とある製薬会社に務めていた研究員のヤケクソ日記   作:色々残念

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テイロスを倒したクリスとジルは凄い

 月 日

「ネオアンブレラ」の構成員達は総統であるカーラ・ラダメスを失おうとも活動を続けていた。カーラの望んだ世界の混沌を巻き起こす為に「ネオアンブレラ」の構成員達は世界各地で大規模なバイオテロを引き起こそうとしているようだ。世界規模のバイオテロなど実行に移されては堪らない。私は世界中に潜ませている子飼いの諜報工作員達と連携してその計画を事前に頓挫させる事にした。

 

決行の日時や行われる場所にバイオテロの内容に加えて「ネオアンブレラ」の拠点等の詳細な情報を世界各地のBSAAに送り届けてから、諜報工作員達に命じてバイオテロの際に使用されるであろう「ネオアンブレラ」の拠点内の車両やヘリ等を全て爆破して移動手段を徹底的に破壊する事で足止めをしている内に、BSAAを拠点に踏み込ませて「ネオアンブレラ」を一網打尽にするように仕向けた。

 

アンブレラの名を持ちバイオテロを画策する組織がBSAAに警戒されない訳が無い。思っていたよりも早くBSAAは動いてくれたようだ。これで「ネオアンブレラ」の計画は破綻した。

 

 月 日

BSAAに世界各地の「ネオアンブレラ」の構成員達をバイオテロを目論んだもの達として捕らえさせる事に成功。全ての構成員が捕まった訳では無いが「ネオアンブレラ」壊滅に向けて更に一歩進んだ事は間違いない。潜入させている部下もそろそろ「ネオアンブレラ」から離脱させるようにしなければいけないな。大切な部下が巻き添えを喰らう様な事があってはならない。

 

追い詰められた「ネオアンブレラ」の構成員達が何を仕出かすかは予想がついている。突発的なバイオテロ活動を行なうつもりだろう。しかし個人が出来る事はたかが知れている。大規模なバイオテロを仕掛ける事は不可能だ。だからといって野放しにしていい訳じゃあない。散り散りになった「ネオアンブレラ」の構成員達は見つけ次第処理する必要が有る。

 

「ネオアンブレラ」の構成員達はカーラ・ラダメスの狂信者の集まりであり、世界に混沌を巻き起こす為ならば何でもやる連中だ。例え自らが犠牲になるとしてもやり遂げる覚悟を持っていると想定しておいた方が良い。

 

 月 日

ネオアンブレラの構成員を複数人追い詰めたが、奴等は自らにCウイルスを投与してサナギと化し、瞬く間に完全変異種となって襲い掛かってきた。巨大な蛇型BOWイルジヤとなり外皮の色を変化させて周囲の風景に身体を溶け込ませて死角から此方を狙う奴も居れば、小型の蜂が密集して女王にあたる個体を覆い隠し人の姿を形成しているグネズドだけではなく、いびつなカラスを思わせる漆黒の体躯を持つメセツ、エリマキトカゲの様な姿を持つストゥレラツ等に「ネオアンブレラ」の構成員達は姿を変えていた。私は強化型アンチCを装填したアンプルシューターを懐から取り出して此方へ腹を見せて垂直に立ち上がり針を射出しようとしているストゥレラツに向けてアンチCを撃ち込んだ。

 

一発で倒れ込み消え去るストゥレラツ。上空から急降下して此方に掴みかかろうとするメセツに再装填したアンチCを射出するとメセツが瞬時に死亡する。風景と同化したイルジヤの攻撃を避けながらグネズドに懐のホルスターから抜き取った拳銃を発砲し女王にあたる個体を露出させてからアンプルシューターでアンチCを女王に強制投与してトドメを刺す。長い身体で巻き付こうとしてくるイルジヤをフックショットで躱し、大きな口を開けて噛み付こうとしてくる赤く光るイルジヤの口内へ強化型アンチCを発射してやり息の根を止めてやる。

 

今回の事を考えると自らにCウイルスを投与してバイオテロを引き起こそうと考える「ネオアンブレラ」の構成員が現れるかもしれんな。

 

