ネギま!で斬魄刀   作:こごろう

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第一章 魔法世界編
第一話


——ヘラス帝国。

 

闘技場にて二人の男が向かい合う。

 

一人は褐色の肌を持ち、身の丈二メートルを越す大男。

もう一人は腰に刀をぶら下げた少年だ。

 

「さあとうとうこの時間がやってまいりました! 本日のメインデッシュ、ジャック・ラカンVS五木大和! これまでの戦績は大和選手の全勝! ラカン選手は今日こそ雪辱を晴らすのか!?」

 

その司会者の言葉を聞き、大男−−ジャック・ラカンはニヤリと笑う。

 

「そういうことだ。今日こそ今までの借りを返してやるぜ」

 

「……くそっ、毎度毎度めんどくさい筋肉ダルマだ」

 

闘気に満ち溢れたラカンとは違い、大和の顔にはやる気のかけらもなかった。

 

(これでコイツと戦うのは何度目だっけか、嫌な奴に目を付けられたな)

 

「それでは、試合開始!」

 

「っしゃあ! 行くぞコラ!」

 

チンピラのような声を上げて突っ込むラカン。

体格は子供と大人ほど差がある。勝負など目に見えているが、

 

「相変わらず荒っぽい拳打だ」

 

ラカンの放った右ストレートは大和の左手によりあっさり逸らされる。

オマケに右の掌底がラカンの脇腹に食い込んでいた。

 

「くっ、『白打』か!」

 

「喋ってる暇はねぇぞ」

 

そのままの流れで肘、膝、踵などの体中ありとあらゆる部位を使い、適切にラカンの急所めがけて攻撃を繰り出す。

 

が、ラカンはそれらの攻撃を無視。

顎などの意識が飛びそうな部分のみ防御し、他は筋肉の鎧で防ぐ。

 

多少のダメージは覚悟の上で、ひたすらに大和に向かって攻撃する。

 

体格差にものを言わせた強引な戦術だが、それは今のところ功を奏していた。

 

「ハッハー! そんななまっちょろいパンチは効かねぇなぁ!」

 

「っこの筋肉ダルマが!」

 

大和は思わず舌打ちする。こんな雑な拳は一日中だってしのぎ続ける自信はあるが、そんなめんどくさいことは勘弁してほしい。

 

(とっとと決めるか)

 

ラカンの上段蹴りをしゃがんでかわし、初撃と同じ、脇腹への掌底。

だがラカンに致命傷は与えられない。それどころかチャンスとばかりに身を乗り出してくる。

そして、

 

「破道の三十三——蒼火墜」

 

「おほ?」

 

脇腹に触れている右手から蒼い波動が吹き出し、ラカンを飲み込んだ。

 

間抜けな声を残して飛んでいったラカンはそのままの勢いで観客席を覆っている結界に直撃。大男が目の前に飛んでくるという衝撃映像を間近で見た観客は悲鳴を上げた。

 

「な、なんという力量でしょう! 五木選手、これで七度目のチャンピオン防衛! というかラカン選手は生きているのか!?」

 

大和もこれで終わったな、と思い、退場しようと踵を返す。

 

だが、

 

「おいおい、どこ行く気なんだ? ヤマト」

 

振り向いた先には体のあちこちが焦げた、しかしまだまだ戦えそうな様子のラカンが立っていた。

 

「な、なんとラカン選手、未だに戦闘継続の意思を見せている! 本当に人間かこの人!?」

 

程度の差こそあれ、大和も同じ意見だった。

 

(詠唱破棄とはいえ、蒼火墜をゼロ距離で受けてこのダメージ……本当にコイツ人間か?)

 

「こんな楽しい闘い、あっさり終わらせてたまるか! アデアットォ!」

 

懐から出したカードが光り、次の瞬間には無数の剣へと変化していた。

 

「さあ、テメーもとっととその刀を使いやがれ!」

 

あからさまな挑発。だが大和はそれに乗ることにした。

最も、正々堂々と闘いたいなどと思っているわけではなく、早くこの勝負を終わらせたい、と考えているだけなのだが。

 

「いいだろう、すぐに終わらせてやらぁ」

 

そう言って、刀を腰から取る。

黒い鉄拵えの鞘で包まれた刀はただの日本刀にしか見えず、そして実際その通りである。

多少頑丈に造られたという特徴以外は普通の、名すらない日本刀。

しかし、大和が使用するとなると、また別の意味を持つ。

大和は刀を鞘から抜き放ち、

 

 

「霜天に坐せ」

 

 

解号を唱えた。

 

 

 

 

「——氷輪丸!」

 

 

 

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