ネギま!で斬魄刀   作:こごろう

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第十三話

 

「ま、そんなわけで、これからは俺も『完全なる世界』と戦うことにした」

 

「「「「「「「「……え?」」」」」」」」

 

 

明朝、大和の突然の宣言により、『紅き翼』+テオドラは目を丸くした。

 

そして詠春は、大和の顔つきが昔に近づいていることに気がつく。

 

「大和君、もしかして……」

 

「ええ……全部が全部吹っ切れたわけじゃないですけど、少しずつでもいいから、前に進んでいきたいな、と……今まで色々心配かけました」

 

照れくさそうに頬を掻く大和。

 

その仕草は紛れも無く、彼の昔からの癖で——

 

「そうか……良かった、本当に良かった」

 

それを見た詠春は思わず涙ぐむ。

 

「え、ちょ、ちょっと待つのじゃ! なんか感動のシーンっぽいのだが、わらわ達まったくついていけないのじゃ!」

 

テオドラの叫びに同調する『紅き翼』。

 

「うるさいぞテオドラ。空気読め」

 

「できるかなのじゃあああああああああ!!」

 

結局、いつものじゃれ合いになる大和とテオドラ。

 

一方、『紅き翼』の反応はというと。

 

「別にいいんじゃないですか? 彼が協力してくれるというならば心強い」

 

「そうじゃな、実力は保証済みであることじゃし」

 

「ヤマトと共闘か……燃える展開じゃねえか!」

 

「お、おい待てよ、アルにお師匠にジャック! コイツはグレート=ブリッジで戦った敵だぞ!?」

 

概ね同意の意思を見せる『紅き翼』だったが、ナギは異議を唱える。

 

「ナギ、お前は負けたことを根に持っているだけじゃろうが」

 

「むぐっ!?」

 

完全に図星をつかれるナギ。

 

「まったく、ナギはツンデレですねぇ。心の中では誰よりも彼のことを認めているのに」

 

「ああ!? テメェぶっ飛ばすぞアル!」

 

「でもこの前、『あの野郎は絶対に俺が倒す!』って息巻いていましたよね」

 

無邪気にナギの傷口を抉るタカミチ。

 

「……お前って気持ち悪いヤツだな、バカフィールド」

 

「ぐがあががががががあああがが」

 

大和にトドメを刺され、ナギは床でのたうち回る。

 

「ヤマトはわらわの護衛をやめてしまうのか!?」

 

「いや、別にテオドラの護衛をやめる気はねぇし、ましてや『紅き翼』に入るつもりもねぇ。ただ、俺は俺で帝国側から動いてみようってだけだ」

 

「おお、それならばわらわも異論はないぞ! むしろ協力するのじゃ!」

 

大和とテオドラの間でも話は纏まった。

 

「さて、それじゃ帰るぞテオドラ」

 

「もうなのか? もう少しくらいよいではないか」

 

「ダメだ。女騎士とかも心配するぞ。お前は一応皇女だろうが」

 

「一応とはなんじゃ!」

 

じゃれ合いながらもテオドラは帰還の用意をする。

 

流石にテオドラも本気で発言したわけではない。皇女である自分の責任というものを理解している。

 

仕度を終えた二人は隠れ家から外に出る。『紅き翼』のメンバーも見送りをするらしく、外に出てきた。

 

「あ、そうだ! 記念に全員で写真でも撮りませんか!?」

 

タカミチが名案とばかりに声を上げる。

 

「写真ねぇ……俺はいいが、テオドラや皇女さんは立場上マズイんでねえの?」

 

現在、『紅き翼』は御尋ね者だ。

指名手配犯と親しげに写真を撮るというのは問題ありなので、最終的に大和と『紅き翼』だけで写真を撮ることにした。

 

「で、なんでお前が隣に来るんだバカフィールド」

 

「俺だってお前の隣なんてゴメンだっての!」

 

「もう撮りますから、二人とも喧嘩しないでくださいよ」

 

 

結局、大和とナギが顔を背け合うという、微笑ましいようなそうでないような写真しか撮れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、これで失礼します詠春さん」

 

「ああ、君も気を付けてくれ」

 

「お前らも縁があったらまた会うかもな」

 

「おう、また闘技場で戦おうぜヤマト!」

 

「けっ、もう来るんじゃねえよ」

 

「バカフィールド、お前には言ってない」

 

「ああ!?」

 

『紅き翼』との別れをすませ、大和はアリカへと向き直おる。

 

「王女さん、今回はアンタにも世話になった」

 

「……立ち直おったのはお主自身の力によるものじゃ。わらわは何もしておらぬ」

 

「それでも、感謝する」

 

「……ふん」

 

アリカは顔を背ける。どうやら照れているらしい。

 

「あんまりバカフィールドが頼りないなら俺を呼べ。多少は力になろう」

 

「んだとコラァ!」

 

「ナギ、もうあなた完璧にチンピラですよ」

 

 

そうして大和とテオドラは帝国へと帰還し、『完全なる世界』との抗争に身を投じることになる。

 

 

(まだ、あの日の気持ちを完全に取り戻したわけじゃない)

 

 

思い返すのは、いつもの場所で、少し気になっていた女の子とした約束。

 

 

——誰かを助けたい。

 

 

(でも、いつかきっと、取り戻してみせる)

 

 

 

大和は再度己に誓う。

 

 

たとえ辛いことがあろうとも、今度は見失わないように。

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