 月 日

この前の様にCウイルスを自らに投与されては無駄に手間がかかるので「ネオアンブレラ」の構成員達は狙撃で処理するようにした。セミオートスナイパーライフルで頭を連続で撃ち抜いてやり、数人の「ネオアンブレラ」の構成員達を永遠の眠りにつかせてやる。徐々に数を減らしていく「ネオアンブレラ」の構成員達。奴等が突発的なバイオテロを引き起こす前に手早く始末していく。狙いは一つも外さずに確実に仕止める。

 

今日だけでかなりの数の「ネオアンブレラ」の構成員を仕止めて、残された奴等の数は後僅かだ。だとしても油断せずに注意深く相手をしなければならない。自身の身を省みず捨て身の行動をしてくる可能性が有るからだ。自分の命よりも「ネオアンブレラ」総統のカーラの望んだ世界へ混沌を巻き起こす事の方を優先する奴等が何か仕出かす前に始末しなくてはいけないな。

 

後少しで「ネオアンブレラ」を根絶やしに出来る。最後まで気を抜かずにいこう。

 

 月 日

今日漸く最後の「ネオアンブレラ」の構成員を始末出来た。BSAAに捕らえられた連中以外を全て処理するのは中々に骨が折れたが労力に見合う結果は出せた。これで世界規模のバイオテロを画策するような輩が居なくなってくれると此方は大助かり何だが、そう上手くはいかないだろうな。未だ厄介な連中は山程残っている。真に賢しい連中は闇に潜み好機を伺っているようだ。セルゲイにアレクシアも不気味なまでに動きが見えない。次に何を狙っているのか動きが読めないのはアレクシアだ。セルゲイの狙いはアンブレラの再興という事は解っているが、その為に何を仕出かすかが判明していないのが問題だな。

 

セルゲイとアレクシア以外にも油断ならない組織は数多く存在する。積極的にバイオテロを引き起こそうとする「ネオアンブレラ」が壊滅したとしてもこの世からバイオテロを引き起こす組織が消えた訳ではない。既にCウイルスは世界中にばら蒔かれている。これからもカーラ・ラダメスの造り上げたCウイルスは使われ続けるだろう。しかし大小様々な組織が有るがCウイルスを用いて世界を滅ぼす様な計画を企てた組織は流石に「ネオアンブレラ」位だったようだが。

 

「ネオアンブレラ」を壊滅させる事が出来て本当に良かった。野放しにしていたら世界がどうなっていた事やら。どう考えても録な事にはならなかっただろうな。

 

 月 日

全身が装甲で覆われた簡易版の「T-A.L.O.S.」の様な「暴君」が買い物帰りの私の元に現れた。振るわれる「暴君」の拳を避けながら大型自動拳銃であるL・ホークで装甲の一点を集中して狙う事で食い込んだ弾丸を徐々に押し込んでやる事で遂には孔を穿ち、装填した「デイライト」を穿孔したその孔からアンプルシューターを押し当てて投与してやり「暴君」を打ち倒した。厄介な装甲ではあったが何とか孔を穿つ事が出来た。この「暴君」を送り込んできた奴は間違いなくセルゲイだろう。送り込まれたのが一体だけだったのは、私に対して有効であるかどうか確かめる為か。次が有るとすれば複数体が用意されるな。念の為にアンチマテリアルライフルでも用意しておくとするか。

 

そうと決まれば急いで商人の元へ向かうとしよう。セルゲイの次の一手が此方へ辿り着く前に対抗手段を手に入れておかなければいけない。買い物帰りにまた買い物に行く必要が有る日だったという訳だな今日は。まあこんな日も有るか。一応財布も確認したが予算は充分にある。買うものを買って今度こそゆっくりと拠点に帰ろう。

 

帰り道でまた襲撃されないように祈っておくとしようか。それでも襲撃された時は戦うしかないのだがね。

 

