぼ破壊されてしまっており、人間としては既に死んでいるに等しい

噛み付いてきたり手に持った武器で攻撃してくる

鉄の仮面を被った屈強な肉体を持つ異形
アイアンヘッド

アフリクテッドの中でも特に屈強な肉体の持ち主を素体として生み出された
島内には古くからの鉱石の採掘場があり、そこで労働に従事していた男達がウイルス実験に用いられた

こいつの攻撃を喰らうと80%の確率で出血する

膿疱状の物体で全身が覆われた異形
スプローダー

アフリクテッドの体内に異常発達を遂げた粘菌が入り込み、増殖した状態の変異体

此方へ近付く度に身体を風船状に膨らませて最終的に爆発するので近寄らせないように倒した方が良い

オオウデムシ

主に熱帯に分布する蜘蛛の仲間で、第一脚がアンバランスなほど長大なことからウデムシの名を持つ

ナイフの一振りで死ぬ
もっとも弱いクリーチャー

ずだ袋を頭に被せられ背中に棘が刺さった犬
オルトロス

TーPhobosウイルスを投与され発症した大型犬

押し倒されて13回噛み付かれると即死させられる

バラバラにした遺体を継ぎ接ぎにしてウロボロス・ウイルスを投与した怪物
レヴェナント

行動を司るのは人の脳ではなく人体を苗床に増殖したウロボロス・ウイルスそのものであり、この増殖能力を持ったウイルスの核を破壊しない限り動きを止める事は出来ない

火炎ビンで燃やしてやるのが効果的


イリーナ・レビック

リベレーションズ2では彼女の遺書しか発見出来ない

エフゲニー・レビック

リベレーションズ2のエクストラエピソード1でアシストキャラクターとして操作出来る

下水道に隠れ住む老人

頑固者


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。