 月 日

想定していた通り現れた複数体の装甲を身に纏った「暴君」達の強靭な特殊合金装甲をギターケースから取り出したアンチマテリアルライフルで同じ箇所に弾を撃ち込む事で手早く孔を穿ち、穿たれた孔からアンプルシューターで「デイライト」を投与してやり「暴君」を処理する。用意しておいた備えが機能して助かった。暫く動きが無かったセルゲイがまた私を狙い始めたという事は私が必要となる何かを行おうとしているのだろうか。それが何なのかはまだ解らないが到底録な事ではあるまい。スペンサーの望むウイルスに適合した「資格」あるもの達だけが生きる新世界とやらに関係しているのかもしれんな。

 

スペンサーにとってアンブレラとは始祖ウイルス研究の為に作られた「器」に過ぎず、例え「器」が砕けたとしても中身が無事であれば何の問題もないと考えていたようだった。しかし今新たな「器」をセルゲイが造り上げようとしているが、肝心の中身がどうなっているのかは判別が出来ない。既に始祖ウイルスの秘密は暴かれており、始祖花も全てアレクシアに焼き払われた。始祖ウイルス研究が出来る環境であるとは思えんな。セルゲイの造り上げた新たなアンブレラがスペンサーの望むアンブレラであるとは限らない。

 

新世界創生の野望を抱いたまま死んだ筈の男であったスペンサーだが、本人ではなくとも精神と記憶を複写された肉体でセルゲイが生きていたのだから、スペンサーも身体を変えて生きている可能性がある。

 

自らが選定した「資格」あるものであるアルバート・ウェスカーに殺害されたのだから、大人しく死んでいてもらいたいものだな全く。

 




ネタバレ注意
イルジヤ
バイオハザード6に登場
イルジヤとは東欧の言葉で幻影を意味する
蛇の様な外見をしており、外皮を周囲の風景と同化させる事が出来る
深手を負うと擬態できなくなるが外皮が著しく硬化する

グネズド
バイオハザード6に登場
東欧で巣を意味する名を冠するクリーチャー
女王にあたる個体と周囲の蜂は感覚神経を共有しており、一糸乱れぬ統制された行動が可能
その反面、女王がいなくなると周囲の蜂も全て消滅する

メセツ
バイオハザード6に登場
東欧で月影を意味する名を与えられたクリーチャー
いびつな見た目に反して高い知能を有しており、巨大な翼を駆使して宙を自在に舞い、爆発物などを用いて攻撃する

ストゥレラツ
バイオハザード6に登場
名称は東欧の言葉で射手を意味しており、素早い動きから攻撃対象を正面に捉え、体内で生成した針を飛ばす

テイロス
バイオハザードアンブレラクロニクルに登場
コードネームT-A.L.O.S.
タイラントの発展形でコード後半は以下のような意味を持つ
Armored Lethal Organic System
装甲化、致死的制圧、生体システム
タイラントをベースに、コンピュータと無線接続されたチップを脳に埋め込み動作を完璧にコントロールしている
循環器系を人工臓器によって強化し、生物とは思えない機動力を持つ
体表を特殊合金装甲で覆い、ミサイルや銃器への残存性を飛躍的に向上させると同時にt-ウィルス組織の暴走を拘束
さらに遠距離戦闘用に銃器を携帯でき、人型でありながら重戦車にも負けない、破壊力、防御力を持つ
テイロスとはギリシア神話に出てくる青銅の巨人を意味する
第二形態では装甲が剥がれ直接コンピュータと接続して同化し、レーザーや触手で襲い掛かってくる
クリスとジルによって倒された

スペンサー
バイオハザード5に登場する人物
オズウェル・E・スペンサー
莫大な富を保有する貴族の出身で、製薬会社アンブレラの総帥として絶対的な権力を誇っていた男
アンブレラが消滅したあとは、数々の犯罪行為を指示した責任の追及から逃れ、世界各地に用意されていた隠れ家のひとつにて、老いさらばえた姿で隠棲生活を送っていたがアルバート・ウェスカーに居場所を突き止められ
再会したウェスカーを前に、果たせなかった野望を語り、死期の迫った己の肉体を呪うスペンサーをウェスカーはその手で胸を貫き殺害する

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